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!#||艦名||起工||進水||就役||退役 |
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2015年7月31日 (金) 08:40時点における版
サクラメント級高速戦闘支援艦 | ||
---|---|---|
艦級概観 | ||
艦種 | 高速戦闘支援艦(AOE) | |
艦名 | 都市名。1番艦はサクラメントに因む。 | |
建造期間 | 1961年 - 1969年 | |
就役期間 | 1964年 - 2005年 | |
次級 | サプライ級高速戦闘支援艦 | |
性能諸元[1] | ||
排水量 | 軽荷:18,700トン | |
満載:53,600トン | ||
全長 | 241.7 m | |
全幅 | 32.6 m | |
吃水 | 11.6 m | |
機関 | ボイラー (42.2kgf/cm², 480℃) |
4缶 |
蒸気タービン (53,000 hp (40 MW)*) |
2基 | |
スクリュープロペラ | 2軸 | |
速力 | 最大26ノット | |
航続距離 | 10,000海里 (17kt巡航時) | |
乗員 | 士官33名+下士官兵567名 | |
兵装 | シースパロー短SAM発射機 | 1基 |
Mk.15 20mmCIWS | 2基 | |
12.7mm単装機銃 | 4基 | |
艦載機 | UH-46輸送ヘリコプター | 2機 |
レーダー | AN/SPS-40 対空捜索用 ※ 1,2番艦のみ |
1基 |
AN/SPS-10 対水上捜索用 | 1基 | |
AN/SPS-53 航海用 | 1基 | |
電子戦・ 対抗手段 |
AN/SLQ-32(V)3電波探知妨害装置 | |
Mk.137 デコイ発射機 | 4基 | |
AN/SLQ-25 対魚雷デコイ | 1組 |
サクラメント級高速戦闘支援艦(英語: Sacramento-class fast combat support ship)は、アメリカ海軍が運用していた補給艦の艦級。基本計画番号はSCB196であった[1]。
1964年より順次に4隻が就役し、2005年までに全艦が退役した。
設計
本級は、1隻で空母戦闘群(現在の空母打撃群)に必要な物件全てを賄えるものとされており、高速戦闘支援艦(AOE)という艦種の最初の艦級である[2]。従来、艦隊の支援には給油艦(タンカー)と戦闘補給艦(貨物船)など複数の艦種が必要であったが、AOEでは一隻で液体(燃料、真水など)、ドライカーゴ(食料、弾薬など)を同時に補給することができる。
満載排水量50,000トンという大型艦で20ノットを超える高速を発揮させるため、1番艦と2番艦には、アイオワ級戦艦の6番艦「ケンタッキー」(BB-66)向けに製造されたものの、同艦の建造中止にともなって余剰となっていた蒸気タービン主機関が半分ずつ流用されている[2][3]。
能力
補給機能
- 洋上移送
- 補給ステーションはSTREAM(Standard Tensioned Replenishment Alongside Method)に対応しており、液体貨物用のものは6ヶ所(4ヶ所はホース2本、2ヶ所はホース1本)が設定されている。給油速度はポンプあたり毎分約11キロリットルであった。一方、ドライカーゴ用のものは7ヶ所(うち4ヶ所は重量級貨物に対応)が設定されていた[4]。
- 洋上移送は基本的に両舷で行うことができるが、空母に対しては左舷のみの対応であった[3]。
- なお、2番艦は後に、新型洋上補給装置(standard Navy UNREP)の試験艦としても用いられた[1][2]。
- 物資格納
- 標準的な搭載内容は下記の通りとされていた[3]。
- 貨油28,100キロリットル
- 弾薬2,150トン
- 冷凍糧食250トン
- その他ドライカーゴ250トン
- 航空補給
- 艦尾にハンガーおよびヘリコプター甲板を備えており、VERTREP補給も行うことができる。ハンガーは3機分が設けられており、それぞれ、長さ14.3~15.85メートル×幅5.2~5.8メートル×高さ5.5~5.6メートルとされていた[3]。ただし実際の搭載数は2機とされていたことも多かった[2]。
自衛機能
艦隊に随伴する必要から、本級は比較的充実した武装を備えていた。当初はMk.56 砲射撃指揮装置2基と組み合わせてMk.33 3インチ連装速射砲4基を搭載していたが、1970年代にこれらは撤去され、かわってシースパロー個艦防空ミサイル・システムのためのMk.29 8連装ミサイル発射機1基とMk.91 ミサイル射撃指揮装置2基、ファランクスCIWS2基が搭載された。またAN/WLR-1電波探知装置もAN/SLQ-32に更新されたほか、3番艦ではTAS Mk.23低空警戒レーダーも搭載された[3]。
なおAN/SQS-26ソナーの搭載も想定されていたが、実際の搭載は行われなかった[3]。
同型艦
# | 艦名 | 起工 | 進水 | 就役 | 退役 |
---|---|---|---|---|---|
AOE-1 | サクラメント USS Sacramento |
1961年 6月30日 |
1963年 9月14日 |
1964年 3月14日 |
2004年 10月1日 |
AOE-2 | カムデン USS Camden |
1964年 2月17日 |
1965年 5月29日 |
1967年 4月1日 |
2005年 10月14日 |
AOE-3 | シアトル USS Seattle |
1965年 10月1日 |
1968年 3月1日 |
1969年 4月5日 |
2005年 3月15日 |
AOE-4 | デトロイト USS Detroit |
1966年 11月29日 |
1969年 6月21日 |
1970年 3月14日 |
2005年 2月17日 |
AOE-5 | 未着手のまま建造中止 |
参考文献
- ^ a b c Bernard Prezelin (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. pp. 835-836. ISBN 978-0870212505
- ^ a b c d 「洋上補給艦 (写真特集・今日のアメリカ軍艦)」『世界の艦船』第605号、海人社、2003年1月、109-116頁、NAID 40005452828。
- ^ a b c d e f Norman Polmar (2005). The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet. Naval Institute Press. pp. 272-273. ISBN 978-1591146858
- ^ 米国科学者連盟 (1999年3月5日). “Federation of American Scientists - AOE-1 Sacramento Fast Combat Support Ship” (英語). 2015年7月6日閲覧。
関連項目
- 同時期の諸外国海軍の補給艦