System p
System p(従来の名称はpSeries、RS/6000(RISC System/6000))は、IBMのRISC/UNIXベースのワークステーションとサーバのシリーズである。System pのpはperformance(パフォーマンス)を意味する。
歴史
1990年、RT-PCの後継として RS/6000 が発表された。この製品ファミリは何回か名称が変更されてきた。当初、サーバもワークステーションも RS/6000 と呼ばれていた。その後、2000年の e-Server ブランド戦略により、サーバだけを eServer pSeries とした。2004年、POWER5 プロセッサの導入に際して、ブランド名を eServer p5 とした。2005年、ブランド名戦略の変更により、このファミリは再び System を頭に置くブランド名とされ、System p5 となった。System p5 には新たに IBM OpenPower 製品ラインが登場した。
広い範囲をカバーしているが、ワークステーションは徐々に品揃えを減らしつつある。
プロセッサ
初期の RS/6000 では、POWER および POWER2 プロセッサが使われていた。PowerPC ISA が開発されると、下位機種は PowerPC 604e などを使うようになった。上位機種やクラスターでは、浮動小数点演算性能の高い POWER が引き続き使われた。整数演算性能が重視される商用向け機種では PowerPC から派生した RS64 が使われた。
POWER4 が開発されると RS64 は使われなくなった。このためビジネス向けと科学技術計算向けの区別がなくなった。現在、System p は主に POWER5+ を使っているが、一部の下位機種やブレードサーバでは PowerPC 970 も使われている。現在、POWER5+ 2.3GHzが最高である。
機能
IBM System p5 と IBM eServer p5 は、仮想I/Oを備えた動的論理パーティショニングとマイクロパーティショニングをサポートしている。
System p は一般に AIX オペレーティングシステムを使用し、最近では 64ビット版の Linux も使用される。2008年1月現在、AIXはV6.1が最新である。
ディープ・ブルー
ディープ・ブルーはRS/6000をベースに作られたスーパーコンピュータであり、正式な時間制限でチェスの世界チャンピオン(ガルリ・カスパロフ)に初めて勝利したコンピュータとなった。30台のRS/6000で構成されたマシンに、480台の特殊なチェス専用VLSIを接続していた。チェスプログラムはC言語で書かれ、AIX 上で動作した。ディープ・ブルーは1秒間に20億箇所の位置を評価する能力を有していた。
関連項目
参考文献
この記事は2008年11月1日以前にFree On-line Dictionary of Computingから取得した項目の資料を元に、GFDL バージョン1.3以降の「RELICENSING」(再ライセンス) 条件に基づいて組み込まれている。