「ケフェイド変光星」の版間の差分
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2009年12月20日 (日) 10:50時点における版
セファイド変光星(セファイドへんこうせい)とは、広義にはHR図上でセファイド不安定帯に属する脈動変光星のこと。ケフェイド変光星とも。ケフェウス座δ型(DCEP)、おとめ座W型(CW)、こと座RR型(RR)、たて座δ型(DSCT)、ほうおう座SX型(SXPHE)、くじら座ZZ型(ZZ)の6種類がある。普通はそのうちDCEP型とCW型(この2つを特に長周期セファイド、或いはCEP型と呼ぶ)のことを指す。狭義にはDCEP型のみを指すが、本項では広義のセファイド変光星について述べる。
長周期セファイド(CEP)
ケフェウス座δ星(学名はδ Cephei、略称はδ Cep)に代表される型で、ケフェウス型変光星とも呼ばれる。CEP型はさらに種族Iのケフェウス座δ型(DCEP)と種族IIのおとめ座W型(CW)に細分類される。絶対等級が比較的大きく、スペクトル型がF~K型の黄色超巨星に属する周期的脈動変光星である。また、変光範囲は1~2等、周期は2~50日ほどである。この型の変光星には変光周期が長い星ほど絶対等級が明るいという性質があり、これを周期光度関係と呼ぶ。この関係を用いると、その実視等級と変光周期を測定することで距離の測定に用いることができる。いわば宇宙の灯台であり、年周視差などで測ることの出来ない1000光年以上の測定が可能である。CEP型の中には非常に明るいものもあり、他の銀河内であっても識別可能であるため、CEP型脈動変光星を用いることで、その銀河系までの距離を精密に求めることができる。
主なケフェウス座δ型変光星
主なおとめ座W型変光星
こと座RR型変光星(RR)
球状星団の中に多くみられることから星団型変光星とも呼ばれ、DCEP型やCW型より周期が短いので短周期セファイドとも呼ばれる。CEP型に似ているが、CEP型と異なり非常に短い変光周期を持ちそのほとんどが1日以下である。スペクトル型はA~Fに限られており、CEP型同様周期光度関係が成立する。種族IIの年老いた星である。増光が急で減光が緩やかなRRABと光度曲線の形が対称的なRRCに細分類される。
主なこと座RR型変光星
たて座δ型変光星(DSCT)
RRやSXPHEに似ているが、RRやSXPHEと異なり種族Iの若い星で、変光の全周期を通しスペクトル型がほぼ一定である。変光範囲は非常に僅かで(普通は0.1等以下)、周期は0.2日以下である。スペクトル型はA~Fの巨星・準巨星・主系列星で、一部輝巨星もある。半径方向に膨張収縮する他の脈動変光星と異なり、非動径振動と呼ばれる脈動が原因で変光する。
主なたて座δ型変光星
ほうおう座SX型変光星(SXPHE)
別名矮星セファイド。RRに似ているがRRより暗く小さな星で、スペクトル型がA~Fの準矮星で種族IIの年老いた星。変光周期は0.25日以下と非常に短いので超短周期セファイドとも呼ばれる。
主なほうおう座SX型変光星
くじら座ZZ型変光星(ZZ)
脈動する白色矮星。非動径脈動により明るさを変える。