コンテンツにスキップ

「シンフォニック・ロック」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
75行目: 75行目:
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|[[:en:Hymn to the Immortal Wind|Hymn To The Immortal Wind]](2009年)<br>[[:en:Holy Ground: NYC Live With The Wordless Music Orchestra|Holy Ground: NYC Live With The Wordless Music Orchestra]](2010年)<br>[[:en:For My Parents|For My Parents]](2012年)
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|[[:en:Hymn to the Immortal Wind|Hymn To The Immortal Wind]](2009年)<br>[[:en:Holy Ground: NYC Live With The Wordless Music Orchestra|Holy Ground: NYC Live With The Wordless Music Orchestra]](2010年)<br>[[:en:For My Parents|For My Parents]](2012年)
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|オーケストラを取り入れた[[ポスト・ロック]]。
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|オーケストラを取り入れた[[ポスト・ロック]]。
|-
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|[[THE ALFEE]]
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|[[THE ALFEE CLASSICS with LONDON SYNPHONY ORCHESTRA]](1990年)<br>[[THE ALFEE CLASSICS II|THE ALFEE CLASSICS II THE ALFEE with Royal Phillharmonic Ochestra]](1996年)<br>[[THE ALFEE CLASSICS III|THE ALFEE CLASSICS III THE ALFEE with Royal Phillharmonic Ochestra]](2001年)
|style="text-align: left; vertical-align: top;"|3作品とも編曲は、[[服部克久]]が担当している。またライブでも、服部が指揮とピアノを担当した。
|}
|}



2013年8月4日 (日) 13:05時点における版

シンフォニック・ロック(英語:symphonic rock)は、特定の要素を持つロック・バンドや、その作品を分類した言葉。

概要

クラシック音楽交響曲(シンフォニー)のような音響や、曲想の展開等を持つロック。シンセサイザーメロトロン、あるいは実際のオーケストラを駆使して得られるシンフォニック・サウンドをアレンジに加え、厚みや広がりを持った作品に仕上げるのが主な特徴。

プログレッシブ・ロックと近い位置にあり、実際に、かなりのバンド/作品が重複しているが、イコールではない。シンフォニック・サウンドを有していないプログレッシブ・ロックもあり、また、ハードロックを基調としたバンドがシンフォニック・サウンドを取り入れる場合もある(例:アメリカのバンド「マジェラン」は、プロデューサーのマイク・ヴァーニーが「シンフォニック・ハード・ロック」と呼称している)。

様式

シンフォニック・サウンドの取り入れ方や、取り入れる割合は様々で、イエスや初期のキング・クリムゾンの様に、ロックを基本にシンフォニック・サウンドを積み上げていく、というスタイルが多いが、ジ・エニド(イーニッド)の様に、本来ならオーケストラが演奏しても不自然ではない曲をロック・バンドで演奏する様なスタイルも存在する。

オーケストラとの共演

ロック・バンドにシンフォニック・サウンドを取り入れる方法のひとつとして、オーケストラとの共演が挙げられる。1960年代後半に隆盛したアート・ロックや、それに続くプログレッシブ・ロック等に分類されるバンドの幾つかが、その方法論を実践している。また特に80年代後半以降ではオーケストラ側もロック系アーティストとの共演に積極的になり、メタリカドリーム・シアターといったヘヴィ・メタルバンド、スティーヴ・ヴァイイングヴェイ・マルムスティーンなどのギタリストが盛んにオーケストラとの共演を果たしている。

バンド名 共演した作品・発表年 特記事項
ムーディー・ブルース Days Of Future Passed(1967年) 同バンドの初期の作品。これ以降はメロトロンがシンフォニック・サウンド構築の為の主な手段となる。
ピンク・フロイド 原子心母 ロン・ギーシン(Ron Geesin)が参加
エレクトリック・ライト・オーケストラ エルドラド(1974年) ELOは元々3人編成のストリングセクションを有していたが、このアルバムでは特にフル・オーケストラを起用している。
イエス 時間と言葉(1970年)
マグニフィケイション(2001年)
後者は専任キーボード・プレイヤーが不在だった時期の作品。
ディープ・パープル ディープ・パープル・アンド・ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ(1969年)
ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール(2000年)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団ロンドン交響楽団との共演を試みたライブ・アルバム、ライブ・ビデオ。
レインボー 虹を翔る覇者 「スター・ゲイザー」でオーケストラを起用している。
リック・ウェイクマン 地底探検
アーサー王と円卓の騎士たち
前者はメロディーメーカー誌のチャートで1位を獲得。後者以降は主に予算の問題でオーケストラとの共演から撤退していく。
ELP ELP四部作(1977年) 1977年に活動を再開した時の作品。ラストナンバーの「海賊」でELP+オーケストラという編成が実現している。
X JAPAN ART OF LIFE(1993年) シンフォニック・メタルスタイルのコンセプト・アルバム。オーケストラ・パートの録音はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団が担当している。
ワルタリ Yeah! Yeah! Die! Die! Death Metal Symphony in Deep C(1996年) シンフォニック・デス・メタルスタイルのコンセプト・アルバム。
ウリ・ジョン・ロート Sky of Avalon - Prologue to the Symphonic Legends(1996年)
Metamorphosis of Vivaldi's Four Seasons(2003年)
クラシックとの融合を試みたロック・ギター・アルバム。
メタリカ S&M(1999年) サンフランシスコ交響楽団との共演を収めたライブ盤、ライブ・ビデオ。タイトルの「S&M」はシンフォニー&メタリカの略。
スコーピオンズ 栄光の蠍団〜モーメント・オブ・グローリー(2000年) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演。タイトルトラックのMoment of GloryはEXPO2000の公式ソング。
ドリーム・シアター オクタヴァリウム(2005年) 特別編成のオーケストラ、および弦楽四重奏団と共演。ライヴツアーでもオーケストラを採用した。
MONO Hymn To The Immortal Wind(2009年)
Holy Ground: NYC Live With The Wordless Music Orchestra(2010年)
For My Parents(2012年)
オーケストラを取り入れたポスト・ロック
THE ALFEE THE ALFEE CLASSICS with LONDON SYNPHONY ORCHESTRA(1990年)
THE ALFEE CLASSICS II THE ALFEE with Royal Phillharmonic Ochestra(1996年)
THE ALFEE CLASSICS III THE ALFEE with Royal Phillharmonic Ochestra(2001年)
3作品とも編曲は、服部克久が担当している。またライブでも、服部が指揮とピアノを担当した。

メロトロンの使用

メロトロンは、通常はオーケストラのストリング・セクションを音階別に録音したテープを再生する事によってシンフォニックサウンドを得る構造になっている。具体的に作品でメロトロンによるオーケストラサウンドを使用している例は以下の通り。

バンド名 使用した作品の例
ムーディー・ブルース 童夢
キング・クリムゾン クリムゾン・キングの宮殿、ポセイドンのめざめ
イエス こわれもの危機
ジェネシス フォックストロット、幻惑のブロードウェイ
レッド・ツェッペリン 聖なる館(レイン・ソング)

電子合成方式キーボードの使用

上記のメロトロンやサンプラーと異なり、管弦楽の音を電子的に作成している楽器(シンセサイザー/ストリングアンサンブル等)を使用している例は無数にあり、以下が代表的な一例。

バンド名 使用した作品例 特記事項
レッド・ツェッペリン イン・スルー・ジ・アウト・ドア ヤマハGX-1が何曲かで使用されている。
ELP ELP四部作 「庶民のファンファーレ」でヤマハGX-1が使用されている。
ELO ディスカバリー及びそれ以降 同アルバムではストリングスのレギュラー・メンバーがいなくなり(セッションプレイヤーに降格)、代ってシンセサイザーによるストリングスが大きく導入される様になった。
カンサス 永遠の序曲、暗黒への曳航 この時期のカンサスにはレギュラーのヴァイオリン・プレイヤーが在籍しており、キーボードによるシンセサイザー演奏と組み合わせる事で独特のシンフォニック・サウンドを構築していた。
ボストン ウォーク・オン 当初ボストンはシンセサイザーを使わないバンドとされていたが、同作でストリングアンサンブルの音を使用した為「No Synthesizers」のクレジットが外され、代わりにクレジットには「Well, No-body's perfect!」と表示された。

ギズモの使用

ギズモ(The Gizmo)とは、ゴドレイ&クレームが開発したギター用のアタッチメント。ギターの弦に回転するコイルを随時接触させてストリング・サウンドを得る仕組みになっている。

バンド名 使用した作品例 特記事項
ゴドレイ&クレーム Consequences (album) 邦題はギズモ・ファンタジア。