ロッテルダム

オランダの都市
Rotterdamから転送)

ロッテルダムオランダ語: Rotterdam [ˌrɔtərˈdɑm] ( 音声ファイル) ロテルダム)は、オランダ南ホラント州にある基礎自治体ヘメーンテ)。

ロッテルダム
Gemeente Rotterdam
ロッテルダムの市旗 ロッテルダムの市章
基礎自治体旗 基礎自治体章
愛称 : Rotjeknor, Waterstad(水の都市), Maasstad, Manhattan aan de Maas, Roffa
標語 : "苦闘を経て強くなる(Sterker door strijd)"
位置
の位置図
位置
ロッテルダムの位置(オランダ内)
ロッテルダム
ロッテルダム
ロッテルダム (オランダ)
ロッテルダムの位置(ベネルクス内)
ロッテルダム
ロッテルダム
ロッテルダム (ベネルクス)
ロッテルダムの位置(北欧と中欧内)
ロッテルダム
ロッテルダム
ロッテルダム (北欧と中欧)
座標 : 北緯51度55分22秒 東経4度28分47秒 / 北緯51.922832度 東経4.479606度 / 51.922832; 4.479606
行政
オランダの旗 オランダ
 州(Provincie) 南ホラント州の旗 南ホラント州
 基礎自治体 ロッテルダム
市長 Ahmed Aboutaleb
地理
面積  
  基礎自治体域 319.35 km2
    陸上   206.44 km2
    水面   112.91 km2
人口
人口 (2016年7月1日現在)
  基礎自治体域 639,587人
    人口密度   3,060人/km2
その他
等時帯 CET (UTC+1)
夏時間 CEST (UTC+2)
公式ウェブサイト : http://www.rotterdam.nl/

オランダ国内でアムステルダムに次ぐ人口第2の都市であり、世界屈指の貿易港であるロッテルダム港を擁する。アムステルダムに比べて近代的な建築物が多い[1]

歴史

編集
 
ロッテルダム 聖ローレンス教会の庭にあるエラスムス

13世紀に成立した集落が起源であり、1328年都市権を得た。16世紀ごろから港が発達し、港湾都市として大西洋貿易の隆盛とともに発展。1872年にはマース川河口に開通した新水路をさらに深削し、大型外航船が北海から直接入港することが可能となった。この運河の利用で拡大した貿易が、19世紀末のさらなる急速な経済発展につながり、アムステルダムに続く都市へと成長していった。

第二次世界大戦ではナチス・ドイツによる爆撃で旧市街と港はほとんど破壊され荒廃し、ドイツに降伏した[2]。戦後は近代的な計画都市として海上交通を軸に復興を果たした。

地理

編集

ライン川マース川スヘルデ川北海へ注ぐデルタ地帯に発達した港湾都市。これらの川を通じて、ドイツ、ベルギー、フランス、スイスにまで、その後背地が広がっている。街自体は、マース川沿いに位置している。近隣の都市としては、約20キロ北西にハーグ、45キロ北東にユトレヒト、45キロ南東にブレダ、60キロ北のアムステルダムなどが挙げられる。

経済

編集

1965年ニューヨークを抜いて世界第一の貿易量を誇るようになり、2003年まで世界一の貨物取扱量を維持した[注釈 1]。その後、2004年に上海港シンガポール港に抜かれ、2010年代には、中国の諸都市、釜山、ドバイなどの後塵を拝するようになったが、欧州(及び米州)首位の座は維持している。

ドイツルール工業地帯ライン川で結ばれていること、各国から欧州への輸出品の多くがこの地から荷揚げされていることも貢献している。主要産業は石油精製、造船、化学製品、金属製品、製糖。また、世界的な大企業ミッタル・スチール(現:アルセロール・ミッタル)とユニリーバの本社がある。

交通

編集

港湾

編集
 
ロッテルダム港

欧州連合の海の玄関口とも言われるロッテルダム港(またの名をユーロポート)がライン川の河口のこの地に造られている。ライン川河口域を全て閉鎖して高潮から国土を守るデルタ計画においても、この港と北海を結ぶ航路はマエスラント可動堰により確保されている。

空港

編集

空港は格安航空会社などが就航するロッテルダム空港が郊外にあるが、オランダの主要空港であるアムステルダム・スキポール空港へも鉄道で45分ほどで行くことが出来る。

鉄道

編集

国内および近隣国各都市との間にロッテルダム中央駅よりオランダ鉄道(NS)が頻繁に列車を走らせており、パリ北駅へは高速列車タリスが、ベルギーブリュッセルへはインターシティ(別称 ベネルクストレイン)が運行されている。また、デン・ハーグにはランドスタット鉄道エラスムス線で行くことも出来る。この路線は元はオランダ鉄道の路線であったが、2006年にLRT化されロッテルダム電鉄(RET)が運行している。市内交通はロッテルダム地下鉄トラムが運行されている。

住民

編集

ロッテルダムはオランダで外国人の割合が最も高い都市である。人口の52.9%はオランダ以外の出身であるか、少なくとも片親が国外出身である。2010年のイスラム教徒は8万人であり、人口の13%を占める。2009年から現職のアフメド・アバウアレブ市長はモロッコ系イスラム教徒である。同市にはオランダ最大のオランダ領アンティル人のコミュニティがあり、また市内にはチャイナタウンがある。在留する日本人も多い。

文化

編集

現代建築の例として、キューブハウスと称される個性的な形態をしたマンションが有名である。マンションの一室は公開されており、観光客も見学することができる。機能主義建築の傑作とされるファン・ネレ工場は、2014年にUNESCO世界遺産リストに登録された。

世界最初の歩行者天国とも称されるラインバーン商店街では、約1キロに渡ってショッピング・ストリートが続いている。都市の中心部から自動車を締め出すという都市計画は、他の都市にも影響を与えた。また、ガバと呼ばれる音楽ジャンルの元となった「ロッテルダムテクノ」の発祥地としても知られる。

毎年の夏に夏のカーニバル英語版が開催される。2023年にユネスコ無形文化遺産に登録された[3]

美術館やギャラリー

編集

その他の美術館

編集

スポーツ

編集

サッカー

編集

ロッテルダムではサッカーが最も人気のスポーツであり、フェイエノールトスパルタ・ロッテルダムSBVエクセルシオールという3つのプロサッカークラブが存在している。中でもフェイエノールトエールディヴィジ屈指の名門クラブとして知られており、かつては元サッカー日本代表小野伸二宮市亮も所属し、顕著な活躍をしていた。

野球・ソフトボール

編集

オランダは野球ソフトボールにおいてイタリアと共にヨーロッパにおける強豪国として知られている。ロッテルダムを拠点とするキュラソー・ネプテューヌスはオランダを代表する野球チームの1つである。

その他の競技

編集

この都市で開催されるロッテルダムマラソンは幅広く知られている。例年1月上旬に行われる自転車競技トラックレースロッテルダム6日間レースも人気が高い。さらに、男子プロテニスABNアムロ世界テニス・トーナメントも開催されている。

国際関係

編集

姉妹都市

編集

友好都市

編集

姉妹港

編集

その他

編集
ロッテルダムに因んだ地名

ギャラリー

編集

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 1979年の運輸省「国際運輸統計」などによると、貨物取り扱い量において、千葉が1.46億トン、神戸が1.43億トン、横浜が1.24億トン、マルセイユが1.09億トン、名古屋が1.08億トンなのに対し、ロッテルダムは2.92億トンであった。

出典

編集
  1. ^ ロッテルダムが欧州の新しい「クールな都市」かもしれない13の理由”. CNN.co.jp. 2020年9月8日閲覧。
  2. ^ 70年以上ぶりに発見、第2次大戦の降伏文書AFPBB2016年4月15日
  3. ^ UNESCO - Rotterdam Summer Carnival” (英語). ich.unesco.org. 2023年12月9日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l Rotterdam. Een sterk internationaal merk ROTTERDAM: EEN STERKINTERNATIONAAL MERK” (Dutch). Rotterdam, The Netherlands: City of Rotterdam. p. 37 (2008年). 2015年3月20日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集