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「アサシン クリード シャドウズ」の版間の差分

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{{コンピュータゲーム
{{コンピュータゲーム
| Title = アサシン クリード シャドウズ<br />''Assassin's Creed SHADOWS''
| Title = アサシン クリード シャドウズ<br />''Assassin's Creed SHADOWS''
| Plat = [[PlayStation 4]]<br />[[PlayStation 5]]<br />[[Xbox One]]<br />[[Xbox Series X/S]]<br />[[Windows]]
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| Genre = [[アクションRPG]]
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| Media = Ultra BD-ROM(PS5)<br />ダウンロード(PC/Xbox Series)
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| Dev = [[ユービーアイソフト|ユービーアイソフト ケベック]]
| Dev = [[ユービーアイソフト|ユービーアイソフト ケベック]]
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| Date = {{Flagicon|World}} 2025年2月14日
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| ContentsIcon = CERO:暴力
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}}
『'''アサシン クリード シャドウズ'''』({{lang-en-short|''Assassin's Creed SHADOWS''}})は、[[ユービーアイソフト]]より[[2025年]][[2月14日]]に発売予定の[[アクションRPG]]である<ref name=":2" />。[[アサシン クリードシリーズ]]のメインシリーズ14作目の作品で、2023年に発売された[[アサシン クリード ミラージュ]]の次の作品となる。
『'''アサシン クリード シャドウズ'''』({{lang-en-short|''Assassin's Creed SHADOWS''}})は、[[ユービーアイソフト]]より[[2025年]][[2月14日]]に発売予定の[[オープンワールド]][[アクションRPG]]である<ref name=":2" />。[[アサシン クリードシリーズ]]のメインシリーズ14作目の作品で、2023年に発売された[[アサシン クリード ミラージュ]]の次の作品となる。


== 概要 ==
== 概要 ==
強力な力を秘めた[[超古代文明]]の遺物を巡り紀元前から各国で争い続ける二大勢力の戦いを描くシリーズであり、本作では「[[織田信長]]が岐阜城から安土城に移り天下統一まであと一歩の所まで迫っていた[[16世紀]][[安土桃山時代]]の日本、[[1579年]]から[[1584年]]を舞台とする<ref name="famitsu202405">{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』混乱の安土桃山時代を生きる侍・弥助と忍・奈緒江のダブル主人公、リアルに再現された日本に迫る国内独占インタビューを公開! {{!}} ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com |url=https://www.famitsu.com/article/202405/5194 |website=ファミ通.com |access-date=2024-07-12 |language=ja}}</ref>。
強力な力を秘めた[[超古代文明]]の遺物を巡り紀元前から各国で争い続ける二大勢力の戦いを描くシリーズであり、本作では「[[織田信長]]が岐阜城から安土城に移り天下統一まであと一歩の所まで迫っていた[[16世紀]][[安土桃山時代]]の日本、[[1579年]]から[[1584年]]を舞台とする<ref name="famitsu202405">{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』混乱の安土桃山時代を生きる侍・弥助と忍・奈緒江のダブル主人公、リアルに再現された日本に迫る国内独占インタビューを公開! |url=https://www.famitsu.com/article/202405/5194 |website=ファミ通.com |access-date=2024-07-12 |language=ja}}</ref>。


父を喪った忍の藤林奈緒江と、信長に仕えたとされる黒人の[[弥助]]の二人からなるダブル主人公制<ref name=":3">{{Cite web |title=「アサシン クリード シャドウズ」ライブデモを公開。侍の弥助と忍の奈緒江,主人公2人のまったく異なるゲームプレイをチェックしてきた |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20240609039/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-07-12 |language=ja |first= |last= |author=奥谷海人}}</ref>。弥助のような実在した人物が主人公になるのはシリーズ初と紹介される<ref name=":3" />、メインシリーズにおいてはそうだが、スピンオフ『[[アサシン クリード クロニクル]]』において[[アナスタシア・ニコラエヴナ]]が主人公となった前例もある。現地人である奈緒江、異国から来た弥助の二人が、対等でありながら異なる視点で共通の目的を追う<ref name="famitsu202405"/><ref name="IGN202408"/>。二人の主人公を都度切り替えることが可能で、ほとんどの場面はどちらか一人だけで進められるが、屈強な敵は奈緒江では倒しづらく、高所にいる敵は身軽に傍に行けない弥助では倒しにくい<ref name="IGN202408"/>。対話での選択肢も、それぞれ異なる<ref name="IGN202408"/>。
父を喪った忍の藤林奈緒江と、信長に仕えたとされる黒人の[[弥助]]の二人からなるダブル主人公制<ref name=":3">{{Cite web |title=「アサシン クリード シャドウズ」ライブデモを公開。侍の弥助と忍の奈緒江,主人公2人のまったく異なるゲームプレイをチェックしてきた |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20240609039/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-07-12 |language=ja |first= |last= |author=奥谷海人}}</ref>。弥助のような実在した人物が主人公になるのはシリーズ初と紹介される<ref name=":3" />、メインシリーズにおいてはそうだが、スピンオフ『[[アサシン クリード クロニクル]]』において[[アナスタシア・ニコラエヴナ]]が主人公となった前例もある。現地人である奈緒江、異国から来た弥助の二人が、対等でありながら異なる視点で共通の目的を追う<ref name="famitsu202405"/><ref name="IGN202408"/>。二人の主人公を都度切り替えることが可能で、ほとんどの場面はどちらか一人だけで進められるが、屈強な敵は奈緒江では倒しづらく、高所にいる敵は身軽に傍に行けない弥助では倒しにくい<ref name="IGN202408"/>。対話での選択肢も、それぞれ異なる<ref name="IGN202408"/>。


本編で描かれる風景は、「過去編」主人公の遺伝子情報を現代人が解析して作り出した[[VR]]であり、その映像を視聴している「現代編」が過去作同様に存在するが、今作では現代人はプレイアブルではなくムービーのみとなる<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』は、ステルス&コンバットのどちらも楽しめる「ひと粒で二度おいしい」新作だった。忍と侍、ふたりの主人公でゲームプレイがガラッと変わる |url=https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/240611b |website=電ファミニコゲーマー |access-date=2024-09-30 |language=ja}}</ref>。
本編で描かれる風景は、「過去編」主人公の遺伝子情報を現代人が解析して作り出した[[バーチャル・リアリティ|VR]]であり、その映像を視聴している「現代編」が過去作同様に存在するが、今作では現代人はプレイアブルではなくムービーのみとなる<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』は、ステルス&コンバットのどちらも楽しめる「ひと粒で二度おいしい」新作だった。忍と侍、ふたりの主人公でゲームプレイがガラッと変わる |url=https://news.denfaminicogamer.jp/kikakuthetower/240611b |website=電ファミニコゲーマー |access-date=2024-09-30 |language=ja}}</ref>。


なお、本作には歴史探索が行えるディスカバリーモードの実装は予定されていない<ref name=":1">{{Cite web |title=弥助はなぜ主人公の1人になったのか。改めて「アサクリ シャドウズ」ディレクターに直接聞いた 奈緒江と弥助、この2人だから意味がある |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1598610.html |website=GAME Watch |date=2024-06-11 |access-date=2024-07-12 |language=ja |last=}}</ref>。
なお、本作には歴史探索が行えるディスカバリーモードの実装は予定されていない<ref name=":1">{{Cite web |title=弥助はなぜ主人公の1人になったのか。改めて「アサクリ シャドウズ」ディレクターに直接聞いた 奈緒江と弥助、この2人だから意味がある |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/interview/1598610.html |website=GAME Watch |date=2024-06-11 |access-date=2024-07-12 |language=ja |last=}}</ref>。
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; [[弥助]](やすけ)
; [[弥助]](やすけ)
: 声 - [[帆世雄一]]
: 声 - [[帆世雄一]]
: 主人公の一人。男性。侍の修業を終えたアフリカ出身の元奴隷<ref name=":2" /><ref name=":3" />。日本人ではない[[アウトサイダー]]の視点から日本を見る<ref name="famitsu202405"/>。逞しい体つきで、ある程度のステルスも可能であるが肉弾戦を得意とし、高所を身軽に乗り越えることはできないが、扉を破壊して侵入などが可能<ref name="famitsu202405"/>。[[刀]]、[[金棒]]、[[弓]]、[[火縄銃]]などを武器にパワフルに戦う<ref name="famitsu20240518"/>。シリーズの伝統である、高所から鷲のような姿勢で飛び降りて藁の山などに着地する「イーグルダイブ」は不得意であり、着地の際に尻餅をつく<ref name="IGN202408"/>。主君である織田信長を死に追いやった組織を探し、戦地を巡っている<ref name="famitsu20240518"/>。
: 主人公の一人。男性。侍の修業を終えたアフリカ出身の元奴隷<ref name=":2" /><ref name=":3" />。日本人ではない[[アウトサイダー]]の視点から日本を見る<ref name="famitsu202405"/>。逞しい体つきで、ある程度のステルスも可能であるが肉弾戦を得意とし、高所を身軽に乗り越えることはできないが、扉を破壊して侵入などが可能<ref name="famitsu202405"/>。[[刀]]、[[金棒]]、[[弓 (武器)|弓]]、[[火縄銃]]などを武器にパワフルに戦う<ref name="famitsu20240518"/>。シリーズの伝統である、高所から鷲のような姿勢で飛び降りて藁の山などに着地する「イーグルダイブ」は不得意であり、着地の際に尻餅をつく<ref name="IGN202408"/>。主君である織田信長を死に追いやった組織を探し、戦地を巡っている<ref name="famitsu20240518"/>。


== 開発・販売 ==
== 開発・販売 ==
遡ること[[2010年]]、「シリーズ生みの親」[[パトリス・デジーレ]]は、日本を舞台にする予定は無いと述べていた<ref name=":4">{{Cite web |title=日本の忍者も登場か。早くも流れる「Assassin’s Creed 3」のさまざまな噂 |url=https://www.4gamer.net/games/109/G010978/20100629013/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-08-14 |language=ja |author=奥谷海人 |year=2010}}</ref>。というのも、「[[忍者]]のアサシンクリード」を期待する声は大きいが、知り合いの日本人に「やめたほうがいい」「日本人は外国人に理解できない世界観を持っている」と言われたためとされる<ref name=":4" />。なお、デジーレはその後ユービーアイを退社しており<ref name=":4" />、本作に関与していない。
遡ること[[2010年]]、「シリーズ生みの親」[[パトリス・デジーレ]]は、日本を舞台にする予定は無いと述べていた<ref name=":4">{{Cite web |title=日本の忍者も登場か。早くも流れる「Assassin’s Creed 3」のさまざまな噂 |url=https://www.4gamer.net/games/109/G010978/20100629013/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-08-14 |language=ja |author=奥谷海人 |year=2010}}</ref>。というのも、「[[忍者]]のアサシンクリード」を期待する声は大きいが、知り合いの日本人に「やめたほうがいい」「日本人は外国人に理解できない世界観を持っている」と言われたためとされる<ref name=":4" />。なお、デジーレはその後[[ユービーアイソフト|UBI]]を退社しており<ref name=":4" />、本作に関与していない。


[[2022年]]9月、ユービーアイは、日本が舞台の新作コードネーム Red(仮称)が開発中であることを発表した<ref>{{Cite web |title=「アサシン クリード」の舞台はついに日本に!? 忍として生きる“コードネーム(Red)”など,開発中のタイトルをショーケースでチラ見せ |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20220911003/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-08-14 |language=ja |author=御月亜希}}</ref>。
[[2022年]]9月、UBIは、日本が舞台の新作コードネーム Red(仮称)が開発中であることを発表した<ref>{{Cite web |title=「アサシン クリード」の舞台はついに日本に!? 忍として生きる“コードネーム(Red)”など,開発中のタイトルをショーケースでチラ見せ |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20220911003/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-08-14 |language=ja |author=御月亜希}}</ref>。


[[2024年]]5月、コードネーム Redの正式タイトルが『シャドウズ』に決定したことを発表し、トレーラーなどを順次公開した<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』日本が舞台のシリーズ最新作が2024年11月15日発売決定! {{!}} ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com |url=https://www.famitsu.com/article/202405/5214 |website=ファミ通.com |access-date=2024-08-14 |language=ja}}</ref>。  
[[2024年]]5月、コードネーム Redの正式タイトルが『シャドウズ』に決定したことを発表し、トレーラーなどを順次公開した<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』日本が舞台のシリーズ最新作が2024年11月15日発売決定! |url=https://www.famitsu.com/article/202405/5214 |website=ファミ通.com |access-date=2024-08-14 |language=ja}}</ref>。一方、この頃から後述の[[炎上 (ネット用語)|炎上]]が始まった。


2024年9月26日、「体験の磨き上げにさらなる時間」が必要であるとの理由から、同年11月15日に予定されていた発売日が、2025年2月14日に延期されることが発表された<ref>{{Cite web |title=「アサシン クリード シャドウズ」、2025年2月14日に発売延期 「体験の磨き上げにさらなる時間」が必要とコメント発表 |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1626359.html |website=GAME Watch |date=2024-09-26 |access-date=2024-09-25 |language=ja}}</ref>。同時にSteamでの展開も発表している。2019年以降のUBIの新作はEpic Games StoreとUbisoft Storeで専売していた<ref>{{Cite web |title=Ubisoft、今後の新作PC版はすべてSteamでも同時リリースへ。『アサシン クリード シャドウズ』を皮切りに、Steamに完全回帰
2024年9月24日、UBIは本作の舞台である日本で行われる「[[東京ゲームショウ]]2024」の公式番組への出展を取りやめると発表した<ref name=":9">{{Cite web |title=「弥助」ゲームの仏メーカー、東京ゲームショウのオンライン出展を中止 「諸般の事情で」 |url=https://www.sankei.com/article/20240925-2NFN3OTKQJCWFKTXYEVCDVN2T4/ |website=産経新聞:産経ニュース |date=2024-09-25 |access-date=2024-10-31 |language=ja |last=高橋 |first=寛次}}</ref>。
2024年9月26日、「体験の磨き上げにさらなる時間」が必要であるとの理由から、同年11月15日に予定されていた発売日が、2025年2月14日に延期されることが発表された<ref>{{Cite web |title=「アサシン クリード シャドウズ」、2025年2月14日に発売延期 「体験の磨き上げにさらなる時間」が必要とコメント発表 |url=https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1626359.html |website=GAME Watch |date=2024-09-26 |access-date=2024-09-25 |language=ja}}</ref>。同時に[[Steam]]での展開も発表している。2019年以降のUBIの新作は[[Epic Games Store]]とUbisoft Storeで専売していた<ref>{{Cite web |title=Ubisoft、今後の新作PC版はすべてSteamでも同時リリースへ。『アサシン クリード シャドウズ』を皮切りに、Steamに完全回帰
|url=https://automaton-media.com/articles/newsjp/ubisoft-steam-20240926-312188/ |website=AUTOMATON |date=2024-09-26 |access-date=2024-09-27 |language=ja}}</ref>。
|url=https://automaton-media.com/articles/newsjp/ubisoft-steam-20240926-312188/ |website=AUTOMATON |date=2024-09-26 |access-date=2024-09-27 |language=ja}}</ref>。
延期に伴い、上位ディションに付属していた先行アクセス権及びシーズンパスがキャンセルされ、それに伴い値下げが行われた<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』の上位エディションに付属していた先行アクセス権が廃止に どのエディションも2025年2月14日に発売へ |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/77017/news/2025214 |website=IGN Japan |date=2024-10-23 |access-date=2024-10-25 |language=ja |author=重田雄一}}</ref><ref>{{Cite web |title=「アサシンクリード シャドウズ」,シーズンパスとアーリーアクセスを廃止。海外コレクターズ版の価格も50ドル値下げへ |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20241023032/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref>。
延期に伴い、上位ディションに付属していた先行アクセス権及び[[シーズンパス (ビデオゲーム)|シーズンパス]]がキャンセルされ、それに伴い値下げが行われた<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』の上位エディションに付属していた先行アクセス権が廃止に どのエディションも2025年2月14日に発売へ |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/77017/news/2025214 |website=IGN Japan |date=2024-10-23 |access-date=2024-10-25 |language=ja |author=重田雄一}}</ref><ref>{{Cite web |title=「アサシンクリード シャドウズ」,シーズンパスとアーリーアクセスを廃止。海外コレクターズ版の価格も50ドル値下げへ |url=https://www.4gamer.net/games/656/G065622/20241023032/ |website=4Gamer.net |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref>。


[[ゲーム開発|開発]]スタジオは{{仮リンク|ユービーアイソフト ケベック|en|Ubisoft Quebec}}(シリーズ過去作では『{{仮リンク|自由の叫び|en|Assassin's Creed Freedom Cry}}』『[[アサシン クリード シンジケート|シンジケート]]』『[[アサシン クリード オデッセイ|オデッセイ]]』と同じ)がメインを務める<ref>{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadows has 15 Developer Support Studios |url=https://insider-gaming.com/assassins-creed-shadows-studios/ |website=Insider Gaming |date=2024-05-15 |access-date=2024-07-12 |language=en-US |first=Tom |last=Henderson}}</ref>。
[[ゲーム開発|開発]]スタジオは{{仮リンク|ユービーアイソフト ケベック|en|Ubisoft Quebec}}(シリーズ過去作では『{{仮リンク|自由の叫び|en|Assassin's Creed Freedom Cry}}』『[[アサシン クリード シンジケート|シンジケート]]』『[[アサシン クリード オデッセイ|オデッセイ]]』と同じ)がメインを務める<ref>{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadows has 15 Developer Support Studios |url=https://insider-gaming.com/assassins-creed-shadows-studios/ |website=Insider Gaming |date=2024-05-15 |access-date=2024-07-12 |language=en-US |first=Tom |last=Henderson}}</ref>。


== 反響 ==
== 反響 ==

=== 発売前の批判 ===
=== 発売前の批判 ===
本作は、発売前の時点で[[炎上 (ネット用語)|炎上]]騒動が起きている。
本作は、発売前の時点で[[炎上 (ネット用語)|炎上]]騒動が起きている。


==== 弥助騒動 ====
==== 弥助騒動 ====
{{See also|トーマス・ロックリー}}
日本を舞台にした作品でありながら、主人公のひとりに日本人男性ではなく黒人男性である弥助を起用したことで一部から批判が起き、さらにその批判に対しても人種差別的であるとの声が上がった<ref name=":6">{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadow Sparks Controversy Over Black Samurai |url=https://time.com/6978997/assassins-creed-shadow-yasuke-controversy/ |website=TIME |date=2024-05-16 |access-date=2024-07-11 |language=en |first=Chantelle |last=Lee}}</ref><ref name=":7">{{Cite web |title=「日本舞台の人気ゲーム」新作が海外で炎上のなぜ |url=https://toyokeizai.net/articles/-/757489 |website=東洋経済オンライン |date=2024-05-30 |access-date=2024-07-11 |language=ja}}</ref>。
日本を舞台にした作品でありながら、主人公のひとりに日本人男性ではなく黒人男性である弥助を起用したことで一部から批判が起き、さらにその批判に対しても人種差別的であるとの声が上がった<ref name=":6">{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadow Sparks Controversy Over Black Samurai |url=https://time.com/6978997/assassins-creed-shadow-yasuke-controversy/ |website=TIME |date=2024-05-16 |access-date=2024-07-11 |language=en |first=Chantelle |last=Lee}}</ref><ref name=":7">{{Cite web |title=「日本舞台の人気ゲーム」新作が海外で炎上のなぜ |url=https://toyokeizai.net/articles/-/757489 |website=東洋経済オンライン |date=2024-05-30 |access-date=2024-07-11 |language=ja}}</ref>。

黒人起用に関東アジア人男性差別に当たるとの指摘がなされており、「日本が舞台なのに日本人男性の主人公がいないのは馬鹿げている (Assassin’s Creed being based in Japan and then NOT using a Japanese male protagonist is stupid.)」「アフリカが舞台の作品で白人男性主人公を使うのと同じくらい愚かだ (It would be as dumb as having it based in Africa and deciding to use a white male protagonist.)」という声がある<ref name=":6" /><ref name=":7" />


実業家の'''[[イーロン・マスク]]'''もこの件に反応し、SNSの[[X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)|X]]に「Diversity, Equity & Inclusion(多様性、公平性、包括性)」を意味する「DEI」という略語を用いて<ref>{{Cite web |url=https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/diversity-equity-inclusion/what-is-diversity-equity-inclusion.html |title=「DEI(Diversity, Equity & Inclusion)」とは?- Diversity, Equity & Inclusion - サステナビリティ |access-date=2024-06-26 |website=パナソニック ホールディングス}}</ref>、「DEI kills art(DEIは芸術を殺す)」とポストした<ref name=":0">{{Cite news|和書 |title=Assassin's Creed Shadows executive producer says Elon Musk is just 'feeding hatred' with his reaction to the game's Black protagonist |url=https://www.pcgamer.com/games/rpg/assassins-creed-shadows-executive-producer-says-elon-musk-is-just-feeding-hatred-with-his-reaction-to-the-games-black-protagonist/ |work=PC Gamer |date=2024-06-14 |access-date=2024-06-26 |language=en |author=Fraser Brown}}</ref>。このマスクのポストは、作品のエグゼクティブ・プロデューサーである'''マーク・アレクシス・コーテ''' (Marc-Alexis Côté) から「he's just feeding hatred(憎しみを煽っているだけだ)」と非難されている<ref name=":0" />。
実業家の'''[[イーロン・マスク]]'''もこの件に反応し、SNSの[[X (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)|X]]に「Diversity, Equity & Inclusion(多様性、公平性、包括性)」を意味する「DEI」という略語を用いて<ref>{{Cite web |url=https://holdings.panasonic/jp/corporate/sustainability/diversity-equity-inclusion/what-is-diversity-equity-inclusion.html |title=「DEI(Diversity, Equity & Inclusion)」とは?- Diversity, Equity & Inclusion - サステナビリティ |access-date=2024-06-26 |website=パナソニック ホールディングス}}</ref>、「DEI kills art(DEIは芸術を殺す)」とポストした<ref name=":0">{{Cite news|和書 |title=Assassin's Creed Shadows executive producer says Elon Musk is just 'feeding hatred' with his reaction to the game's Black protagonist |url=https://www.pcgamer.com/games/rpg/assassins-creed-shadows-executive-producer-says-elon-musk-is-just-feeding-hatred-with-his-reaction-to-the-games-black-protagonist/ |work=PC Gamer |date=2024-06-14 |access-date=2024-06-26 |language=en |author=Fraser Brown}}</ref>。このマスクのポストは、作品のエグゼクティブ・プロデューサーである'''マーク・アレクシス・コーテ''' (Marc-Alexis Côté) から「he's just feeding hatred(憎しみを煽っているだけだ)」と非難されている<ref name=":0" />。

しかし黒人起用に関して、東アジア人男性への差別に当たるとの指摘がなされており、単純な反DEI、反[[ポリティカル・コレクトネス|ポリコレ]]、[[黒人差別]]で語れる構図ではない。

また、本騒動から派生して、[[日本大学]][[准教授]][[トーマス・ロックリー]]の弥助に対する一連の疑惑が発覚しており、ロックリーの著書や、彼の説を採用したメディアで登場する弥助や関連する出来事に関して、資料や史実と異なっており、デマを生み出しているなどの批判がなされている(詳細は同項目を参照)<ref>{{Cite web |title=織田信長に仕えた黒人「弥助」とはどのような人物だったのか?(濱田浩一郎) - エキスパート |url=https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/00b9dff9cd6151ac3d61c0460481db6a9e83d92d |website=Yahoo!ニュース |access-date=2024-11-23 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=信長に気に入られた黒人男性、弥助(やすけ) そしてアサシンクリードシャドウズについて {{!}} 参議院議員 浜田聡のブログ |url=https://www.kurashikiooya.com/2024/07/11/post-18998/ |website=www.kurashikiooya.com |date=2024-07-11 |access-date=2024-11-23 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=弥助問題「本人は芸人のような立場」「日本人の不満は当然」 歴史学者・呉座氏に聞く(上) |url=https://www.sankei.com/article/20240805-2RDCMCMKMNFYFOGXMRGPCIT2NI/ |website=産経新聞:産経ニュース |date=2024-08-05 |access-date=2024-11-23 |language=ja |first=高橋 |last=寛次}}</ref><ref name=":14">{{Cite web |title=「戦国時代の日本で黒人奴隷が流行」は定説になりつつある…トンデモ説が欧米で"史実"扱いされる恐ろしい理由 「アサクリ問題」には歪んだ認知構造がある |url=https://president.jp/articles/-/84507 |website=PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) |date=2024-08-07 |access-date=2024-11-23 |language=ja}}</ref>。

===== アジア人男性への差別との指摘 =====
黒人男性「弥助」の主人公起用は日本人・東アジア人男性への差別であるとの指摘がなされた理由については、これまでのアサシンクリードシリーズの背景を理解する必要がある。

* 初代のアサシンクリードから、これまでの主人公は全て架空の現地人であり、本作においてその慣例を破った<ref name=":10">{{Cite web |title=アサクリ・弥助炎上事件――正義とキャンセルカルチャー/田中辰雄 |url=https://synodos.jp/opinion/international/29244/ |website=SYNODOS |date=2024-08-20 |access-date=2024-10-31 |language=ja}}</ref>
* 以前にも、[[アサシン クリード クロニクル]]において中国が舞台となったが、その時も女性のみが主人公であり、本来であれば本作が初のアジア人男性主人公となるはずであった

かし実際には日本人男性の主人公ではなく、黒人男性主人公とったことで、「日本が舞台なのに日本人男性の主人公がいないのは馬鹿げている<ref name=":7" /> (Assassin’s Creed being based in Japan and then NOT using a Japanese male protagonist is stupid.)」<ref name=":6" />「アフリカが舞台の作品で白人男性主人公を使うのと同じくらい愚かだ<ref name=":7" /> (It would be as dumb as having it based in Africa and deciding to use a white male protagonist.)<ref name=":6" />」という声があがった

また、これまでのUBIはアジア人男性が主人公のゲームを制作したこともなく<ref name=":6" />(Ubisoft has never made a game with a male East Asian protagonist<ref name=":6" />,)、当時の(現代でも)日本において極めて珍しい存在であった黒人を主人公にする不自然な起用をしたのは、「彼ら(UBI)はアジア人男性を嫌っているのではないか?(Do they hate East Asian males?)<ref name=":6" />」と疑われるようになったのである。

日本の学会からも、2024年11月に開かれた「第19回国際[[日本学]]コンソーシアム」において、「アサクリ問題」「弥助問題」として名指しされ<ref name=":15">{{Cite web |title=第19回国際日本学コンソーシアム【オンライン】 {{!}} お茶の水女子大学 |url=https://www.cf.ocha.ac.jp/ccjs/j/menu/consortia/d015258.html |website=www.cf.ocha.ac.jp |access-date=2024-11-23}}</ref><ref name=":16">{{Cite web|和書 |url=https://www.cf.ocha.ac.jp/ccjs/j/menu/consortia/d015258_d/fil/3-5.pdf |title=2024年度国際日本学コンソーシアム【報告要旨】 発表要旨:「アサクリ問題」(いわゆる「弥助問題」) CLILとDEIの観点から見えるもの・隠されているもの |author=SOAS University of London 鈴木里奈 |agency= |publisher=国立大学法人お茶の水女子大学 |date=2024-10-22 |accessdate=2024-11-14 |language=ja}}</ref>、「当時、日本には多くの伝説的な侍がいたのに、なぜ彼は封建時代の日本を代表する人物として選ばれたのか」と疑問を呈されている(詳細後述)<ref name=":15" /><ref name=":16" />。

後述する「私達の侍、私達の目になれる人物」という発言も、「[[文化の盗用|文化盗用]]」「[[反日|日本人排斥]]」(つまり差別)と見なされ<ref name=":8" />、WEB上から削除されたのである<ref name=":8">{{Cite web |title=『アサシンクリードシャドウズ』が炎上する理由 |url=https://japan-forward.com/japanese/176663/ |website=JAPAN Forward |date=2024-07-22 |access-date=2024-10-05 |language=en-US |first=Shinichiro |last=Kageyama}}</ref>。

また以前より、欧米社会においてはアジア人男性に対するレプリゼンテーション問題があり、映画などのメディア媒体において、アジア人男性が主人公になれる機会が極端に少ない<ref>{{Cite web |title=全米で話題の映画が再定義する「アジア系男性の魅力」 |url=https://www.esquire.com/jp/menshealth/a180458/lifestyle-health-sexy-asian-men-sex-crazy-rich-180828/ |website=Esquire |date=2018-08-28 |access-date=2024-10-05 |language=ja-JP}}</ref><ref>{{Cite web |title=攻殻機動隊からセサミストリートまで、海外エンタメのキーワード「レプリゼンテーション(representation)」とは何か(後編) |url=https://www.fuze.dj/2017/04/representation_2.html |website=www.fuze.dj |access-date=2024-10-05 |language=ja}}</ref>。侍や忍者はその数少ない活躍の機会でもあった。

男女関係ないアジア差別として指摘されるのが[[日本語]]の[[吹き替え]]ゲーム映像に[[中国語]]の字幕を使用した問題で<ref name=":8" /><ref name=":11">{{Cite web |title=『アサシン クリード』延期、日本だけ返金対応なし?日本ユーザー冷遇と話題 |url=https://biz-journal.jp/company/post_383746.html |website=ビジネスジャーナル/Business Journal |access-date=2024-10-31 |author=Business Journal編集部}}</ref>、こちらは日本だけでなく[[中国]]や[[大韓民国|韓国]]からも「アジア軽視だ」と批判の声が上がった<ref name=":8" />。

==== 時代考証上の誤り ====
UBIは海外メディアの取材などに、シャドウズでは日本の専門家・歴史家による[[時代考証]]を徹底したという趣旨のコメントをしていた<ref name=":9" />。

しかし、本作はPV動画やコンセプトアートなどにおいて複数の基本的な時代考証上の誤りも指摘されており<ref name=":12">{{Cite web |title=MSN |url=https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E4%BF%A1%E9%95%B7%E3%81%AE%E5%AE%B6%E8%87%A3%E3%81%8C%E6%B0%91%E5%AE%B6%E3%82%92%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%8D%E5%A3%8A%E3%81%97%E5%A4%A7%E6%9A%B4%E3%82%8C-%E4%BA%BA%E6%B0%97%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%AA-%E3%81%8C%E3%81%BE%E3%81%9F%E5%A4%A7%E7%82%8E%E4%B8%8A/ar-AA1skMQ9?apiversion=v2&noservercache=1&domshim=1&renderwebcomponents=1&wcseo=1&batchservertelemetry=1&noservertelemetry=1 |website=www.msn.com |access-date=2024-10-31}}</ref>、例えば「織田家の家紋が入った鎧を着た弥助が民家を襲撃する」姿に対して、ゲームライターは「弥助は山賊ではなく信長の家臣ですから、こうした行為に疑問を持たれても仕方ないかもしれません」と語っている<ref name=":12" />。

他にも、公開されたコンセプトアートには[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]にも関わらず[[防護柵 (道路)|ガードレール]]、[[電柱]]、[[軽トラック]]が発見される<ref name=":12" />といった極めて初歩的な誤りも明らかになっている。

他にも、以下の誤りが指摘されている<ref name=":14" /><ref name=":8" /><ref name=":11" />。

* 城の畳が正方形である<ref name=":14" /><ref name=":8" /><ref name=":11" />
* 武士が正座し{{Efn|武士の[[正座]]が普及したのは江戸時代以降}}、畳の縁を踏んでいる<ref name=":8" />
* 侍が甲冑姿で街を歩いている<ref name=":11" />、それに対して村人が弥助に恭しく頭を下げる<ref name=":14" />。織田家の家紋を付けた弥助も扱いとして誤り<ref name=":8" />
* 帯刀が右<ref name=":14" />
* 織田信長の横にその家臣が座っている<ref name=":11" />
* 田植えをしているシーンに満開の桜が咲き、「豊作だな」といったセリフが出る<ref name=":11" />
* 左右反転した中国の仏像<ref name=":14" /><ref name=":8" />
* 農作業の風景が[[ミャンマー]]や[[タイ王国|タイ]]といった[[東南アジア]]のもの<ref name=":8" />


===== 開発者の発言 =====
===== 開発者の発言 =====
UBIの'''シャルル・ベノア'''は、5月16日に公開されたインタビュー記事において『アサシン クリード』シリーズのことを「歴史描写と緻密な世界再現で知られています」とし、本作について「織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます」と語っていたが<ref name="political correctness2">{{Cite web|和書|url=https://news.xbox.com/ja-jp/2024/05/16/assassins-creed-shadows-interview/|title=『アサシン クリード シャドウズ』は、2 つの異なる体験をどのように融合させたのか|publisher=Xbox Wire|accessdate=2024-06-19}}</ref>、6月11日に公開された記事では記者から問われた設定上の疑問点に対して「あくまでゲームは歴史事実を絡めたフィクション」と返答をしている<ref name=":3" />。
UBIの'''シャルル・ベノア'''は、5月16日に公開されたインタビュー記事において『アサシン クリード』シリーズのことを「歴史描写と緻密な世界再現で知られています」とし、本作について「織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます」と語っていたが<ref name="political correctness2">{{Cite web|和書|url=https://news.xbox.com/ja-jp/2024/05/16/assassins-creed-shadows-interview/|title=『アサシン クリード シャドウズ』は、2 つの異なる体験をどのように融合させたのか|publisher=Xbox Wire|accessdate=2024-06-19}}</ref>、6月11日に公開された記事では記者から問われた設定上の疑問点に対して「あくまでゲームは歴史事実を絡めたフィクション」と返答をしている<ref name=":3" />。


また、公開したトレーラー映像への反響は「ネガティブな意見が多かったですが、肯定的な意見も少なくなかった」と述べ<ref name=":3" />、その映像に対して指摘のあった文化的描写の瑕疵は、本編においては修正されるとした<ref name=":1" />。UBIの'''ブルック・デーヴィーズ'''も、6月14日公開の記事で「今作は歴史フィクション」とした上で「歴史の空白を私たちの描きたかったストーリーで埋めた」と語り、ベノアの発言と足並みをそろえている<ref name="political correctness3">{{Cite web|和書|url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/75212/interview/|title=『アサシン クリード シャドウズ』シナリオ担当にインタビュー!弥助を主人公にした理由や史実とフィクションのバランスなど|publisher=IGN|accessdate=2024-06-19}}</ref>。
また、公開したトレーラー映像への反響は「ネガティブな意見が多かったですが、肯定的な意見も少なくなかった」と述べ<ref name=":3" />、その映像に対して指摘のあった文化的描写の瑕疵は、本編においては修正されるとした<ref name=":1" />。UBIの'''ブルック・デーヴィーズ'''も、6月14日公開の記事で「今作は歴史フィクション」<ref name="political correctness3" />とした上で「歴史の空白を私たちの描きたかったストーリーで埋めた」と語り、ベノアの発言と足並みをそろえている<ref name="political correctness3">{{Cite web|和書|url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/75212/interview/|title=『アサシン クリード シャドウズ』シナリオ担当にインタビュー!弥助を主人公にした理由や史実とフィクションのバランスなど|publisher=IGN|accessdate=2024-06-19}}</ref>。


日本人男性ではなく、黒人男性を起用したことについて、UBIは日本のゲームメディア向けインタビューで、「“私たちの侍”、つまり日本人ではない私たちの目になれる人物」を探したと答えた。この発言は「文化盗用」「日本人排斥」と批判され、現在ではウェブ上の記事から削除されている<ref name=":8">{{Cite web |title=『アサシンクリードシャドウズ』が炎上する理由 |url=https://japan-forward.com/japanese/176663/ |website=JAPAN Forward |date=2024-07-22 |access-date=2024-10-05 |first=Shinichiro |last=Kageyama}}</ref>。
日本人男性ではなく、黒人男性を起用したことについて、UBIは日本のゲームメディア向けインタビューで、「“私たちの侍”、つまり日本人ではない私たちの目になれる人物」を探したと答えた<ref name=":8" />。この発言は「文化盗用」「日本人排斥」と批判され、現在ではウェブ上の記事から削除されている<ref name=":8" />。


また、別の取材に対してディレクターの Simon Lemay-Comtois が「当時、死を見ることは日常茶飯事であり、当時の日本ではほとんどの人が死ぬ方法はきれいな斬首だった{{Efn|原文「I think it’s not an assassin thing, it’s a Japan thing in our case. So looking at death was a day-to-day occurrence in that period, and the way most people died in Japan during that time is clean decapitations.」}}」と発言したが<ref>{{Cite web |title=Assassin’s Creed Shadows interview: dragon mounts and Splinter Cell-style stealth |url=https://www.si.com/videogames/features/assassins-creed-shadows-interview |website=Video Games On SI |date=2024-06-11 |access-date=2024-10-05 |language=en-US}}</ref>、そのような歴史的事実はないと批判されている<ref name=":8" />。
また、別の取材(弥助が白昼堂々村の中で敵を惨殺する姿に対する反発の声<ref name=":8" />)に対してディレクターの '''Simon Lemay-Comtois''' が「当時、死を見ることは日常茶飯事であり、当時の日本ではほとんどの人が死ぬ方法はきれいな斬首だった{{Efn|原文「I think it’s not an assassin thing, it’s a Japan thing in our case. So looking at death was a day-to-day occurrence in that period, and the way most people died in Japan during that time is clean decapitations.」}}」と発言したが<ref>{{Cite web |title=Assassin’s Creed Shadows interview: dragon mounts and Splinter Cell-style stealth |url=https://www.si.com/videogames/features/assassins-creed-shadows-interview |website=Video Games On SI |date=2024-06-11 |access-date=2024-10-05 |language=en-US}}</ref>、そのような歴史的事実はないと批判されている<ref name=":8" />。

2024年6月、一連の炎上に際してUBIの[[最高経営責任者|CEO]]である'''イヴ・ギユモ'''は、「悪意のある個人的なオンライン攻撃」を非難するとともに、「私が今懸念していることの一つは、当社のチームメンバーやパートナーの一部に向けられた悪意のある個人的オンライン攻撃です」、「ユービーアイソフトは、これらの憎悪行為を可能な限り強い言葉で非難することを明らかにしたいと思います。業界の他の人たちやプレイヤーにも、同様に非難するよう呼びかけます。」と発言している<ref>{{Cite web |title=After the vitriol aimed at Assassin's Creed Shadow's Yasuke, Ubisoft's CEO denounces "hateful acts" toward devs |url=https://www.gamesradar.com/games/assassin-s-creed/after-the-vitriol-aimed-at-assassins-creed-shadows-yasuke-ubisofts-ceo-denounces-hateful-acts-toward-devs/ |website=gamesradar |date=2024-06-28 |access-date=2024-10-31 |language=en |first=Kaan |last=Serin}}</ref>。

2024年10月、UBIのマネタイズディレクターである'''スティービー・シャサード'''が自身の[[LinkedIn]]において、[[ゲーマー]]を「まともではない人間(non-decent humans<ref name=":17">{{Cite web |title=Ubisoft director blames gamers, says they've been exposed as 'non-decent humans' |url=https://www.tweaktown.com/news/100855/ubisoft-director-blames-gamers-says-theyve-been-exposed-as-non-decent-humans/index.html |website=TweakTown |date=2024-10-05 |access-date=2024-11-23 |language=en-US}}</ref>)」と非難した<ref>{{Cite web |title=Ubisoftのディレクターがゲーマーを「まともではない人間」と非難 - GIGAZINE |url=https://gigazine.net/news/20241007-ubisoft-director-blames-gamers/ |website=gigazine.net |date=2024-10-07 |access-date=2024-10-31 |language=ja}}</ref><ref name=":17" />。

2024年11月、本作のエグゼクティブプロデューサーの'''Marc-Alexis Côté'''は、「不寛容からくる攻撃」や、スタジオやこの特定のゲームが「現代の思惑によって動かされている」という考えを否定した<ref name=":13">{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadows lead shuts down "attacks driven by intolerance" over the game's Black samurai and woman warrior, condemns "personal attacks" against devs |url=https://www.gamesradar.com/games/assassin-s-creed/assassins-creed-shadows-lead-shuts-down-attacks-driven-by-intolerance-over-the-games-black-samurai-and-woman-warrior-condemns-personal-attacks-against-devs/ |website=gamesradar |date=2024-11-01 |access-date=2024-11-06 |language=en |first=Austin |last=Wood}}</ref>。

更に、「歴史に忠実であるということは、妥協することなく人間の視点の豊かさを受け入れることを意味します」とし<ref name=":13" />、「たとえば、『アサシン クリード シャドウズ』では、日本の女性戦士である直江のような架空の人物と、アフリカ生まれの侍である弥助のような歴史上の人物の両方にスポットライトを当てています。封建時代の日本に黒人の侍が登場したことは疑問を招き、論争さえ巻き起こしましたが、架空の人物である直江も性別をめぐって厳しい批判にさらされてきました。 しかし、弥助が日本の歴史に存在したことが事実であるように、社会の期待に逆らい、紛争の時代に武器を取った女性たちの物語も事実です。直江と弥助の物語はどちらも歴史小説ですが、異なる世界、文化、役割の衝突を反映しており、その登場はまさに『アサシン クリード』が伝えようとしている物語であり、私たちが共有する歴史の複雑さと相互関連性を反映しています。」 とした<ref name=":13" />。

ただし、くノ一を女忍者とする用例は、[[山田風太郎]]の小説「[[忍法帖シリーズ]]」の影響で1960年代以降に広まった言葉で、江戸時代には[[女性]]そのものを指す隠語であった。歴史学で特に忍者を専門とする[[三重大学]][[教授]]の[[山田雄司]]、[[吉丸雄哉]](現[[二松学舎大学]]教授)らによれば、男性と同じように偵察や破壊活動を行った女性忍者の存在については史料に記録がないという<ref>{{Cite book|和書 |title=くのいちとは何か |date=2017年4月 |publisher=[[勉誠出版]] |page=168 |author=吉丸雄哉 |isbn=978-4-585-22151-7 |author-link=吉丸雄哉}}</ref><ref>{{Cite book|和書 |title= 忍者の歴史 (kindle版) |date=2016-04-26 |publisher=角川学芸出版 |author=山田雄司 |author-link=山田雄司 |chapter=序章「忍者とは何か」}}</ref>。

また、'''Marc-Alexis Côté'''は続けて「歴史は本質的に多様である」ため、「ゲームも多様である」と述べた<ref name=":13" />。そして、「したがって、明確に言えば、私たちの包括性への取り組みは、歴史的真実性と多様な視点の尊重に基づいており、現代の課題によって動かされているわけではありません」と結んでいる<ref name=":13" />。ただし「歴史は本質的に多様である」というのはMarc-Alexis独自の意見であり、[[歴史学]]的な合意があるわけではない{{Efn|例えば、江戸時代には[[鎖国]]([[海禁]])政策によって多様性とは真逆の歴史を辿ったが、これが長期的な平和をもたらしたことは周知の事実である。}}。


==== 著作物の無断使用 ====
==== 著作物の無断使用 ====
公開されたコンセプトアートに、2018年に結成されたボランティア団体「関ヶ原古戦場おもてなし連合・関ヶ原鉄砲隊」の旗の画像が含まれており<ref name=":5">{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』のコンセプトアートにおける旗の無断使用をユービーアイソフトが謝罪 |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/75554/news/ |website=IGN Japan |date=2024-07-09 |access-date=2024-07-12 |language=ja |first= |last= |author=重田雄一}}</ref><ref name=":42">{{Cite web |title=日本が舞台の人気ゲームが“炎上” 「アサシンクリード」制作会社が謝罪 他団体の著作物を無断使用 |url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/07/09/kiji/20240709s00041000095000c.html |website=スポーツニッポン |access-date=2024-07-09 |date=2024-07-09}}</ref>、このアートは「コレクターズエディション」として発売される商品に付属するアートブックにも使用される予定となっていた<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』コレクターズエディション |url=https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/assassins-creed/news/7v5jsrR7b9rRQ1Cy29eMf7/ |website=www.ubisoft.com |access-date=2024-07-07 |language=ja-jp}}</ref>。団体の関係者からの問い合わせを受けたUBIは問題のアートを公式サイトから削除し<ref name=":5" />、団体に謝罪したことを報告した上で、当該のアートはアートブックへの収録を除き、以降は新たな使用や配布を行わないとした<ref name=":42" />。関ヶ原鉄砲隊はアートブック収録分も含め削除するよう要請を続けていたが、UBIは既に印刷済であることを理由として拒否を続けていた。しかし、2024年10月21日、関ヶ原鉄砲隊は「コンセプトアート内の旗のデザインを削除することが決まった」と表明、後は現物を確認するだけとしているものの、問題は一応の解決を見た<ref>{{Cite web |title=アスキーゲーム:「アサクリシャドウズ」コンセプトアート無断使用問題、該当デザイン削除へ |url=https://ascii.jp/elem/000/004/230/4230080/?topnew=1 |website=ASCII.jp |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref>。
公開されたコンセプトアートに、2018年に結成されたボランティア団体「関ヶ原古戦場おもてなし連合・関ヶ原鉄砲隊」の旗の画像が含まれており<ref name=":5">{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』のコンセプトアートにおける旗の無断使用をユービーアイソフトが謝罪 |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/75554/news/ |website=IGN Japan |date=2024-07-09 |access-date=2024-07-12 |language=ja |first= |last= |author=重田雄一}}</ref><ref name=":42">{{Cite web |title=日本が舞台の人気ゲームが“炎上” 「アサシンクリード」制作会社が謝罪 他団体の著作物を無断使用 |url=https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/07/09/kiji/20240709s00041000095000c.html |website=スポーツニッポン |access-date=2024-07-09 |date=2024-07-09}}</ref>、このアートは「コレクターズエディション」として発売される商品に付属するアートブックにも使用される予定となっていた<ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』コレクターズエディション |url=https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/assassins-creed/news/7v5jsrR7b9rRQ1Cy29eMf7/ |website=www.ubisoft.com |access-date=2024-07-07 |language=ja-jp}}</ref>。団体の関係者からの問い合わせを受けたUBIは問題のアートを公式サイトから削除し<ref name=":5" />、団体に謝罪したことを報告した上で、当該のアートはアートブックへの収録を除き、以降は新たな使用や配布を行わないとした<ref name=":42" />。関ヶ原鉄砲隊はアートブック収録分も含め削除するよう要請を続けていたが、UBIは既に印刷済であることを理由として拒否を続けていた。しかし、2024年10月21日、関ヶ原鉄砲隊は「コンセプトアート内の旗のデザインを削除することが決まった」と表明、後は現物を確認するだけとしているものの、問題は一応の解決を見た<ref>{{Cite web |title=アスキーゲーム:「アサクリシャドウズ」コンセプトアート無断使用問題、該当デザイン削除へ |url=https://ascii.jp/elem/000/004/230/4230080/?topnew=1 |website=ASCII.jp |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref>。


{{要出典範囲|関ヶ原鉄砲隊以外でも著作物の無断使用が指摘されており、二条城の障壁画と東大寺金剛八角燈籠の無断使用が指摘されている。なお二条城を管理する京都市と東大寺八角燈籠の管理者である東大寺は既に把握しており、UBIに問い合せを行っている。|date=2024年10月}}
関ヶ原鉄砲隊以外でも著作物の無断使用が指摘されており、二条城の障壁画と東大寺金剛八角燈籠の無断使用が指摘されている<ref name=":8" />。なお二条城を管理する京都市と東大寺八角燈籠の管理者である東大寺は既に把握しており、UBIに問い合せを行っている。


{{要出典範囲|フランスで開催されたJAPAN EXPO2024に本作をテーマにしたブースが作られた際、展示物の一つとして「弥助が使用する刀」が置かれていたが、その刀が一般に販売されている『[[ONE PIECE]]』に登場する刀のレプリカであると指摘された。|date=2024年10月}}<ref>{{独自研究範囲|{{Cite web |title=https://x.com/AssassinsFR/status/1811460461889527912 |url=https://x.com/AssassinsFR/status/1811460461889527912 |website=X (formerly Twitter) コミュニティノート参照|access-date=2024-10-23 |language=ja}}|date=2024年10月}}</ref>{{出典無効|date=2024年10月}}{{要出典範囲|UBIが日本では商標登録されている織田木瓜紋を使ったアパレルグッズを販売しようとしていることがわかり炎上した|date=2024年10月}}。
フランスで開催された[[JAPAN EXPO]]2024に本作をテーマにしたブースが作られた際、展示物の一つとして「弥助が使用する刀」が置かれていたが、その刀が一般に販売されている『[[ONE PIECE]]』に登場する[[ロロノア・ゾロ]]の「三代鬼徹」のレプリカであると指摘された<ref name=":8" />。ONE PIECEの作者[[尾田栄一郎]]と[[織田氏]]を混同したと推察される<ref name=":8" />{{要出典範囲|UBIが日本では商標登録されている織田木瓜紋を使ったアパレルグッズを販売しようとしていることがわかり炎上した|date=2024年10月}}。


フィギュアメーカー PureArts が発売を予定しているフィギュアは当初「一本柱の鳥居」をデザインとして使用していたが、[[長崎市]][[山王神社 (長崎市)|山王神社]]の二の鳥居([[被爆建造物]])との類似性に対する抗議があった結果、PureArts が謝罪しデザインの変更を発表した<ref>{{Cite web |title=「アサクリシャドウズ」フィギュアのメーカーが「無神経なデザイン」を謝罪 作り直しへ |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/17/news157.html |website=ITmedia NEWS |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』のフィギュア、「配慮に欠けた」デザインだったとしてメーカーが謝罪 デザインを手直しすることに |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/76930/news/ |website=IGN Japan |date=2024-10-17 |access-date=2024-10-25 |language=ja |author=Ryan Dinsdale}}</ref><ref>{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadows Merchandise Guide|TheOnesWhoCameBefore |url=https://www.theoneswhocamebefore.com/news/assassin%27s-creed-shadows-merchandise-guide |website=TheOnesWhoCameBefore |access-date=2024-10-28}}</ref>。
フィギュアメーカーPureArtsが発売を予定しているフィギュアは当初「一本柱の鳥居」をデザインとして使用していたが、[[長崎市]][[山王神社 (長崎市)|山王神社]]の二の鳥居([[被爆建造物]])との類似性に対する抗議があった結果、PureArtsが謝罪しデザインの変更を発表した<ref>{{Cite web |title=「アサクリシャドウズ」フィギュアのメーカーが「無神経なデザイン」を謝罪 作り直しへ |url=https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2410/17/news157.html |website=ITmedia NEWS |access-date=2024-10-25 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=『アサシン クリード シャドウズ』のフィギュア、「配慮に欠けた」デザインだったとしてメーカーが謝罪 デザインを手直しすることに |url=https://jp.ign.com/assassins-creed-codename-red/76930/news/ |website=IGN Japan |date=2024-10-17 |access-date=2024-10-25 |language=ja |author=Ryan Dinsdale}}</ref><ref>{{Cite web |title=Assassin's Creed Shadows Merchandise Guide|TheOnesWhoCameBefore |url=https://www.theoneswhocamebefore.com/news/assassin%27s-creed-shadows-merchandise-guide |website=TheOnesWhoCameBefore |access-date=2024-10-28}}</ref>。


==== 日本・日本人の反応 ====
== 脚注 ==
2024年6月19日、[[Change.org|chang.org]]にて「アサシンクリードシャドウズの発売中止を求めます」とするインターネット署名運動が開始され、10万を超える署名数を記録した<ref>{{Cite web |title=アサシンクリードシャドウズの発売中止を求めます |url=https://www.change.org/p/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%BA%E3%81%AE%E7%99%BA%E5%A3%B2%E4%B8%AD%E6%AD%A2%E3%82%92%E6%B1%82%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%99 |website=Change.org |access-date=2024-10-31 |language=ja-JP}}</ref>。


2024年8月20日、[[横浜商科大学]]の[[田中辰雄 (経済学者)|田中辰雄]][[教授]]が本騒動をもとにウェブモニターを使用したアンケートを実施した<ref name=":10" />。

炎上事件を知っている人の中で、この発売中止(同論文では[[キャンセル・カルチャー|キャンセルカルチャー]])に賛同する人は33.4%となっており<ref name=":10" />、アンケートそのものは発売中止署名に賛同しない人の方が48%と多かったものの、ゲームの発売中止を求めるということも鑑みれば、「数値としては高いも知れない」と評している<ref name=":10" />。

また、田中は「今回のキャンセルカルチャーは、いわば、押し寄せるポリコレの正義に対する日本の防衛反応と見ることができる」<ref name=":10" />として、これに賛同する人は「歴史保持の正義を掲げている」としてる<ref name=":10" />。ただし、同アンケートでは関ヶ原鉄砲隊を始めとした[[著作権侵害]]問題に対して一切触れられていない<ref name=":10" />{{Efn|言うまでもなく、誤った歴史が広まる懸念と著作権侵害は完全に別個の問題である}}。

[[参議院議員]]の[[浜田聡]]が本作について[[文部科学省]]に問い合わせた結果、文部科学省は「公序良俗に反する内容が疑われる場合は慎重な対応が求められる」などと回答した。一方で、[[外務省]]と[[経済産業省]]はコメントを差し控えた<ref>{{Cite web |title=黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答 |url=https://www.sankei.com/article/20240724-WTXDURJJXJAK7DGLOI6HQMTIIY/ |website=産経新聞:産経ニュース |date=2024-07-24 |access-date=2024-10-31 |language=ja |last=奥原 |first=慎平}}</ref>。

2024年11月2日、オンラインで開催された「第19回国際日本学コンソーシアム」において、世界の日本学研究の国際的・学際的な研究発表、ディスカッションのテーマとして『「アサシンクリード問題」(いわゆる「弥助問題」): CLILとDEIの観点から見えるもの・隠されているもの』という題名で本問題が取り上げられた<ref name=":15" /><ref name=":16" />。

同ディスカッションにおいて、[[東洋アフリカ研究学院]]教員の鈴木里奈から、「ゲームの主人公の一人、黒人の弥助は実際に存在し、信長に仕えたと言われている。しかし、[[一次資料|第一次資料]]が乏しいため、彼の生涯は神秘と憶測に包まれている。しかし、ゲーム内では立派な鎧と刀を身につけた伝説の侍として描かれている。彼は本当に侍だったのか。史的証拠はどこにあるのか。当時、日本には多くの伝説的な侍がいたのに、なぜ彼は封建時代の日本を代表する人物として選ばれたのか」と疑問を呈されている<ref name=":15" /><ref name=":16" />。

==== その他の国の反応 ====
韓国の社会言語学者である[[能出新陸]](Alaric NAUDÉ)は、騒動を知り状況を調査していたところトーマス・ロックリーに行き着き、その書籍の内容から西洋人のアジア文化に対する理解の低さ、そして本作(アサシンクリードシャドウズ)のアジア描写の酷さに失望し、[[社会学]]および[[言語学]]を用いてロックリーの書籍のどこが問題なのか、何が証拠のない不適切な記述なのか、そして弥助はどのような人物だったのかをまとめた書籍を2024年10月に出版している<ref>{{Cite web |title=RESEARCH PROJECTS{{!}}연구프로젝트{{!}}研究項目 – Dr.Alaric Naude |url=https://naude.eu/page-3/ |website=naude.eu |access-date=2024-11-23}}</ref>。

== 脚注 ==
=== 注釈 ===
=== 注釈 ===
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[[Category:アサシン クリードシリーズ|し]]
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[[Category:日本の戦国時代を舞台とした作品]]
[[Category:日本の戦国時代を舞台とした作品]]
[[Category:16世紀を舞台とした作品]]
[[Category:16世紀を舞台とした作品]]

2024年12月25日 (水) 11:22時点における最新版

アサシン クリード シャドウズ
Assassin's Creed SHADOWS
ジャンル オープンワールドアクションRPG
対応機種 PlayStation 5
Xbox Series X/S
Windows
MacOS
iPadOS
開発元 ユービーアイソフト ケベック
発売元 ユービーアイソフト
人数 1人
メディア Ultra BD-ROM(PS5)
ダウンロード(PC/Xbox Series)
発売日 世界の旗 2025年2月14日
対象年齢 CEROZ(18才以上のみ対象)
ESRBM(17歳以上)
コンテンツアイコン CERO:暴力
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アサシン クリード シャドウズ』(: Assassin's Creed SHADOWS)は、ユービーアイソフトより2025年2月14日に発売予定のオープンワールドアクションRPGである[1]アサシン クリードシリーズのメインシリーズ14作目の作品で、2023年に発売されたアサシン クリード ミラージュの次の作品となる。

概要

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強力な力を秘めた超古代文明の遺物を巡り紀元前から各国で争い続ける二大勢力の戦いを描くシリーズであり、本作では「織田信長が岐阜城から安土城に移り天下統一まであと一歩の所まで迫っていた16世紀安土桃山時代の日本、1579年から1584年を舞台とする[2]

父を喪った忍の藤林奈緒江と、信長に仕えたとされる黒人の弥助の二人からなるダブル主人公制[3]。弥助のような実在した人物が主人公になるのはシリーズ初と紹介される[3]、メインシリーズにおいてはそうだが、スピンオフ『アサシン クリード クロニクル』においてアナスタシア・ニコラエヴナが主人公となった前例もある。現地人である奈緒江、異国から来た弥助の二人が、対等でありながら異なる視点で共通の目的を追う[2][4]。二人の主人公を都度切り替えることが可能で、ほとんどの場面はどちらか一人だけで進められるが、屈強な敵は奈緒江では倒しづらく、高所にいる敵は身軽に傍に行けない弥助では倒しにくい[4]。対話での選択肢も、それぞれ異なる[4]

本編で描かれる風景は、「過去編」主人公の遺伝子情報を現代人が解析して作り出したVRであり、その映像を視聴している「現代編」が過去作同様に存在するが、今作では現代人はプレイアブルではなくムービーのみとなる[5]

なお、本作には歴史探索が行えるディスカバリーモードの実装は予定されていない[6]

登場人物

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藤林奈緒江(ふじばやし なおえ)
声 - 島袋美由利
主人公の一人。女性。伊賀者の忍のアサシン[1]。父は第一次天正伊賀の乱で戦死した藤林長門守。アサシン教団に伝わる「アサシンブレード」を使い、フードで顔を隠し影に潜んで敵を倒すステルス戦闘を得意とする[2]、シリーズの伝統的な主人公像を担っている。「シリーズ最強のアサシン」として制作されている[4]。屈み歩きだけでなく、よりステルス性能の高い匍匐前進がシリーズで初めて可能[7]手裏剣クナイを用いて暗殺し、鎖鎌による広範囲な攻撃も可能[7]。織田信長の圧政により故郷と親族を滅ぼされた恐怖を抱いている[8]。優しい性格だが、直情的な面もある[8]
弥助(やすけ)
声 - 帆世雄一
主人公の一人。男性。侍の修業を終えたアフリカ出身の元奴隷[1][3]。日本人ではないアウトサイダーの視点から日本を見る[2]。逞しい体つきで、ある程度のステルスも可能であるが肉弾戦を得意とし、高所を身軽に乗り越えることはできないが、扉を破壊して侵入などが可能[2]金棒火縄銃などを武器にパワフルに戦う[8]。シリーズの伝統である、高所から鷲のような姿勢で飛び降りて藁の山などに着地する「イーグルダイブ」は不得意であり、着地の際に尻餅をつく[4]。主君である織田信長を死に追いやった組織を探し、戦地を巡っている[8]

開発・販売

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遡ること2010年、「シリーズ生みの親」パトリス・デジーレは、日本を舞台にする予定は無いと述べていた[9]。というのも、「忍者のアサシンクリード」を期待する声は大きいが、知り合いの日本人に「やめたほうがいい」「日本人は外国人に理解できない世界観を持っている」と言われたためとされる[9]。なお、デジーレはその後UBIを退社しており[9]、本作に関与していない。

2022年9月、UBIは、日本が舞台の新作『コードネーム Red』(仮称)が開発中であることを発表した[10]

2024年5月、『コードネーム Red』の正式タイトルが『シャドウズ』に決定したことを発表し、トレーラーなどを順次公開した[11]。一方、この頃から後述の炎上が始まった。

2024年9月24日、UBIは本作の舞台である日本で行われる「東京ゲームショウ2024」の公式番組への出展を取りやめると発表した[12]

2024年9月26日、「体験の磨き上げにさらなる時間」が必要であるとの理由から、同年11月15日に予定されていた発売日が、2025年2月14日に延期されることが発表された[13]。同時にSteamでの展開も発表している。2019年以降のUBIの新作はEpic Games StoreとUbisoft Storeで専売していた[14]。 延期に伴い、上位エディションに付属していた先行アクセス権及びシーズンパスがキャンセルされ、それに伴い値下げが行われた[15][16]

開発スタジオはユービーアイソフト ケベック英語版(シリーズ過去作では『自由の叫び英語版』『シンジケート』『オデッセイ』と同じ)がメインを務める[17]

反響

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発売前の批判

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本作は、発売前の時点で炎上騒動が起きている。

弥助騒動

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日本を舞台にした作品でありながら、主人公のひとりに日本人男性ではなく黒人男性である弥助を起用したことで一部から批判が起き、さらにその批判に対しても人種差別的であるとの声が上がった[18][19]

実業家のイーロン・マスクもこの件に反応し、SNSのXに「Diversity, Equity & Inclusion(多様性、公平性、包括性)」を意味する「DEI」という略語を用いて[20]、「DEI kills art(DEIは芸術を殺す)」とポストした[21]。このマスクのポストは、作品のエグゼクティブ・プロデューサーであるマーク・アレクシス・コーテ (Marc-Alexis Côté) から「he's just feeding hatred(憎しみを煽っているだけだ)」と非難されている[21]

しかし黒人起用に関して、東アジア人男性への差別に当たるとの指摘がなされており、単純な反DEI、反ポリコレ黒人差別で語れる構図ではない。

また、本騒動から派生して、日本大学准教授トーマス・ロックリーの弥助に対する一連の疑惑が発覚しており、ロックリーの著書や、彼の説を採用したメディアで登場する弥助や関連する出来事に関して、資料や史実と異なっており、デマを生み出しているなどの批判がなされている(詳細は同項目を参照)[22][23][24][25]

アジア人男性への差別との指摘
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黒人男性「弥助」の主人公起用は日本人・東アジア人男性への差別であるとの指摘がなされた理由については、これまでのアサシンクリードシリーズの背景を理解する必要がある。

  • 初代のアサシンクリードから、これまでの主人公は全て架空の現地人であり、本作においてその慣例を破った[26]
  • 以前にも、アサシン クリード クロニクルにおいて中国が舞台となったが、その時も女性のみが主人公であり、本来であれば本作が初のアジア人男性主人公となるはずであった

しかし、実際には日本人男性の主人公ではなく、黒人男性が主人公となったことで、「日本が舞台なのに日本人男性の主人公がいないのは馬鹿げている[19] (Assassin’s Creed being based in Japan and then NOT using a Japanese male protagonist is stupid.)」[18]「アフリカが舞台の作品で白人男性主人公を使うのと同じくらい愚かだ[19] (It would be as dumb as having it based in Africa and deciding to use a white male protagonist.)[18]」という声があがった。

また、これまでのUBIはアジア人男性が主人公のゲームを制作したこともなく[18](Ubisoft has never made a game with a male East Asian protagonist[18],)、当時の(現代でも)日本において極めて珍しい存在であった黒人を主人公にする不自然な起用をしたのは、「彼ら(UBI)はアジア人男性を嫌っているのではないか?(Do they hate East Asian males?)[18]」と疑われるようになったのである。

日本の学会からも、2024年11月に開かれた「第19回国際日本学コンソーシアム」において、「アサクリ問題」「弥助問題」として名指しされ[27][28]、「当時、日本には多くの伝説的な侍がいたのに、なぜ彼は封建時代の日本を代表する人物として選ばれたのか」と疑問を呈されている(詳細後述)[27][28]

後述する「私達の侍、私達の目になれる人物」という発言も、「文化盗用」「日本人排斥」(つまり差別)と見なされ[29]、WEB上から削除されたのである[29]

また以前より、欧米社会においてはアジア人男性に対するレプリゼンテーション問題があり、映画などのメディア媒体において、アジア人男性が主人公になれる機会が極端に少ない[30][31]。侍や忍者はその数少ない活躍の機会でもあった。

男女関係ないアジア差別として指摘されるのが日本語吹き替えゲーム映像に中国語の字幕を使用した問題で[29][32]、こちらは日本だけでなく中国韓国からも「アジア軽視だ」と批判の声が上がった[29]

時代考証上の誤り

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UBIは海外メディアの取材などに、シャドウズでは日本の専門家・歴史家による時代考証を徹底したという趣旨のコメントをしていた[12]

しかし、本作はPV動画やコンセプトアートなどにおいて複数の基本的な時代考証上の誤りも指摘されており[33]、例えば「織田家の家紋が入った鎧を着た弥助が民家を襲撃する」姿に対して、ゲームライターは「弥助は山賊ではなく信長の家臣ですから、こうした行為に疑問を持たれても仕方ないかもしれません」と語っている[33]

他にも、公開されたコンセプトアートには戦国時代にも関わらずガードレール電柱軽トラックが発見される[33]といった極めて初歩的な誤りも明らかになっている。

他にも、以下の誤りが指摘されている[25][29][32]

  • 城の畳が正方形である[25][29][32]
  • 武士が正座し[注釈 1]、畳の縁を踏んでいる[29]
  • 侍が甲冑姿で街を歩いている[32]、それに対して村人が弥助に恭しく頭を下げる[25]。織田家の家紋を付けた弥助も扱いとして誤り[29]
  • 帯刀が右[25]
  • 織田信長の横にその家臣が座っている[32]
  • 田植えをしているシーンに満開の桜が咲き、「豊作だな」といったセリフが出る[32]
  • 左右反転した中国の仏像[25][29]
  • 農作業の風景がミャンマータイといった東南アジアのもの[29]
開発者の発言
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UBIのシャルル・ベノアは、5月16日に公開されたインタビュー記事において『アサシン クリード』シリーズのことを「歴史描写と緻密な世界再現で知られています」とし、本作について「織田信長のような実在した歴史上の人物や当時の出来事を忠実に描いているので、封建時代の日本を舞台にゲームを楽しみながら、この素晴らしい時代について学ぶことができます」と語っていたが[34]、6月11日に公開された記事では記者から問われた設定上の疑問点に対して「あくまでゲームは歴史事実を絡めたフィクション」と返答をしている[3]

また、公開したトレーラー映像への反響は「ネガティブな意見が多かったですが、肯定的な意見も少なくなかった」と述べ[3]、その映像に対して指摘のあった文化的描写の瑕疵は、本編においては修正されるとした[6]。UBIのブルック・デーヴィーズも、6月14日公開の記事で「今作は歴史フィクション」[35]とした上で「歴史の空白を私たちの描きたかったストーリーで埋めた」と語り、ベノアの発言と足並みをそろえている[35]

日本人男性ではなく、黒人男性を起用したことについて、UBIは日本のゲームメディア向けインタビューで、「“私たちの侍”、つまり日本人ではない私たちの目になれる人物」を探したと答えた[29]。この発言は「文化盗用」「日本人排斥」と批判され、現在ではウェブ上の記事から削除されている[29]

また、別の取材(弥助が白昼堂々村の中で敵を惨殺する姿に対する反発の声[29])に対してディレクターの Simon Lemay-Comtois が「当時、死を見ることは日常茶飯事であり、当時の日本ではほとんどの人が死ぬ方法はきれいな斬首だった[注釈 2]」と発言したが[36]、そのような歴史的事実はないと批判されている[29]

2024年6月、一連の炎上に際してUBIのCEOであるイヴ・ギユモは、「悪意のある個人的なオンライン攻撃」を非難するとともに、「私が今懸念していることの一つは、当社のチームメンバーやパートナーの一部に向けられた悪意のある個人的オンライン攻撃です」、「ユービーアイソフトは、これらの憎悪行為を可能な限り強い言葉で非難することを明らかにしたいと思います。業界の他の人たちやプレイヤーにも、同様に非難するよう呼びかけます。」と発言している[37]

2024年10月、UBIのマネタイズディレクターであるスティービー・シャサードが自身のLinkedInにおいて、ゲーマーを「まともではない人間(non-decent humans[38])」と非難した[39][38]

2024年11月、本作のエグゼクティブプロデューサーのMarc-Alexis Côtéは、「不寛容からくる攻撃」や、スタジオやこの特定のゲームが「現代の思惑によって動かされている」という考えを否定した[40]

更に、「歴史に忠実であるということは、妥協することなく人間の視点の豊かさを受け入れることを意味します」とし[40]、「たとえば、『アサシン クリード シャドウズ』では、日本の女性戦士である直江のような架空の人物と、アフリカ生まれの侍である弥助のような歴史上の人物の両方にスポットライトを当てています。封建時代の日本に黒人の侍が登場したことは疑問を招き、論争さえ巻き起こしましたが、架空の人物である直江も性別をめぐって厳しい批判にさらされてきました。 しかし、弥助が日本の歴史に存在したことが事実であるように、社会の期待に逆らい、紛争の時代に武器を取った女性たちの物語も事実です。直江と弥助の物語はどちらも歴史小説ですが、異なる世界、文化、役割の衝突を反映しており、その登場はまさに『アサシン クリード』が伝えようとしている物語であり、私たちが共有する歴史の複雑さと相互関連性を反映しています。」 とした[40]

ただし、くノ一を女忍者とする用例は、山田風太郎の小説「忍法帖シリーズ」の影響で1960年代以降に広まった言葉で、江戸時代には女性そのものを指す隠語であった。歴史学で特に忍者を専門とする三重大学教授山田雄司吉丸雄哉(現二松学舎大学教授)らによれば、男性と同じように偵察や破壊活動を行った女性忍者の存在については史料に記録がないという[41][42]

また、Marc-Alexis Côtéは続けて「歴史は本質的に多様である」ため、「ゲームも多様である」と述べた[40]。そして、「したがって、明確に言えば、私たちの包括性への取り組みは、歴史的真実性と多様な視点の尊重に基づいており、現代の課題によって動かされているわけではありません」と結んでいる[40]。ただし「歴史は本質的に多様である」というのはMarc-Alexis独自の意見であり、歴史学的な合意があるわけではない[注釈 3]

著作物の無断使用

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公開されたコンセプトアートに、2018年に結成されたボランティア団体「関ヶ原古戦場おもてなし連合・関ヶ原鉄砲隊」の旗の画像が含まれており[43][44]、このアートは「コレクターズエディション」として発売される商品に付属するアートブックにも使用される予定となっていた[45]。団体の関係者からの問い合わせを受けたUBIは問題のアートを公式サイトから削除し[43]、団体に謝罪したことを報告した上で、当該のアートはアートブックへの収録を除き、以降は新たな使用や配布を行わないとした[44]。関ヶ原鉄砲隊はアートブック収録分も含め削除するよう要請を続けていたが、UBIは既に印刷済であることを理由として拒否を続けていた。しかし、2024年10月21日、関ヶ原鉄砲隊は「コンセプトアート内の旗のデザインを削除することが決まった」と表明、後は現物を確認するだけとしているものの、問題は一応の解決を見た[46]

関ヶ原鉄砲隊以外でも著作物の無断使用が指摘されており、二条城の障壁画と東大寺金剛八角燈籠の無断使用が指摘されている[29]。なお二条城を管理する京都市と東大寺八角燈籠の管理者である東大寺は既に把握しており、UBIに問い合せを行っている。

フランスで開催されたJAPAN EXPO2024に本作をテーマにしたブースが作られた際、展示物の一つとして「弥助が使用する刀」が置かれていたが、その刀が一般に販売されている『ONE PIECE』に登場するロロノア・ゾロの刀「三代鬼徹」のレプリカであると指摘された[29]。ONE PIECEの作者尾田栄一郎織田氏を混同したと推察される[29]UBIが日本では商標登録されている織田木瓜紋を使ったアパレルグッズを販売しようとしていることがわかり炎上した[要出典]

フィギュアメーカー「PureArts」が発売を予定しているフィギュアは当初「一本柱の鳥居」をデザインとして使用していたが、長崎市山王神社の二の鳥居(被爆建造物)との類似性に対する抗議があった結果、PureArtsが謝罪しデザインの変更を発表した[47][48][49]

日本・日本人の反応

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2024年6月19日、chang.orgにて「アサシンクリードシャドウズの発売中止を求めます」とするインターネット署名運動が開始され、10万を超える署名数を記録した[50]

2024年8月20日、横浜商科大学田中辰雄教授が本騒動をもとにウェブモニターを使用したアンケートを実施した[26]

炎上事件を知っている人の中で、この発売中止(同論文ではキャンセルカルチャー)に賛同する人は33.4%となっており[26]、アンケートそのものは発売中止署名に賛同しない人の方が48%と多かったものの、ゲームの発売中止を求めるということも鑑みれば、「数値としては高いも知れない」と評している[26]

また、田中は「今回のキャンセルカルチャーは、いわば、押し寄せるポリコレの正義に対する日本の防衛反応と見ることができる」[26]として、これに賛同する人は「歴史保持の正義を掲げている」としてる[26]。ただし、同アンケートでは関ヶ原鉄砲隊を始めとした著作権侵害問題に対して一切触れられていない[26][注釈 4]

参議院議員浜田聡が本作について文部科学省に問い合わせた結果、文部科学省は「公序良俗に反する内容が疑われる場合は慎重な対応が求められる」などと回答した。一方で、外務省経済産業省はコメントを差し控えた[51]

2024年11月2日、オンラインで開催された「第19回国際日本学コンソーシアム」において、世界の日本学研究の国際的・学際的な研究発表、ディスカッションのテーマとして『「アサシンクリード問題」(いわゆる「弥助問題」): CLILとDEIの観点から見えるもの・隠されているもの』という題名で本問題が取り上げられた[27][28]

同ディスカッションにおいて、東洋アフリカ研究学院教員の鈴木里奈から、「ゲームの主人公の一人、黒人の弥助は実際に存在し、信長に仕えたと言われている。しかし、第一次資料が乏しいため、彼の生涯は神秘と憶測に包まれている。しかし、ゲーム内では立派な鎧と刀を身につけた伝説の侍として描かれている。彼は本当に侍だったのか。史的証拠はどこにあるのか。当時、日本には多くの伝説的な侍がいたのに、なぜ彼は封建時代の日本を代表する人物として選ばれたのか」と疑問を呈されている[27][28]

その他の国の反応

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韓国の社会言語学者である能出新陸(Alaric NAUDÉ)は、騒動を知り状況を調査していたところトーマス・ロックリーに行き着き、その書籍の内容から西洋人のアジア文化に対する理解の低さ、そして本作(アサシンクリードシャドウズ)のアジア描写の酷さに失望し、社会学および言語学を用いてロックリーの書籍のどこが問題なのか、何が証拠のない不適切な記述なのか、そして弥助はどのような人物だったのかをまとめた書籍を2024年10月に出版している[52]

脚注

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注釈

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  1. ^ 武士の正座が普及したのは江戸時代以降
  2. ^ 原文「I think it’s not an assassin thing, it’s a Japan thing in our case. So looking at death was a day-to-day occurrence in that period, and the way most people died in Japan during that time is clean decapitations.」
  3. ^ 例えば、江戸時代には鎖国海禁)政策によって多様性とは真逆の歴史を辿ったが、これが長期的な平和をもたらしたことは周知の事実である。
  4. ^ 言うまでもなく、誤った歴史が広まる懸念と著作権侵害は完全に別個の問題である

出典

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  3. ^ a b c d e 奥谷海人. “「アサシン クリード シャドウズ」ライブデモを公開。侍の弥助と忍の奈緒江,主人公2人のまったく異なるゲームプレイをチェックしてきた”. 4Gamer.net. 2024年7月12日閲覧。
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  10. ^ 御月亜希. “「アサシン クリード」の舞台はついに日本に!? 忍として生きる“コードネーム(Red)”など,開発中のタイトルをショーケースでチラ見せ”. 4Gamer.net. 2024年8月14日閲覧。
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外部リンク

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