「楊藎誠」の版間の差分

楊藎誠
プロフィール
出生：	1880年（清光緒6年）
死去：	1922年（民国11年）7月; 中華民国四川省秀山県
出身地：	清四川省酉陽州秀山県
職業：	軍人
各種表記
繁体字：	楊藎誠
簡体字：	杨荩诚
拼音：	Yáng Jìnchéng
ラテン字：	Yang Chin-ch'eng
和名表記：	ようじんせい
発音転記：	ヤンジンチョン
	テンプレートを表示

履歴の双方向閲覧

← 古い編集

削除された内容追加された内容

ビジュアルウィキテキスト

インライン

2023年3月24日 (金) 14:35時点における最新版

楊藎誠（ようじんせい）は清末民初の軍人。貴州省での辛亥革命の蜂起に貢献した人物である。別名は光准。字は柏舟。トゥチャ族（土家族）出身。

事績

清末の活動

1902年（光緒28年）、楊藎誠は貴州武備学堂に入学する。当時教官をつとめていた高山公通らからその能力を評価された。1905年（光緒31年）、楊藎誠は首席の成績を取得し、官費で日本へ留学した。東京振武学校、陸軍士官学校で学んでいる。

この日本留学の間に、楊藎誠は革命派の思想に共鳴し、孫文（孫中山）の中国同盟会に加入して、多くの革命派人士と人脈を築いた。1910年（宣統2年）に帰国して、貴州新軍第1標教練官となる。1911年（宣統3年）春には、貴州陸軍小学総弁を兼任した。この年に武昌起義が勃発すると、楊は貴州陸軍小学の学生と新軍兵士を率い、11月3日に反清の挙兵を行った。翌4日に大漢貴州軍政府の樹立、独立を宣言している。楊は貴州都督に推薦され、全省の軍政を主管した。

下野、晩年

11月下旬に、清軍が武昌を包囲し、黎元洪らが危地に陥る。そのため12月10日に、楊藎誠は自ら黔軍（貴州軍）を率いて貴陽を出発し、救援に向かった。ところが貴州では、1912年（民国元年）3月、任可澄らの立憲派と劉顕世らの旧軍が雲南省の唐継尭の軍を招き入れ、張百麟らの革命派と趙徳全らの新軍を粛清して権力を掌握してしまう。その後、唐が貴州都督に正式に任命され、常徳に駐屯していた楊は貴州へ戻る術を失う。結局同年8月、楊は自軍を唐継尭に引き渡して、楊自身は北京入りした。

1915年（民国4年）の護国戦争（第三革命）では、楊藎誠は上海で孫文に会い、善後策を練った。1917年（民国6年）からは、北京政府の命を受けて四川に赴き、各軍の調停に動いた。また、北京に戻って四川駐京代表を務めた。1921年（民国10年）冬、楊藎誠は積年の疲労のため故郷に帰って静養につとめる。しかし翌1922年（民国11年）7月、死去した。享年43。

参考文献

劉毅翔「楊藎誠」中国社会科学院近代史研究所『民国人物伝第8巻』中華書局、1996年。ISBN 7-101-01328-7。
劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。

中華民国（北京政府）

先代: （創設）

貴州都督: 1911年11月 - 1912年4月

次代: 唐継尭

@@ 1行目: / 1行目: @@
+{{中華圏の人物
-{{記事名の制約|title=楊藎誠}}
+| 名前=楊&#x85CE;誠
-'''楊 藎誠'''（よう じんせい、[[簡体字]]：'''{{lang|zh|杨荩诚}}'''、[[繁体字]]：'''{{lang|zh-tw|楊藎誠}}'''、[[ピンイン]]：{{lang|zh|Yáng Jìnchéng}}、[[1880年]] - [[1922年]]7月）は、[[中国]]の[[清]]代末期から[[中華民国]]時代にかけての軍人、政治家。別名は'''光准'''。字は'''柏舟'''。[[トゥチャ族]]（土家族）。[[四川省]][[秀山トゥチャ族ミャオ族自治県|秀山県]]出身。
+| 画像=[[File:No image available.svg|180px]]
+| 画像の説明=
+| 出生=[[1880年]]（[[清]][[光緒]]6年）
+| 死去=[[1922年]]（[[民国紀元|民国]]11年）7月<br>{{CHN1912}}[[四川省 (中華民国)|四川省]][[秀山トゥチャ族ミャオ族自治県|秀山県]]
+| 出身地={{QIN1890}}[[四川省]][[酉陽トゥチャ族ミャオ族自治県|酉陽州]][[秀山トゥチャ族ミャオ族自治県|秀山県]]
+| 職業=軍人
+| 簡体字={{lang|zh-hans|杨荩诚}}
+| 繁体字={{lang|zh-tw|楊藎誠}}
+| ピン音={{lang|zh-hant|Yáng Jìnchéng}}
+| 通用=
+| 注音=
+| 注音二式=
+| 和名=よう じんせい
+| 発音=ヤン ジンチョン
+| ラテン字=Yang Chin-ch'eng
+}}
+'''楊 藎誠'''（よう じんせい）は[[清末民初]]の軍人。[[貴州省]]での[[辛亥革命]]の蜂起に貢献した人物である。別名は'''光准'''。[[字]]は'''柏舟'''。[[トゥチャ族]]（土家族）出身。
-== 事跡 ==
-[[光緒]]28年（[[1902年]]）、楊は[[貴州省|貴州]]武備学堂に入学し、当時教官を務めていた[[高山公通]]らからその能力を評価された。光緒31年（[[1905年]]）、楊は首席の成績を取得し、官費で日本へ留学し、[[東京振武学校]]、[[陸軍士官学校 (日本)|陸軍士官学校]]で学んだ。この日本留学の間に、楊は革命派の思想に共鳴し、[[孫文]]の[[中国同盟会]]に加入して、多くの革命派人士と人脈を築いている。[[宣統]]2年（[[1910年]]）に帰国して、貴州新軍第1標教練官となり、翌宣統3年（1911年）春には、貴州陸軍小学総弁を兼任した。
+== 事績 ==
-この年に[[武昌起義]]が勃発すると、楊は貴州陸軍小学の学生と新軍兵士を率い、11月3日に反清の挙兵を行い、翌4日に大漢貴州軍政府の樹立、独立を宣言した。楊は貴州都督に推薦され、全省の軍政を主管した。
+=== 清末の活動 ===
+[[1902年]]（[[光緒]]28年）、楊&#x85CE;誠は[[貴州省|貴州]]武備学堂に入学する。当時教官をつとめていた[[高山公通]]らからその能力を評価された。[[1905年]]（光緒31年）、楊&#x85CE;誠は首席の成績を取得し、官費で日本へ留学した。[[東京振武学校]]、[[陸軍士官学校 (日本)|陸軍士官学校]]で学んでいる。
+この日本留学の間に、楊&#x85CE;誠は革命派の思想に共鳴し、[[孫文]]（孫中山）の[[中国同盟会]]に加入して、多くの革命派人士と人脈を築いた。[[1910年]]（[[宣統]]2年）に帰国して、貴州新軍第1標教練官となる。[[1911年]]（宣統3年）春には、貴州陸軍小学総弁を兼任した。この年に[[武昌起義]]が勃発すると、楊は貴州陸軍小学の学生と新軍兵士を率い、11月3日に反清の挙兵を行った。翌4日に大漢[[貴州省 (中華民国)|貴州]]軍政府の樹立、独立を宣言している。楊は貴州都督に推薦され、全省の軍政を主管した。
-月下旬に、清軍が[[武漢市|武昌]]を包囲し、[[黎元洪]]らが危地に陥ったため、12月10日に、楊は自ら黔軍を率いて「援鄂」に向かうため[[貴陽市|貴陽]]を出発した。ところが貴州では、翌[[中華民国暦|民国]]1年（[[1912年]]）3月、[[任可澄]]らの立憲派と[[劉顕世]]らの旧軍が[[雲南省]]の[[唐継尭]]の軍を招き入れ、[[張百麟]]らの革命派と[[趙徳全]]らの新軍を粛清して権力を掌握してしまう。その後、唐が貴州都督に正式に任命され、[[常徳市|常徳]]に駐屯していた楊は貴州へ戻る術を失う。結局同年8月、楊は自軍を唐継尭に引き渡して、楊自身は[[北京市|北京]]入りした。
+=== 下野、晩年 ===
-その後、民国4年（[[1915年]]）の護国戦争（[[第三革命]]）では、[[上海市|上海]]で[[孫文]]に会って善後策を練った。民国6年（[[1917年]]）からは、[[北京政府]]の命を受けて四川に赴き、各軍の調停に動いた。また、北京に戻って四川駐京代表を務めた。
+月下旬に、清軍が[[武漢市|武昌]]を包囲し、[[黎元洪]]らが危地に陥る。そのため12月10日に、楊&#x85CE;誠は自ら黔軍（貴州軍）を率いて[[貴陽市|貴陽]]を出発し、救援に向かった。ところが貴州では、[[1912年]]（[[民国紀元|民国]]元年）3月、[[任可澄]]らの立憲派と[[劉顕世]]らの旧軍が[[雲南省]]の[[唐継尭]]の軍を招き入れ、[[張百麟]]らの革命派と[[趙徳全]]らの新軍を粛清して権力を掌握してしまう。その後、唐が貴州都督に正式に任命され、[[常徳市|常徳]]に駐屯していた楊は貴州へ戻る術を失う。結局同年8月、楊は自軍を唐継尭に引き渡して、楊自身は[[北京市|北京]]入りした。
-民国10年（[[1921年]]）冬、楊は積年の疲労のため故郷に帰って静養に務めたが、翌民国11年（[[1922年]]）7月、死去した。享年43。
+[[1915年]]（民国4年）の[[護国戦争]]（[[第三革命]]）では、楊&#x85CE;誠は[[上海市|上海]]で[[孫文]]に会い、善後策を練った。[[1917年]]（民国6年）からは、[[北京政府]]の命を受けて四川に赴き、各軍の調停に動いた。また、北京に戻って四川駐京代表を務めた。[[1921年]]（民国10年）冬、楊&#x85CE;誠は積年の疲労のため故郷に帰って静養につとめる。しかし翌[[1922年]]（民国11年）7月、死去した。享年43。
 == 参考文献 ==
-*劉毅翔「楊藎誠」[[中国社会科学院]]近代史研究所『民国人物伝 第8巻』[[中華書局]]、1996年
+* <span style="font-size:90%;">劉毅翔「楊&#x85CE;誠」{{Cite book|和書|author=中国社会科学院近代史研究所|authorlink=中国社会科学院|title = 民国人物伝 第8巻|year = 1996|publisher = [[中華書局]]|isbn = 7-101-01328-7}}</span>
+* <span style="font-size:90%;">{{Cite book|和書|author = 劉寿林ほか編|title = 民国職官年表|year = 1995|publisher = [[中華書局]]|isbn = 7-101-01320-1}}</span>
+{| class="wikitable" style="margin:0 auto"
-{{先代次代|貴州都督|[[1911年]]11月 - [[1912年]]4月|（創設）|[[唐継尭]]}}
+|-
+!　{{CHN1912}}（[[北京政府]]）
+{{先代次代|[[貴州省 (中華民国)|貴州]]都督|<small>[[1911年]]11月 - [[1912年]]4月</small>|（創設）|[[唐継尭]]}}
+|}
 {{DEFAULTSORT:よう しんせい}}
-[[Category:中華民国の人物]]
+[[Category:中華民国の人物 よ|う しんせい]]
 [[Category:中国の軍人]]
-[[Category:トゥチャ族の人物]]
+[[Category:日本陸軍士官学校卒業生]]
-[[Category:四川省出身の人物]]
+[[Category:中国同盟会の人物]]
+[[Category:辛亥革命の人物]]
+[[Category:トゥチャ族]]
+[[Category:明治時代の外国人]]
+[[Category:重慶出身の人物]]
 [[Category:1880年生]]
 [[Category:1922年没]]