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「大アルカナ」の版間の差分

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|10||'''[[運命の輪]]'''(運命の車、[[革命]]、[[幸運|幸運神]]、[[時代]]、報い、[[輪]])||幸運・転機・向上||06[[処女宮]]
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|11<br/>''(8)''||'''[[正義 (タロット)|正義]]'''(裁判の女神、主席判事、[[正義の女神]]、[[バランス]])||平等・正しさ・正当な判決||10[[磨羯宮]]
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|12||'''[[吊された男|吊るされた男]]'''([[死刑囚]]、[[使徒]]、[[殉教者]]、処刑台、吊るし人)||英知・慎重・試練・直観||12[[双魚宮]]
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|14||'''[[節制 (タロット)|節制]]'''([[グレートマザー]]、[[大天使]]、天界の女王、閃き)||調整・中庸・倹約・管理||04[[巨蟹宮]]
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|15||'''[[悪魔 (タロット)|悪魔]]'''([[黒魔術師]]、[[サタン]]、[[情欲]]、[[堕天使]]、[[バフォメット]])||暴力・激烈・宿命・黒魔術||07[[天秤宮]]
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|16||'''[[塔 (タロット)|塔]]'''([[稲妻]]、神の家、[[神罰]]、[[バベルの塔]]、脆さ、落雷の塔)||悲嘆・災難・不名誉・転落||01[[白羊宮]]
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2023年11月22日 (水) 10:55時点における版

大アルカナ(だいアルカナ、major arcana)は、タロットの一組78枚のうち22枚を構成する寓意画が描かれたカードを指す。

概要

「アルカナ」とはラテン語arcanum=アルカーヌムの複数形arcanaであり、「机の引き出し」の意味から引き出しに「隠されたもの」を指し、さらに転じて「秘密」「神秘」などの意味になった。タロットを神秘的なものと見るようになった19世紀頃から使われ始めた言葉で、ゲーム用具としてのタロットでは、単に「切り札英語: trumpフランス語: atout など)」と呼ばれる。ただし神秘主義に基づいて創作されたタロット・カードであってもアレイスター・クロウリーの「トートのタロット」のように "TRUMP" という言葉を使っている例はある。

愚者」のカードを切り札に含めるかどうかは地域差があり、フランスでは切り札とは独立したカードとしているが、オーストリアなど中央ヨーロッパでは22番目の切り札としている。神秘主義に基づく創作系のタロット・カードにおいても、「愚者」を大アルカナに含めるかどうかは説が分かれている(後述)。また「星」から「世界」までの5枚のカードは「アリエ」(ラテン語で「天」の意味)と呼ばれ、切り札の中でも最強のものとされた。

ヘブライ文字との関係

枚数が22枚であることから、神秘主義者らによってヘブライ文字22文字やセフィロト(生命の木)の22本の経路と関連づけて解釈される事が多い。しかしヘブライ文字と22枚のカードのどれとどれを関係付けるかは複数の説がある[注釈 1]

意味解釈

  • カードの順番配列にはいくつもの説がある。この表の順番配列はウェイト版タロットである。
    • アーサー・エドワード・ウェイトは、8番を力、11番を正義にして、旧来の順番を入れ替えた[注釈 2]とされるが、最初にこの入れ替えをしたのはウェイトではない。ウェイト版タロットが有名になったため、この入れ替えはウェイト式と認識されるようになったのである。以後、英米ではそれに倣うカードが多く創作されたため、世界のタロットカードには旧来の順番に従うものとウェイト版タロットのものとの二大系列ができた[注釈 3]。伝統的なマルセイユ版タロットは前者(旧来の順番に従うもの)に属する。
    • 「愚者」のカードは番号が与えられず無記のままかもしくは22番であったのを、フランスのエッティラは大アルカナ21枚と切り離し小アルカナの後ろに置いて78番とした[注釈 4]パピュスは愚者を21番、世界を22番とした[注釈 5]。英国のウェイトが初めて愚者を0番としたとの説があるがこれは誤りで、正しくはアントワーヌ・クール・ド・ジェブランである。現在では愚者のカードはそのタロットによって、0番、21番、22番、無記の4種類のタロットがある(愚者を21番とする場合は世界を22番とする)。また8番と11番の位置の如何にかかわらず、愚者のカードの位置は、冒頭(1番の前)に配されるもの、大アルカナの最後(21番の後、小アルカナの前)に配されるもの、20番と21番の間に配されるもの、小アルカナも含めた全カードの最後に配されるもの、と4種類のデッキがある[注釈 6]
  • この表の「意味」の項の説明はウェイトのタロット図解に基づく[注釈 7]
  • この表にあげた西洋占星術星座惑星との関連の項は、あくまで一例であり、参考としてあげたまでである。カードと占星術の関係をどうあてはめるかは18世紀のエッティラの説を最初とし、それ以降、現代に至るまで欧米日の神秘家たちによる数多くの説[注釈 8]が存在するので、注意が必要である(詳細はそれぞれのカードの頁を参照)
番号 タイトル 意味 占星術(一例)
0
(22,21,無番号)
愚者ジプシー道化師物質主義者 夢想・愚行・極端・熱狂 火星
1 魔術師異教徒奇術師賢者せむし道士香具師 意志・手腕・外交 水星
2 女教皇イブ、女司祭、隠されたイシス、ジュノー 秘密・神秘・英知 土星
3 女帝(現われたイシス、皇后大地ビーナス 実り・行動・月日の長さ・未知 金星
4 皇帝オシリス元首、ジプシーの王、立方体の石) 統治・堅固さ・防御・同盟 木星
5 教皇司祭長、ジプシープリンス、法王、法の審判) 信条・社会性・恵みと有徳 02金牛宮
6 恋人エルメスエロス結婚、二つの道、優柔不断、 魅力・愛美 03双児宮
7 戦車凱旋勝利の王、征服者 援軍・摂理・勝利・復讐 09人馬宮
8
(11)
女力士剛毅説得ヘラクレス勇気 力・勇気・寛大・名誉 05獅子宮
9 隠者賢者反逆者老人 深慮・忠告を受ける・崩壊 11宝瓶宮
10 運命の輪(運命の車、革命幸運神時代、報い、 幸運・転機・向上 06処女宮
11
(8)
正義(裁判の女神、主席判事、正義の女神バランス 平等・正しさ・正当な判決 07天秤宮
12 吊るされた男死刑囚使徒殉教者、処刑台、吊るし人) 英知・慎重・試練・直観 12双魚宮
13 死神時間、不死性、霊魂
※無記名の場合アリ
停止・損失・死と再生 08天蝎宮
14 節制グレートマザー大天使、天界の女王、閃き) 調整・中庸・倹約・管理 04巨蟹宮
15 悪魔黒魔術師サタン情欲堕天使バフォメット 暴力・激烈・宿命・黒魔術 10磨羯宮
16 稲妻、神の家、神罰バベルの塔、脆さ、落雷の塔) 悲嘆・災難・不名誉・転落 01白羊宮
17 希望、賢人の星、シリウス時間 希望と吉兆・瞑想・放棄 [要曖昧さ回避]
18 黄昏ヘカテ魔王霊界 隠れた敵・幻想・欺瞞・失敗
19 太陽インスピレーション赤ん坊、永遠の青春、双子 物質的な幸福・幸運な結婚 太陽
20 審判名誉復活最後の審判永遠怒りの日石棺 復活・位置の変化・更新 ----
21
(22)
世界宇宙帰還真実大地地球導師ソフィア 完成・約束された成功・旅 黄道12宮

脚注

注釈

  1. ^ セフィロトの経路とカードの関係についてもその組み合わせは多くの説がある。
  2. ^ 入れ替えた理由は、占星術との関係からみてカードが12星座の順に並ぶように考慮したためであるが、アレイスター・クロウリーはその件について「良くないことだ」として非難している。
  3. ^ 誤った表現が散見されるが、8番と11番が入れ替わったものが全て「黄金の夜明け団」の系統というわけではなく、逆に「黄金の夜明け団」と関係したものでもマルセイユ版と同様の伝統的な順番になっているものもある。小アルカナの数札に付与された絵柄についても然り。これらの特徴は「黄金の夜明け団」の影響ではなく、「ウェイト版」の影響というのが実態に即して適切である。
  4. ^ エッティラは愚者のカードを大アルカナでも小アルカナでもない第三のカテゴリーと考えたか、あるいは大アルカナと小アルカナの区別を認めなかったのか、いずれかであるが、このような考えは以後のオカルチストらには踏襲されず、以下のほとんどの研究家たちは愚者のカードを大アルカナに含めている。
  5. ^ 「愚者」を「審判」と「世界」の間に置く並べ順は、各カードに対応させたヘブライ文字のアルファベット順に合わせたものである。
  6. ^ ウェイトは0番(愚者)を初めて20番と21番の間に置いたとの説があるがこれは誤りで、ウェイトは0番(愚者)を大アルカナの最初に置いた。初めて20番と21番の間に置いたのはパピュスである。
  7. ^ マルセイユ版などに基づく伝統的な解釈とは大きく食い違っている部分があるので注意が必要である。
  8. ^ 大雑把には7系統、細かい違いも数えれば22もの説がある。パピュスの説はカバラ文献の『形成の書』に基づくとの説があるが誤りで、エッティラの説を微修正したものである。また「黄金の夜明け団」の説の説では7惑星12星座が19枚の大アルカナに配当され、残る3枚が水火風の3元素に対応しているが、この3枚の元素カードに天海冥の3惑星を当てたのはポール・フォスター・ケースである。ほとんどが欧米人であるが日本では辛島宜夫アレクサンドリア木星王の2大タロット師が有名である。辛島の説はメアリー・ベックウィズ・コーエンの説を独自に修正したもの、木星王はC・C・ザインの説を微修正して採用していた。日本では他にアビーネ藍エトワール舟黎弦エニシもそれぞれ独自説だが、ともに辛島の説を微修正したものである。アビーネ藍は二つの説を紹介しておりもう一つはスニー・イデルスの説を微修正したものである。

出典

関連項目

外部リンク