試みられた起爆空間
試みられた起爆空間(こころみられたきばくくうかん)は、都市計画家の林泰義と建築家の富田玲子の夫妻が設計して1966年に建設された個人住宅[1]。東京都世田谷区岡本に所在していたが[2]、1985年に解体され、現存していない[3]。 単に起爆空間として言及されることもあり[1]、また、立方体に近い構造物の四面の壁に、それぞれ縦横に5個ずつ、一面に25個の丸い窓が合計100個設けられたその形状から、百窓とも称され[3][4]、百目とされることもある[5]。居住者のイニシャルから、M氏邸とも呼ばれた[6]。
大衆文化の中で
編集近傍に、東宝スタジオや、円谷プロダクション、国際放映などの撮影所があったこともあり、この建物は多くの映画やテレビ番組のロケ地として使用された[2]。
中でも、最も有名とされる例は、1967年に放映された『ウルトラセブン』第12話「遊星より愛をこめて」におけるスペル星人のアジトとしての使用である[2]。
九重佑三子主演の第1期『コメットさん』(1967年 - 1968年)のロケにも使用され、『チビラくん』(1970年 - 1971年)では、主人公の怪獣チビラくん一家(ハッタル家)の家とされた。
脚注
編集- ^ a b 竹内孝治 (2019年7月23日). “居住の夢 第19話 「林・富田邸/ハイムM1」 工業化住宅の住みこなし”. 月刊誌建築ジャーナル. 2024年7月23日閲覧。 - 初出は、『建築ジャーナル』2019年7月号
- ^ a b c 原田高夕己 (2008年4月14日). “百窓”. 漫画のヨタ話. 原田高夕己. 2024年7月23日閲覧。
- ^ a b 編集部 (2022年4月13日). “黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」惜しくも解体へ… それを見守る最前線アジトに潜入!? 愛すべきメタボリズム名建築の魅力!(2/2)”. 昭和40年男. Heritage Inc.. 2024年7月23日閲覧。
- ^ 竹内孝治 (2019年8月25日). “ドラマ『泣いてたまるか』第25話「お家が欲しいの」をみる|〈住宅双六〉を生きる家族の物語”. 竹内孝治|マイホームの文化史. 2024年7月23日閲覧。
- ^ 1007 (2022年12月6日). “住んでみたい家 #2 百窓”. 1007. 2024年7月23日閲覧。
- ^ a b 林泰義「起爆空間の論理 試みられた起爆空間 M氏邸」『建築文化』第22巻第244号。 - “建築文化 1967年2月号”. 日本の古本屋. 東京都古書籍商業協同組合. 2024年7月23日閲覧。
- ^ 『太陽』平凡社、1967年8月号にも断面図と一階平面図が掲載されている。
- ^ “社長繁盛記”. 荻窪東宝. 2024年7月23日閲覧。