腹部外傷
腹部外傷(ふくぶがいしょう)とは、腹部において外傷を負った場合を言う。重症外傷ではこの腹部外傷を占める割合は少ない[1]。
腹部外傷では大量出血や腹膜炎、凝固異常により致死的な外傷となる。腹部外傷では消化管穿孔や肝臓、膵臓などの重要臓器の損傷をともなう場合がある。腹部外傷における緊急手術は主に開腹術で行われ、腹腔鏡下手術による治療も行われているが、腹腔内出血が多量である場合は術野の確保が難しく止血に時間がかかってしまうため適さない。
腹腔内出血に対する治療法には、保存的治療、経カテーテル的動脈塞栓術、開腹手術が挙げられる。バイタルサインが安定している場合は保存的治療が選択され、肝損傷からの動脈性出血の場合は経カテーテル的動脈塞栓術が選択される。しかし、経カテーテル的動脈塞栓術だけでは止血困難な損傷も少なくないため、この場合は開腹手術を行う。患者の状態によっては一時的止血しかできない場合もあり、重症外傷ではダメージコントロール手術が行われる[1]。
脚注
編集註釈
編集出典
編集参考文献
編集- 上野雅民監修 『救急医療ハンドブック』日本情報出版株式会社、2004年