短歌研究新人賞
短歌研究新人賞(たんかけんきゅうしんじんしょう)は、短歌の新人賞。
短歌研究社の発行する月刊短歌総合誌「短歌研究」が毎年公募する未発表三十首の中から選ばれる。2021年の第65回から締め切りが1月31日に変更され、受賞作および選考結果は「短歌研究」誌の7月号に掲載されている。授賞式は例年短歌研究社が主催する「短歌研究賞」「現代短歌評論賞」と一緒に9月下旬に行われていたが、新型コロナウイルス蔓延の影響により2019年の第63回から行われていない。
短歌研究新人賞の第1回は1958年だが、その前に「短歌研究50首詠」として1954年から5回の歴史があり、編集長の中井英夫の単独選考のもと中城ふみ子、寺山修司らが受賞している。
歴代受賞作と受賞者
編集- 第1回50首詠 1954年 「乳房喪失」 中城ふみ子
- 第2回50首詠 1954年 「チェホフ祭」 寺山修司
- 第3回50首詠 1955年 「白い海」 原幸雄
- 第4回50首詠 1956年 「海の中を流るる河」 小崎碇之介
- 第5回50首詠 1957年 「漂泊家族」 大寺龍雄
- 第1回(新人賞に改称) 1958年 「人像標的」 山下富美
- 第2回 1959年 「春の風車」 山口雅子
- 第3回 1960年 「黴びる指紋」 横田正義
- 第4回 1961年 「ほそき結実」 大竹蓉子
- 第5回 1962年 「夜光虫」 根布谷正孝
- 第6回 1963年 「砂漠」 井野場靖
- 第7回 1964年 「島」 児島孝顕
- 第8回 1965年 「杣部落」 森富男
- 第9回 1966年 「海浜」 大坪三郎、「往反」 大塚栄一
- 第10回 1967年 「大久野島にて」 藤原弘男
- 第11回 1968年 「冬街」 森川久、「南を指す針」 林田鈴
- 第12回 1969年 「浅峡」 大原良夫
- 第13回 1970年 「消光」 林市江
- 第14回 1971年 「山の上の学校」 板橋功枝
- 第15回 1972年 「入換」 外山覚治
- 第16回 1973年 「故郷の牛乳」 高橋一子
- 第17回 1974年 「花房の翳」 佐藤孝子
- 第18回 1975年 「歩行訓練」 西田忠次郎
- 第19回 1976年 「蜂場の譜」 城島久子
- 第20回 1977年 「青いセーター」 西田美千子
- 第21回 1978年 「水の中のフリュート」 井辻朱美
- 第22回 1979年 「紫木蓮まで」 阿木津英
- 第23回 1980年 「炎祷」 中山明
- 第24回 1981年 「細き反り」 奈賀美和子
- 第25回 1982年 「刺青天使」 大塚寅彦
- 第26回 1983年 「反・都市論」 武下奈々子
- 第27回 1984年 「不確カナ記憶」 小笠原和幸
- 第28回 1985年 「白日光」 池田はるみ
- 第29回 1986年 「スモール・トーク」 加藤治郎
- 第30回 1987年 「青年霊歌」 荻原裕幸、「貴妃の脂」 黒木三千代
- 第31回 1988年 「私小説8(曲馬団異聞)」 佐久間章孔
- 第32回 1989年 「時間(クロノス)の矢に始めはあるか」 久木田真紀
- 第33回 1990年 「ラジオ・デイズ」 藤原龍一郎、「ようこそ!猫の星へ」 西田政史
- 第34回 1991年 「微熱海域」 尾崎まゆみ、「路程記」 野樹かずみ
- 第35回 1992年 「カウンセリング室」 佐藤きよみ、「白球の叙事詩(エピック)」 大滝和子
- 第36回 1993年 「陸封魚-InlandFish」 寺井淳、「ミラクル・ボイス」 小泉史昭
- 第37回 1994年 「白木蓮(はくれん)の卵」 松村由利子、「弱法師」 尾形平八郎
- 第38回 1995年 「ギャザー」 田中槐、「キホーテの海馬」 近藤達子
- 第39回 1996年 「啓かるる夏」 横山未来子
- 第40回 1997年 「神聖帝国」 岡田智行
- 第41回 1998年 「フライング」 千葉聡、「緑のテーブル」 石井瑞穂
- 第42回 1999年 「麦酒奉行」 長江幸彦
- 第43回 2000年 「冥王に逢ふ-返歌」 紺野万里
- 第44回 2001年 「逃げ水のこゑ」 小川真理子
- 第45回 2002年 「琥珀」 八木博信
- 第46回 2003年 「星と切符」 黒田雪子
- 第47回 2004年 「ペイルグレーの海と空」 嵯峨直樹
- 第48回 2005年 「麦と砲弾」 奥田亡羊
- 第49回 2006年 「カシスドロップ」 野口あや子
- 第50回 2007年 「六千万個の風鈴」 吉岡太朗
- 第51回 2008年 「冬の火」 田口綾子
- 第52回 2009年 「ナガミヒナゲシ」 やすたけまり
- 第53回 2010年 「死と放埓な君の目と」 山崎聡子、「ロックン・エンド・ロール」 吉田竜宇
- 第54回 2011年 「見つけだしたい」 馬場めぐみ
- 第55回 2012年 「ハッピーアイランド」 鈴木博太
- 第56回 2013年 「目覚めればあしたは」 山木礼子
- 第57回 2014年 「父親のような雨に打たれて」 石井僚一
- 第58回 2015年 「さなぎの議題」 遠野真
- 第59回 2016年 「いつも明るい」 絹川柊佳
- 第60回 2017年 「無垢な日本で」小佐野彈
- 第61回 2018年 「この人を追う」工藤吉生、「自習室出てゆけば夜」川谷ふじの[2]
- 第62回 2019年 「ルーズリーフを空へと放つ」郡司和斗、「拡張子になる」中野霞
- 第63回 2020年 「Victim」平出奔
- 第64回 2021年 「窓も天命」塚田千束
- 第65回 2022年 「Lighthouse」 ショージサキ
- 第66回 2023年 「パキパキの海」平安まだら
- 第67回 2024年 「コミカル」工藤吹