台詞
演劇等の創作物の作中で登場キャラクターが発する言葉
(科白から転送)
台詞(せりふ、日本語表記揺れ:せりふ、セリフ)とは、演劇や創作物の作中で登場キャラクターが発する言葉である。転じて、日常会話や文章などにおいての「決まり文句(きまりもんく)」、または、会話や言葉そのものをも指す。
「科白」とも記すが、こちらの語は言葉のみならず仕草も含意する点で「台詞」とは異なる。したがって、日本語一般で多く使われる意味での「せりふ」ということでは、「台詞」がよりふさわしい。ただし、両者の違いは一般的に認識されていないため、「科白」が間違いということにはならない。
概要
編集劇や漫画の登場人物が発する言葉のこと。脚本の中では実際に発声される言葉の部分であり、漫画においてはふきだしに書かれ読者により読まれる部分である。
また、歌において、メロディーを付けずに話すように発声される部分をこう呼ぶ。台詞で有名な歌に『傷だらけの人生』(鶴田浩二)などがある。
江戸時代においては苦情や言い訳、交渉などの意味で用いられていたこともあり、遊廓では遊女と客の駆け引きや、支払いのことを指していた[1]。
語源
編集「せりふ」は江戸時代のはじめ頃から使われている語で、「世流布」(せるふ)が変化したもの、または「競り言ふ」(せりいう)が詰まったものだと考えられている。
明治以降主に使われる漢字表記には「科白」と「台詞」の二通りがあるが、どちらも中国語にある言葉に対する当て字で[2]、前者は「かはく」、後者は「だいし」と読むこともある。
せりふの種類
編集歌舞伎における台詞
編集歌舞伎では、音楽的要素が強いことから、韻律的な台詞がさまざまに発達した。以下に上げるのはそれらのうちで代表的でものである。
- 捨て台詞(すてぜりふ)
- 舞台上で役者が即興で挟むせりふ。アドリブのせりふ。
- 「立ち去る前に発せられる言葉」という語義での日本語「捨て台詞」は、前者から派生して一般化した語であり、別れ際の挨拶や、相手に浴びせる侮蔑・罵倒の意味で使用されている。→「(立ち去る前に発せられる)捨て台詞」の英語表現については「パルティアンショット § 捨て台詞」を参照
脚注
編集出典
編集参考文献
編集- 山口佳紀 編 編『暮らしのことば語源辞典』講談社、1998年5月。 ISBN 4-06-125037-X、ISBN 978-4-06-125037-6、OCLC 1002281606。