高野紀子
高野 紀子(たかの のりこ、1936年(昭和11年8月4日)[1] - )は、日本の音楽学者、国立音楽大学名誉教授[2]、元学長[3]。
高野 紀子 | |
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生誕 | 1936年8月4日(88歳) |
出身地 | 旧・関東州大連市 |
学歴 |
東京芸術大学 チュービンゲン大学 |
ジャンル | クラシック |
職業 | 音楽学者 |
来歴
編集満州国時代に日本の租借地であった関東州の大連市に生まれる[4]。東京芸術大学音楽学部楽理科を卒業し、さらに同大学専攻科を修了後、ドイツ政府留学生としてチュービンゲン大学に留学した[4]。
中世ルネッサンス音楽[2]、ないし、初期バロック音楽の声楽作品の演奏研究を専門として、永く国立音楽大学音楽研究所に所属し、古楽器を用いた初期のオペラ作品の復元演奏に取り組んだ[3]。
1970年代から国立音楽大学が継続的に取り組んだ歌唱法研究の成果として、1989年に、フランチェスカ・カッチーニ作品のオペラ『ルッジェーロの救出 (La liberazione di Ruggiero)』と、クラウディオ・モンテヴェルディ作品のオペラ『オルフェオ (L'Orfeo)』の古楽器を用いた演奏会形式による復元上演を企画・構成し[5]、同年『ルッジェーロの救出』の復元演奏を収めたCDが発表された際には、その監修に当たった[6]。
1995年には、国立音楽大学の創立七十周年記念事業として行なわれた、アントニオ・チェスティ作品のオペラ『オロンテーア』を復元上演する試みの中心となった[7]。
訳書
編集- ローベルト・ラッハ (Robert Lach) 『理論家としてのモーツァルト』音楽之友社、1973年
- ハンス=マルチン・リンデ (Hans-Martin Linde) 編著『古い音楽における装飾の手引き』全音楽譜出版社、1991年
- 『最初期のモーツァルト伝』音楽之友社、1992年
- フリードリヒ・シュリヒテグロル (Friedrich von Schlichtegroll) 著『モーツァルトの生涯』とフランツ・ニーメチェク (Franz Xaver Niemetschek) 著『ヴォルフガング・ゴットリープ・モーツァルトの生涯』の解説および翻訳
- (角倉一朗との共訳)パウル・ミース『バッハのカンタータ』白水社、2005年
出典・脚注
編集- ^ “CD人物レファレンス事典 日本編>昭和・平成期>昭和11(1936)年8月4日 高野紀子”. JLogos. 2013年12月11日閲覧。
- ^ a b “日本イタリア古楽協会 紹介”. 日本イタリア古楽協会. 2013年12月11日閲覧。
- ^ a b “高野紀子(国立音楽大学学長)”. 国立音楽大学. 2013年12月11日閲覧。
- ^ a b “ぱるらんど対談 高野紀子先生 vs 山田晴通先生 - 白い羊の中に黒い羊が…”. ぱるらんど (国立音楽大学付属図書館) (218): pp. 2-6
- ^ 副島顕一 (1989年5月22日). “古楽は語る (32) 力強く透明な声楽 複雑な声部浮き立たせ(連載)”. 読売新聞・東京夕刊: p. 13 - ヨミダス歴史館にて閲覧
- ^ “女性が作曲した最初のオペラをCD化 国立音大、古楽器で再現”. 朝日新聞・夕刊: p. 17. (1990年2月16日) - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
- ^ “17世紀大衆オペラのヒット作「オロンテーア」上演 国立音大研究所”. 朝日新聞・夕刊: p. 7. (1995年9月1日)
- ^ “沿革”. 国立音楽大学. 2013年12月11日閲覧。