「9M133 (ミサイル)」の版間の差分
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'''9M133 コルネット'''({{lang-ru|9К114 «Корнет»}}:[[コルネット]]の意)は、[[ロシア連邦]]の[[対戦車ミサイル]]である。[[NATOコードネームの一覧 (ミサイル)|NATOコードネーム]]は'''AT-14 スプリガン'''({{Lang|en|AT-14 Cornet}})。 |
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== 概要 == |
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9M133は1988年にKBP器械製造設計局によって開発が開始され、1998年に最初のモデルが配備に至っている。 |
9M133は[[9M113 (ミサイル)|9M113]]や[[9K115 (ミサイル)|9K115]]の後継として、[[1988年]]にKBP器械製造設計局によって開発が開始され、1998年に最初のモデルが配備に至っている。 |
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9M133は現在シリアやインド、トルコなど様々な国に輸出用のモデルであるコルネット-Eが輸出されており、朝鮮人民共和国やイランなどではライセンス生産が行われている。 |
9M133は現在[[ロシア陸軍]]で広く運用されているほか、[[シリア]]や[[インド]]、[[トルコ]]など様々な国に輸出用のモデルであるコルネット-Eが輸出されており、[[朝鮮民主主義人民共和国]]や[[イラン]]などではコピーおよび[[ライセンス生産]]が行われている。 |
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== 設計 == |
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9M133は9P163ランチャーにより発射され、半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)により目標に誘導される。9P163ランチャーには昼夜を問わず運用を可能にする為に1PN79-1[[暗視装置#熱赤外 (TIR) 帯域|サーマルサイト]]が備わっている。<ref>{{cite web|url=https://weaponsystems.net/system/1062-9K135+Kornet|title=9K135 Kornet|language=|website=|date=|accessdate=2024-10-27}}</ref> |
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9M133は9P163発射機により発射され、半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)により目標に誘導される。9P163発射機には昼夜を問わず運用を可能にする為に1PN79-1[[暗視装置#熱赤外 (TIR) 帯域|サーマルサイト]]が備わっている<ref>{{cite web|url=https://weaponsystems.net/system/1062-9K135+Kornet|title=9K135 Kornet|language=|website=|date=|accessdate=2024-10-27}}</ref>。 |
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== ミサイル == |
== ミサイル == |
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!名称||弾頭||全長||射程距離||貫徹能力(RHA換算) |
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|9M133FM-3||[[榴弾|破片効果弾頭]]||1.1m||10.0km|| |
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== バリエーション == |
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: 最新のモデルで、ロックオン後に自動で目標の追尾を開始する[[ファイア・アンド・フォーゲット]]機能を備えており、射程が大幅に向上している<ref>{{cite web|url=https://worldtanknews.info/anti-tank/russias-strongest-atgm-kornet/#gsc.tab=0|title=ロシアの最強対戦車ミサイル「Kornet」|language=|website=|date=|accessdate=2024-10-27}}</ref>。 |
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: ダウラビーの連装または4連装発射機を車両に搭載できるようにした自走ミサイル車両。 |
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: 北朝鮮によるライセンス生産型。 |
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File:Iranian Army Ground Forces New Equipment Ceremony 2015 (04).jpg|ダウラビーの発射機 |
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File:2022 Guardian of the Revolution exhibition at Imam Hossein square (10).jpg|ピロースの4連装発射機 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
2024年10月28日 (月) 22:07時点における版
9M133 コルネット | |
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9P163ランチャーと9M133対戦車ミサイル | |
種類 | 対戦車ミサイル |
原開発国 | ロシア |
運用史 | |
配備期間 | 1998年–現在 |
開発史 | |
開発期間 | 1988年 |
製造業者 | KBP器械製造設計局 |
製造期間 | 1998年 |
諸元 | |
重量 | 29kg |
全長 | 1,100mm |
直径 | 160mm |
| |
射程 | 5km(9M133M-2:8km、9M133FM-3:10km) |
弾頭 | 成形炸薬弾、サーモバリック弾頭 |
信管 | 接触信管 |
| |
エンジン | 固体燃料ロケット |
翼幅 | 460mm |
誘導方式 | SACLOS |
発射 プラットフォーム | 車載 |
9M133 コルネット(ロシア語: 9К114 «Корнет»:コルネットの意)は、ロシア連邦の対戦車ミサイルである。NATOコードネームはAT-14 スプリガン(AT-14 Cornet)。
概要
9M133は9M113や9K115の後継として、1988年にKBP器械製造設計局によって開発が開始され、1998年に最初のモデルが配備に至っている。
9M133は現在ロシア陸軍で広く運用されているほか、シリアやインド、トルコなど様々な国に輸出用のモデルであるコルネット-Eが輸出されており、朝鮮民主主義人民共和国やイランなどではコピーおよびライセンス生産が行われている。
設計
9M133はミサイル自体の名称であり、システム全体は9K135と呼称される。
9M133は9P163発射機により発射され、半自動指令照準線一致誘導方式(SACLOS)により目標に誘導される。9P163発射機には昼夜を問わず運用を可能にする為に1PN79-1サーマルサイトが備わっている[1]。
ミサイル
名称 | 弾頭 | 全長 | 射程距離 | 貫徹能力(RHA換算) |
---|---|---|---|---|
9M133 | タンデム成形炸薬弾頭 | 1.1m | 5.0km | 1000mm |
9M133-1 | タンデム成形炸薬弾頭 | 1.1m | 5.5km | 1,000-1,200mm |
9M133F-1 | サーモバリック弾頭 | 1.1m | 5.5km | |
9M133M-2 | タンデム成形炸薬弾頭 | 1.1m | 8.0km | 1,100-1,300mm |
9M133FM-2 | サーモバリック弾頭 | 1.1m | 8.0km | |
9M133FM-3 | 破片効果弾頭 | 1.1m | 10.0km |
派生型
- 9M133M コルネット-M
- 最新のモデルで、ロックオン後に自動で目標の追尾を開始するファイア・アンド・フォーゲット機能を備えており、射程が大幅に向上している[2]。
- 9M133 コルネット-EM
- コルネット-Mの輸出型。
- 9K128-1/9P162 コルネット-T
- BMP-3をベースとした自走ミサイル車両。2基のミサイル発射機を備えており、16発の予備弾薬が車体の内部に保管されている[3]。
- ティーグル コルネット-D/コルネット-EM
- GAZ-2330 ティーグルにコルネット-Dまたはコルネット-EM 4連装発射機を2基搭載した自走ミサイル車両[4]。コルネット-EMを搭載した
- ダウラビー (ミサイル)
- イランの防衛・兵站省によるコピー。シリアに輸出された。
- ピロース
- ダウラビーの連装または4連装発射機を車両に搭載できるようにした自走ミサイル車両。
- ブルセ3(火の鳥3)
- 北朝鮮によるライセンス生産型。
-
コルネット-T
-
ティーグル コルネット-D
-
ダウラビーの発射機
-
ピロースの4連装発射機
脚注
- ^ “9K135 Kornet”. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “ロシアの最強対戦車ミサイル「Kornet」”. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “9P162 Kornet-T and M1 (2012)”. 2024年10月27日閲覧。
- ^ “Kornet-D”. 2024年10月27日閲覧。