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[[Image:Nagoyasyu.jpg|right|250px|thumb|名古屋コーチン(左がメス、右がオス)]] |
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'''名古屋コーチン'''(なごやコーチン)とは、[[日本]]の[[愛知県]]特産である[[ニワトリ|鶏]]の卵肉兼用種である。後に「'''名古屋種'''」と改名されたが、[[21世紀]]現在も「名古屋コーチン」のままで流通している<ref name="rekishi"> |
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[[Image:Nagoyasyu.jpg|right|250px|thumb|名古屋コーチン]] |
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{{Cite web|和書 |
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'''名古屋コーチン'''(なごやコーチン)とは、愛知県特産である[[ニワトリ|鶏]]の肉用品種である。 |
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後に「'''名古屋種'''」と改名されたが、現在も「名古屋コーチン」のままで流通している。 |
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|author=Aichi Prefecture |
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|title=愛知県公式Webサイト/名古屋コーチンの歴史と外観上の特徴 |
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[[1905年]]([[明治]]38年)[[3月10日]]に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定された<ref name="chunichi2016929">{{Cite news |
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| title = 3月10日「名古屋コーチンの日」 地鶏で初 |
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| date = 2016-09-29 |
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| publisher = 中日新聞社 |
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}}</ref>。 |
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== 概要 == |
== 概要 == |
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名古屋コーチンは、[[明治|明治時代]]初期に愛知県で作出された鶏で<ref name="cochin"> |
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名古屋コーチンは、[[明治|明治時代]]初期に愛知県で作出された鶏で、[[1999年]]([[平成]]11年)6月21日に制定された地鶏肉の日本農林規格にも在来種(明治時代までに国内で成立し、又は導入され定着した鶏の品種)にあげられている。現在、市場に流通している[[鶏肉|肉]]や[[鶏卵|卵]]のほとんどは、愛知県畜産総合センター種鶏場から供給された種鶏(親鶏)から産まれた名古屋コーチンによって生産されたものである。 |
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{{Cite web|和書 |
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名古屋コーチンは[[愛知県]]とその近隣県を中心に日本全国で飼育されていて、その肉や卵は高級食材となっている。卵をよく産み、肉もおいしいことから、「卵肉兼用種」に分類されている。 |
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|title=愛知県公式Webサイト/名古屋コーチン |
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現在、市場に流通している[[鶏肉|肉]]や[[鶏卵|卵]]のほとんどは、[[愛知県畜産総合センター#組織|愛知県畜産総合センター種鶏場]]から供給された種鶏(親鶏)から産まれた名古屋コーチンによって生産されたものである。 |
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名古屋コーチンは[[愛知県]]とその近隣県を中心に日本全国で飼育されていて、その肉や卵は高級食材となっている。卵をよく産み、肉も美味しいことから、「卵肉兼用種」に分類されている<ref name="cochin"/>。 |
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[[比内鶏#比内地鶏|比内地鶏]]、[[薩摩鶏#さつま地鶏|さつま地鶏]]と並ぶ日本三大地鶏の一つである。 |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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[[愛知県]]の養鶏は、[[江戸時代]]末期に[[尾張藩|尾張藩士]]によって鶏の飼育が行われたのが起源といわれ、[[明治時代]]以降も産業として定着、発展し、今日に至っても全国有数の養鶏業の盛んな土地である。この愛知県の養鶏の発展とともに歩んできたのが、名古屋コーチンである<ref name="shiiku"> |
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|title= 卵用名古屋コーチンの飼養管理技術 |
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[[1882年]]頃に旧・[[東春日井郡]]池林村池之内(現在の愛知県[[小牧市]]池之内)で、元・尾張藩藩士の[[海部壮平]]と[[名古屋市]]内で養鶏業を営んでいた弟の[[海部正秀]]が、[[中国]]から入手した[[コーチン (鶏)|バフコーチン]]と{{要出典範囲|date=2015年3月|[[岐阜地鶏]]を交配して}}産まれた鶏から、名古屋コーチンは作出された。名古屋コーチンは、肉質、産卵能力が良く、強健で温厚であるという長所を兼ね備えていたことから、評判になり、[[尾張国|尾張地方]]だけでなく、[[京都]]、[[大阪]]を中心に全国に広まった<ref name="shiiku"/>。 |
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[[愛知県]]の養鶏は、[[江戸時代]]末期に尾張藩士によって鶏の飼育が行われたのが起源といわれ、[[明治時代]]以降も産業として定着、発展し、今日に至っても全国有数の養鶏業の盛んな土地である。この[[愛知県]]の養鶏の発展とともに歩んできたのが、名古屋コーチンである。 |
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[[1903年]]([[明治]]36年)からは愛知県が育種改良を担うようになり<ref name="shiiku"/>、改良された名古屋コーチンは[[1905年]](明治38年)[[3月10日]]に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定された<ref name="chunichi2016929"/>。 |
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1882年頃に旧・[[東春日井郡]]池林村池之内(現在の愛知県[[小牧市]]池之内)で、元・尾張藩藩士の[[海部荘平]]と[[名古屋市]]内で養鶏業を営んでいた弟の[[海部正秀]]が、[[中国]]から入手した「バフコーチン」と[[尾張地方]]で飼育されていた鶏を交配して産まれた鶏から、名古屋コーチンは作出された。名古屋コーチンは、肉質、産卵能力が良く、強健で温厚であるという長所を兼ね備えていたことから、評判になり、[[尾張地方]]だけでなく、[[京都]]、[[大阪]]を中心に全国に広まった。 |
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その後、脚毛が除去され、脚色が鉛色(灰色)に固定されて、[[1919年]]([[大正]]8年)に、中央畜産会によって「名古屋種」と改称されたが、現在も「名古屋コーチン」の名前の方が一般的に用いられている<ref name="shiiku"/>。 |
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[[1903年]]([[明治]]36年)からは[[愛知県]]が育種改良を担うようになり、改良された名古屋コーチンは[[1905年]]([[明治]]38年)に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定された。 |
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[[1955年]]頃には毎年100万羽以上の雛がふ化され、愛知県のみならず全国に出荷されて、養鶏業の振興に大きく貢献していた。[[1962年]]([[昭和]]37年)以降、採卵専用、肥育専用に改良された外国産の種鶏(親鶏)が欧米から輸入されると、養鶏場で飼育される鶏は大量生産に適した欧米系の外国鶏へと変わっていき、名古屋コーチンは次第に活躍の場を失い、飼育羽数が数百羽程度にまで減少した<ref name="shiiku"/>。 |
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その後、脚毛が除去され、脚色が鉛色(灰色)に固定されて、[[1919年]]([[大正]]8年)に、中央畜産会によって「名古屋種」と改称されたが、現在も「名古屋コーチン」の名前の方が一般的に用いられている。 |
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[[1970年]]頃になると、消費者から愛知県の鶏料理に欠くことができない昔ながらの「かしわ肉」を求める声が高まった。[[1973年]](昭和48年)から、愛知県は名古屋コーチンの「かしわ肉」の生産という新たな展開を目指して、採卵性ではなく産肉性のために大型化に向けた改良に着手した。[[1984年]](昭和59年)に愛知県が、従来よりも産肉性に優れる「肉用名古屋コーチン」の供給を開始すると、当時のグルメ志向、本物志向とも相まって生産羽数が急増し、再び活躍の場を取り戻した<ref name="shiiku"/>。現在も名古屋コーチンは圧倒的な知名度の高さと人気を誇る「[[地鶏]]の王様」として君臨している{{要出典|date=2014年7月}}。 |
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[[1955年]]頃には毎年100万羽以上の雛がふ化され、[[愛知県]]のみならず全国に出荷されて、養鶏業の振興に大きく貢献していた。[[1962年]]([[昭和]]37年)以降、採卵専用、肥育専用に改良された外国産の種鶏(親鶏)が輸入されると、養鶏場で飼育される鶏は大量生産に適した外国鶏へと変わっていき、名古屋コーチンは次第に活躍の場を失い、飼育羽数が数百羽程度にまで減少した。 |
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[[2000年]]([[平成]]12年)からは、愛知県は採卵を目的とした「卵用名古屋コーチン」の供給も開始している<ref name="shiiku"/>。[[2011年]](平成23年)には肉用卵用合わせて約90万羽の雛が生産されている。 |
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[[1970年]]頃になると、消費者から[[愛知県]]の鶏料理に欠くことができない昔ながらの「かしわ肉」を求める声が高まった。1973年(昭和48年)から、[[愛知県]]は名古屋コーチンの「かしわ肉」の生産という新たな展開を目指して、大型化に向けた改良に着手した。[[1984年]]([[昭和]]59年)に[[愛知県]]が、従来よりも産肉性に優れる「肉用名古屋コーチン」の供給を開始すると、当時のグルメ志向、本物志向とも相まって生産羽数が急増し、再び活躍の場を取り戻した。現在も名古屋コーチンは圧倒的な知名度の高さと人気を誇る「[[地鶏]]の王様」として君臨している。 |
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[[2016年]](平成28年)に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定されたことにちなみ、[[3月10日]]が愛知県と名古屋コーチン協会が定める「名古屋コーチンの日」として、[[日本記念日協会]]に認定された<ref name="chunichi2016929"/>。 |
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== 普及組織 == |
== 普及組織 == |
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[[1973年]]([[昭和]]48年)に、名古屋市農業センターは、養鶏農家、処理場、ふ化業者、料理店等の協力のもと、名古屋種改良研究会を立ち上げ、名古屋コーチンの種鶏の確保、普及方法の研究といった復活の取組みを開始した。[[1981年]]( |
[[1973年]]([[昭和]]48年)に、名古屋市農業センターは、養鶏農家、処理場、ふ化業者、料理店等の協力のもと、名古屋種改良研究会を立ち上げ、名古屋コーチンの種鶏の確保、普及方法の研究といった復活の取組みを開始した。[[1981年]](昭和56年)にこの研究会から名古屋コーチン普及協会が設立され、28年間、生産から販売に至る組織作りを行ってきた。[[2006年]]([[平成]]18年)には会員数が70社余までに達し、各種イベントに参加してきた。特に、[[2005年]](平成17年)に開催された[[愛知万博]]では90日間愛知県パビリオンで名古屋コーチンの普及活動を行い、知名度を一段と高めた功績がある。 |
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[[岩倉市]]でも、[[1985年]]( |
[[岩倉市]]でも、[[1985年]](昭和60年)に岩倉市名古屋コーチン振興組合が発足し、名古屋コーチンの普及に取り組んでいる。 |
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[[2007年]]( |
[[2007年]](平成19年)9月に名古屋コーチンの生肉や加工品の中に偽物があるという疑いがおこり<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/168339.htm |title=第168回国会 339 名古屋コーチンの偽装疑惑問題に関する質問主意書 |publisher=[[衆議院]] |accessdate=2020-09-14}}</ref>、一部の販売店では、店頭から商品を撤去するなど、ブランド力が低下した。この問題を契機に、名古屋コーチンの生産・流通・販売に携わる関係者がさらに一体となって、[[2009年]](平成21年)5月には、名古屋コーチンブランドを守ることを目的とした[[名古屋コーチン協会|一般社団法人名古屋コーチン協会]]が設立された。現在、名古屋コーチン協会は消費者が名古屋コーチンの鶏卵肉を安心して購入できるような各種取組みを通じて、消費者の信頼確保を図り、普及の促進に取り組んでいる。 |
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== 生産体制 == |
== 生産体制 == |
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現在、[[愛知県]]における名古屋コーチンの管理体制は、農業総合試験場畜産研究部が育種改良を、畜産総合センター種鶏場が系統の保存と種鶏(親鶏)の供給を分担して行っている。 |
現在、[[愛知県]]における名古屋コーチンの管理体制は、農業総合試験場畜産研究部が育種改良を、[[愛知県畜産総合センター#組織|愛知県畜産総合センター種鶏場]]が系統の保存と種鶏(親鶏)の供給を分担して行っている。愛知県から供給された種鶏を使って、[[名古屋市農業センター]]と県内5ヶ所の民間孵化場が「肉用名古屋コーチン」と「卵用名古屋コーチン」の優良ひなを生産し、生産者に供給している。生産された肉や卵は、鶏卵肉販売店、百貨店、大手スーパー等を通じて販売されたり、加工食品等に調理して販売されたり、もしくは専門料理店で料理されたりしている<ref name="oita"> |
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|title=一般社団法人名古屋コーチン協会/名古屋コーチンの生い立ち |
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== 特徴 == |
== 特徴 == |
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=== 性格や外貌 === |
=== 性格や外貌 === |
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性格は穏やかで飼いやすい。 |
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かつては非常に強い就巣性があり、巣篭もりすると採卵効率がかなり低下したが、最近は改良が進み、就巣性はある程度弱くなった<ref name="shiiku"/>。 |
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*性格は穏やかで飼いやすい。 |
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脚が鉛色なのは、基となった名古屋在来鶏の特徴を受継いだ為である<ref name="shiiku"/>。 |
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*かつては非常に強い就巣性があり、巣篭もりすると採卵効率がかなり低下したが、最近は改良が進み、就巣性はある程度弱くなった。 |
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体形はバフコーチンの影響もあり、日本の地鶏の中でも大型に属している。同じくバフコーチンの形質から、かつては脚毛があったが改良により除去された<ref name="shiiku"/>。 |
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*脚が鉛色なのは、基となった名古屋在来鶏の特徴を受継いだ為である。 |
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*体形はバフコーチンの影響もあり、日本の地鶏の中でも大型に属し、かつては脚毛があったが改良により除去された。 |
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=== 鶏肉 === |
=== 鶏肉 === |
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肥育専用の鶏であるブロイラーは50日間ほどの短期間で出荷されているが、名古屋コーチンの出荷日齢はおおむね120~150日で |
肥育専用の鶏である[[ブロイラー]]は50日間ほどの短期間で出荷されているが、名古屋コーチンの出荷日齢はおおむね120~150日で<ref name="toha"> |
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{{Cite web|和書 |
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|url=http://nagoya-cochin.jp/02_about/index.html |
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|author=名古屋コーチン協会 |
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|title=一般社団法人名古屋コーチン協会/名古屋コーチンとは |
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長期間飼育されるため、名古屋コーチンの肉はこくのある旨みと、締まった歯ごたえが増し、ブロイラー鶏肉にはない奥深い味わいが感じられる。 |
長期間飼育されるため、名古屋コーチンの肉はこくのある旨みと、締まった歯ごたえが増し、ブロイラー鶏肉にはない奥深い味わいが感じられる。 |
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さらに、ほとんどの地鶏が[[在来種]]と肥育専用の外国鶏と交配させた交雑鶏であるのに対し、名古屋コーチンは他の鶏と交配させることなく、純血のままを保っていることから、昔ながらの[[地鶏]]の味を存分に堪能できる。 |
さらに、ほとんどの地鶏が[[在来種]]と肥育専用の外国鶏と交配させた交雑鶏であるのに対し、名古屋コーチンは他の鶏と交配させることなく、純血のままを保っていることから、昔ながらの[[地鶏]]の味を存分に堪能できる。 |
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名古屋コーチンを用いた郷土料理としては、「かしわのひきずり」が代表的な郷土の味である。「かしわ」は[[愛知県]]を含め、全国の多くの地域で鶏肉のことを差して言う。 |
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名古屋コーチンを用いた郷土料理としては「[[ひきずり]]」が代表的な郷土の味である。それ以外にも[[串焼き]]や鍋物、[[刺身]]、[[手羽先]]、[[鳥めし]]などの多種多様なメニューがある。 |
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一方、「ひきずり」は[[すきやき]]鍋のことを言うが、煮方や味付けなどの調理法には尾張地方独自のスタイルがある。その語源は諸説いろいろあるが、鍋から取って食べる動作が材料をひきずって小鉢に持ってくるようなところからひきずりと呼ぶようになったと言われている。尾張地方では名古屋コーチンが多くの家の庭先で飼われていた頃、ひきずりは家族がそろった時のご馳走メニューの定番であった。 |
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ひきずり以外にも、名古屋コーチン料理には[[串焼き]]や鍋物、[[刺身]]、[[手羽先]]、[[鳥めし]]などの多種多様なメニューがある。 |
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=== 鶏卵 === |
=== 鶏卵 === |
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名古屋コーチンの[[卵]]は、白玉卵や赤玉卵とは異なり、桜色の卵殻色をしているのが特徴である。 |
名古屋コーチンの[[鶏卵|卵]]は、白玉卵や赤玉卵とは異なり、桜色の卵殻色をしているのが特徴である。卵の大きさはやや小ぶりであるが、卵全体に占める[[卵黄]]の比率が高く、とろりとした粘りのある舌触りがあり、[[卵黄]]の色は濃く、味は濃厚である。また、厚焼き卵は形がしっかりして、歯ごたえのある食感が味わえる<ref name="shiiku"/>。最近では、[[親子丼]]、[[だし巻き卵]]、卵スープ、[[伊達巻]]、煮卵、[[温泉卵]]など、名古屋コーチンの卵を用いた料理や商品も種類が増えてきている。また、濃厚な味を活かして、[[カスタードプディング|プリン]]や[[カステラ]]、[[ケーキ]]、[[アイスクリーム]]のような菓子類にも利用され、数多くの人気商品が開発されている。 |
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== 備考 == |
== 備考 == |
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1984年(昭和59年)に肉用名古屋コーチンの供給が始まって、飼育羽数は順調に伸び、2008年(平成20年)には卵用肉用合わせて約130万羽になっている。 |
[[1984年]]([[昭和]]59年)に肉用名古屋コーチンの供給が始まって、飼育羽数は順調に伸び、[[2008年]]([[平成]]20年)には卵用肉用合わせて約130万羽になっている。 |
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== |
== 書籍 == |
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* 「名古屋コーチン作出物語 〜 『養鶏も武士道なり』 - 海部兄弟の大いなる挑戦 〜」[[入谷哲夫]]著([[2000年]]、[[ブックショップ・マイタウン]]) |
* 「名古屋コーチン作出物語 〜 『養鶏も武士道なり』 - 海部兄弟の大いなる挑戦 〜」[[入谷哲夫]]著(発行年:[[2000年]]、[[ブックショップ・マイタウン]]) |
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== 関連項目 == |
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* [[ニワトリ|鶏]] |
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*[[コーチン]] |
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* [[手羽先唐揚げ]] |
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* [[かごしま黒豚]]-グルメブーム時に同時に脚光を浴びるが、同様に共に偽物が出る始末もあった。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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<references/> |
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<!--=== 注釈 === |
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{{Reflist|group="注"}}--> |
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=== 出典 === |
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{{Reflist}} |
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== 参考文献 == |
== 参考文献 == |
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* 「養鶏大辞典」 |
* 「養鶏大辞典」(発行年:[[1963年]]、[[養鶏之日本社]]) 養鶏大辞典編集委員会 |
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* 「愛知の養鶏史」 |
* 「愛知の養鶏史」(発行年:[[1987年]]) 愛知の養鶏史編さん委員会 |
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*「国内初の実用品種「名古屋種」の歴史と現状-「肉用」「卵用」の |
* 「国内初の実用品種「名古屋種」の歴史と現状-「肉用」「卵用」の2方向による普及拡大を目指す-」(畜産コンサルタント、発行年:[[2006年]]11月号、中央畜産会) 愛知県農業総合試験場 中村明弘 |
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* [http://nagoya-cochin.jp/ 一般社団法人 名古屋コーチン協会] |
* [http://nagoya-cochin.jp/ 一般社団法人 名古屋コーチン協会] |
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== 関連項目 == |
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* [[ニワトリ|鶏]] |
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* [[コーチン (鶏)|コーチン]] |
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* [[手羽先唐揚げ]] |
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* [[ぴよりん]] |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [ |
* [https://www.pref.aichi.jp/soshiki/chikusan-c/0000011257.html 愛知県畜産総合センター種鶏場トップページ] |
||
* [http://www.pref.aichi.jp/nososi/ 愛知県農業総合試験場トップページ] |
* [http://www.pref.aichi.jp/nososi/ 愛知県農業総合試験場トップページ] |
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* [http://www.gene.affrc.go.jp/animal/chicken/nagoya-to.html 名古屋種](農業生物資源ジーンバンク) |
* [http://www.gene.affrc.go.jp/animal/chicken/nagoya-to.html 名古屋種]{{リンク切れ|date=2022年2月}}(農業生物資源ジーンバンク) |
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[[Category:在来種]] |
2024年12月21日 (土) 06:33時点における最新版
名古屋コーチン(なごやコーチン)とは、日本の愛知県特産である鶏の卵肉兼用種である。後に「名古屋種」と改名されたが、21世紀現在も「名古屋コーチン」のままで流通している[1]。
1905年(明治38年)3月10日に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定された[2]。
概要
[編集]名古屋コーチンは、明治時代初期に愛知県で作出された鶏で[3]、1999年(平成11年)6月21日に制定された地鶏肉の日本農林規格にも在来種(明治時代までに国内で成立し、又は導入され定着した鶏の品種)にあげられている[4]。
現在、市場に流通している肉や卵のほとんどは、愛知県畜産総合センター種鶏場から供給された種鶏(親鶏)から産まれた名古屋コーチンによって生産されたものである。
名古屋コーチンは愛知県とその近隣県を中心に日本全国で飼育されていて、その肉や卵は高級食材となっている。卵をよく産み、肉も美味しいことから、「卵肉兼用種」に分類されている[3]。
歴史
[編集]愛知県の養鶏は、江戸時代末期に尾張藩士によって鶏の飼育が行われたのが起源といわれ、明治時代以降も産業として定着、発展し、今日に至っても全国有数の養鶏業の盛んな土地である。この愛知県の養鶏の発展とともに歩んできたのが、名古屋コーチンである[5]。
1882年頃に旧・東春日井郡池林村池之内(現在の愛知県小牧市池之内)で、元・尾張藩藩士の海部壮平と名古屋市内で養鶏業を営んでいた弟の海部正秀が、中国から入手したバフコーチンと岐阜地鶏を交配して[要出典]産まれた鶏から、名古屋コーチンは作出された。名古屋コーチンは、肉質、産卵能力が良く、強健で温厚であるという長所を兼ね備えていたことから、評判になり、尾張地方だけでなく、京都、大阪を中心に全国に広まった[5]。
1903年(明治36年)からは愛知県が育種改良を担うようになり[5]、改良された名古屋コーチンは1905年(明治38年)3月10日に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定された[2]。
その後、脚毛が除去され、脚色が鉛色(灰色)に固定されて、1919年(大正8年)に、中央畜産会によって「名古屋種」と改称されたが、現在も「名古屋コーチン」の名前の方が一般的に用いられている[5]。
1955年頃には毎年100万羽以上の雛がふ化され、愛知県のみならず全国に出荷されて、養鶏業の振興に大きく貢献していた。1962年(昭和37年)以降、採卵専用、肥育専用に改良された外国産の種鶏(親鶏)が欧米から輸入されると、養鶏場で飼育される鶏は大量生産に適した欧米系の外国鶏へと変わっていき、名古屋コーチンは次第に活躍の場を失い、飼育羽数が数百羽程度にまで減少した[5]。
1970年頃になると、消費者から愛知県の鶏料理に欠くことができない昔ながらの「かしわ肉」を求める声が高まった。1973年(昭和48年)から、愛知県は名古屋コーチンの「かしわ肉」の生産という新たな展開を目指して、採卵性ではなく産肉性のために大型化に向けた改良に着手した。1984年(昭和59年)に愛知県が、従来よりも産肉性に優れる「肉用名古屋コーチン」の供給を開始すると、当時のグルメ志向、本物志向とも相まって生産羽数が急増し、再び活躍の場を取り戻した[5]。現在も名古屋コーチンは圧倒的な知名度の高さと人気を誇る「地鶏の王様」として君臨している[要出典]。
2000年(平成12年)からは、愛知県は採卵を目的とした「卵用名古屋コーチン」の供給も開始している[5]。2011年(平成23年)には肉用卵用合わせて約90万羽の雛が生産されている。
2016年(平成28年)に日本家禽協会によって国内初の実用鶏種として認定されたことにちなみ、3月10日が愛知県と名古屋コーチン協会が定める「名古屋コーチンの日」として、日本記念日協会に認定された[2]。
普及組織
[編集]1973年(昭和48年)に、名古屋市農業センターは、養鶏農家、処理場、ふ化業者、料理店等の協力のもと、名古屋種改良研究会を立ち上げ、名古屋コーチンの種鶏の確保、普及方法の研究といった復活の取組みを開始した。1981年(昭和56年)にこの研究会から名古屋コーチン普及協会が設立され、28年間、生産から販売に至る組織作りを行ってきた。2006年(平成18年)には会員数が70社余までに達し、各種イベントに参加してきた。特に、2005年(平成17年)に開催された愛知万博では90日間愛知県パビリオンで名古屋コーチンの普及活動を行い、知名度を一段と高めた功績がある。
岩倉市でも、1985年(昭和60年)に岩倉市名古屋コーチン振興組合が発足し、名古屋コーチンの普及に取り組んでいる。
2007年(平成19年)9月に名古屋コーチンの生肉や加工品の中に偽物があるという疑いがおこり[6]、一部の販売店では、店頭から商品を撤去するなど、ブランド力が低下した。この問題を契機に、名古屋コーチンの生産・流通・販売に携わる関係者がさらに一体となって、2009年(平成21年)5月には、名古屋コーチンブランドを守ることを目的とした一般社団法人名古屋コーチン協会が設立された。現在、名古屋コーチン協会は消費者が名古屋コーチンの鶏卵肉を安心して購入できるような各種取組みを通じて、消費者の信頼確保を図り、普及の促進に取り組んでいる。
生産体制
[編集]現在、愛知県における名古屋コーチンの管理体制は、農業総合試験場畜産研究部が育種改良を、愛知県畜産総合センター種鶏場が系統の保存と種鶏(親鶏)の供給を分担して行っている。愛知県から供給された種鶏を使って、名古屋市農業センターと県内5ヶ所の民間孵化場が「肉用名古屋コーチン」と「卵用名古屋コーチン」の優良ひなを生産し、生産者に供給している。生産された肉や卵は、鶏卵肉販売店、百貨店、大手スーパー等を通じて販売されたり、加工食品等に調理して販売されたり、もしくは専門料理店で料理されたりしている[7]。
特徴
[編集]性格や外貌
[編集]性格は穏やかで飼いやすい。
かつては非常に強い就巣性があり、巣篭もりすると採卵効率がかなり低下したが、最近は改良が進み、就巣性はある程度弱くなった[5]。
脚が鉛色なのは、基となった名古屋在来鶏の特徴を受継いだ為である[5]。
体形はバフコーチンの影響もあり、日本の地鶏の中でも大型に属している。同じくバフコーチンの形質から、かつては脚毛があったが改良により除去された[5]。
鶏肉
[編集]肥育専用の鶏であるブロイラーは50日間ほどの短期間で出荷されているが、名古屋コーチンの出荷日齢はおおむね120~150日で[8]、オスの方がメスより早く出荷される傾向がある。
長期間飼育されるため、名古屋コーチンの肉はこくのある旨みと、締まった歯ごたえが増し、ブロイラー鶏肉にはない奥深い味わいが感じられる。
さらに、ほとんどの地鶏が在来種と肥育専用の外国鶏と交配させた交雑鶏であるのに対し、名古屋コーチンは他の鶏と交配させることなく、純血のままを保っていることから、昔ながらの地鶏の味を存分に堪能できる。
名古屋コーチンを用いた郷土料理としては「ひきずり」が代表的な郷土の味である。それ以外にも串焼きや鍋物、刺身、手羽先、鳥めしなどの多種多様なメニューがある。
鶏卵
[編集]名古屋コーチンの卵は、白玉卵や赤玉卵とは異なり、桜色の卵殻色をしているのが特徴である。卵の大きさはやや小ぶりであるが、卵全体に占める卵黄の比率が高く、とろりとした粘りのある舌触りがあり、卵黄の色は濃く、味は濃厚である。また、厚焼き卵は形がしっかりして、歯ごたえのある食感が味わえる[5]。最近では、親子丼、だし巻き卵、卵スープ、伊達巻、煮卵、温泉卵など、名古屋コーチンの卵を用いた料理や商品も種類が増えてきている。また、濃厚な味を活かして、プリンやカステラ、ケーキ、アイスクリームのような菓子類にも利用され、数多くの人気商品が開発されている。
備考
[編集]1984年(昭和59年)に肉用名古屋コーチンの供給が始まって、飼育羽数は順調に伸び、2008年(平成20年)には卵用肉用合わせて約130万羽になっている。
書籍
[編集]- 「名古屋コーチン作出物語 〜 『養鶏も武士道なり』 - 海部兄弟の大いなる挑戦 〜」入谷哲夫著(発行年:2000年、ブックショップ・マイタウン)
脚注
[編集]
出典
[編集]- ^ Aichi Prefecture. “愛知県公式Webサイト/名古屋コーチンの歴史と外観上の特徴”. 2014年7月15日閲覧。
- ^ a b c “3月10日「名古屋コーチンの日」 地鶏で初”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 33. (2016年9月29日)
- ^ a b 愛知県. “愛知県公式Webサイト/名古屋コーチン”. 2014年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年7月15日閲覧。
- ^ “地鶏肉の日本農林規格” (PDF). 農林水産省 (2010年). 2014年7月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “卵用名古屋コーチンの飼養管理技術” (PDF). 愛知県農業総合試験場 (2005年). 2014年7月15日閲覧。
- ^ “第168回国会 339 名古屋コーチンの偽装疑惑問題に関する質問主意書”. 衆議院. 2020年9月14日閲覧。
- ^ 名古屋コーチン協会. “一般社団法人名古屋コーチン協会/名古屋コーチンの生い立ち”. 2014年7月15日閲覧。
- ^ 名古屋コーチン協会. “一般社団法人名古屋コーチン協会/名古屋コーチンとは”. 2014年7月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 「養鶏大辞典」(発行年:1963年、養鶏之日本社) 養鶏大辞典編集委員会
- 「愛知の養鶏史」(発行年:1987年) 愛知の養鶏史編さん委員会
- 「国内初の実用品種「名古屋種」の歴史と現状-「肉用」「卵用」の2方向による普及拡大を目指す-」(畜産コンサルタント、発行年:2006年11月号、中央畜産会) 愛知県農業総合試験場 中村明弘
- 一般社団法人 名古屋コーチン協会
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 愛知県畜産総合センター種鶏場トップページ
- 愛知県農業総合試験場トップページ
- 名古屋種[リンク切れ](農業生物資源ジーンバンク)