石川知裕
石川 知裕(いしかわ ともひろ、1973年〈昭和48年〉6月18日 - )は、日本の政治家、元衆議院議員(3期)。妻は衆議院議員、元アナウンサーの石川香織。
石川 知裕 いしかわ ともひろ | |
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生年月日 | 1973年6月18日(51歳) |
出生地 | 北海道足寄郡足寄町 |
出身校 |
早稲田大学商学部卒業 法政大学大学院政治学研究科政治学専攻修了 |
前職 | 衆議院議員秘書 |
所属政党 |
(民主党(一新会)→) (無所属→) (新党大地・真民主→) (新党大地→) (無所属→) (民主党→) (民進党→) (無所属→) 立憲民主党 |
称号 | 修士(政治学) |
配偶者 | 石川香織(衆議院議員、元BS11アナウンサー) |
公式サイト | 石川ともひろ オフィシャルWEBサイト |
選挙区 |
(比例北海道ブロック→) (北海道11区→) 比例北海道ブロック |
当選回数 | 3回 |
在任期間 | 2007年3月27日 - 2013年5月21日 |
略歴
編集北海道足寄郡足寄町出身。3人兄弟の末子。実父は2003年(平成15年)の足寄町長選挙で次点になった石川勲。
足寄町立西小学校・足寄町立足寄中学校・函館ラ・サール高校では野球部に所属し、小・中では元プロ野球選手の三井浩二と同級生でかつ同じチーム。早稲田大学商学部在学中から、政治サークル早大鵬志会に在籍。小沢一郎の私邸に書生として住み込み、卒業後は私設秘書を務める。
2005年の衆院選で、民主党公認で北海道11区より立候補。84,626票を集めるが、107,056票を得た中川昭一(自民党)に惜敗率79.0%で敗れる。しかし、民主党の衆議院議員荒井聰が2007年4月8日の北海道知事選出馬に伴い、3月16日に辞職したため、比例区次点であった石川は3月27日に総務省中央選管の承認を得て、繰上で初当選(一種の比例復活)を果たした。同選挙区では、民主党候補としては初の当選となり、日本社会党、新進党を含め野党第1党として社会党新村源雄以来21年ぶりの議席となる。
2009年(平成21年)、民主党の小沢一郎代表に対する西松建設事件で、小沢の公設第1秘書の大久保隆規が政治資金規正法違反で逮捕された際には、[1]2009年3月12日に東京地検から事情聴取を受けた。
2009年8月30日に行われた第45回衆議院議員総選挙において、前回同様北海道11区から出馬し118,655票を獲得、中川昭一(89,818票)を破り再選した。
2010年1月15日、小沢一郎の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件(陸山会事件)において、当時事務担当者だった石川が政治資金収支報告書に4億円の収入を記載しなかったとして政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕される[2]。これを受け同期の民主党衆院当選2回の議員13人が石川の不当逮捕を訴え、民主党内に石川知裕代議士の逮捕を考える会が結成される。
2月に起訴され、民主党を離党。
2011年7月、破門覚悟で朝日新聞出版から『悪党―小沢一郎に仕えて』を上梓。
2011年12月28日、鈴木宗男が代表を務める大地・真民主党(当時[3])に入党。
2012年2月3日、BS11でアナウンサーだった阪中香織と結婚式を行う[4]。12月16日に行われた第46回衆議院議員総選挙に新党大地[5]の公認を受けて北海道11区から立候補した。北海道11区で地盤を持っていた中川昭一の妻・郁子の挑戦を受け、小選挙区では約1万6千票差で敗北した。しかし、新党大地から重複立候補していた比例北海道ブロックの惜敗率の結果により、復活当選し、3期目。
2013年5月16日、北海道帯広市で開かれた後援会の役員会で議員辞職の意向を示すとともに、陸山会事件で有罪判決を受けた件に関して最高裁判所への上告は取り下げないと表明した。5月17日に衆議院議長宛に辞職願を提出し、5月21日の本会議で辞職が許可された[6]。石川の辞職に伴い、鈴木宗男の長女である鈴木貴子が繰り上げ当選することになる。これを受けて、鈴木宗男は「重大な決断で言葉もない。裁判での無罪を信じており、石川さんの再起に向けて今後も連携していきたい」と述べた[7]。
2013年12月31日、鈴木宗男の同意を得て、新党大地を離党[8]。
2014年(平成26年)3月5日に法政大学大学院政治学研究科政治学専攻修士課程に合格、4月から大学院生となる。指導教員は山口二郎。大学院での研究課題は「英国におけるブレア政権誕生までの労働党改革と日本の民主党との比較研究」[9]。
2014年(平成26年)9月30日付で最高裁判所は石川の上記の上告を棄却し、禁錮2年・執行猶予3年の有罪が確定した[10]。
2016年3月、法政大学大学院政治学研究科政治学専攻修士課程修了。
2017年10月22日投票の第48回衆議院議員総選挙では前述有罪判決により公民権停止状態であり[注釈 1]、知裕の予想より衆議院議員総選挙が早まったという事情を考慮して[13]、妻の香織が立憲民主党公認で擁立され北海道11区から立候補し98,214票を得て、82,096票の前職中川郁子を降し当選した[14][15][16]。
2019年2月6日、立憲民主党、国民民主党、連合北海道、北海道農民連盟の要請を受け、同4月7日の北海道知事選挙への立候補を表明した[17]。日本共産党、社会民主党、市民団体「戦争させない市民の風・北海道」も支持を表明する野党統一候補となった[18]が、前夕張市長の鈴木直道(自民党、公明党、新党大地推薦)に60万票余りの大差で敗れた[19]。
2021年12月22日、来夏の第26回参議院議員通常選挙の北海道選挙区に現職の鉢呂吉雄が出馬しないことを表明したことを受け、石川は立候補に意欲を示した[20]。2022年2月26日、立憲民主党道連は常任幹事会を開き、現職の徳永エリに続く2人目の候補として、石川を擁立することを決定した。道連代表の逢坂誠二は「2人が最も有利に戦うことができるよう、国民民主党や連合と形を整える必要がある」と述べ、石川を無所属として、立憲と国民の相互推薦候補とする可能性を示し、「最終的に党本部が判断するが、道連としては公認申請をする」と説明した[21][22]。3月4日には、出馬表明し、「(立憲の)公認か推薦かは大切ではない」と語った[23]。その後、国民が一本化せず、独自候補の擁立を決めたため、立憲は公認に切り替えた[24]。また、石川はれいわ新選組から同選挙で唯一、推薦を受けた[25][26]。7月10日の投開票の結果、3位当選の船橋利実に24,840票差で敗れ次点で落選した(徳永は2位で当選)。
7月下旬、衆議院議員時代の10年前から配信してきたメールマガジンで「どんなことにもへこたれないことを信条に頑張ってきた。しかし、さすがに今回は力尽きた」と述べ、休刊を宣言した。また、「政治を語る気力が湧いてこない」などと心境をつづり、政治活動の休止を示唆した[27]。
2024年3月10日、自身に大腸がんのステージ4bと診断され肝臓とリンパにも移転していることを明らかにした[28][29]。東京都内の病院に入院し手術を受ける。「しばらく政治活動は休止する」としている[30]。
同年、10月27日施行予定の第50回衆議院議員総選挙に、立憲民主党比例北海道ブロック単独候補者として擁立されることとなった[31]。投開票の結果、立憲民主党は比例北海道ブロックで3議席を獲得したが、いずれも重複立候補者(篠田奈保子、西川将人、川原田英世)が比例復活し、比例単独候補では最上位の12位だった石川は次点で落選した。
政策・主張
編集憲法
編集外交・安全保障
編集- ロシアは2022年2月24日、ウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始した[34]。日本政府が行ったロシアに対する制裁措置についてどう考えるかとの問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「さらに強めるべきだ」と回答[32]。同年の毎日新聞社のアンケートで「制裁をより強めるべきだ」と回答[33]。
- 2022年6月7日、政府は経済財政運営の指針「骨太方針」を閣議決定した。NATO加盟国が国防費の目標としている「GDP比2%以上」が例示され、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針が明記された[35]。「防衛費を今後どうしていくべきだと考えるか」との問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「今の程度でよい」と回答[32]。
ジェンダー
編集- 選択的夫婦別姓制度の導入について、2005年のアンケートで「賛成」と回答[36]。2022年の日本テレビのアンケートで「どちらとも言えない」と回答[37]。同年のNHK、毎日新聞社のアンケートで回答しなかった[32][33]。
その他
編集- 選挙のインターネット投票について、2022年の日本テレビのアンケートで「やや賛成」と回答[37]。
人物
編集- 評論家の佐藤優とは共著を出版するなど交流が深い。
政治資金
編集陸山会事件で逮捕、有罪判決
編集- 2010年1月15日、小沢一郎の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件(陸山会事件)において、当時事務担当者だった石川が政治資金収支報告書に4億円の収入を記載しなかったとして政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕された[2]。訴状によれば石川は陸山会の会計事務担当だった2004年10月、東京都世田谷区の土地購入費用として小沢から借り入れた約4億円について、原資を公にできない金を隠蔽する目的で、同年分の政治資金収支報告書に記載せず、翌05年分に記載するなど故意に虚偽記入したとされており、最高裁第3小法廷において2014年9月30日付で禁錮2年・執行猶予3年の有罪判決が確定した[38]。
妻からの事務所賃料支払い
編集選挙歴
編集当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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落[40] | 第44回衆議院議員総選挙 | 2005年 9月11日 | 32 | 北海道11区 | 民主党 | 8万4626票 | 40.63% | 1 | 2/3 | / |
当 | 第45回衆議院議員総選挙 | 2009年 8月30日 | 36 | 北海道11区 | 民主党 | 11万8655票 | 54.03% | 1 | 1/3 | / |
比当 | 第46回衆議院議員総選挙 | 2012年12月16日 | 39 | 北海道11区 | 新党大地 | 7万112票 | 41.23% | 1 | 2/3 | 1/1 |
落 | 2019年北海道知事選挙 | 2019年4月7日 | 45 | ー | 無所属 | 96万3942票 | 37.29% | 1 | 2/2 | / |
落 | 第26回参議院議員通常選挙 | 2022年 7月10日 | 49 | 北海道選挙区 | 立憲民主党 | 42万2392票 | 18.07% | 3 | 4/12 | / |
落 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 51 | 比例北海道ブロック | 立憲民主党 | 8 | / | 12/3 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 産経msn - 西松献金 小沢氏元秘書の石川議員に出頭要請、2009年3月10日。[リンク切れ]
- ^ a b “石川知裕議員を逮捕”. 時事通信. (2010年1月15日)
- ^ 9日後「新党大地・真民主」に党名を変更
- ^ 産経新聞 2012年2月4日
- ^ 同年11月28日、「新党大地・真民主」から党名を変更
- ^ “石川議員の辞職許可、宗男氏長女繰り上げ当選へ”. 読売新聞. (2013年5月21日) 2013年5月21日閲覧。
- ^ 『毎日新聞』(2013年5月17日)「<石川知裕議員>辞職を表明 陸山会事件で有罪判決」
- ^ “石川知裕前議員、新党大地を離党 無所属で政治活動”. 北海道新聞. (2013年12月28日) 2013年12月28日閲覧。
- ^ ともひろ日記 | 石川ともひろ ウェブサイト(2014年3月7日)「大学院にて学び直します」
- ^ “石川元議員、有罪確定へ 陸山会事件” (JP). (2014年10月1日) 2023年5月29日閲覧。
- ^ “陸山会事件で公民権停止中…石川元衆院議員が民主復党”. スポーツニッポン. (2015年5月15日) 2015年5月15日閲覧。
- ^ “「路チュー」中川政務官に民主が“因縁刺客” 「王国」の北海道11区”. 夕刊フジ. (2015年5月16日) 2015年5月16日閲覧。
- ^ a b “石川香織氏、日本一の女性議員に…夫・知裕元衆院議員は公民権停止中”. スポーツ報知. 報知新聞社. (2017年10月16日) 2017年10月30日閲覧。
- ^ “「妻」対決は立憲民主・石川氏勝利…中川氏敗北”. 読売新聞. (2017年10月22日) 2017年10月22日閲覧。
- ^ “衆議院選挙2017”. 十勝毎日新聞. (2017年10月23日) 2017年10月23日閲覧。
- ^ “北の夫人対決… 石川香織氏が当選確実 中川郁子氏は敗退”. 産経ニュース. 産業経済新聞社. (2017年10月22日) 2017年11月7日閲覧。
- ^ “北海道知事選、石川氏が出馬表明”. 日本経済新聞. (2019年2月6日) 2019年2月6日閲覧。
- ^ 石川元衆院議員を野党統一候補に道知事選、出馬を正式表明 京都新聞2019年2月6日付
- ^ “北海道知事選、全国最年少38歳の鈴木直道氏「ピンチをチャンスに」”. 産経ニュース. 産業経済新聞社. (2019年4月7日) 2019年4月8日閲覧。
- ^ “来夏の参院選、石川知裕氏が立候補に意欲 立憲・鉢呂氏の不出馬受け:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “立憲北海道連、参院選2人目に石川知裕氏擁立 無所属の可能性も:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “立憲民主 参院選北海道選挙区に石川知裕元衆院議員擁立へ 逢坂代表「国民民主と相互推薦もあり得る」”. HTB北海道ニュース. 北海道テレビ放送. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “立憲・石川氏、参院選道選挙区に出馬表明:北海道新聞 どうしん電子版”. 北海道新聞 どうしん電子版. 北海道新聞社. 2022年3月6日閲覧。
- ^ “国民、参院選北海道に擁立 立民と一本化せず”. 日本経済新聞 (2022年4月9日). 2022年6月16日閲覧。
- ^ “次期参議院議員通常選挙におけるれいわ新選組推薦決定(北海道選挙区)について | れいわ新選組” (2022年6月10日). 2022年11月7日閲覧。
- ^ “松木けんこう 衆議院議員 立憲民主党北海道第2区総支部代表”. Twitter. 2022年11月7日閲覧。
- ^ “<舞台裏を読む>来春の道知事選候補、逢坂氏どう決断 立憲、人選遅れは否めず:北海道新聞 どうしん電子版”. 北海道新聞 どうしん電子版. 2022年11月7日閲覧。
- ^ “石川知裕元衆院議員 大腸がんステージ4b告白「しばらくご挨拶出来なくなることお許しください」”. 東スポWEB (2024年3月11日). 2024年3月11日閲覧。
- ^ (日本語) 元衆議院議員の石川知裕さん ステージ4の大腸がんで手術へ 2024年3月11日閲覧。
- ^ “石川元衆院議員 大腸がん公表:北海道新聞デジタル”. 北海道新聞デジタル. 2024年3月11日閲覧。
- ^ 石川知裕氏 比例出馬へ 立民道連の依頼に快諾 - 十勝毎日新聞電子版 2024年10月3日
- ^ a b c d e f g h i j k “選挙区 北海道”. 候補者アンケート - 参院選2022. NHK. 2022年6月27日閲覧。
- ^ a b c d e f “石川知裕 立憲 北海道”. 第26回参院選. 毎日新聞社. 2022年6月28日閲覧。
- ^ “ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. ロイター (2022年2月24日). 2022年2月28日閲覧。
- ^ 川田篤志、柚木まり (2022年6月8日). “防衛費や子ども関連費倍増も 財源検討は参院選後に先送り 政府が「骨太方針」閣議決定”. 東京新聞 2022年6月27日閲覧。
- ^ 政策CPプロジェクト - 衆議院選挙2005プログラム アンケート
- ^ a b “石川知裕”. 候補者アンケート zero選挙2022(参議院選挙). 日本テレビ. 2022年6月27日閲覧。
- ^ “石川元議員、有罪確定へ 陸山会事件”. 日本経済新聞. (2014年10月1日) 2022年12月2日閲覧。
- ^ “立民石川氏、夫に事務所費支払い 計141万円「問題ない」”. 共同通信. (2022年11月26日) 2022年12月2日閲覧。
- ^ 荒井聰の辞職に伴って比例北海道ブロックで繰り上げ当選。
著書
編集単著
編集- 『悪党―小沢一郎に仕えて』(朝日新聞出版、2011年7月、ISBN 4022508914)
- 『雑巾がけ: 小沢一郎という試練』(新潮新書、2012年4月、ISBN 4106104660)
- 『砂糖と安全保障 TPP参加が領土問題を勃発させる』(講談社、2012年8月、ISBN 4062177838)
共著
編集- 『小沢一郎はなぜ裁かれたか―日本を蝕む司法と政治の暴走』(佐藤優共著、徳間書店、2012年3月、ISBN 4198633681)
- 『逆境を乗り越える技術』(佐藤優共著、ワニブックス、2014年6月、ISBN 4847060725)
- 『政治って何だ! ? - いまこそ、マックス・ウェーバー『職業としての政治』に学ぶ』(佐藤優共著。ワニブックス、2015年10月、ISBN 4847060873)
その他
編集- 郷原信郎と石川知裕の対談「小沢氏元秘書が語る“田代取調室”の真実」
- 『検察崩壊~失われた正義』(毎日新聞社、2012年) ISBN 9784620321479 の第1章
関連項目
編集外部リンク
編集- 石川ともひろ オフィシャルWEBサイト
- 石川ともひろ (@ishikawa618) - X(旧Twitter)
- 石川知裕 (tomohiro.ishikawa.33) - Facebook