コンテンツにスキップ

「コバネイナゴ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし
近縁種
タグ: ビジュアルエディター モバイル編集 モバイルウェブ編集
 
55行目: 55行目:
; [[ニンポーイナゴ]] {{Snamei||Oxya ningpoensis|O. ningpoensis}}(Chang,1934)
; [[ニンポーイナゴ]] {{Snamei||Oxya ningpoensis|O. ningpoensis}}(Chang,1934)
; [[ハネナガイナゴ]] {{Snamei||Oxya japonica|O. japonica japonica}}(Thunberg,1824)
; [[ハネナガイナゴ]] {{Snamei||Oxya japonica|O. japonica japonica}}(Thunberg,1824)
: [[東北地方]]から[[奄美群島]]まで分布し、名のとおり常に翅が長く後ろに突き出る。一見ではコバネイナゴと区別がつかないので、正確な同定には[[交尾器]]などの詳細な観察が必要である。
: [[東北地方]](岩手秋田南部以南)から[[南西諸島]]まで分布し、名のとおり常に翅が長く後ろに突き出る。一見ではコバネイナゴと区別がつかないので、正確な同定には[[交尾器]]などの詳細な観察が必要である。
: 同属の他種と比べて群れる傾向が強く、雄雌、成虫幼虫問わず数匹から数十匹が1本の茎に群がっていることもある。
: 同属の他種と比べて群れる傾向が強く、雄雌、成虫幼虫問わず数匹から数十匹が1本の茎に群がっていることもある。
; [[チョウセンイナゴ]] {{Snamei||Oxya sinuosa|O. sinuosa}}(Mistshenko,1951)
; [[チョウセンイナゴ]] {{Snamei||Oxya sinuosa|O. sinuosa}}(Mistshenko,1951)

2024年11月28日 (木) 10:42時点における最新版

コバネイナゴ
コバネイナゴ
メス(左)とオス(右)(大阪、2007年11月7日)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: バッタ目(直翅目) Orthoptera
亜目 : バッタ亜目 Caelifera
下目 : バッタ下目 Acrididea
上科 : バッタ上科 Acridoidea
: バッタ科 Acrididae
亜科 : イナゴ亜科 Oxyinae
: Oxyini
: イナゴ属 Oxya
: コバネイナゴ O. yezoensis
学名
Oxya yezoensis
Shiraki, 1910
和名
コバネイナゴ(小翅稲子)
エゾイナゴ(蝦夷稲子)

コバネイナゴ(小翅稲子、学名:Oxya yezoensis)は、バッタ目バッタ科に分類されるイナゴの一種。エゾイナゴ(蝦夷稲子)[1]ともいう。

分布

[編集]

日本北海道本州四国九州対馬種子島屋久島トカラ列島奄美大島沖縄本島慶良間諸島石垣島)、台湾[1]

形態

[編集]

成虫の体長はオスが28-34ミリメートル、メスが40ミリメートルほど。

体色は明るい緑色で、側面には黒色の線が頭部から尾部まで走っている。背中は肌色、または緑色、まれに紅色

名の通りは短く、腹端を越えない場合が多いが、長翅型のものも見られる。

生態

[編集]

本来はヨシなどの生えた湿った環境を好み、イネ科植物のを食べる。そのため水田に多く生息し、イネの葉を食べるので農業害虫として扱われる。また水田のみならず、郊外の草むらなどにも生息する。

成虫は7月ごろから現れ始め、11月から12月頃までみられる。

越冬する。卵は卵嚢にくるまれており、他のバッタの卵嚢よりが細かく、堅い。これは元々の生息地である沼地の土壌が冬の間乾燥に晒されるなど激しい乾湿の差に適応したものと思われ、他のイナゴ属よりも乾燥に強く、乾き気味の草原で他のバッタ類との混生も見られる。

天敵の存在を感じると、止まっている草などの反対側に回り込んで身を隠そうとする習性がある。比較的逃げ足は早い。跳躍力に優れ、また長翅型は飛ぶこともできる。

利用

[編集]

地方によっては佃煮などで食用になる。食感の悪い翅の部分が短いため、同じイナゴ亜科の中でも最も美味とされる。

近縁種

[編集]
コイナゴ O. hyla intricata(Stål,1861)
O. hylaの亜種ではなく、学名をO. intricataとして独立種とする向きもある。
ニンポーイナゴ O. ningpoensis(Chang,1934)
ハネナガイナゴ O. japonica japonica(Thunberg,1824)
東北地方(岩手秋田南部以南)から南西諸島まで分布し、名のとおり常に翅が長く後ろに突き出る。一見ではコバネイナゴと区別がつかないので、正確な同定には交尾器などの詳細な観察が必要である。
同属の他種と比べて群れる傾向が強く、雄雌、成虫幼虫問わず数匹から数十匹が1本の茎に群がっていることもある。
チョウセンイナゴ O. sinuosa(Mistshenko,1951)
タイワンハネナガイナゴ O. chinensis(Thunberg,1815)
タイワンコバネイナゴ O. podisma(Karny,1915)
コバネイナゴ(O. yezoensis)のシノニムとする向きもある。
オガサワライナゴ O. ogasawarensis(Ichikawa,2001)

脚注

[編集]
  1. ^ a b 日本産昆虫学名和名辞書(DJI)”. 昆虫学データベース KONCHU. 九州大学大学院農学研究院昆虫学教室. 2011年11月2日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 宮武頼夫・加納康嗣編著『検索入門セミ・バッタ』保育社、1992年、54頁。ISBN 4-586-31038-3 
  • 市川顕彦 著「日本の鳴く虫一覧:直翅目」、大阪市立自然史博物館・大阪自然史センター編著 編『鳴く虫セレクション : 音に聴く虫の世界』東海大学出版会〈大阪市立自然史博物館叢書〉、2008年、246-321頁。ISBN 978-4-486-01815-5 
  • 福田晴夫ほか『昆虫の図鑑 採集と標本の作り方 : 野山の宝石たち』(増補改訂版)南方新社、2009年、132頁。ISBN 978-4-86124-168-0 
  • 村井貴史、伊藤ふくお『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』日本直翅類学会監修、北海道大学出版会、2011年、390頁。ISBN 978-4-8329-1394-3 
  • 市川顕彦 「イナゴの話」『NUE』10号、環境科学株式会社、2001年。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]