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「ホロホロチョウ」の版間の差分

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== 形態 ==
== 形態 ==
全長53cm。胴体は黒い羽毛に覆われ白い斑点が入る。
全長152cm。胴体は黒い羽毛に覆われ白い斑点が入る。


頭部に羽毛はなく、ケラチン質に覆われた骨質の突起がある。また咽頭部には赤や青の肉垂がある。雌雄はよく似ているが、肉垂と頭部の突起は雄の方が大きい。
頭部に羽毛はなく、ケラチン質に覆われた骨質の突起がある。また咽頭部には赤や青の肉垂がある。雌雄はよく似ているが、肉垂と頭部の突起は雄の方が大きい。
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== 生態 ==
== 生態 ==
[[草原]]や開けた[[森林]]等に生息する。地表棲だが、抱卵中のメスを除いて夜間は樹上で眠る。群れを形成して生活し、2,000羽以上もの大規模な群れが確認されたこともある。横一列になって採食を行ったり、雛を囲んだり天敵から遠ざけるような形態をとることもある。繁殖期になるとオスは縄張りを持ち、群れは離散する。危険を感じると警戒音をあげたり走って逃げるが、距離であれば飛翔することもできる。和名は江戸時代にオランダ船により持ち込まれたときに使われていた名称である「ポルポラート」が由来と考えられている。
[[草原]]や開けた[[森林]]等に生息する。地表棲だが、抱卵中のメスを除いて夜間は樹上で眠る。群れを形成して生活し、2,000000羽以上もの大規模な群れが確認されたこともある。横一列になって採食を行ったり、雛を囲んだり天敵から遠ざけるような形態をとることもある。繁殖期になるとオスは縄張りを持ち、群れは離散する。危険を感じると警戒音をあげたり走って逃げるが、距離であれば飛翔することもできる。和名は江戸時代にオランダ船により持ち込まれたときに使われていた名称である「ポルポラート」が由来と考えられている。


食性は[[雑食]]で、[[昆虫類]]、[[節足動物]]、[[甲殻類]]、[[果実]]、[[種子]]等を食べる。
食性は[[雑食]]で、[[昆虫類]]、[[節足動物]]、[[甲殻類]]、[[果実]]、[[種子]]等を食べる。


繁殖形態は卵生で、地面を掘り落ち葉や草等を敷いた巣を作り卵を産む。繁殖期になるとス同士が追いかけあったり争う。スのみが抱卵を行い、オスはその間別のメスと交尾を行う。雛の世話は雌雄とも行う。
繁殖形態は卵生で、地面を掘り落ち葉や草等を敷いた巣を作り卵を産む。繁殖期になるとス同士が追いかけあったり争う。スのみが抱卵


== 人間との関係 ==
== 人間との関係 ==
食用とされることもあり、生息地以外でも家禽として飼育されることもある。ホロホロチョウ科の構成種の総称であるGuineafowl(「[[ギニア]]の[[鳥]]または[[ニワトリ]]」の意、メスの場合は「ギニアのめん鳥」の意の"Guineahen")は家禽の原種である本種がアフリカ西部(ギニア湾)産であることに由来する。[[フランス]]や[[西インド諸島]]で飼育されており、[[フランス料理]]などで用いられることが多い。野鳥に似た歯ごたえで癖がなく、美味として知られる。
食用とされることもあり、生息地以外でも家禽として飼育されることもある。ホロホロチョウ科の構成種の総称である「[[ギニア]]の[[鳥]]または[[ニワトリ]]」の意、メスの場合は「ギニアのめん鳥」の意の)は家禽の原種である本種がアフリカ西部(ギニア湾)産であることに由来する。[[フランス]]や[[西インド諸島]]で飼育されており、[[フランス料理]]などで用いられることが多い。野鳥に似た歯ごたえで癖がなく、美味として知られる。


家禽としてのホロホロチョウは、神経質な上に、寒さに弱いなど扱いに難しい部分もあるが、一方で病気には非常に強く、薬を使わなくても丈夫に育つという利点もある<ref>{{Cite web|和書|accessdate = 2015-2-8|url=http://www.ishikuro-farm.com/horohoro.html |title=ほろほろ鳥を食卓に、ホロホロ鳥の専門農場「石黒農場」 |publisher=有限会社石黒農場}}</ref>。
家禽としてのホロホロチョウは、神経質な上に、寒さに弱いなど扱いに難しい部分もあるが、一方で病気には非常に強く、薬を使わなくても丈夫に育つという利点もある<ref>{{Cite web|和書|accessdate = 2015-2-8|url=http://www.ishikuro-farm.com/horohoro.html |title=ほろほろ鳥を食卓に、ホロホロ鳥の専門農場「石黒農場」 |publisher=有限会社石黒農場}}</ref>。

2024年5月9日 (木) 04:59時点における版

ホロホロチョウ
ホロホロチョウ
ホロホロチョウ Numida meleagris
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: キジ目 Galliformes
: ホロホロチョウ科 Numididae
: ホロホロチョウ属 Numida
Linnaeus, 1766
: ホロホロチョウ N. meleagris
学名
Numida meleagris
(Linnaeus, 1758)
和名
ホロホロチョウ
英名
Helmeted guineafowl
生息図
Numida meleagris

ホロホロチョウ(ほろほろ鳥、珠鶏、: Guinea fowl、学名:Numida meleagris)は、キジ目ホロホロチョウ科ホロホロチョウ属に分類される鳥類。本種のみでホロホロチョウ属を形成する。属名のNumidaは北アフリカの古代王国ヌミディアに由来する。種小名のN.meleagrisはホロホロチョウを意味するギリシャ語で、ギリシャ神話の英雄メレアグロスに由来する。

分布

アンゴライエメンウガンダエチオピアエリトリアガーナガボンカメルーンガンビアギアナギニアビサウケニアコートジボワールコンゴ共和国コンゴ民主共和国ザンビアシエラレオネジンバブエスーダンスワジランド赤道ギニアセネガルソマリアタンザニアチャド中央アフリカ共和国トーゴナイジェリアナミビアニジェールベナンボツワナブルキナファソブルンジマラウイマリ共和国南アフリカ共和国モザンビークモロッコリベリアルワンダレソト

形態

全長152cm。胴体は黒い羽毛に覆われ白い斑点が入る。

頭部に羽毛はなく、ケラチン質に覆われた骨質の突起がある。また咽頭部には赤や青の肉垂がある。雌雄はよく似ているが、肉垂と頭部の突起は雄の方が大きい。

家畜化されたホロホロチョウの羽色は、白、茶色、灰色など様々である。

生態

草原や開けた森林等に生息する。地表棲だが、抱卵中のメスを除いて夜間は樹上で眠る。群れを形成して生活し、2,000000羽以上もの大規模な群れが確認されたこともある。横一列になって採食を行ったり、雛を囲んだり天敵から遠ざけるような形態をとることもある。繁殖期になるとオスは縄張りを持ち、群れは離散する。危険を感じると警戒音をあげたり走って逃げるが、長距離であれば飛翔することもできる。和名は江戸時代にオランダ船により持ち込まれたときに使われていた名称である「ポルポラート」が由来と考えられている。

食性は雑食で、昆虫類節足動物甲殻類果実種子等を食べる。

繁殖形態は卵生で、地面を掘り落ち葉や草等を敷いた巣を作り卵を産む。繁殖期になるとメス同士が追いかけあったり争う。オスのみが抱卵

人間との関係

食用とされることもあり、生息地以外でも家禽として飼育されることもある。ホロホロチョウ科の構成種の総称である(「ギニアまたはニワトリ」の意、メスの場合は「ギニアのめん鳥」の意の)は家禽の原種である本種がアフリカ西部(ギニア湾)産であることに由来する。フランス西インド諸島で飼育されており、フランス料理などで用いられることが多い。野鳥に似た歯ごたえで癖がなく、美味として知られる。

家禽としてのホロホロチョウは、神経質な上に、寒さに弱いなど扱いに難しい部分もあるが、一方で病気には非常に強く、薬を使わなくても丈夫に育つという利点もある[1]

日本国内における飼育状況

日本国内でも飼育を試みる研究機関・農家が和歌山県岩手県の牧場や鹿児島県の南東に位置する与論島など、数地点存在する。しかし、繁殖には熱帯的な夏季の気候を要し、けたたましい鳴き声やショックに弱いことなどから、現時点では広い敷地が必要などの特性がある。また、日本人向けの料理としては今のところ、焼き鳥たたきなどに限られるなどレパートリーの開発が進んでおらず、ベンチャービジネスの素材としてしばしば脚光を浴びるものの、一般的に普及するには至っていない。

しかし近年、鹿児島県の与論島では完全国内畜産内生産が行えるようになり、卵や缶詰などの精肉以外でもお中元などで一般人向けに販売を始めている。和歌山県農林水産総合技術センター畜産試験場・養鶏研究所は、全国で唯一ホロホロチョウの飼養研究を行う畜産試験場である。

画像

脚注

  1. ^ ほろほろ鳥を食卓に、ホロホロ鳥の専門農場「石黒農場」”. 有限会社石黒農場. 2015年2月8日閲覧。

参考文献

  • 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、102頁。
  • 『動物大百科7 鳥類I』、平凡社、1986年、148-151、154頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、127頁。

関連項目

外部リンク