「サクラメント級高速戦闘支援艦」の版間の差分
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{{Infobox 艦級 |
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{| class="wikitable" style="clear:right; float:right; margin: 0em 0em 1em 1em; width: 300px; background:#ffffff" |
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|名称= サクラメント級高速戦闘支援艦 |
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|画像=USS Camden AOE-2 050217-N-6074Y-108 crop.jpg |
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|艦種=[[補給艦|高速戦闘支援艦(AOE)]] |
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|命名基準=都市名。1番艦は[[サクラメント (カリフォルニア州)|サクラメント]]に因む。 |
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|運用者 = {{navy|USA}} |
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|建造期間=1961年 - 1969年 |
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|就役期間=1964年 - 2005年 |
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|計画数=5隻 |
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|建造数=4隻 |
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|前級={{仮リンク|ディトマールシェン (補給艦)|en|USS Conecuh (AOR-110)|label=カネッカー (AOR)}} |
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|次級=[[ウィチタ級給油艦|ウィチタ級]] (AOR) |
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|軽荷排水量=18,700[[トン数|トン]] |
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|満載排水量=53,600トン |
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|全長=242.4 m |
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|全幅=32.6 m |
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|吃水=11.6 m |
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|ボイラー=4缶 (42.2[[工学気圧|kgf/cm<sup>2</sup>]], 480℃) |
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|主機=[[蒸気タービン]]×2基 |
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|推進=[[スクリュープロペラ]]×2軸 |
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|出力=100,000 shp |
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|速力=最大27.5[[ノット]]<br />持続26ノット |
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|航続距離=10,000[[海里]] (17kt巡航時) |
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|乗員=士官28名+下士官兵576名 |
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|兵装= *[[シースパロー (ミサイル)|シースパロー]][[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|短SAM]]発射機×1基 |
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*[[ファランクス (火器)|Mk.15 20mm]][[CIWS]]×2基 |
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*[[ブローニングM2重機関銃|12.7mm単装機銃]]×4基 |
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|艦載機= [[V-107|UH-46]]輸送ヘリコプター×2機 |
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|レーダー= *[[AN/SPS-40]] 対空捜索用<small> (1,2番艦のみ)</small> |
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*[[AN/SPS-10]] 対水上捜索用 |
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*[[AN/SPS-53]] 航海用 |
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|電子戦= *[[AN/SLQ-32]](V)2/5電波探知装置 |
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*[[Mk 36 SRBOC|Mk.137]] [[デコイ (兵器)|デコイ]]発射機×4基 |
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*[[AN/SLQ-25]] 対魚雷デコイ |
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'''サクラメント級高速戦闘支援艦'''(サクラメントきゅうこうそくせんとうしえんかん、{{Lang-en|''Sacramento''-class fast combat support ship}})は、[[アメリカ海軍]]の[[補給艦]]の艦級。[[空母打撃群|空母戦闘群(現在の空母打撃群)]]が必要とする補給品を全て搭載しており、世界最大の補給艦であった{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。[[1964年]]より順次に4隻が就役したが、[[2005年]]までに全艦が退役し、運用を終了した{{Sfn|Polmar|2013|pp=261-263}}。建造単価は7,000万ドル(2番艦){{Sfn|Moore|1975|p=484}}{{Efn2|[[対潜空母]]機動部隊に対して同様の役割を果たすために[[1965年]]度より建造を開始したウィチタ級AORは、本級より機能面で劣るとはいえ建造単価2,770万ドルと遥かに廉価であり{{Sfn|Moore|1975|p=485}}、同級の成功もあって、AOEの新造は以後しばらく行われなかった{{Sfn|Moore|1975|p=484}}。}}。基本計画番号はSCB196{{Sfn|Prezelin|1990|pp=835-836}}。 |
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== 来歴 == |
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[[第二次世界大戦]]後のアメリカ海軍の作戦行動にとって、高速空母機動部隊は非常に重要であった{{Sfn|Friedman|1985|pp=400-401}}。空母機動部隊は数ヶ月は作戦行動を継続することが求められるが、[[航空母艦]]自身が搭載できる航空燃料・弾薬のみでは数日程度の航空作戦しか展開することができない。従って、作戦海域に進入して強力な攻撃作戦を行ったのち、安全な海域まで後退して、次の攻撃作戦に備えて補給を行うという運用がなされるようになった。このような戦術は1945年に初めて導入されたものであり、[[爆撃機]]や[[高速戦闘艇]]・[[地対艦ミサイル]]など沿岸防衛部隊の覆域の拡大とともに、安全のために機動部隊が後退するべき距離ははるかに長くなったとはいえ、現在でも用いられ続けている{{Sfn|Gardiner|1996|p=547}}。 |
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このように、空母機動部隊の作戦のために洋上補給は欠かせないものではあるが、一方で、洋上補給の作業中は航空母艦が非常に脆弱になるという問題もあった{{Sfn|Gardiner|1996|p=547}}。この問題に対して、アメリカ海軍は、1隻の補給艦によって燃料と弾薬を同時に補給することで洋上補給の時間を最小化するという「[[ワン・ストップ・サービス|ワン・ストップ]]補給」コンセプトを構想した。[[ドイツ海軍 (国防軍)|ドイツ海軍]]も似たような運用を構想して「[[ディトマールシェン (補給艦)|ディットマールシェン]]」を建造しており、アメリカ海軍は同船を「[[:en:USS Conecuh (AOR-110)|カネッカー]]」として再就役させて試験を行ったのち、[[1952年]]には補給艦隊給油艦({{Lang|en|Replenishment fleet tanker}})として改装し、本格的な運用試験に入った{{Sfn|Naval History and Heritage Command|2016}}。 |
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同艦での経験を踏まえて、[[1955年]]までに海軍はワン・ストップ補給コンセプトを採択し{{Sfn|Friedman|1985|pp=400-401}}、そのための補給艦として、高速戦闘支援艦{{Enlink|Fast combat support ship}}の開発に着手した{{Sfn|Naval History and Heritage Command|2016}}。荒天下で空母機動部隊への洋上給油を行った際、[[アイオワ級戦艦]]のほうが専用の給油艦より優れていたという経験もあって{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}、[[1957年]]8月、海軍作戦部長府(OpNav)は[[戦艦]]や[[アングルド・デッキ]]化されていない航空母艦の改修を検討し、艦船局(BuShips)は[[サウスダコタ級戦艦 (1939)|サウスダコタ級戦艦]]を俎上に載せたが、非効率的として棄却された。また[[1958年]]1月にはアイオワ級戦艦の改装が検討されたが、こちらも同様の観点から棄却された{{Sfn|Friedman|1985|pp=400-401}}。 |
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これらの検討を経て、結局は新造されることになり、1961年度予算より建造が開始された。これによって建造されたのが本級である。 |
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== 設計 == |
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上記の経緯より、本級は、1隻で[[空母打撃群|空母戦闘群(現在の空母打撃群)]]に必要な物件全てを賄えるものとされており、高速戦闘支援艦(AOE)という艦種の最初の艦級である{{Sfn|海人社|2003}}。戦闘給糧艦(AFS)、給兵艦(AE)、給油艦(AO)など従来の補給艦は洋上補給グループを編成していたのに対し、AOEは普段は空母機動部隊に随伴して部隊内での洋上補給を行うとともに、洋上補給グループから液体(燃料、真水など)やドライカーゴ(食料、弾薬など)を受け取り、それを空母機動部隊に補給するというシャトルの役を果たす{{Sfn|Gardiner|1996|p=547}}。 |
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このように機動部隊に随伴することから、従来の補給艦よりはるかに大きく、強力な艦が必要とされた{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}。アイオワ級と同等の航洋性能が求められたこともあって、船型は[[ノースカロライナ級戦艦]]を参考にし、また弾薬庫を守るように燃料タンクを配置する工夫がなされた{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}。また特に補給時の操船能力を高めるための操船機能に配慮した改正が加えられており、設計段階では、船尾部の設計とプロペラの配置の両方についての検討が重ねられた{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}。また艦橋を前方に移動して視界を確保するとともに、補給ステーションやその操作要員の保護を図った{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}。 |
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1957年の機動役務会議では速力30ノットが要望されていたが、後に26ノットに妥協された{{Sfn|Wildenberg|1996|pp=227-237}}。[[満載排水量]]50,000トンという大型艦でこのような高速を発揮させるため、1番艦と2番艦には、[[アイオワ級戦艦]]の6番艦[[ケンタッキー (戦艦)|「ケンタッキー」(BB-66)]]向けに製造されたものの、同艦の建造中止にともなって余剰となっていた蒸気タービン主機関が半分ずつ流用されている{{Sfn|海人社|2003}}{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。 |
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== 能力 == |
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=== 補給機能 === |
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==== 洋上移送 ==== |
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補給ステーションはSTREAM({{Lang|en|Standard Tensioned Replenishment Alongside Method}})に対応しており、液体貨物用のものは6ヶ所(4ヶ所はホース2本、2ヶ所はホース1本)が設定されている。給油速度はポンプあたり毎分約11キロリットルであった。一方、ドライカーゴ用のものは7ヶ所(うち4ヶ所は重量級貨物に対応)が設定されていた<ref>{{Cite web|author=[[:en:Federation of American Scientists|米国科学者連盟]]|date=1999-03-05|url=https://man.fas.org/dod-101/sys/ship/aoe-1.htm|title=Federation of American Scientists - AOE-1 Sacramento Fast Combat Support Ship|language=英語|accessdate=2015/07/06}}</ref>。 |
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洋上移送は基本的に両舷で行うことができるが、空母に対しては左舷のみの対応であった{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。 |
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なお、2番艦は後に、新型洋上補給装置({{Lang|en|standard Navy UNREP}})の試験艦としても用いられた{{Sfn|Prezelin|1990|pp=835-836}}{{Sfn|海人社|2003}}。 |
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==== 物資格納 ==== |
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標準的な搭載内容は下記の通りとされていた{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。 |
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* 貨油28,100キロリットル |
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* 弾薬2,150トン |
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* 冷凍糧食250トン |
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* その他ドライカーゴ250トン |
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==== 航空補給 ==== |
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艦尾に[[格納庫]]および[[ヘリコプター甲板]]を備えており、VERTREP補給も行うことができる。格納庫は3機分が設けられており、それぞれ、長さ14.3~15.85メートル×幅5.2~5.8メートル×高さ5.5~5.6メートルとされていた{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。ただし実際の搭載数は2機とされていたことも多かった{{Sfn|海人社|2003}}。 |
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=== 自衛機能 === |
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艦隊に随伴する必要から、本級は比較的充実した武装を備えていた。当初は[[Mk.56 砲射撃指揮装置]]2基と組み合わせて[[Mk 33 3インチ砲|Mk.33 3インチ連装速射砲]]4基を搭載していたが、[[1970年代]]にこれらは撤去され、かわって[[シースパロー (ミサイル)|シースパロー]][[艦対空ミサイル#個艦防空ミサイル|個艦防空ミサイル]]・システムのための[[Mk 29 (ミサイル発射機)|Mk.29 8連装ミサイル発射機]]1基と[[Mk.91 ミサイル射撃指揮装置]]2基、[[ファランクス (火器)|ファランクス]][[CIWS]]2基が搭載された。また[[AN/WLR-1]]電波探知装置も[[AN/SLQ-32]]に更新されたほか、3番艦では[[TAS (レーダー)|TAS Mk.23]]低空警戒レーダーも搭載された{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。 |
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なお[[AN/SQS-26]]ソナーの搭載も想定されていたが、実際の搭載は行われなかった{{Sfn|Polmar|2005|pp=272-273}}。 |
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== 同型艦 == |
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{| class="sortable wikitable" style="text-align:center;" |
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|- |
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!#||艦名||発注||起工||進水||就役||退役 |
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! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;"| サクラメント級高速戦闘支援艦 |
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|AOE-1 |
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|colspan=2 align=center|[[Image:USS Sacramento (AOE-1).JPG|300px|サクラメント AOE-1]] |
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|[[サクラメント (高速戦闘支援艦)|サクラメント]]<br />{{Lang|en|USS ''Sacramento''}} |
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|1960年<br />8月8日 |
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|1961年<br />6月30日 |
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|1963年<br />9月14日 |
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|1964年<br />3月14日 |
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|2004年<br />10月1日 |
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|- |
|- |
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|AOE-2 |
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! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;"| 艦級概観 |
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|[[カムデン (高速戦闘支援艦)|カムデン]]<br />{{Lang|en|USS ''Camden''}} |
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|1963年<br />4月25日 |
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|1964年<br />2月17日 |
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|1965年<br />5月29日 |
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|1967年<br />4月1日 |
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|2005年<br />10月14日 |
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|- |
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|AOE-3 |
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|艦種||高速戦闘支援艦 |
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|[[シアトル (高速戦闘支援艦)|シアトル]]<br />{{Lang|en|USS ''Seattle''}} |
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|1965年<br />10月1日 |
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|1968年<br />3月1日 |
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|1969年<br />4月5日 |
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|2005年<br />3月15日 |
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|- |
|- |
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|AOE-4 |
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|艦名||都市名。1番艦は[[サクラメント (カリフォルニア州)|サクラメント]]に因む。 |
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|[[デトロイト (高速戦闘支援艦)|デトロイト]]<br />{{Lang|en|USS ''Detroit''}} |
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|1965年<br />11月29日 |
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|1966年<br />11月29日 |
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|1969年<br />6月21日 |
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|1970年<br />3月14日 |
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|2005年<br />2月17日 |
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|- |
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|AOE-5 |
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|前級|| |
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|colspan="6"|未着手のまま建造中止 |
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|次級||[[サプライ級高速戦闘支援艦]] |
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! colspan=2 style="color: white; height: 30px; background: navy;"| 性能諸元 |
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|[[排水量]]||軽荷:18,900[[トン数|t]]<br/>満載:51,400[[トン数|t]] - 53,600[[トン数|t]] |
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|全長||241.7[[メートル|m]] |
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|全幅||32.6[[メートル|m]] |
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|吃水||11.6[[メートル|m]] |
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|機関||蒸気ボイラー4基<br/>ギアードタービン2基/2軸 |
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|速力||巡航26[[ノット|kt]]、最高29[[ノット|kt]] |
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|航続距離|| |
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|乗員||550名 |
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|武装||20[[ミリメートル|mm]] [[ファランクス (火器)|ファランクスCIWS]] 2基<br/>12.7[[ミリメートル|mm]]単装機銃 4基<br/>[[シースパロー (ミサイル)|シー・スパロー]]短SAM8連装発射機 1基 |
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|- |
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|艦載機||[[V-107|CH-46]] 2機 |
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|} |
|} |
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'''サクラメント級高速戦闘支援艦'''('''Sacramento class fast combat support ship''')は、[[アメリカ海軍]]の[[補給艦]]。1960年代に就役し、2005年までに全艦が退役した。 |
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== |
== 脚注 == |
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{{脚注ヘルプ}} |
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サクラメント級は空母艦隊や強襲上陸艦隊に高速で追随して支援するために計画された高速戦闘支援艦(AOE)という艦種の最初の艦型である。艦隊の支援には従来では給油艦([[タンカー]])と戦闘補給艦(貨物船)など複数の艦種が必要であったが、AOEでは一隻で液体(燃料、真水など)、ドライカーゴ(食料、弾薬など)を同時に補給することができる。補給物資は自動荷役装置と液体用4基、貨物用2基からなる6基の補給ステーション<!--写真から判断。実際に何基あるかを書いた資料は見付らなかった。FASTとSTREAMでは数が違う様に思われる。また幾つかの補給ステーションは液体とドライの兼用のはず-->によって迅速に補給される。 |
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=== 注釈 === |
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{{notelist2}} |
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=== 出典 === |
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{{reflist|2}} |
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== 参考文献 == |
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艦の前部に艦橋を持ち、補給ステーションは艦の中央部にある。また艦尾にヘリコプター甲板を備えており、固有機の大型ヘリコプター2機によるヴァートレップ補給も行うことができる。 |
|||
* {{Cite book|authorlink=:en:Norman Friedman|first=Norman|last=Friedman|year=1985|title=U.S. Battleships: An Illustrated Design History|publisher=[[:en:United States Naval Institute|Naval Institute Press]]|isbn=978-0870217159|ref=harv}} |
|||
* {{Cite book|first=Robert|last=Gardiner|title=[[:en:Conway Publishing|Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995]]|year= 1996|publisher=Naval Institute Press|isbn=978-1557501325|ref=harv}} |
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5万[[トン数|トン]]の船体に20[[ノット]]を超える高速を発揮させるために一番艦と二番艦には[[アイオワ級戦艦]]の未成艦[[ケンタッキー (戦艦)|ケンタッキー]] BB-66用に製造された主機が流用されている。 |
|||
* {{Cite journal|和書|editor=海人社|year=2003|month=1|title=洋上補給艦 (写真特集・今日のアメリカ軍艦)|journal=[[世界の艦船]]|issue=605|pages=109-116|publisher=[[海人社]]|naid=40005452828|ref=harv}} |
|||
* {{Cite book|first=John E.|last=Moore|year= 1975|title=[[ジェーン海軍年鑑|Jane's Fighting Ships 1974-1975]]|publisher=Watts|asin=B000NHY68W|ref=harv}} |
|||
== 同型艦 == |
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* {{Cite web|url=https://www.history.navy.mil/research/histories/ship-histories/danfs/c/conecuh.html|title=Conecuh (AOR-110)|date=2016-03-15|author=Naval History and Heritage Command|accessdate=2020/11/11|ref=harv}} |
|||
* [[サクラメント (高速戦闘支援艦)|サクラメント]] (''USS Sacramento, AOE-1'') 1964年3月就役 2004年10月1日退役 |
|||
* {{Cite book|authorlink=:en:Norman Polmar|first=Norman|last=Polmar|year=2005|title= The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet|edition=18th|publisher=Naval Institute Press|isbn=978-1591146858|ref=harv}} |
|||
* [[カムデン (高速戦闘支援艦)|カムデン]] (''USS Camden, AOE-2'') 1967年4月就役 2005年9月29日退役 |
|||
* {{Cite book|first=Norman|last=Polmar|year=2013|title= The Naval Institute Guide To The Ships And Aircraft Of The U.S. Fleet|edition=19th|publisher=Naval Institute Press|isbn=978-1591146872|ref=harv}} |
|||
* [[シアトル (高速戦闘支援艦)|シアトル]] (''USS Seattle, AOE-3'') 1969年4月就役 2005年3月15日退役 |
|||
* {{Cite book|first=Bernard|last=Prezelin|title=The Naval Institute Guide to [[:en:Combat Fleets of the World|Combat Fleets of the World]], 1990-1991|year= 1990|publisher=Naval Institute Press|isbn=978-0870212505|ref=harv}} |
|||
* [[デトロイト (高速戦闘支援艦)|デトロイト]] (''USS Detroit, AOE-4'') 1970年3月就役 2005年2月17日退役 |
|||
* {{Cite book|first=Thomas|last=Wildenberg|year=1996|title=Gray Steel and Black Oil: Fast Tankers and Replenishment at Sea in the U.S. Navy, 1912-1992|publisher=[[:en:United States Naval Institute|Naval Institute Press]]|url=https://www.ibiblio.org/hyperwar/USN/GSBO/index.html|isbn=978-1557509345|ref=harv}} |
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* AOE-5 未着手のまま建造中止 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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{{Commonscat|Sacramento class combat support ships}} |
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* [[アメリカ海軍艦艇一覧]] |
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; 同時期の諸外国海軍の補給艦 |
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* {{flagicon|UK}}[[タイド型給油艦 (初代)]] / [[オル型給油艦 (2代)]] |
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==外部リンク== |
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* {{flagicon|CAN}}[[プロヴァイダー (補給艦)]] |
|||
*[http://www.fas.org/man/dod-101/sys/ship/aoe-1.htm Federation of American Scientists: AOE-1 Sacramento Fast Combat Support Ship] |
|||
* {{flagicon|JPN}}[[はまな (給油艦)]] |
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{{サクラメント級高速戦闘支援艦}} |
{{サクラメント級高速戦闘支援艦}} |
||
{{第二次世界大戦後のアメリカの補給艦}} |
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{{デフォルトソート:さくらめんときゆうこうそくせんとうしえんかん}} |
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[[Category:補給艦| |
[[Category:アメリカ合衆国の補給艦|+]] |
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[[Category:サクラメント級高速戦闘支援艦|+]] |
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[[en:Sacramento class fast combat support ship]] |
2024年9月4日 (水) 12:34時点における最新版
サクラメント級高速戦闘支援艦 | |
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基本情報 | |
艦種 | 高速戦闘支援艦(AOE) |
命名基準 | 都市名。1番艦はサクラメントに因む。 |
運用者 | アメリカ海軍 |
建造期間 | 1961年 - 1969年 |
就役期間 | 1964年 - 2005年 |
計画数 | 5隻 |
建造数 | 4隻 |
前級 | カネッカー (AOR) |
次級 | ウィチタ級 (AOR) |
要目 | |
軽荷排水量 | 18,700トン |
満載排水量 | 53,600トン |
全長 | 242.4 m |
最大幅 | 32.6 m |
吃水 | 11.6 m |
ボイラー | 4缶 (42.2kgf/cm2, 480℃) |
主機 | 蒸気タービン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 100,000 shp |
速力 |
最大27.5ノット 持続26ノット |
航続距離 | 10,000海里 (17kt巡航時) |
乗員 | 士官28名+下士官兵576名 |
兵装 |
|
搭載機 | UH-46輸送ヘリコプター×2機 |
レーダー | |
電子戦・ 対抗手段 |
|
サクラメント級高速戦闘支援艦(サクラメントきゅうこうそくせんとうしえんかん、英語: Sacramento-class fast combat support ship)は、アメリカ海軍の補給艦の艦級。空母戦闘群(現在の空母打撃群)が必要とする補給品を全て搭載しており、世界最大の補給艦であった[1]。1964年より順次に4隻が就役したが、2005年までに全艦が退役し、運用を終了した[2]。建造単価は7,000万ドル(2番艦)[3][注 1]。基本計画番号はSCB196[5]。
来歴
[編集]第二次世界大戦後のアメリカ海軍の作戦行動にとって、高速空母機動部隊は非常に重要であった[6]。空母機動部隊は数ヶ月は作戦行動を継続することが求められるが、航空母艦自身が搭載できる航空燃料・弾薬のみでは数日程度の航空作戦しか展開することができない。従って、作戦海域に進入して強力な攻撃作戦を行ったのち、安全な海域まで後退して、次の攻撃作戦に備えて補給を行うという運用がなされるようになった。このような戦術は1945年に初めて導入されたものであり、爆撃機や高速戦闘艇・地対艦ミサイルなど沿岸防衛部隊の覆域の拡大とともに、安全のために機動部隊が後退するべき距離ははるかに長くなったとはいえ、現在でも用いられ続けている[7]。
このように、空母機動部隊の作戦のために洋上補給は欠かせないものではあるが、一方で、洋上補給の作業中は航空母艦が非常に脆弱になるという問題もあった[7]。この問題に対して、アメリカ海軍は、1隻の補給艦によって燃料と弾薬を同時に補給することで洋上補給の時間を最小化するという「ワン・ストップ補給」コンセプトを構想した。ドイツ海軍も似たような運用を構想して「ディットマールシェン」を建造しており、アメリカ海軍は同船を「カネッカー」として再就役させて試験を行ったのち、1952年には補給艦隊給油艦(Replenishment fleet tanker)として改装し、本格的な運用試験に入った[8]。
同艦での経験を踏まえて、1955年までに海軍はワン・ストップ補給コンセプトを採択し[6]、そのための補給艦として、高速戦闘支援艦 (Fast combat support ship) の開発に着手した[8]。荒天下で空母機動部隊への洋上給油を行った際、アイオワ級戦艦のほうが専用の給油艦より優れていたという経験もあって[9]、1957年8月、海軍作戦部長府(OpNav)は戦艦やアングルド・デッキ化されていない航空母艦の改修を検討し、艦船局(BuShips)はサウスダコタ級戦艦を俎上に載せたが、非効率的として棄却された。また1958年1月にはアイオワ級戦艦の改装が検討されたが、こちらも同様の観点から棄却された[6]。
これらの検討を経て、結局は新造されることになり、1961年度予算より建造が開始された。これによって建造されたのが本級である。
設計
[編集]上記の経緯より、本級は、1隻で空母戦闘群(現在の空母打撃群)に必要な物件全てを賄えるものとされており、高速戦闘支援艦(AOE)という艦種の最初の艦級である[10]。戦闘給糧艦(AFS)、給兵艦(AE)、給油艦(AO)など従来の補給艦は洋上補給グループを編成していたのに対し、AOEは普段は空母機動部隊に随伴して部隊内での洋上補給を行うとともに、洋上補給グループから液体(燃料、真水など)やドライカーゴ(食料、弾薬など)を受け取り、それを空母機動部隊に補給するというシャトルの役を果たす[7]。
このように機動部隊に随伴することから、従来の補給艦よりはるかに大きく、強力な艦が必要とされた[9]。アイオワ級と同等の航洋性能が求められたこともあって、船型はノースカロライナ級戦艦を参考にし、また弾薬庫を守るように燃料タンクを配置する工夫がなされた[9]。また特に補給時の操船能力を高めるための操船機能に配慮した改正が加えられており、設計段階では、船尾部の設計とプロペラの配置の両方についての検討が重ねられた[9]。また艦橋を前方に移動して視界を確保するとともに、補給ステーションやその操作要員の保護を図った[9]。
1957年の機動役務会議では速力30ノットが要望されていたが、後に26ノットに妥協された[9]。満載排水量50,000トンという大型艦でこのような高速を発揮させるため、1番艦と2番艦には、アイオワ級戦艦の6番艦「ケンタッキー」(BB-66)向けに製造されたものの、同艦の建造中止にともなって余剰となっていた蒸気タービン主機関が半分ずつ流用されている[10][1]。
能力
[編集]補給機能
[編集]洋上移送
[編集]補給ステーションはSTREAM(Standard Tensioned Replenishment Alongside Method)に対応しており、液体貨物用のものは6ヶ所(4ヶ所はホース2本、2ヶ所はホース1本)が設定されている。給油速度はポンプあたり毎分約11キロリットルであった。一方、ドライカーゴ用のものは7ヶ所(うち4ヶ所は重量級貨物に対応)が設定されていた[11]。
洋上移送は基本的に両舷で行うことができるが、空母に対しては左舷のみの対応であった[1]。
なお、2番艦は後に、新型洋上補給装置(standard Navy UNREP)の試験艦としても用いられた[5][10]。
物資格納
[編集]標準的な搭載内容は下記の通りとされていた[1]。
- 貨油28,100キロリットル
- 弾薬2,150トン
- 冷凍糧食250トン
- その他ドライカーゴ250トン
航空補給
[編集]艦尾に格納庫およびヘリコプター甲板を備えており、VERTREP補給も行うことができる。格納庫は3機分が設けられており、それぞれ、長さ14.3~15.85メートル×幅5.2~5.8メートル×高さ5.5~5.6メートルとされていた[1]。ただし実際の搭載数は2機とされていたことも多かった[10]。
自衛機能
[編集]艦隊に随伴する必要から、本級は比較的充実した武装を備えていた。当初はMk.56 砲射撃指揮装置2基と組み合わせてMk.33 3インチ連装速射砲4基を搭載していたが、1970年代にこれらは撤去され、かわってシースパロー個艦防空ミサイル・システムのためのMk.29 8連装ミサイル発射機1基とMk.91 ミサイル射撃指揮装置2基、ファランクスCIWS2基が搭載された。またAN/WLR-1電波探知装置もAN/SLQ-32に更新されたほか、3番艦ではTAS Mk.23低空警戒レーダーも搭載された[1]。
なおAN/SQS-26ソナーの搭載も想定されていたが、実際の搭載は行われなかった[1]。
同型艦
[編集]# | 艦名 | 発注 | 起工 | 進水 | 就役 | 退役 |
---|---|---|---|---|---|---|
AOE-1 | サクラメント USS Sacramento |
1960年 8月8日 |
1961年 6月30日 |
1963年 9月14日 |
1964年 3月14日 |
2004年 10月1日 |
AOE-2 | カムデン USS Camden |
1963年 4月25日 |
1964年 2月17日 |
1965年 5月29日 |
1967年 4月1日 |
2005年 10月14日 |
AOE-3 | シアトル USS Seattle |
1965年 10月1日 |
1968年 3月1日 |
1969年 4月5日 |
2005年 3月15日 | |
AOE-4 | デトロイト USS Detroit |
1965年 11月29日 |
1966年 11月29日 |
1969年 6月21日 |
1970年 3月14日 |
2005年 2月17日 |
AOE-5 | 未着手のまま建造中止 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g Polmar 2005, pp. 272–273.
- ^ Polmar 2013, pp. 261–263.
- ^ a b Moore 1975, p. 484.
- ^ Moore 1975, p. 485.
- ^ a b Prezelin 1990, pp. 835–836.
- ^ a b c Friedman 1985, pp. 400–401.
- ^ a b c Gardiner 1996, p. 547.
- ^ a b c d e f Wildenberg 1996, pp. 227–237.
- ^ a b c d 海人社 2003.
- ^ 米国科学者連盟 (1999年3月5日). “Federation of American Scientists - AOE-1 Sacramento Fast Combat Support Ship” (英語). 2015年7月6日閲覧。
参考文献
[編集]- Friedman, Norman (1985). U.S. Battleships: An Illustrated Design History. Naval Institute Press. ISBN 978-0870217159
- Gardiner, Robert (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. ISBN 978-1557501325
- 海人社(編)「洋上補給艦 (写真特集・今日のアメリカ軍艦)」『世界の艦船』第605号、海人社、2003年1月、109-116頁、NAID 40005452828。
- Moore, John E. (1975). Jane's Fighting Ships 1974-1975. Watts. ASIN B000NHY68W
- Naval History and Heritage Command (2016年3月15日). “Conecuh (AOR-110)”. 2020年11月11日閲覧。
- Polmar, Norman (2005). The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet (18th ed.). Naval Institute Press. ISBN 978-1591146858
- Polmar, Norman (2013). The Naval Institute Guide To The Ships And Aircraft Of The U.S. Fleet (19th ed.). Naval Institute Press. ISBN 978-1591146872
- Prezelin, Bernard (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. ISBN 978-0870212505
- Wildenberg, Thomas (1996). Gray Steel and Black Oil: Fast Tankers and Replenishment at Sea in the U.S. Navy, 1912-1992. Naval Institute Press. ISBN 978-1557509345
関連項目
[編集]- 同時期の諸外国海軍の補給艦