「加藤九祚」の版間の差分
表示
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
19行目: | 19行目: | ||
2001年より単独編集誌『[[アイハヌム]] 加藤九祚一人雑誌』を秋から冬にかけ、毎年1冊東海大学出版会で刊行している(2010年版は、他の著作が重なり翌年刊)。 |
2001年より単独編集誌『[[アイハヌム]] 加藤九祚一人雑誌』を秋から冬にかけ、毎年1冊東海大学出版会で刊行している(2010年版は、他の著作が重なり翌年刊)。 |
||
2016年9月、ウズベキスタンで発掘調査中に倒れ、搬送されたテルメズの病院で死去。享年94。 |
|||
== 著書 == |
== 著書 == |
2016年9月12日 (月) 10:27時点における版
加藤 九祚(かとう きゅうぞう、1922年5月18日 - 2016年9月11日[1])は、日本の人類学者。アジア文化史。創価大学、国立民族学博物館名誉教授。
経歴
朝鮮慶尚北道生まれ、山口県に育つ。鉄工所工員・小学校代用教員を経て、上智大学予科入学。1944年に応召し、満洲へ出征。1945年敗戦により、ソ連軍に捕らえられ、シベリア抑留。1950年帰国、1953年に上智大学文学部独文科卒業、平凡社入社。
ユーラシア大陸の考古学等の研究・翻訳紹介を始め、1963年、最初の著作『シベリアの歴史』を刊行。
- 1975年、国立民族学博物館教授。
- 1976年、ロシアの日本学者ニコライ・ネフスキーの評伝『天の蛇』で大佛次郎賞受賞。
- 1983年、「北東アジア民族学史の研究」で大阪大学学術博士。
- 1986年、民博退官後、相愛大学教授、創価大学教授。
- 1991年、大阪市民表彰。
- 1992年、ロシア科学アカデミー名誉歴史学博士。
- 1994年、大同生命地域研究賞受賞。
- 1999年、南方熊楠賞受賞。
- 2009年、個人雑誌『アイハヌム』でパピルス賞受賞。
- 2011年、秋の叙勲で瑞宝小綬章受章。
1998年以降、ウズベキスタン科学アカデミー考古学研究所と共同で、テルメズ郊外カラテパでクシャン時代の仏教遺跡の発掘を開始、2002年秋には出土品を東京・奈良・福岡で展示。現在も発掘を継続している。2002年ウズベキスタン政府より「ドストリク」(友好)勲章、テルメズ市より「名誉市民」章を受ける。
2001年より単独編集誌『アイハヌム 加藤九祚一人雑誌』を秋から冬にかけ、毎年1冊東海大学出版会で刊行している(2010年版は、他の著作が重なり翌年刊)。
2016年9月、ウズベキスタンで発掘調査中に倒れ、搬送されたテルメズの病院で死去。享年94。
著書
- 『シベリアの歴史』紀伊国屋新書, 1963 / 紀伊國屋書店(復刻版), 1994
- 『シルクロードの十字路 中央アジアの昔と今』ベースボール・マガジン社「秘境探検双書」, 1965
- 『西域・シベリア タイガと草原の世界』新時代社, 1970 / 中公文庫(増補版), 1991
- 『シベリアに憑かれた人々』岩波新書, 1974、復刊1988
- 『ユーラシア文明の旅』新潮選書, 1974 / 中公文庫(増補版), 1993
- 『天の蛇 ニコライ・ネフスキーの生涯[2]』 河出書房新社, 1976、完本版2011
- 『中央アジア遺跡の旅』 日本放送出版協会〈NHKブックス〉, 1979
- 『シベリア記』潮出版社, 1980
- 『ヒマラヤに魅せられたひと ニコライ・レーリヒの生涯』人文書院, 1982
- 『ユーラシア記』法政大学出版局, 1984
- 『北東アジア民族学史の研究 江戸時代日本人の観察記録を中心として』恒文社, 1986
- 『北・中央アジアの歴史と文化 NHK市民大学』日本放送出版協会, 1987
- 『ユーラシア野帳』恒文社, 1989
- 『続 ユーラシア文明の旅』私家版, 1991 / 増補改訂版 『シルクロード文明の旅』 中公文庫, 1994
- 『初めて世界一周した日本人』新潮社〈新潮選書〉, 1993
- 『中央アジア歴史群像』岩波新書, 1995
- 『中央アジア北部の仏教遺跡の研究』なら・シルクロード学研究センター, 1997
- 『シルクロードの大旅行家たち』岩波ジュニア新書, 1999
- 『シルクロードの古代都市 アムダリヤ遺跡の旅』岩波新書, 2013
ロシア語著作
- Като Кюдзо,СИБИРЬ В СЕРДЦЕ ЯПОНЦА 『日本人の心のシベリア』 ノヴォシビルスク, 1992年
共著・編著
- 第二次世界大戦 相田重夫共著 青木書店(青木文庫), 1955
- シルクロード事典 前嶋信次共編 芙蓉書房, 1975、新版1993
- シルクロード 人と出逢う旅 斎木幸子共著 駸々堂出版, 1976
- ユーラシアシルクロード (1.2) 加藤久晴共著 日本テレビ放送網, 1981
- シルクロード 読者マップ 長澤和俊、護雅夫との対話集 筑摩書房, 1983
- 日本のシャマニズムとその周辺(編著)日本放送出版協会, 1984
- ウズベキスタン考古学新発見 ピダエフ共著 東方出版, 2002
- アイハヌム-加藤九祚一人雑誌 東海大学出版会, 2001~毎年度秋・冬に刊行
翻訳
- 実存主義批判 ロジェ・ガロディー 青木文庫 1955
- ソヴェト大百科事典 第二次世界大戦 相田重夫共訳 青木文庫 1955
- 湖底に消えた都 イッシク・クル湖探検記 ボリス・ジューコフ 角川新書 1963
- 知られざる大地.一探検家チェルスキー夫妻の生涯 アルダン・セミョーノフ 学習研究社 1965
- 新版改題 「永遠のシベリア」 新時代社 1970
- 黄河源流からロプ湖へ プルジェワルスキー 中野好之共訳 白水社 1967
- 「世界探検全集9.黄河源流からロプ湖へ」単独訳、河出書房新社 1978
- 黄金のトナカイ 北アジアの岩壁画 アレクセイ・パウロウィチ・オクラードニコフ 美術出版社 1968
- 西域の秘宝を求めて 新時代社 1969、編訳
- 極地に消えた人々 北極探検記 ワシーリー・パセツキー 白水社 1969
- 埋もれたシルクロード V.マッソン 岩波新書 1970
- スキタイの芸術 S.ルデンコ 江上波夫共訳 新時代社 1971
- 極北の人たち シムチェンコ 岩波新書 1972
- シベリアの古代文化 アジア文化の一源流 アレクセイ・オクラードニコフ 加藤晋平共訳 講談社 1974
- デルス・ウザーラ V.アルセーニエフ 角川書店 1975
- カムチャツカからアメリカへの旅 G.ステラー 河出書房新社 1978
本書には、S.クラシェニンニコフ『カムチャツカ誌』の抄訳も収録 - 日本 フォン・シーボルト 共訳 雄松堂書店 1979、訳者の一員
- 古代サマルカンドの壁画 L.I.アリバウム 文化出版局 1980
- 埋もれた古代王国の謎 幻の国ウラルトゥを探る ボリス・ピオトロフスキー 岩波書店 1981
- ソ連国立歴史博物館ロシアの染織 学習研究社 1984
- エルミタージュ美術館 ボリス・B.ピオトロフスキー 岩波書店 1985
- 草原の国モンゴル D.マイダル 新潮選書 1988
- シルクロードの黄金遺宝 シバルガン王墓発掘記 V.I.サリアニディ 岩波書店 1988
- 考古学が語るシルクロード史 中央アジアの文明・国家・文化 エドヴァルド・ルトヴェラゼ 平凡社 2011
- 小説遊牧民 イリヤス・エセンベルリン 東海大学出版会、2011
参考
脚注
- ^ “シルクロード研究の国際的大家、加藤九祚氏が死去 国立民族学博物館名誉教授”. 産経新聞. (2016年9月12日) 2016年9月12日閲覧。
- ^ ネフスキーは、天才的な東洋言語学者で夫人は日本人。帰国後、ソ連・スターリン体制で「国家叛逆罪」により、日本人妻イソと共に粛清処刑された(スターリンの死後に名誉回復)。初版では、没年を1945年と記載したが、その後の関係者の調査で1937年であることが判明した。新版で「死の真相」解明と、遺族(長年の交流がある)や関係者たちのその後を増補した。なおネフスキー自身の論考集『月と不死』(平凡社東洋文庫、編・解説は加藤)がある。