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ミストラル (ミサイル)

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ミストラルを使用するSIMBAD発射機

ミストラル(Mistral)は、フランスマトラ社(現在は、MBDA社)製の対空ミサイルである。

歩兵の肩撃ち式携帯型ミサイルから、ヘリコプター搭載の短距離空対空ミサイル、艦艇の個艦防御用ミサイルまで幾つかの形式が作られている。しばしば発射機の名称で呼ばれるが、ミサイル自体は基本的に共通である。25ヶ国に採用され、15,000基以上のミサイルを販売している。配備開始は1988年。

主要目

ASPICを搭載する、プジョーP4

軽量小型で短射程の打ち放し式ミサイルであり、即応性に優れたミサイルである。

  • 射程:6km
  • 全長:1.86m
  • 直径:90mm
  • 重量:18.7Kg
  • 速度:マッハ2.5
  • 弾頭:3Kg
  • 開発:1989年(S1)、1997年(S2)
  • 誘導方式:赤外線
  • 推進方式:固体ロケット

地対空型

地対空型の本ミサイルは大きく分けて歩兵の携帯するものと車輌等で運搬するものがある。

車上あるいは地上に設置して使用する連装発射機「Atlas」と、同じく連装であるが装甲車に追加する回転砲座に固定された「Albi」では、歩兵が2人1組で使用する肩撃ち式では望めない対空レーダーの援用が期待できる。25kmまでカバーする対空レーダーを持つ統制車両であるMCPにより、ミストラル自体は、短射程の打ち放し式ミサイルであるにもかかわらず、効率的な目標選択を可能としている。

タレス社により、スティンガー兼用4連装発射機ASPICと統制システムMygaleが開発されている。ASPICは、フランス陸軍にも採用されている。また、Mygaleの一種をサマンサ(SAMANTHA)として、こちらも採用している。

空対空型

ティグールHAP攻撃ヘリコプターのスタブウイングに搭載されたミストラルの連装発射機(写真左側)。

ヘリコプターのスタブウイング等に取り付けられた連装発射機から発射される空中発射型の短距離空対空ミサイル(Air to Air Mistral、AAMAir-Air Tres Courte Portee)も製造・配備されている。

艦対空型

艦載型も作られ、本ミサイルの艦載用発射機は、連装型がシンバッド(SIMBAD)、4連装型がテトラル(TETRAL)、6連装型がサドラル(SADRAL)と名付けられ、25/30mm機関砲を含む3連装発射機はシグマ(SIGMA)と呼ばれる。

外部リンク