コンテンツにスキップ

XCB

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Point136 (会話 | 投稿記録) による 2009年6月19日 (金) 01:39個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Bot: fix template usage)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

XCB
開発元 Jamey Sharp, Josh Triplett, Bart Massey
最新版
リポジトリ ウィキデータを編集
対応OS POSIX
種別 Xコアプロトコル 開発ライブラリ
ライセンス MIT
公式サイト xcb.freedesktop.org
テンプレートを表示

XCBX C Binding)は、X Window SystemC言語バインディングである。Xlibを置換することを目的としている。このプロジェクトは Bart Massey が2001年に開始した。

Xlib/XCB は Xlib と XCB の ABI 互換性を提供することで、段階的な移植経路を提供するものである。Xlib/XCB は Xlib のプロトコル層を使うが、Xlib トランスポート層は XCB で置換しており、XCB を直接使うために XCB コネクションにアクセスできるようになっている。

XCB の目的

XCB の主な目的は以下の2つである。

  • ライブラリサイズを小さくし、単純化する。
  • Xコアプロトコルに直接アクセスする。

後者の目的には、C言語インタフェースを非同期にするという意味も含まれ、マルチスレッド化しやすくし、(XMLプロトコル記述による)拡張実装を容易にする。

コアプロトコルと拡張プロトコルはXMLで記述され、CバインディングはXSLTによって生成される(以前のバージョンではM4を使っていた)。第三の目的は、このプロトコル記述をプロトコルに関する文書生成に再利用したり、C言語以外のバインディングやサーバサイドのスタブ生成に活用することである。

Massey らは XCB の主要部分の形式的検証Z言語を使って行ってきた(Xlib には誤りがあることが以前から知られていた)。

/* ウィンドウ内に四角形を描画する単純な XCB アプリケーション */

#include <xcb/xcb.h>
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main()
{
  xcb_connection_t    *c;
  xcb_screen_t        *s;
  xcb_window_t         w;
  xcb_gcontext_t       g;
  xcb_generic_event_t *e;
  uint32_t             mask;
  uint32_t             values[2];
  int                  done = 0;
  xcb_rectangle_t      r = { 20, 20, 60, 60 };

                       /* サーバとのコネクションをオープン */
  c = xcb_connect(NULL,NULL);
  if (xcb_connection_has_error(c)) {
    printf("Cannot open display\n");
    exit(1);
  }
                       /* 第一スクリーン取得 */
  s = xcb_setup_roots_iterator( xcb_get_setup(c) ).data;

                       /* グラフィックスコンテキスト生成 */
  g = xcb_generate_id(c);
  w = s->root;
  mask = XCB_GC_FOREGROUND | XCB_GC_GRAPHICS_EXPOSURES;
  values[0] = s->black_pixel;
  values[1] = 0;
  xcb_create_gc(c, g, w, mask, values);

                       /* ウィンドウ生成 */
  w = xcb_generate_id(c);
  mask = XCB_CW_BACK_PIXEL | XCB_CW_EVENT_MASK;
  values[0] = s->white_pixel;
  values[1] = XCB_EVENT_MASK_EXPOSURE | XCB_EVENT_MASK_KEY_PRESS;
  xcb_create_window(c, s->root_depth, w, s->root,
                  10, 10, 100, 100, 1,
                  XCB_WINDOW_CLASS_INPUT_OUTPUT, s->root_visual,
                  mask, values);

                       /* ウィンドウをマップ(表示)する */
  xcb_map_window(c, w);
  
  xcb_flush(c);

                       /* イベントループ */
  while (!done && (e = xcb_wait_for_event(c))) {
    switch (e->response_type & ~0x80) {
    case XCB_EXPOSE:    /* ウィンドウ描画/再描画 */
      xcb_poly_fill_rectangle(c, w, g,  1, &r);
      xcb_flush(c);
      break;
    case XCB_KEY_PRESS:  /* キー押下で exit */
      done = 1;
      break;
    }
    free(e);
  }
                       /* サーバとのコネクションをクローズ */
  xcb_disconnect(c);

  return 0;
}

XCB はこの例からも分かるとおり、Xlibにほぼ相当するものの、API の抽象化レベルは若干低い。

参考文献

外部リンク