2003 FIFA女子ワールドカップ
2003 FIFA女子ワールドカップ(英: FIFA Women's World Cup USA 2003)は、2003年9月20日から10月12日にかけて、アメリカ合衆国で開催された第4回目のFIFA女子ワールドカップである。1991年の第1回大会から1999年の第3回大会までは「FIFA女子世界選手権」(英: FIFA Women's World Championship)であったが、今大会から大会名が正式に「FIFA女子ワールドカップ」(英: FIFA Women's World Cup)となった。
2003 FIFA女子ワールドカップ | |
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大会概要 | |
開催国 | アメリカ合衆国 |
日程 | 2003年9月20日 - 10月12日 |
チーム数 | 16 (6連盟) |
大会結果 | |
優勝 | ドイツ (1回目) |
準優勝 | スウェーデン |
3位 | アメリカ合衆国 |
4位 | カナダ |
大会統計 | |
試合数 | 32試合 |
ゴール数 |
107点 (1試合平均 3.34点) |
総入場者数 |
656,789人 (1試合平均 20,525人) |
得点王 | ビルギット・プリンツ(7点) |
最優秀選手 | ビルギット・プリンツ |
< 19992007 > |
開催までの経緯
編集当初は中国で9月28日から10月16日にかけて開催される予定だったが、SARS(新型肺炎)の影響で開催返上となり、前回大会に続きアメリカでの開催となった。
前回大会までは、ワールドカップがその翌年に開かれるオリンピックの予選を兼ねるものとされていたが、この大会ではそのような措置はなくなり、各大陸連盟別にオリンピックの予選を行うものとされた。ただし、欧州サッカー連盟(UEFA)は個別の予選を実施することが日程上困難であったため、ワールドカップの成績により欧州からのオリンピック出場チームを決定するものとした[1](結果、ドイツとスウェーデンが翌年のオリンピックの出場権を得た)。
日本ではこの大会がTBSとフジテレビにより生放送(日本戦3試合の平均視聴率2.6%)され、未明にもかかわらず女子サッカーとしては異例の扱いといえるものであったが、その理由として前年(2002年)に国内で男子のFIFAワールドカップが行われたこと、メキシコとのプレーオフで注目が集まったことなどが考えられる。
予選
編集出場国
編集大陸連盟 | 出場 枠数 |
予選大会 | 組 予選順位 |
出場国・地域 | 出場回数 | 備考 | |
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AFC | 1+2.5 | 当初開催国 | 中華人民共和国 | 4大会連続4回目 | |||
AFC女子選手権 | 優勝 | 北朝鮮 | 2大会連続2回目 | ||||
3位 | 韓国 | 初出場 | |||||
4位 | 日本 | 4大会連続4回目 | ○ | ||||
CAF | 2 | アフリカ女子選手権 | 優勝 | ナイジェリア | 4大会連続4回目 | ||
準優勝 | ガーナ | 2大会連続2回目 | |||||
CONCACAF | 2.5 | 女子ゴールドカップ | 優勝 | アメリカ合衆国 | 4大会連続4回目 | ||
準優勝 | カナダ | 3大会連続3回目 | |||||
CONMEBOL | 2 | スダメリカーノ・フェメニーノ | 優勝 | ブラジル | 4大会連続4回目 | ||
準優勝 | アルゼンチン | 初出場 | |||||
OFC | 1 | OFC女子ネイションズカップ | 優勝 | オーストラリア | 3大会連続3回目 | ||
UEFA | 5 | ヨーロッパ予選 | 1組 | 1位 | ノルウェー | 4大会連続4回目 | |
2位 | フランス | 初出場 | ☆ | ||||
2組 | 1位 | スウェーデン | 4大会連続4回目 | ||||
3組 | 1位 | ロシア | 2大会連続2回目 | ||||
4組 | 1位 | ドイツ | 4大会連続4回目 |
- 備考欄の「☆」は欧州予選プレーオフ、「○」は大陸間プレーオフに勝利の上、出場が決定したチーム。
本大会
編集概要
編集アメリカ合衆国で行われたこの大会は、カーソン(カリフォルニア州)、コロンバス、フォックスボロ(マサチューセッツ州)、フィラデルフィア、 ポートランド、ワシントンD.C.の6都市で行われた。
新型肺炎SARSが中国を中心に流行したため急遽アメリカでの開催となったが、2001年にWUSAが発足していたこともあり、即座に対応できたといえる。しかし、開催直前にWUSAの休止が発表され、アメリカ戦の行われる試合会場では観客が「SAVE the WUSA」という文字を書いた紙を掲げる光景も見られた。
この大会も16チームが参加し4チームx4グループによるグループリーグを実施。各組上位2チームの計8チームによる決勝トーナメントが行われたが、この大会では翌年のオリンピックの予選は兼ねないことになった。
決勝トーナメントにはアメリカ、スウェーデン、ブラジル、ノルウェー、ドイツ、カナダ、中国、ロシアが進出。延長ゴールデンゴール(GG)方式が採用され、決勝戦ではドイツがスウェーデンを延長GGにより初優勝を勝ち取った。ちなみに、優勝決定ゴールデンゴールは、ワールドカップの歴史の中でも唯一である[2]。
会場一覧
編集フィラデルフィア | フォックスボロ | ワシントンD.C. |
---|---|---|
リンカーン・フィナンシャル・フィールド | ジレット・スタジアム | RFKスタジアム |
収容人数: 70,000 | 収容人数: 68,000 (Reduced to 22,385) | 収容人数: 53,000 |
2003 FIFA女子ワールドカップの会場[3] | ||
カーソン | ポートランド | コロンバス |
ホーム・デポ・センター | PGEパーク | コロンバス・クルー・スタジアム |
収容人数: 28,359 | 収容人数: 27,500 | 収容人数: 22,555 |
結果
編集グループリーグ
編集グループ A
編集順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 3 | 3 | 0 | 0 | 11 | 1 | +10 | 9 |
2 | スウェーデン | 3 | 2 | 0 | 1 | 5 | 3 | +2 | 6 |
3 | 北朝鮮 | 3 | 1 | 0 | 2 | 3 | 4 | −1 | 3 |
4 | ナイジェリア | 3 | 0 | 0 | 3 | 0 | 11 | −11 | 0 |
グループ B
編集順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ブラジル | 3 | 2 | 1 | 0 | 8 | 2 | +6 | 7 |
2 | ノルウェー | 3 | 2 | 0 | 1 | 10 | 5 | +5 | 6 |
3 | フランス | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 | −1 | 4 |
4 | 韓国 | 3 | 0 | 0 | 3 | 1 | 11 | −10 | 0 |
グループ C
編集順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドイツ | 3 | 3 | 0 | 0 | 13 | 2 | +11 | 9 |
2 | カナダ | 3 | 2 | 0 | 1 | 7 | 5 | +2 | 6 |
3 | 日本 | 3 | 1 | 0 | 2 | 7 | 6 | +1 | 3 |
4 | アルゼンチン | 3 | 0 | 0 | 3 | 1 | 15 | −14 | 0 |
グループ D
編集順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 中華人民共和国 | 3 | 2 | 1 | 0 | 3 | 1 | +2 | 7 |
2 | ロシア | 3 | 2 | 0 | 1 | 5 | 2 | +3 | 6 |
3 | ガーナ | 3 | 1 | 0 | 2 | 2 | 5 | −3 | 3 |
4 | オーストラリア | 3 | 0 | 1 | 2 | 3 | 5 | −2 | 1 |
決勝トーナメント
編集準々決勝 | 準決勝 | 決勝 | ||||||||
10月1日 19:30 ボストン | ||||||||||
アメリカ合衆国 | 1 | |||||||||
10月5日 16:30 ポートランド | ||||||||||
ノルウェー | 0 | |||||||||
アメリカ合衆国 | 0 | |||||||||
10月2日 16:30 ポートランド | ||||||||||
ドイツ | 3 | |||||||||
ドイツ | 7 | |||||||||
10月12日 10:00 カーソン | ||||||||||
ロシア | 1 | |||||||||
ドイツ (GG) | 2 | |||||||||
10月1日 16:30 ボストン | ||||||||||
スウェーデン | 1 | |||||||||
ブラジル | 1 | |||||||||
10月5日 19:30 ポートランド | ||||||||||
スウェーデン | 2 | |||||||||
スウェーデン | 2 | |||||||||
10月2日 19:30 ポートランド | ||||||||||
カナダ | 1 | 3位決定戦 | ||||||||
中華人民共和国 | 0 | |||||||||
10月11日 12:30 カーソン | ||||||||||
カナダ | 1 | |||||||||
アメリカ合衆国 | 3 | |||||||||
カナダ | 1 | |||||||||
準々決勝
編集準決勝
編集3位決定戦
編集決勝
編集優勝国
編集2003 FIFA女子ワールドカップ優勝国 |
---|
ドイツ 初優勝 |
順位
編集順 | 国・地域名 | 成績 | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 点 | 得 | 失 | 差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ドイツ | 優勝 | 6 | 6 | 0 | 0 | 18 | 25 | 4 | +21 |
2 | スウェーデン | 準優勝 | 4 | 0 | 2 | 12 | 10 | 7 | +3 | |
3 | アメリカ合衆国 | 3位 | 5 | 0 | 1 | 15 | 15 | 5 | +10 | |
4 | カナダ | 4位 | 3 | 0 | 3 | 9 | 10 | 10 | 0 | |
5 | ブラジル | ベスト8 | 4 | 2 | 1 | 1 | 7 | 9 | 4 | +5 |
6 | 中華人民共和国 | 2 | 1 | 1 | 7 | 3 | 2 | +1 | ||
7 | ノルウェー | 2 | 0 | 2 | 6 | 10 | 6 | +4 | ||
8 | ロシア | 2 | 0 | 2 | 6 | 6 | 9 | -3 | ||
9 | フランス | グループリーグ敗退 | 3 | 1 | 1 | 1 | 4 | 2 | 3 | -1 |
10 | 日本 | 1 | 0 | 2 | 3 | 7 | 6 | +1 | ||
11 | 北朝鮮 | 1 | 0 | 2 | 3 | 3 | 4 | -1 | ||
12 | ガーナ | 1 | 0 | 2 | 3 | 2 | 5 | -3 | ||
13 | オーストラリア | 0 | 1 | 2 | 1 | 3 | 5 | -2 | ||
14 | 韓国 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 11 | -10 | ||
15 | ナイジェリア | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 11 | -11 | ||
16 | アルゼンチン | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 15 | -14 |
- PK戦で決着がついた試合は記録上引き分けとなる
得点ランキング
編集順位 | 選手名 | 得点数 |
---|---|---|
1 | ビルギット・プリンツ | 7 |
2 | ケルシュティン・ガーレフレケス | 4 |
マレン・マイナート | ||
カチア |
表彰
編集受賞者、受賞国は以下の通り。
大会最優秀選手
編集ゴールデンボール | シルバーボール | ブロンズボール |
---|---|---|
ビルギット・プリンツ | ヴィクトリア・スヴェンソン | マレン・マイナート |
得点王
編集ゴールデンシューズ | シルバーシューズ | ブロンズシューズ |
---|---|---|
ビルギット・プリンツ | マレン・マイナート | カチア |
7得点 | 4得点 | 4得点 |
その他の賞
編集最優秀GK | フェアプレー賞 |
---|---|
ジルケ・ロッテンベルク | 中華人民共和国 |
オールスターチーム
編集GK | DF | MF | FW |
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出典
編集- ^ “Report and Statistics FIFA Olympic Football Tournaments Athens 2004”. 国際サッカー連盟. p. 132. 2017年2月3日閲覧。
- ^ 採用されたのは、男子の1998・2002年と女子の1999・2003年のみ。
- ^ FIFA Technical Study Group (2003). FIFA Women's World Cup USA 2003 Report and Statistics (PDF) (Report). Fédération Internationale de Football Association. pp. 90–101. OCLC 85347862. 2019年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ (PDF)。2019年5月21日閲覧。