コンテンツにスキップ

「ひかり (列車)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
305行目: 305行目:
**300系を使用する「ひかり」の一部列車(主に岐阜羽島・米原に停車するもの)のうち、名古屋~新大阪間の最高速度を270km/hに引き上げた([[2003年]]10月1日より全列車、全区間270km/h運転に拡大)。これにより、米原のみ停車が岐阜羽島・米原連続停車となった列車があったが、従前と所要時間の差はほとんどなかった。
**300系を使用する「ひかり」の一部列車(主に岐阜羽島・米原に停車するもの)のうち、名古屋~新大阪間の最高速度を270km/hに引き上げた([[2003年]]10月1日より全列車、全区間270km/h運転に拡大)。これにより、米原のみ停車が岐阜羽島・米原連続停車となった列車があったが、従前と所要時間の差はほとんどなかった。
**東京 - 博多間の「ひかり」は一部に『のぞみ』に抜かれない列車が存在した(当時の53号・34号など)が、本改正後は全て途中で「のぞみ」に抜かれるようになった。
**東京 - 博多間の「ひかり」は一部に『のぞみ』に抜かれない列車が存在した(当時の53号・34号など)が、本改正後は全て途中で「のぞみ」に抜かれるようになった。
*[[1997年]](平成9年)[[11月29日]] ダイヤ改正で“シャトルひかり”消滅。同時に山陽新幹線での停車駅を削減し、[[新岩国駅]]、[[東広島駅]]、[[三原駅]]、[[新尾道駅]]、[[新倉敷駅]]、[[相生駅 (兵庫県)|相生駅]]が停車駅から外された。後に新岩国駅以外は「ひかり」の停車が復活する。静岡駅に停車する「ひかり」のほとんどに300系が使用され、名古屋以西の運転区間が最高速度270km/hに引き上げられた。それに伴い、東京 - 広島間運行の「ひかり」にも300系を投入。列車号数は80 - 90号代。
*[[1997年]](平成9年)[[11月29日]] ダイヤ改正で“シャトルひかり”消滅。同時に山陽新幹線での停車駅を削減し、[[新岩国駅]]、[[東広島駅]]、[[三原駅]]、[[新尾道駅]]、[[新倉敷駅]]、[[相生駅 (兵庫県)|相生駅]]が停車駅から外された。後に新岩国駅以外は「ひかり」の停車が復活する。静岡駅に停車する「ひかり」のほとんどに300系が使用され、名古屋以西の運転区間が最高速度270km/hに引き上げられた。それに伴い、東京 - 広島間運行の「ひかり」にも300系を投入。列車号数は130 - 140号代。
*[[1998年]](平成10年)[[3月14日]] このダイヤ改正で東京 - 博多間を運行する500系電車の本数増加に伴い、東京 - 博多間運行の「ひかり」にも300系を投入。
*[[1998年]](平成10年)[[3月14日]] このダイヤ改正で東京 - 博多間を運行する500系電車の本数増加に伴い、東京 - 博多間運行の「ひかり」にも300系を投入。



2010年4月5日 (月) 12:18時点における版

ひかり
300系電車「ひかり」 (2008年1月2日、浜松駅 - 豊橋駅)
300系電車「ひかり」
(2008年1月2日、浜松駅 - 豊橋駅
運行者 東海旅客鉄道(JR東海)
西日本旅客鉄道(JR西日本)
列車種別 特急列車
運行区間 東京駅 - 博多駅
経由線区 東海道新幹線山陽新幹線
使用車両 N700系700系500系300系
運行開始 1964年10月1日
備考 運転開始日は、新幹線の愛称としてのもの
テンプレートを表示

ひかりは、東海道・山陽新幹線で運行される特急列車の愛称の一つである。種別を示す色

本稿では同一愛称の列車として、第二次世界大戦の終結前まで朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)・南満州鉄道(満鉄)で運行していた急行列車、東海道新幹線の開業まで九州で運行していた準急・急行列車の沿革についても参考として記述する。

概要

1964年昭和39年)10月1日東海道新幹線東京駅 - 新大阪駅間)開業時に、当時の国鉄により、途中名古屋駅京都駅のみに停車する“速達型列車”として誕生した。運行開始当時は“各駅停車型”の「こだま」と共に「夢の超特急」とも称された。その後1972年昭和47年)3月15日山陽新幹線岡山開業、1975年昭和50年)3月10日の山陽新幹線博多延伸に応じて運転区間を延ばし、永く東海道・山陽新幹線の全区間を走行する速達型列車として運転されていた。

その一方で山陽新幹線区間では開業当初から途中停車駅が多い列車と少ない列車が設定され、本数もこだまの運行本数を大きく上回るようになり、列車によってはおなじ「ひかり」でありながら“速達型列車”と“途中駅通過型列車”の2つの側面を持つようになった。1992年の「のぞみ」運行開始後は、速達型列車の役割を「ひかり」から「のぞみ」にシフトさせることとなり、現在では速達型列車である「のぞみ」を補完する“途中駅通過型列車”としての役割を主に担うようになっている。現在は東京と博多を直通する「ひかり」は存在せず、東京発着の「ひかり」は岡山まで(1本のみ三原発東京行きがある)、博多発着の「ひかり」(すべてひかりレールスター)は新大阪までの運行となっている(他に新横浜・名古屋 - 広島間の系統がある)。

上述のように、東海道・山陽新幹線では永きにわたって主力列車の愛称として用いられてきたこともあり、かつては「(東海道・山陽)新幹線=ひかり」とのイメージが強まっていた。東海道・山陽新幹線の第二世代車両である100系新幹線の俗称、あるいは第三世代車両である300系新幹線開発のために試作された模型車両(スーパーひかりモデル)および「のぞみ」の愛称決定前の仮称として、いずれも「スーパーひかり」の呼称が用いられていた。

運行開始時の列車名の選定について

東海道新幹線で運行される特急の名称は開業前に公募で選ばれ、応募総数約559,000通のうち、1位が「ひかり」で約20,000票、そして「はやぶさ」、「いなづま」、「はやて」、「富士」、「流星」、「あかつき」、「さくら」、「日本」、「こだま」と続いた。「」と「木霊」()の組み合わせで、列車の速度差を表したとも言われる。光速の次が音速ならペアを組ませるのに丁度良いということもあった。

なお、計画時には列車名はなしとして個々の列車を航空機のように列車番号だけで区別する予定だったが、「名前が欲しい」という要望が多数来たために愛称を付けることになった。10位から下には現在使用されている「のぞみ」などもあったという。また国鉄内部では、時間ごとに干支を使う案まで検討されたが、これは不採用となった。

様々なバリエーション

「ひかり」には、山陽新幹線が西日本旅客鉄道(JR西日本)運営に移行して以後、山陽新幹線の輸送力・輸送状況に応じた様々なバリエーションが登場している。これらはいずれも「ひかり」の派生系統であり、本来の列車名としてはいずれも単に「ひかり」である。

ウエストひかり
0系6両または12両の専用編成により運行された、山陽区間限定運行の「ひかり」。普通車の座席は2+2シートで、ビュッフェを連結、また一時期シネマカーを連結したものもあった。最高速度は220km/h。1988年3月13日に1日4往復で登場し、2000年4月21日に引退した。
グランドひかり
グランドひかり食堂車
100系16両編成のうち、JR西日本所有のV編成(3000番台)を用いた列車で、JR東海所有のX・G編成と異なり2階建て車両を中間に4両連結していた。最高速度は東海道区間220km/h、山陽区間230km/h。新大阪-博多間を最短2時間49分(停車駅:岡山・広島・小倉)で結んだ。1989年3月11日に1日2往復で登場し、2002年11月23日に引退した。
シャトルひかり
本来は山陽区間用「こだま」に用いられる0系6両R編成を用いた列車。岡山 - 博多や広島 - 博多では各駅に停車していた。1991年3月16日に1日2往復で登場し、1997年11月28日に消滅した。
ウィークエンドひかり
その名のとおり週末にのみ運転された「ひかり」。車両は0系R編成6両を使用。運転区間は下りの新大阪→広島のみ(一部博多行。この場合16両編成が使用されることがあった)。1992年3月に初登場。
ファミリーひかり
0系6両R編成のうち、家族向けの改造を施した専用編成(R2,R22,R24編成)を用いた「ひかり」。3号車はビュッフェを撤去し、プレイルーム「こどもサロン」を設置した。繁忙期にのみ運転され、全車指定席であった。1995年7月夏に初登場。
登場当初はR22編成の客室を遊戯室「こどもサロン」に改造し、全席指定の臨時「ファミリーひかり」として運用された。R22編成の遊戯室はその後座席復元されたが、1995年12月からはR2,R24編成の2本が正式に「ファミリーひかり」編成となった。この2本はビュフェ室と客室(37形)の一部「こどもサロン」として改造され、車版も7700番台に変更となった。他客期の臨時には全席指定の「ファミリーひかり」として走り、その合間は「こだま」にも運用された。また、1997年のアコモ改善の際には「ひかり」であること(ただし、編成番号は「こだま」編成を示すR編成のまま)から優先的にアコモ改善工事が施された。
ひかりレールスター
「ウエストひかり」の後継として2000年3月11日に登場した、700系8両E編成を使用した山陽区間限定運行の「ひかり」。『サルーンシート』と呼ばれる指定席は2+2シートで、他の「ひかり」編成よりもゆとりを持たせてある。運賃と指定席特急料金のみで利用できる4人用コンパートメントもあり、2人でも運賃とグリーン席特急料金のみで利用できる。最高速度は285km/h。最速で新大阪 - 博多を2時間40分(2009年3月14日以降)で結ぶ。他の「ひかり」バリエーションと異なり、山陽区間では駅や車内でのアナウンスでも「ひかりレールスター」と案内される。

運行概況

2010年3月13日改正時点の状況である。

停車駅

東海道区間における昼間時間帯は1時間あたり東京 - 新大阪間1本(東京33分発、新大阪13分発)と東京 - 岡山間1本(東京03分発、岡山26分発)の計2本が基本となっている。山陽区間では、前述の東京 - 岡山直通とは別に、ひかりレールスターが新大阪 - 博多間に毎時1-2本(新大阪22分・59分発、博多発4分・37分発)運転されている。

なお、2009年3月14日以降、東海道新幹線から山陽新幹線広島以西に直通する「ひかり」は運転されていない。

号数 運行本数\駅 東京駅 品川駅 新横浜駅 小田原駅 熱海駅 三島駅 静岡駅 浜松駅 豊橋駅 名古屋駅 岐阜羽島駅 米原駅 京都駅 新大阪駅 新神戸駅 西明石駅 姫路駅 相生駅 岡山駅 福山駅 広島駅 備考
460-487号 下り4本/上り4本    
下り3本/上り3本     下り1本のみ岐阜羽島・米原停車
下り6本/上り5本     下り1本のみ岐阜羽島・米原停車
上り1本    
下り1本        
上り1本   三原始発、三原-岡山間各駅停車
490-495号 下り1本/上り1本                   N700系
下り1本     N700系
下り1本                    
500-533号 下り6本/上り5本              
下り7本/上り6本               下り1本のみ小田原停車
上り3本               1本のみ三島停車
下り1本/上り1本               下り1本のみ岐阜羽島停車
上り1本              
下り1本               日曜、休日のみ運転 
下り2本/上り2本                       下り2本/上り1本はN700系
ひかりレールスター(540 - 589号)の詳しい停車駅についてはひかりレールスター#停車駅と所要時間を参照。
  • ● - 全列車停車
  • ○ - 一部の列車が停車
  • - - 通過

所要時間

主要駅間の代表的な所要時間は以下の通り。ただし列車によって多少の差がある。

主要駅との所要時間表
東京 約1時間10分 約2時間 約2時間40分 約3時間 約3時間40分 約4時間 -
  静岡 約1時間 約1時間40分 約1時間50分 約2時間40分 約3時間10分 約3時間20分
    名古屋 約30分 約50分 約1時間40分 約2時間20分 約2時間40分
      京都 約15分 約1時間 約1時間30分 約2時間
        新大阪 約40分 約1時間10分 約1時間40分
          姫路 約30分 約1時間
            岡山 約40分
              広島

使用車両

  • 300系 - 現在最も多く充当されているが、順次700系へ置き換えが進められている。
    • 1992年3月18日の「ひかり238号」(J編成充当・新大阪 → 東京)で運用を開始。
  • 700系 - 2007年以降充当される列車が増えている。同系列の7000番台(8両編成)は山陽新幹線の「ひかりレールスター」のみ使用。
  • N700系 - 定期列車としては朝と夜の下り5本(491号、493号、495号、531号、533号)と上り2本(490号、500号)に充当されている。このほか運用上の都合でほかの列車にも臨時に充当されることもある。
    • 2008年3月15日の「ひかり393号」(Z16編成充当・新横浜 → 広島)で運用を開始。
  • 500系 - 定期列車としては使われた実績はない。ただし臨時列車として使用されることがあり、過去には定期列車の「ひかりレールスター」を多客時に差し替えて使用された(2009年1月1日の441号ひかりレールスターの代わりに16両W編成が運用された)、2008年3月20日には373号(定期列車)、同年4月17日には381号(定期列車)として300系の代わりに運用されたことがある。

過去

  • 0系 - 開業時から充当の第一世代車両。短編成化され山陽新幹線のみ運転(「ウエストひかり」など)となった時期もあった。
    • 1964年10月1日の「ひかり1号」(H2編成充当・東京 → 新大阪)で運用を開始。
    • 2000年4月21日の「ひかり359号」(SK9編成充当「ウエストひかり」・新大阪 → 博多)をもって定期運用から撤退。
    • 2008年12月14日の「ひかり347号」(R61編成充当・新大阪 → 博多)をもって臨時運用から撤退し、全車引退。
  • 100系 - 1985年運行開始の第二世代車両。派生車種の「グランドひかり」も存在した。現在は短編成化の上山陽区間の「こだま」に転用。
    • 1985年10月1日の「ひかり3号」(X0編成充当・東京 → 博多)で運用を開始。
    • 2003年8月22日の「ひかり179号」(G4編成充当・名古屋 → 博多)をもって定期運用から撤退。

列車編成

記号凡例

16両編成(東海道新幹線直通はすべて)

N700系
PJRPJRNC
N700系・N700S 16両編成編成図
← 博多
東京 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
指S G G G
  • 指S:S Work車両
  • 全車禁煙
300系・500系・700系
PJRPJRNC
700系 16両編成編成図
← 博多
東京 →
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
     
G G G
  • {{{3}}}

8両編成(山陽新幹線「ひかりレールスター」)

700系「ひかりレールスター」編成図
← 博多
新大阪 →
1 2 3 4 5 6 7 8
指C
凡例
C=コンパートメント席(4名1室を4室設置)
  • 全車禁煙

全車普通車で、グリーン車は連結しない。

4号車はサイレンスカー。8号車には個室がある。4号車が自由席になるときもあり、その場合はサイレンスカーの設定はなし。また、多客期は指定席でも設定がない日がある。4~8号車は2+2の4列シート。

例外として、朝の通勤時間帯に運転される540号は8号車以外自由席。ひかり543号は4・5号車も自由席。

九州新幹線全通によるN700系7000番台「さくら」の九州新幹線直通対応車投入に伴う「ひかりレールスター」の今後の動向については、2008年8月14日付けの産経新聞[1]にて、九州新幹線開業後に「ひかりレールスター」の運用から外し、順次「こだま」に転用することを決定したという報道がされているものの、JR西日本からの公式発表はまだない。

割引きっぷ

ひかり早特きっぷ

乗車日の1ヶ月前から1週間前まで発売される、発売期間・席数限定の「ひかり」指定席専用の片道「割引きっぷ」である。こども用はない。予約列車や利用区間の変更・途中下車・乗継割引の適用はできない。

予約した列車に乗り遅れた場合は乗車券のみ有効で、別途特急券を購入する必要がある。普通車指定席用のほかに、新大阪発着のみグリーン車用がある。 ただし当日後続の「ひかり号」「こだま号」の普通車自由席に限り乗車できる。

  • 主な設定区間と価格(東京駅発で通常期に指定席を利用した場合の値段 割引率)
    • 東京・品川・新横浜⇔名古屋 9,200円(10,580円 13%)
    • 東京・品川・新横浜⇔京都 11,500円(13,220円 13%)
    • 東京・品川・新横浜⇔新大阪 12,000円(13,750円 13%)※グリーン車用は14,500円(18,390円 21% 新横浜発着は利用不可)
    • 東京・品川・新横浜⇔新神戸 12,500円(14,270円 12%)
    • 東京・品川・新横浜⇔姫路 13,500円(15,210円 11%)

スーパー早特往復きっぷ

出発日の3週間~1週間前に発売される席数限定の「割引きっぷ」である。2007年7月から発売されている。値段は片道あたり1万円で、「スーパー」の名のとおり破格の割引率である。このきっぷが発売された背景には神戸~羽田便との競合がある。

  • きっぷのルール
    • 東京直通の「ひかり」と「のぞみ80号」(新神戸6:17発)が利用可
    • 有効期限は7日間
    • 子供用は大人用の半額
    • 購入時に往復の列車をそれぞれ指定する
    • 指定列車の変更・乗車変更・途中下車は不可
    • 乗り遅れた場合、往路は乗車券のみ有効、復路は後続の「ひかり」「こだま」の自由席に乗車可能
  • 主な設定区間と価格(通常期に「ひかり」指定席を利用した場合の値段※西明石発は往復割引乗車券使用 割引率)
    • 新神戸→東京 20,000円(28,540円 30%)
    • 西明石→東京 20,000円(28,120円 29%)

沿革

朝鮮鉄道・南満州鉄道急行「ひかり」

第二次世界大戦終結まで、朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)と南満州鉄道(満鉄)の釜山 - 奉天(現:瀋陽)・新京(現:長春)・ハルビン間に、急行「ひかり」が運行されていた。

毎日南行北行とも各1回運転。947.2kmを約21時間で結んだ。平均時速約45km。列車編成は、広軌用大型荷物車三等車三等寝台車食堂車二等寝台車一等寝台展望車の各1両、計6両編成。蒸気機関車が牽引した。最後部に連結された展望車室は長旅を慰めたという。同区間には急行「のぞみ」も運行していた。

  • 1923年昭和8年)4月 釜山 - 京城(現、ソウル)間を運転していた急行列車を奉天まで延長し、同時に「ひかり」と命名。
  • 1934年(昭和9年)11月 運転区間を「満州国」の首都であった新京まで延長。
  • 1940年 - 1942年(昭和15年 - 17年)頃 運転区間をハルビンまで延長。
  • 1945年(昭和20年)8月 ソ連軍の満州侵攻により、運行不能になって消滅。

九州急行・準急「ひかり」

戦後、「ひかり」の名は九州を走る準急列車・急行列車の愛称として使われた。キハ55系を使用した気動車による最初の急行として知られる。

新幹線の名前に「ひかり」が採用され、名前を譲ることになった急行「ひかり」は2系統に分けられ、博多・門司港 - 小倉 - 西鹿児島間は「にちりん」、博多 - 大分 - 熊本間は「くさせんり」に改称された。なお「くさせんり」については、2009年現在では「九州横断特急」の一部にあたる。

「新幹線」超特急・特急「ひかり」

山陽新幹線開業までの「ひかり」

  • 1964年(昭和39年)10月1日 東海道新幹線の速達タイプの列車として登場。東京駅 - 新大阪駅間を当初4時間、翌年11月から3時間10分で結び、名古屋駅京都駅のみ停車。「ひかり」を「超特急」、「こだま」を「特急」とし、料金に差を設けた。
    • なお、京都駅は当初停車対象に入っていなかったが、開業直前に京都市民などの運動もあって追加された(鉄道と政治を参照)。またこれにより、当初予定されていた「3時間運転」が「3時間10分運転」になってしまったという批判もあるが、実際に京都駅を(ホームドアまで設けて)通過したとしても所要時間の差は3 - 4分程度にしかならず、所要時間が延びた本当の理由は線形などの問題であったと伝えられている。
  • 1972年(昭和47年)3月15日 山陽新幹線が岡山駅まで開業する。この際「ひかり」には新大阪駅 - 岡山駅間で停車駅により以下のの3タイプが設けられた。
    1. 岡山駅まで無停車のもの(Wひかり)
    2. 途中一部の駅(新神戸、姫路)に停車するもの(Aひかり)
    3. 各駅に停車するもの
      特に各駅に停車するタイプは、「こだま」の代替列車の役割も果たすこととなった。(Bひかり)
    • この時から「超特急」の呼称は使われなくなり、東京駅 - 名古屋駅間を除いて料金格差もなくなった。
    • 「ひかり」に自由席が設けられ、16両編成で1 - 4号車が自由席となった。
  • 1972年(昭和47年)10月10日 北陸本線の特急列車と接続させるため、3往復の「ひかり」が米原駅に停車するようになる。初めて「ひかり」の停車駅が追加された。
  • 1974年(昭和49年)9月5日 「ひかり」で、新幹線初となる食堂車の営業を開始。

山陽新幹線全通後

  • 1975年(昭和50年)3月10日 山陽新幹線が博多駅まで開業する。
    • 山陽新幹線区間では、岡山開業時の流れを継いで日中には「こだま」を設定せず、「ひかり」にその代替を担わせることとしたため、各駅停車の「ひかり」が速達の「ひかり」に追い抜かれるという現象も発生した。国鉄はもっとも停車駅の少ないパターン(下記の「Wひかり」)に「赤いひかり」、それに次ぐもの(下記の「Aひかり」)に「青いひかり」という俗称を与え、駅掲示の時刻表などに反映させたが、定着せずに終わる。ただし、最速達パターン専用の赤文字の方向幕はその後も100系に至るまで長く使用された。
    • 博多開業時の基本的な停車パターンは次の3通りであった。(<>は一部停車。ただし一部に例外設定の便あり。)
    • この時、東京駅 - 名古屋駅間のみ残されていた「ひかり」の料金格差も廃止された。
  • 1976年(昭和51年)7月1日 新横浜駅静岡駅に停車する「ひかり」が初めて設定される。一部通過タイプ(Aひかり)の停車駅に福山駅を追加。
  • 1980年(昭和55年)10月1日 新幹線初の列車削減が行われ、「こだま」が大幅に削られる中、一部の「ひかり」が小田原駅浜松駅豊橋駅岐阜羽島駅にも停車するようになり、それらの列車は(俗称として一部では)“ひだま”と呼ばれるようになった。
  • 1985年(昭和60年)3月14日 「ひかり」が新横浜に毎時2本・静岡に毎時1本・小田原・熱海・三島・浜松・豊橋のうち2駅に毎時1本停車、それと同時に熱海駅三島駅にも停車するようになる。
  • 1985年10月1日 100系登場に伴い「ひかり」に使用される。

JR分社化以降

  • 1987年(昭和62年)6月 東海旅客鉄道(JR東海)が「スーパーひかりモデル」を試作し、東京駅に展示した。しかし、設計は後に大幅に変更された。
  • 1988年(昭和63年)3月13日 西日本旅客鉄道(JR西日本)が運営するようになった山陽新幹線で、「ひかり」に使用する0系車両の設備をグレードアップされた列車を登場させ、それを使用する「ひかり」はウエストひかりと呼ばれるようになった。当初は1日4往復運転。
  • 1989年平成元年)3月11日 JR西日本が、「ひかり」に使用する100系車両で中間車両4両を2階建て車両とした編成を登場させる。それを使用する「ひかり」はグランドひかりと呼ばれた。当初は1日2往復運転。
  • 1990年(平成2年) 300系9000番台J0編成(後J1編成:試作車)の「スーパーひかり」誕生。
  • 1991年(平成3年)3月16日 山陽新幹線で「こだま」用の0系車両の6両編成による「ひかり」が設定され、“シャトルひかり”と呼ばれた。当初は1日3往復運転。
  • 1992年(平成4年)3月14日 「のぞみ」が登場し、「ひかり」は東海道新幹線の最速列車ではなくなった。一部の「ひかり」は、途中駅で「のぞみ」の通過待ちを行うようになった。その後、300系の増備が進むにつれて300系が順次投入される。
  • 1996年(平成8年)3月16日 ダイヤ改正。
    • 300系を使用する「ひかり」の一部列車(主に岐阜羽島・米原に停車するもの)のうち、名古屋~新大阪間の最高速度を270km/hに引き上げた(2003年10月1日より全列車、全区間270km/h運転に拡大)。これにより、米原のみ停車が岐阜羽島・米原連続停車となった列車があったが、従前と所要時間の差はほとんどなかった。
    • 東京 - 博多間の「ひかり」は一部に『のぞみ』に抜かれない列車が存在した(当時の53号・34号など)が、本改正後は全て途中で「のぞみ」に抜かれるようになった。
  • 1997年(平成9年)11月29日 ダイヤ改正で“シャトルひかり”消滅。同時に山陽新幹線での停車駅を削減し、新岩国駅東広島駅三原駅新尾道駅新倉敷駅相生駅が停車駅から外された。後に新岩国駅以外は「ひかり」の停車が復活する。静岡駅に停車する「ひかり」のほとんどに300系が使用され、名古屋以西の運転区間が最高速度270km/hに引き上げられた。それに伴い、東京 - 広島間運行の「ひかり」にも300系を投入。列車号数は130 - 140号代。
  • 1998年(平成10年)3月14日 このダイヤ改正で東京 - 博多間を運行する500系電車の本数増加に伴い、東京 - 博多間運行の「ひかり」にも300系を投入。

2000年代以降の展開

  • 2000年(平成12年)
    • 3月11日 山陽新幹線で700系車両で車内などを大幅に変更した編成を使用して「ひかり」の設備・速度を向上させた列車を設定し、それらの「ひかり」はひかりレールスターと呼ばれるようになる。また“ひかりレールスター”新設により“ウエストひかり”が4月21日の運転(1往復のみ)を最後に廃止され、0系車両を使用する定期の「ひかり」も消滅した。またこの時“グランドひかり”を最後に、食堂車の営業が休止された。
      このころから、東京 - 山陽区間を運行する「ひかり」の本数削減も実施。具体的には、直通列車の定期運行を東京 - 新大阪・姫路・岡山・広島間と名古屋 - 博多間となり、東京 - 博多間は臨時列車となる。
    • 新大阪 - 博多間毎時2本の「こだま」のうち、1本が姫路 - 博多間に短縮されたのに伴い、西明石駅に毎時1本「ひかり」が停車。
    • 10月1日 東海道新幹線の「ひかり」に700系を投入。翌年には山陽新幹線直通列車にも投入される。相生駅の「ひかり」停車が復活。
  • 2001年(平成13年)10月1日 ダイヤ改正で東京 - 広島間の「ひかり」がスピードアップ(東京 - 広島間で約15分の時間短縮)。300系の限定運用により、山陽新幹線区間内の最高速度を270km/hに引き上げたことによるが、東海道区間は「のぞみ」との格差の兼ね合いで220km/h運転に制限されていた。
  • 2002年(平成14年)11月23日 この時のさよなら運転をもって、“グランドひかり”消滅。なお、この日のみ、食堂車が復活した。
  • 2003年(平成15年)
    • 9月16日 「ひかり309号」をもって、東海道新幹線から100系引退。同時に、100系車両使用の「ひかり」も消滅した。
    • 10月1日 ダイヤ改正により、停車駅の少ない「ひかり」が「のぞみ」に格上げ。この結果、「のぞみ」と「ひかり」の運転本数が逆転するとともに、東京駅 - 広島駅間と東京駅 - 博多駅間運行の「ひかり」が消滅。なお東海道新幹線における「ひかり」は、すべて“ひだま”形の列車となり停車駅は増加したものの、全区間270km/h運転化により、東京 - 新大阪間の標準所要時間は従来の「ひかり」と同等の水準(2時間50分 - 3時間)が維持された。また、小田原駅・三島駅(6本⇒12本)・浜松駅(16本⇒26本)・豊橋駅(6本⇒16本)の各駅にて「ひかり」の停車本数が増加した。 また、山陽新幹線の姫路 - 博多間の「こだま」が岡山 - 博多に短縮されたことに伴い、相生駅に毎時1本「ひかり」が停車。
  • 2006年(平成18年)3月18日 新大阪 - 広島間の「ひかりレールスター」が上下1本ずつ三原駅に新規停車。三原駅への停車がほぼ10年ぶりに復活。
  • 2007年(平成19年)7月1日 ダイヤ改正。
    • 名古屋 - 博多間「ひかり」の山陽区間でのスピードアップと「ひかりレールスター」の時刻が変更された。その結果、1975年の山陽新幹線博多開業以来続いていた「ひかり」が「ひかり」を追い抜く現象が消滅した。
    • 東京 - 新大阪の所要時間2時間49分の列車(ひかり427号、品川・新横浜・静岡・浜松・豊橋・名古屋・京都に停車)が設定された。この記録は「のぞみ」登場前の下り新大阪行き最終列車「通称:シンデレラエクスプレス」とならび歴代1位タイである。但し主に日曜日のみの運転である。シンデレラエクスプレスと比べ品川・新横浜・静岡・浜松・豊橋の5駅も多く停車し、途中、浜松で「のぞみ」を待避しているのにもかかわらず所要時間は変わらない。なお、名古屋 - 新大阪50分は歴代の「ひかり」の中では最速である。
  • 2008年(平成20年)3月15日 ダイヤ改正。
    • 東海道新幹線内における「ひかり」運行体系の大幅な見直しを実施。特に静岡地区から山陽新幹線への接続を考慮し、東京-岡山間と東京-新大阪間に各1本ずつ運転されている「ひかり」の停車駅パターンを入れ替えた。この見直しにより、小田原駅(12本⇒15本)、静岡駅(34本⇒37本)、浜松駅(26本⇒34本)、豊橋駅(16本⇒18本)の各駅で停車本数が増えた。また、全ての「ひかり」・「のぞみ」が品川・新横浜駅に停車するようになった
    • 山陽新幹線では早朝の上り2本が増発され東広島・新尾道・新倉敷の各駅にて上り1 - 2本のひかり号が再び停車するようになった。また、相生駅で再び「ひかり」が「ひかり」を追い抜く現象が見られるようになった。
    • 定期列車としては初めてN700系による「ひかり」が下りの2本に登場(このほか10月1日に上り1本に追加)。このうちの1本は初の新横浜駅始発列車(広島駅行き)である。
    • 東京 - 新大阪間の上り「ひかり432号」(途中京都・米原・名古屋・静岡・新横浜・品川に停車)が、「ひかり」の最速達記録を2分塗り替える所要時間2時間47分の列車として設定。下り「ひかり」の東京 - 新大阪間の最速達列車は2時間57分に後退したものの、前述の新横浜始発「ひかり」が新横浜 - 新大阪間(途中小田原・静岡・名古屋・京都に停車)を所要時間2時間15分と設定されており、名古屋 - 新大阪間の最速達列車となっている(従来より2分短い所要48分で走行)。
  • 2009年(平成21年)3月14日 ダイヤ改正
    • N700系を朝の上り始発の「ひかり」と名古屋 - 広島間の1往復に投入しスピードアップ。名古屋 - 広島間の列車は名古屋 - 博多間運行の1往復を短縮したもので、広島 - 博多間から「ひかりレールスター」以外の定期「ひかり」が消滅。
    • 新大阪 - 広島間運行の下り1本が岡山 - 広島間各駅停車となり、新倉敷駅・新尾道駅・東広島駅の各駅にて下り「ひかり」の停車が復活。
    • ダイヤ改正以後も、N700系が充当される「ひかり」が順次増加(4月29日10月2日12月14日にそれぞれ1本ずつ増)
  • 2010年(平成22年)3月13日 ダイヤ改正)
    • 「ひかりレールスター」の5往復を多客期に運転する臨時列車に変更(定期列車を1日25往復から20往復に減便)。
    • 下り1本をN700系に置き換え、N700系ひかりは計7本に。
    • 東京-新大阪間の下り「こだま」1本の運転区間が東京-名古屋間に短縮されるのに伴い、岐阜羽島と米原での停車本数が1本ずつ増加。

脚注

関連項目