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「大阪市電天王寺阿倍野線」の版間の差分

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'''天王寺阿倍野線'''(てんのうじあべのせん)は、かつて[[大阪府]][[大阪市]][[天王寺区]]にあった[[天王寺西門前駅]]と、同じく大阪府大阪市天王寺区にあった阿部野橋駅とを結んでいた[[大阪市電]]の期外線で、[[大阪市電阪堺線]]同様、大阪市電で2路線しかなかった私鉄買収路線の一路線でもある。
 大阪市電天王寺阿倍野線は、かつて[[大阪府]][[大阪市]][[天王寺区]]にあった[[天王寺西門前駅]]と、同じく大阪府大阪市天王寺区にあった阿部野橋駅とを結んでいた路線で、[[大阪市電]]の期外線として開業した路線であり、[[大阪市電阪堺線]]同様、大阪市電で路線しか存在しなかった私鉄買収路線のうちの一路線でもある。

[[1919年]]([[大正]]10年)[[12月21日]]に[[大阪市]]が買収した[[南海鉄道]]上町線の天王寺~公園東門間の路線を継承する形で、1919年(大正10年)12月21日に大阪市電の期外線として開業した。

なお、南海鉄道上町線の天王寺駅は、既に開業していた大阪市電上本町線と大阪市電西道頓堀天王寺線の天王寺西門駅と、南海鉄道上町線の公園東門駅は、既に開業していた大阪市電霞町玉造線の阿部野橋駅にそれぞれ統合された。

その後、[[1968年]](昭和43年)[[12月17日]]の最終列車を以って廃止され、翌、1968年(昭和43年)[[12月18日]]に[[大阪市営バス]]に転換された。


==路線概要==
==路線概要==
{| border="1" cellspacing="1" cellpadding="3"
*路線区間天王寺西門前~阿部野橋
|-
*[[軌間]]:1435
|路線名||天王寺阿倍野線
*駅数:2駅{1959年(昭和34年当時
|-
*[[複線]]区間:全線
|[[起点]]||天王寺西門前駅
*[[電化]]区間:全線
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*[[架線]][[電圧]]:[[直流]]600V
|[[終点]]||阿部野橋駅

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|駅数||2駅{1959年(昭和34年)}当時
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|[[軌間]]||1435
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|[[電化]]区間||天王寺西門前~阿部野橋間
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|架線電圧||直流600V
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|開業年月日||[[1919年]]([[大正]]10年)[[12月21日]]
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|廃止年月日||[[1968年]]([[昭和]]43年)[[12月18日]]
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|旧事業者名||[[南海鉄道]]株式会社
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|旧路線名||[[上町線]]
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|}
==歴史==
==歴史==
大阪市電天王寺阿倍野線の歴史は、1921年(大正10年)12月21日に大阪市が、大阪市が採る交通政策である「モンロー主義」に基づき、南海鉄道から大阪府大阪市天王寺区内の[[谷町筋]]{天満橋交差点~近鉄前交差点間。[[大阪府道30号大阪和泉泉南線]](東天満交差点~[[阪和自動車道]]泉南IC北交差点南西200m付近)の一部}を走る上町線の天王寺~公園東門間の路線を強制的に買収し、1921年(大正10年)12月21日に大阪市電の期外線として天王寺西門前~阿部野橋間を開業させた事に始まる。
 大阪市電天王寺阿倍野線の歴史は、1921年(大正10年)12月21日に大阪市が、大阪市が採る交通政策である「[[市営モンロー主義]]」に基づき、南海鉄道から大阪府大阪市天王寺区内の[[谷町筋]]{天満橋交差点~近鉄前交差点間。[[大阪府道30号大阪和泉泉南線]](東天満交差点~[[阪和自動車道]]泉南IC北交差点南西200m付近)の一部}を走る上町線の[[天王寺 (南海鉄道)|天王寺]]~公園東門間の路線を強制的に買収し、1921年(大正10年)12月21日に大阪市電の期外線として天王寺西門前~阿部野橋間を開業させた事に始まる。<br>
 大阪市電天王寺阿倍野線は、1919年(大正10年)から[[1952年]](昭和27年)のまでの間に唯一の途中駅であった茶臼山駅が廃止されて以降、途中駅が無い路線となったものの、大阪市電の[[幹線]]として重要な役割を果たしてきた。<br>

 しかし、日本国が『もはや戦後では無い』ともいわれた[[高度経済成長]]の時代から[[自動車]]が生活必需品として普及し、大衆化が進展する中、大阪市電天王寺阿倍野線が走る谷町筋の交通渋滞の緩和が政策課題となり、大阪市議会において大阪市電天王寺阿倍野線の廃止が決議され、大阪市電天王寺阿倍野線は、1968年(昭和43年)[[12月17日]]の最終列車を以って、その歴史に幕を閉じ、翌、1968年(昭和43年)12月18日に[[大阪市営バス]]に転換された。
大阪市電天王寺阿倍野線は、1919年(大正10年)から[[1952年]](昭和27年)の間に唯一の途中駅であった茶臼山駅が廃止されて以降、途中駅が無い路線となったものの、大阪市電の[[幹線]]として重要な役割を果たしてきた。

しかし、[[高度経済成長]]以降、[[自動車]]が生活必需品として普及し、大衆化が進展する中、大阪市電天王寺阿倍野線が走る谷町筋の交通渋滞の解消を目的に、大阪市議会において大阪市電天王寺阿倍野線の廃止が決議され、1968年(昭和43年)12月17日の最終列車を以って、その歴史に幕を閉じ、翌、1968年(昭和43年)12月18日に大阪市営バスに転換された。

==年表==
==年表==
*1919年(大正10年 )12月21日
*1919年(大正10年)12月21日:大阪市電の期外線として、天王寺西門前~阿部野橋間が開業(南海鉄道上町線の天王寺~公園門間を継承)し、全線開業。
**大阪市が、自らが採る交通政策である「市営モンロー主義」に基づき、南海鉄道から上町線の天王寺~公園東門間の路線を強制的に買収。
*1919年(大正10年)から[[1952年]](昭和27年)の間に茶臼山駅が廃止され、途中駅が無い路線となる。
**大阪市電気局(現在の大阪市交通局)が、南海鉄道から上町線の天王寺~公園東門間の路線の経営を継承し、大阪市電の期外線として、天王寺西門前~阿部野橋間を開業させ、全線開業。
*1968年(昭和43年)12月17日:天王寺西門前~阿部野橋間(全線)の旅客営業を終了。
*1968年(昭和43)12月18日:書類上廃止日。
*1919年(大正10年)から1952年(昭和27
**茶臼山駅が廃止され、途中駅が無い路線となる。

*1968年(昭和43年)12月17日
==駅一覧==
:天王寺西門前駅 - [茶臼山駅] - 阿部野橋
**天王寺西門前阿部野橋間の旅客営業を終了。
*1968年(昭和43年)12月18日

**天王寺西門前~阿部野橋間の書類上の廃止日。
===接続路線===
;天王寺西門前駅 : 大阪市電:[[大阪市電上本町線|上本町線]]・[[大阪市電西道頓堀天王寺線|西道頓堀天王寺線]]・[[大阪市電天王寺大道線|天王寺大道線]][[大阪市営トロリーバス]]:4号線
;阿部野橋駅 : 大阪市電:[[大阪市電霞町玉造線|霞町玉造線]]大阪市営トロリーバス:4号線[[大阪市営地下鉄]]:[[大阪市営地下鉄御堂筋線|1号線]][[日本国有鉄道]]:[[関西本線]]・[[大阪環状線|城東線]]・[[阪和線]][[南海電気鉄道]]:[[天王寺支線]]・[[上町線]]

===かつて存在した駅===
;茶臼山駅 : 廃止年月日:1919年(大正10年)から1952年(昭和27年)の間

==路線ルート==
==路線ルート==
大阪市電天王寺阿倍野線のルートは、大阪市電上本町線大阪市電西道頓堀天王寺線大阪市電天王寺大道線、それぞれの起点駅でもある天王寺西門前駅を起点に、大阪府大阪市天王寺区にある四天王寺前交差点(旧天王寺西門前交差点)から同じく大阪府大阪市天王寺区にある天王寺駅交差点まで谷町筋を走り、大阪市電霞町玉造線の他、大阪市営トロリーバス4号線、大阪市営地下鉄1号線(現在の[[大阪市営地下鉄御堂筋線]])、日本国有鉄道関西本線(現在の[[西日本旅客鉄道]][[大和路線]])、日本国有鉄道城東線(現在の西日本旅客鉄道[[大阪環状線]])、日本国有鉄道阪和線(現在の西日本旅客鉄道阪和線)、[[南海天王寺支線|南海電気鉄道天王寺支線]]{[[1993]](平成3年)[[3月31日]]限りで廃止}、南海電気鉄道上町線(現在の[[阪堺電気軌道上町線]])などの路線と接続する[[ターミナル駅]]でもある終点の阿部野橋駅に至る路線であった。
 大阪市電天王寺阿倍野線のルートは、[[大阪市電上本町線]]、[[大阪市電西道頓堀天王寺線]]、[[大阪市電天王寺大道線]]の3路線、それぞれの起点駅でもある天王寺西門前駅を起点に、大阪府大阪市天王寺区にある[[四天王寺]]前交差点(旧天王寺西門前交差点)から同じく大阪府大阪市天王寺区にある天王寺駅交差点まで谷町筋を走り、大阪市電霞町玉造線の他、大阪市営地下鉄号線(現在の[[大阪市営地下鉄御堂筋線]])、日本国有鉄道関西本線(現在の西日本旅客鉄道大和路線)、日本国有鉄道城東線(現在の西日本旅客鉄道大阪環状線の一部)、日本国有鉄道阪和線(現在の西日本旅客鉄道阪和線)、南海電気鉄道天王寺支線{1993年(平成3年)3月31日限りで廃止}、南海電気鉄道上町線(現在の阪堺電気軌道上町線)、近畿日本鉄道南大阪線など、他社線と接続するターミナル駅でもある終点の阿部野橋駅に至る路線であった。
==1959年(昭和34年)以前に存在した駅==

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!駅名
!接続路線
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==1959年(昭和34年)当時の駅==
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|}
==関連事項==
==関連事項==
大阪市営化以前の大阪市電天王寺阿倍野線については、[[阪堺電気軌道上町線]]を参照。
大阪市営化以前の大阪市電天王寺阿倍野線については、[[阪堺電気軌道上町線]]を参照。

2007年7月21日 (土) 23:33時点における版

 大阪市電天王寺阿倍野線は、かつて大阪府大阪市天王寺区にあった天王寺西門前駅と、同じく大阪府大阪市天王寺区にあった阿部野橋駅とを結んでいた路線で、大阪市電の期外線として開業した路線であり、大阪市電阪堺線同様、大阪市電で二路線しか存在しなかった私鉄買収路線のうちの一路線でもある。

路線概要

路線名 天王寺阿倍野線
起点 天王寺西門前駅
終点 阿部野橋駅
駅数 2駅{1959年(昭和34年)}当時
軌間 1435㎜
複線区間 天王寺西門前~阿部野橋間
電化区間 天王寺西門前~阿部野橋間
架線電圧 直流600V
開業年月日 1919年大正10年)12月21日
廃止年月日 1968年昭和43年)12月18日
旧事業者名 南海鉄道株式会社
旧路線名 上町線

歴史

 大阪市電天王寺阿倍野線の歴史は、1921年(大正10年)12月21日に大阪市が、大阪市が採る交通政策である「市営モンロー主義」に基づき、南海鉄道から大阪府大阪市天王寺区内の谷町筋{天満橋交差点~近鉄前交差点間。大阪府道30号大阪和泉泉南線(東天満交差点~阪和自動車道泉南IC北交差点南西200m付近)の一部}を走る上町線の天王寺~公園東門間の路線を強制的に買収し、1921年(大正10年)12月21日に大阪市電の期外線として天王寺西門前~阿部野橋間を開業させた事に始まる。
 大阪市電天王寺阿倍野線は、1919年(大正10年)から1952年(昭和27年)のまでの間に唯一の途中駅であった茶臼山駅が廃止されて以降、途中駅が無い路線となったものの、大阪市電の幹線として重要な役割を果たしてきた。
 しかし、日本国が『もはや戦後では無い』ともいわれた高度経済成長の時代から自動車が生活必需品として普及し、大衆化が進展する中、大阪市電天王寺阿倍野線が走る谷町筋の交通渋滞の緩和が政策課題となり、大阪市議会において大阪市電天王寺阿倍野線の廃止が決議され、大阪市電天王寺阿倍野線は、1968年(昭和43年)12月17日の最終列車を以って、その歴史に幕を閉じ、翌、1968年(昭和43年)12月18日に大阪市営バスに転換された。

年表

  • 1919年(大正10年 )12月21日
    • 大阪市が、自らが採る交通政策である「市営モンロー主義」に基づき、南海鉄道から上町線の天王寺~公園東門間の路線を強制的に買収。
    • 大阪市電気局(現在の大阪市交通局)が、南海鉄道から上町線の天王寺~公園東門間の路線の経営を継承し、大阪市電の期外線として、天王寺西門前~阿部野橋間を開業させ、全線開業。
  • 1919年(大正10年)から1952年(昭和27年)の間
    • 茶臼山駅が廃止され、途中駅が無い路線となる。
  • 1968年(昭和43年)12月17日
    • 天王寺西門前~阿部野橋間の旅客営業を終了。
  • 1968年(昭和43年)12月18日
    • 天王寺西門前~阿部野橋間の書類上の廃止日。

路線ルート

 大阪市電天王寺阿倍野線のルートは、大阪市電上本町線大阪市電西道頓堀天王寺線大阪市電天王寺大道線の3路線、それぞれの起点駅でもある天王寺西門前駅を起点に、大阪府大阪市天王寺区にある四天王寺前交差点(旧天王寺西門前交差点)から同じく大阪府大阪市天王寺区にある天王寺駅交差点まで谷町筋を走り、大阪市電霞町玉造線の他、大阪市営地下鉄1号線(現在の大阪市営地下鉄御堂筋線)、日本国有鉄道関西本線(現在の西日本旅客鉄道大和路線)、日本国有鉄道城東線(現在の西日本旅客鉄道大阪環状線の一部)、日本国有鉄道阪和線(現在の西日本旅客鉄道阪和線)、南海電気鉄道天王寺支線{1993年(平成3年)3月31日限りで廃止}、南海電気鉄道上町線(現在の阪堺電気軌道上町線)、近畿日本鉄道南大阪線など、他社線と接続するターミナル駅でもある終点の阿部野橋駅に至る路線であった。

1959年(昭和34年)以前に存在した駅

駅名 接続路線 道路名 所在地
天王寺西門前駅 大阪市電:上本町線西道頓堀天王寺線天王寺大道線 谷町筋
(大阪府道30号大阪和泉泉南線)







茶臼山駅  
阿部野橋駅 大阪市電:霞町玉造線
大阪市営地下鉄1号線
日本国有鉄道関西本線城東線阪和線
南海電気鉄道天王寺支線上町線
近畿日本鉄道南大阪線


1959年(昭和34年)当時の駅

駅名
接続路線 道路名 所在地
天王寺西門前駅 大阪市電:上本町線西道頓堀天王寺線天王寺大道線 谷町筋
(大阪府道30号大阪和泉泉南線)







阿部野橋駅 大阪市電:霞町玉造線
大阪市営地下鉄1号線
日本国有鉄道関西本線城東線阪和線
南海電気鉄道天王寺支線上町線
近畿日本鉄道南大阪線

関連事項

大阪市営化以前の大阪市電天王寺阿倍野線については、阪堺電気軌道上町線を参照。