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BRCA1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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BRCA1(breast cancer susceptibility gene I)とは、がん抑制遺伝子の一種であり、その変異により遺伝子不安定性を生じ、最終的に乳癌を引き起こす。

遺伝子座

17番染色体セントロメアに近いq21.32領域にマップされている[1]

病理

  • BRCA1は、DNA損傷時のシグナル伝達において重要な役割を持つ。細胞周期に依存したリン酸化を受けるほか、DNA損傷に伴ってリン酸化を受ける。リン酸化されたBRCA1はDNA修復蛋白と協調してDNA損傷を修復する[1]
  • BRCA1変異を伴う家族性乳癌家系では、若年性乳癌と両側性乳癌の頻度が高く卵巣癌の併発も多い。BRCA1とBRCA2の変異を併せ持っていると、乳癌の生涯罹患率が80%以上にまで跳ね上がる(アメリカ合衆国のデータ)。このことが確認されて以来、米国ではその変異遺伝子キャリアに対する予防的乳房全切除術が本人の任意によって行われており、現在のところ、その癌予防効果は100%近い。

文献

  1. ^ 三木義男 家族性乳癌原因遺伝子 戸井雅和編「乳癌の基礎と臨床」p35-43

関連項目