Cas9
CRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeats / CRISPR associated proteins)とはゲノム編集技術。
概要
編集CRISPR-Cas9はDNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができるゲノム編集技術でCRISPR-Casシステムは、遺伝的内容と構造の違いに基づいて、3つの主要なタイプ(タイプI、タイプII、およびタイプIII)と12のサブタイプに分けられる。駆使することにより遺伝子を編集できる。現在では他にも複数のゲノム編集技術が開発されている。
経緯
編集CRISPRは1987年に石野良純によって発見された[1][2][3]、この研究を元に2012年にゲノム編集技術がジェニファー・ダウドナとエマニュエル・シャルパンティエの2人によって開発され、この業績に対して2020年ノーベル化学賞が授与される。
脚注
編集- ^ “【ノーベル賞解説】「クリスパー・キャス9」って何?新型コロナにも有効?”. ニュースイッチ. (2020年10月9日) 2020年10月28日閲覧。
- ^ “ゲノム編集「原点」に日本人「無駄ではなかった」”. 産経ニュース (産経新聞社). (2020年10月7日) 2020年10月28日閲覧。
- ^ “ゲノム編集の女性2氏にノーベル化学賞 難病治療などへの応用に道”. 産経新聞 (産経新聞社). (2020年10月7日) 2020年10月28日閲覧。
参考文献
編集- Ran, F. Ann, et al. "Genome engineering using the CRISPR-Cas9 system." Nature protocols 8.11 (2013): 2281-2308.
- Doudna, Jennifer A., and Emmanuelle Charpentier. "The new frontier of genome engineering with CRISPR-Cas9." Science 346.6213 (2014).
- Hsu, Patrick D., Eric S. Lander, and Feng Zhang. "Development and applications of CRISPR-Cas9 for genome engineering." Cell 157.6 (2014): 1262-1278.
- Kleinstiver, Benjamin P., et al. "Engineered CRISPR-Cas9 nucleases with altered PAM specificities." Nature 523.7561 (2015): 481-485.
- 山本 卓(協力)「ねらった遺伝子を書きかえる「ゲノム編集」とは?」『Newton』、株式会社ニュートンプレス、2015年7月、124-131頁、ISSN 02860651。
- Jiang, Fuguo, and Jennifer A. Doudna. "CRISPR–Cas9 structures and mechanisms." Annual review of biophysics 46 (2017): 505-529.
関連項目
編集- CRISPR - 原核生物で発見された免疫機構としてのクリスパーについて。
- ジンクフィンガーヌクレアーゼ
- 遺伝子治療
- 遺伝子工学
- 遺伝子ターゲティング
- 生物の多様性に関する条約
- アシロマ会議
- 遺伝子ドライブ