「こめかみ」の版間の差分

削除された内容追加された内容

インライン

2024年9月22日 (日) 06:18時点における最新版

こめかみ（顳顬^[1]、蟀谷、英語: temple）は、側頭部のうち目の上と耳の上の中間点にあたる領域である^[2]。テンプルとも。

こめかみは眼窩上縁と外耳上部との中間点にある側頭部をおおまかに指し^[2]、厳密な解剖学的境界は定められていない。こめかみの表面は皮膚に覆われ、その下には側頭筋が、更にその下には頭蓋骨がある。前頭骨・蝶形骨・側頭骨・頭頂骨の接合部であるプテリオンはこめかみに存在する^[3]。

側頭筋が存在するためこめかみは顎の動きに連動して動く。

「こめかみ」の語は、物を噛むと、この部分が動くことから「米噛み」に由来するもので万葉仮名で「古米賀美」と書く^[4]。米以外のものを噛んでも動くが^[4]、これを「米噛み」という理由として、日本の主食が米であったことや、かつては固い生米を食べており、よく噛む必要があったこと^[要出典]などが挙げられる。漢字の「蟀谷」は中国語の「こめかみ」を意味する語をそのまま導入したものである。「蟀」はコオロギのことであるが、この字が使われる理由は不詳である。

哺乳類の祖先にあたる単弓類ではこの部分に側頭窓とよばれる穴が開いていた。このため進化の過程で穴がふさがった後もこの部分は骨の厚さが薄く、打撃に対して弱い。ボクシングやその他の格闘技ではテンプルと呼ばれ、顎先と並んで急所としてとらえられている。こめかみに打撃をもらうと脳震盪を起こしやすい。

医療分野では精神科の治療の一つ、電気痙攣療法の通電部位はこの部分である^[5]。

脚注

^ 需 + 頁。
^ ^a ^b "中硬膜動脈前頭枝は ... 眼窩上縁と外耳上部との中間点にあたる側頭部（いわゆるコメカミ）のプテリオン領域を通る" Drake 2011, p. 1066 より引用。
^ "側頭部（いわゆるコメカミ）のプテリオン領域 ... プテリオンは，蝶形骨，前頭骨，頭頂骨，側頭骨の4つの骨が接合する小領域を指す。" Drake 2011, p. 1066 より引用。
^ ^a ^b フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 4』講談社、2003年。
^ 精神病とは何か―臨床精神医学の基本構造　ゲルト・フーバー（翻訳、林拓二）　新曜社　2005年　ISBN 9784788509658 p167

参考文献

Drake, Richard (2011). グレイ解剖学 (原著第2版 ed.). エルゼビア・ジャパン. ISBN 978-4860347734

@@ 1行目: / 1行目: @@
-'''こめかみ'''（顳顬({需頁})、蟀谷）とは、[[頭]]の両側の[[目尻]]の後、目と[[耳]]のつけ根のほぼ中間にある、[[皮膚]]のすぐ下に[[骨]]（[[側頭骨]]）のある場所のことである。こめかみから下[[顎]]までを結ぶ[[側頭筋]]という[[筋肉]]があり、顎の動きに連動してこめかみが動く。
+'''こめかみ'''（顳顬<ref>需 + 頁。</ref>、蟀谷、{{Lang-en|temple}}）は、側[[頭|頭部]]のうち目の上と[[耳]]の上の中間点にあたる領域である<ref name=":0">"中硬膜動脈前頭枝は ... 眼窩上縁と外耳上部との中間点にあたる側頭部（いわゆるコメカミ）のプテリオン領域を通る" {{Harvnb|Drake|2011|p=1066}} より引用。</ref>。'''テンプル'''とも。
+[[File:Temple (anatomy) (PSF).svg|thumb|こめかみ　TEMPLEと指示された部位]]
-== 概要 ==
-「こめかみ」の語は、物を[[噛む]]とこの部分が動くことから「米噛み」に由来するものである。[[米]]以外のものを噛んでも動くが、これを「米噛み」という理由として、日本の主食が米であったことや、かつては固い生米を食べており、よく噛む必要があったことなどが挙げられる。漢字の「蟀谷」は[[中国語]]の「こめかみ」を意味する語をそのまま導入したものである。「蟀」は[[コオロギ]]のことであるが、この字が使われる理由は不詳である。
+こめかみは[[眼窩]]上縁と[[外耳]]上部との中間点にある側頭部をおおまかに指し<ref name=":0" />、厳密な解剖学的境界は定められていない。こめかみの表面は[[皮膚]]に覆われ、その下には[[側頭筋]]が、更にその下には[[頭蓋骨]]がある。[[前頭骨]]・[[蝶形骨]]・[[側頭骨]]・[[頭頂骨]]の接合部であるプテリオンはこめかみに存在する<ref>"側頭部（いわゆるコメカミ）のプテリオン領域 ... プテリオンは，蝶形骨，前頭骨，頭頂骨，側頭骨の4つの骨が接合する小領域を指す。" {{Harvnb|Drake|2011|p=1066}} より引用。</ref>。
-この部分は骨の厚さが薄く、打撃に対して弱い。[[ボクシング]]やその他の[[格闘技]]では[[顎先]]と並んで[[人体の急所|急所]]としてとらえられている。こめかみに打撃をもらうと[[脳震盪]]を起こしやすい。
+側頭筋が存在するためこめかみは顎の動きに連動して動く。
-医療分野では[[精神科]]の治療の一つ、[[電気けいれん療法]]の通電部位はこの部分である<ref>精神病とは何か―臨床精神医学の基本構造　ゲルト・フーバー（翻訳、林拓二）　新曜社　2005年　ISBN 9784788509658 p167</ref>。
+「こめかみ」の語は、物を噛むと、この部分が動くことから「米噛み」に由来するもので[[万葉仮名]]で「古米賀美」と書く<ref name="trivia">{{Cite book |和書 |author=フジテレビトリビア普及委員会 |year=2003 |title=トリビアの泉〜へぇの本〜 4 |publisher=講談社 }}</ref>。[[米]]以外のものを噛んでも動くが<ref name="trivia" />、これを「米噛み」という理由として、日本の主食が米であったことや、{{要出典範囲|date=2019-10|かつては固い生米を食べており、よく噛む必要があったこと}}などが挙げられる。漢字の「蟀谷」は[[中国語]]の「こめかみ」を意味する語をそのまま導入したものである。「蟀」は[[コオロギ]]のことであるが、この字が使われる理由は不詳である。
+哺乳類の祖先にあたる[[単弓類]]ではこの部分に[[側頭窓]]とよばれる穴が開いていた。このため進化の過程で穴がふさがった後もこの部分は骨の厚さが薄く、打撃に対して弱い。[[ボクシング]]やその他の[[格闘技]]ではテンプルと呼ばれ、[[顎先]]と並んで[[人体の急所|急所]]としてとらえられている。こめかみに打撃をもらうと[[脳震盪]]を起こしやすい。
+医療分野では[[精神科]]の治療の一つ、[[電気けいれん療法|電気痙攣療法]]の通電部位はこの部分である<ref>精神病とは何か―臨床精神医学の基本構造　ゲルト・フーバー（翻訳、林拓二）　新曜社　2005年　ISBN 9784788509658 p167</ref>。
 == 脚注 ==
 <references />
+== 参考文献 ==
-[[Category:頭|こめかみ]]
+* {{Cite book |last=Drake |first=Richard |year=2011 |title=グレイ解剖学 |publisher=エルゼビア・ジャパン |isbn=978-4860347734 |edition=原著第2版 |ref=harv}}
+== 関連項目 ==
+{{Wiktionary|蟀}}
+{{medical-stub}}
-[[an:Pulso]]
+{{ヒトの局所解剖}}
-[[ar:صدغ]]
+{{Normdaten}}
-[[arc:ܨܕܥܐ]]
+{{デフォルトソート:こめかみ}}
-[[br:Ividig]]
-[[ca:Templa]]
+[[Category:頭]]
+[[Category:脊椎動物の解剖学]]
-[[de:Schläfe]]
-[[en:Temple (anatomy)]]
-[[eo:Tempio]]
-[[es:Sien]]
-[[eu:Loki (anatomia)]]
-[[fa:گیجگاه]]
-[[fi:Ohimo]]
-[[fr:Tempe (anatomie)]]
-[[io:Temporo]]
-[[la:Tempora (anatomia)]]
-[[nl:Slaap (anatomie)]]
-[[oc:Tempe]]
-[[pag:Alupising]]
-[[pl:Skroń]]
-[[ru:Висок]]
-[[sv:Tinning]]
-[[tl:Pilipisan]]
-[[uk:Скроня]]
-[[ur:صدغ]]
-[[war:Sapiríng]]
-[[zh:顳]]