コンテンツにスキップ

「VTEC-E」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
NSX GT-1 96(会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目: 1行目:
'''VTEC-E'''('''ブイテック・イー'''、'''V'''ariable-valve '''T'''iming and lift '''E'''lectronic '''C'''ontrol system '''E'''conomy)は[[1991年]][[7月]]に発表された、[[本田技研工業]]の吸気バルブ休止機構の名称である。
'''VTEC-E'''(ブイテック・イー、'''V'''ariable-valve '''T'''iming and lift '''E'''lectronic '''C'''ontrol system '''E'''conomy)は[[1991年]][[7月]]に発表された、[[本田技研工業]]の[[4ストローク機関|4サイクルエンジン]]用の[[吸気]][[ポペットバルブ|バルブ]]休止機構の名称である。同社の[[VTEC]]([[可変バルブ機構]])の派生型の一つである。


== 概要 ==
== 概要 ==
低燃費を達成するため、[[マルチバルブ|4バルブ]]の吸気側2バルブをそれぞれ異なるカムプロファイルで作動する[[ロッカーアーム]]によって別々に開閉し、低回転時には低回転用のバルブのみを完全リフトさせ、強力な[[渦|スワール]](混合気の渦流)を作りだし希薄燃焼を実現させる。高回転時には油圧ピストンで低回転用と高回転用のロッカーアームを連結することで吸気側バルブを2本とも完全にリフトさせ、通常の4バルブ[[エンジン]]と同様となる。
低燃費を達成するため、[[マルチバルブ|4バルブ]]の吸気側2バルブのうちの片方を、低回転時にはほとんど開かないよう制御し、強力な[[渦|スワール]](混合気の渦流)を作りだして[[リーンバーン|希薄燃焼]]を実現させる。高回転時には吸気側2バルブを両方とも完全にリフトさせ、通常の4バルブエンジンと同様となる。動作機構については[[VTEC]]を参照のこと


EG型[[ホンダ・シビック|シビック]] ETi([[マニュアルトランスミッション|MT]])で初めて採用され、EK型シビックからは3ステージVTECに転用されている。また[[圧縮比]]を12.5に高めた[[CNG自動車|NGV]]専用VTEC-Eも製造された。
EG型[[ホンダ・シビック|シビック]] ETi([[マニュアルトランスミッション|MT]])で初めて採用され、EK型シビックからは3ステージVTECに転用されている。また[[圧縮比]]を12.5に高めた[[CNG自動車|NGV]]専用VTEC-Eも製造された。


当時のVTEC-EのPL(Project Leader)は[[本田技術研究所]]・和光研究所の宮野英世。[[1992年]]に医師であり数々の[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]燃費世界記録を持つ[[宮野滋]]がEG4シビックETi(MT)で市販車[[ガソリンエンジン]]で30.42km/Lの燃費世界記録を出している。尚、両者の血縁関係はない。
当時のVTEC-Eのプロジェクトリーダーは[[本田技術研究所]]・和光研究所の[[宮野英世]]。[[1992年]]に医師であり数々の[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]燃費世界記録を持つ[[宮野滋]]がEG4シビック ETi(MT車)で市販車[[ガソリンエンジン]]で30.42km/Lの燃費世界記録を出している。尚、両者の血縁関係はない。

VTEC-Eを冠するエンジンは現在絶えているが、同様の機構を備える物はなおも生産されている。[[2001年]]に登場した初代[[ホンダ・フィット]]の[[ホンダ・L型エンジン|L15A型]]および[[2007年]]に登場した2代目フィットの[[ホンダ・L型エンジン|L13A型]]は、それぞれVTECおよび[[i-VTEC]]を冠していながらも、実際の機構はVTEC-Eとほぼ同様である。


== 搭載車種 ==
== 搭載車種 ==
*シビック ETi(EG4、[[ホンダ・D型エンジン|D15B]])
*シビック ETi(EG4、[[ホンダ・D型エンジン|D15B]])
*[[ホンダ・シビックフェリオ|シビックフェリオ]]ETi(EG8、D15B)
*[[ホンダ・シビックフェリオ|シビックフェリオ]] ETi(EG8、D15B)
*[[ホンダ・シビッククーペ|シビッククーペ]](EJ7、D16A)
*[[ホンダ・シビッククーペ|シビッククーペ]](EJ7、D16A)
*シビックGX(NGV仕様:EN2、D17A)
*シビックGX(NGV仕様:EN2、D17A)
17行目: 19行目:


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
*[[本田技研工業]]
*[[可変バルブ機構]]
*[[バルブタイミング]]
*[[VTEC]]
*[[VTEC]]
*[[i-VTEC]]
*[[リーンバーン]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==

2010年1月31日 (日) 15:22時点における版

VTEC-E(ブイテック・イー、Variable-valve Timing and lift Electronic Control system Economy)は1991年7月に発表された、本田技研工業4サイクルエンジン用の吸気バルブ休止機構の名称である。同社のVTEC可変バルブ機構)の派生型の一つである。

概要

低燃費を達成するため、4バルブの吸気側2バルブのうちの片方を、低回転時にはほとんど開かないように制御し、強力なスワール(混合気の渦流)を作りだして希薄燃焼を実現させる。高回転時には吸気側2バルブを両方とも完全にリフトさせ、通常の4バルブエンジンと同様となる。動作機構についてはVTECを参照のこと。

EG型シビック ETi(MT車)で初めて採用され、EK型シビックからは3ステージVTECに転用されている。また圧縮比を12.5に高めたNGV専用VTEC-Eも製造された。

当時のVTEC-Eのプロジェクトリーダーは本田技術研究所・和光研究所の宮野英世1992年に、医師であり数々のギネスブック燃費世界記録を持つ宮野滋が、EG4型シビック ETi(MT車)で市販車ガソリンエンジンで30.42km/Lの燃費世界記録を出している。尚、両者の血縁関係はない。

VTEC-Eを冠するエンジンは現在絶えているが、同様の機構を備える物はなおも生産されている。2001年に登場した初代ホンダ・フィットL15A型および2007年に登場した2代目フィットのL13A型は、それぞれVTECおよびi-VTECを冠していながらも、実際の機構はVTEC-Eとほぼ同様である。

搭載車種

関連項目

外部リンク