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'''ハチク'''(淡竹)は[[中国]]原産の[[竹]]の一種。[[黄河]]流域以南に広く分布し、[[日本]]では[[モウソウチク]][[マダケ]]に次いで各地でよく植栽されている。[[北海道]]南部以南に分布し、モウソウチクより耐寒性を有するために特に日本海側多い。川岸や山地では野生化しているものもある。別名アワダケ、呉竹(くれたけ)。
'''ハチク'''(淡竹<ref name="maff">[https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2103/spe1_01.html 身近で不思議なタケの生態に迫る!] 農林水産省</ref>、甘竹<ref name="maff" />)は[[中国]]原産の[[竹]]の一種。[[黄河]]流域以南に広く分布する。[[日本]]では[[モウソウチク]][[マダケ]]とともに日本三大有用竹数えられている<ref name="pharm" />。別名アワダケ、呉竹(くれたけ)。


== 概要 ==
== 生態 ==
中国原産の多年生常緑植物で、直径は3〜10[[センチメートル|センチ]]、高さは10〜15[[メートル]]<ref name="pharm" />。
直径は3~10cm、高さは10~15m程だが高いものは20mになるものもある。節の輪は2個で節間は20~40cm。若い桿には白い粉があり、各節から枝が2本出る特徴を有する。


モウソウチクの節は一輪状であるのに対し、[[マダケ]]やハチクは節が二輪状である<ref name="nies">[https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80740.html モウソウチク] 国立環境研究所</ref><ref name="aichi">[https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sizen-ka/shizen/gairai/measure30/pdf/pdf_data30.pdf モウソウチク] 愛知県</ref>。マダケとの区別では、ハチクは全体的に色が白く、2本ある節の隆起線は低く黒っぽいのが特徴である<ref name="pharm" />。
[[750年]]([[天平勝宝|勝宝]]3年)頃には日本にあったことが知られているが、起源は不明である。
細く割れるため[[茶筅]]などの[[茶道]]用具、[[花器]]に利用されるほか、枝が細かく分枝するため竹[[箒]]として利用される。
[[正倉院]]の呉竹笙、呉竹竿、彫刻尺八、天平宝物の筆などはハチク製と鑑定されている。
また、内側の薄皮は[[竹紙]]と呼ばれ、[[笛]]の響孔に張り音の響きを良くするほか、[[漢方薬]]としても使用される。


開花周期は、[[マダケ]]などと同様に約120年とされており、開花後は一斉に枯死することが知られている<ref>[https://web.archive.org/web/20170606030040/http://www.yomiuri.co.jp/science/20170603-OYT1T50068.html 明治末期以来?周期120年、各地でハチク咲く]読売新聞(2017年6月4日)2017年6月4日閲覧(アーカイブ)</ref>。開花後に枯れてしまう現象は他の竹類にもみられるが、モウソウチクの場合には開花すると地下茎まで枯れてしまうのに対し、ハチクは地上部分は枯死しても地下茎は枯れないものがかなりあるとされ違いがある<ref name="maff" />。
ハチクの筍(タケノコ)は食用で径が約3~10cmで、最盛期は5月中旬から6月上旬ごろ。主に孟宗竹のピークが過ぎたころに出回り始める。皮は紫色でまばらに毛があり、掘り出したばかりの筍はクセが無く生食も可能だが、時間の経過につれえぐみが増すため[[あく抜き]]が必要となる。
筍はマダケと比べるとやや太くずんぐりとしている。また出始めの時期がやや早いこと、マダケでは皮にある黒い斑点がない事や色の違いで見分けがつく。


== 利用 ==
開花周期は、[[マダケ]]などと同様に約120年とされており、開花後は一斉に枯死することが知られている<ref>[http://www.yomiuri.co.jp/science/20170603-OYT1T50068.html 明治末期以来?周期120年、各地でハチク咲く]読売新聞(2017年6月4日)2017年6月4日閲覧</ref>。
=== 竹材 ===
マダケに比べて強靭さは劣るが割り竹には適している<ref name="skr">{{Cite web|和書|url=https://www.skr.mlit.go.jp/matsuyam/river/suibou%20kouhou%20Poket%20Book%20.pdf|title=水防工法 Pocket Book|publisher=四国地方整備局 松山河川国道事務所|accessdate=2021-10-01}}</ref>。[[茶筅]]にするには竹材の先端を80から120等分する必要があるが、割り竹に適したハチクの特権といわれている<ref name="skr" />。[[茶道]]用具では[[花器]]にも利用される。枝が細かく分枝するため竹[[箒]]としても利用される。[[正倉院]]の呉竹笙、呉竹竿、彫刻尺八、天平宝物の筆などはハチク製と鑑定されている。また、内側の薄皮は[[竹紙]]と呼ばれ、[[笛]]の響孔に張り音の響きを良くする。

=== 食用 ===
ハチクの筍(タケノコ)は、えぐ味がなく美味とされるが、店頭で見かけることは少ない<ref name="maff" />。

=== 漢方 ===
ハチクの稈(茎の部分)の内皮は竹筎・竹茹(チクジョ)、葉は竹葉(チクヨウ)といい生薬として用いられる(いずれも局外生薬)<ref name="pharm">[https://www.pharm.or.jp/flowers/content_1.html ハチク] 日本薬学会</ref>。また、稈を炙ると流れ出る液汁も竹瀝(チクレキ)という生薬として利用されている<ref name="pharm" />。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2023年10月23日 (月) 00:07時点における最新版

ハチク
ハチクの筍
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
階級なし : ツユクサ類 Commelinids
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
亜科 : タケ亜科 Bambusioideae
: マダケ属 Phyllostachys
: クロチク P. nigra
変種 : ハチク var. henonis
学名
Phyllostachys nigra var. henonis
和名
ハチク
英名
Henon bamboo

ハチク(淡竹[1]、甘竹[1])は中国原産のの一種。黄河流域以南に広く分布する。日本ではモウソウチクマダケとともに日本三大有用竹に数えられている[2]。別名アワダケ、呉竹(くれたけ)。

生態

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中国原産の多年生常緑植物で、直径は3〜10センチ、高さは10〜15メートル[2]

モウソウチクの節は一輪状であるのに対し、マダケやハチクは節が二輪状である[3][4]。マダケとの区別では、ハチクは全体的に色が白く、2本ある節の隆起線は低く黒っぽいのが特徴である[2]

開花周期は、マダケなどと同様に約120年とされており、開花後は一斉に枯死することが知られている[5]。開花後に枯れてしまう現象は他の竹類にもみられるが、モウソウチクの場合には開花すると地下茎まで枯れてしまうのに対し、ハチクは地上部分は枯死しても地下茎は枯れないものがかなりあるとされ違いがある[1]

利用

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竹材

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マダケに比べて強靭さは劣るが割り竹には適している[6]茶筅にするには竹材の先端を80から120等分する必要があるが、割り竹に適したハチクの特権といわれている[6]茶道用具では花器にも利用される。枝が細かく分枝するため竹としても利用される。正倉院の呉竹笙、呉竹竿、彫刻尺八、天平宝物の筆などはハチク製と鑑定されている。また、内側の薄皮は竹紙と呼ばれ、の響孔に張り音の響きを良くする。

食用

[編集]

ハチクの筍(タケノコ)は、えぐ味がなく美味とされるが、店頭で見かけることは少ない[1]

漢方

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ハチクの稈(茎の部分)の内皮は竹筎・竹茹(チクジョ)、葉は竹葉(チクヨウ)といい生薬として用いられる(いずれも局外生薬)[2]。また、稈を炙ると流れ出る液汁も竹瀝(チクレキ)という生薬として利用されている[2]

脚注

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  1. ^ a b c d 身近で不思議なタケの生態に迫る! 農林水産省
  2. ^ a b c d e ハチク 日本薬学会
  3. ^ モウソウチク 国立環境研究所
  4. ^ モウソウチク 愛知県
  5. ^ 明治末期以来?周期120年、各地でハチク咲く読売新聞(2017年6月4日)2017年6月4日閲覧(アーカイブ)
  6. ^ a b 水防工法 Pocket Book”. 四国地方整備局 松山河川国道事務所. 2021年10月1日閲覧。

参考文献

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  • 石川の竹 - 八尾弥太郎著、北国出版社、1975年
  • 図説 実用樹木学 (ISBN 4254470215) - 橋詰隼人、中田銀佐久、新里孝和、染郷正孝、滝川貞夫、内村悦三著、朝倉書店、1993年

関連項目

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