玄界灘
玄界灘(げんかいなだ)は、九州の北西部に広がる海域である。大陸棚が広がり、対馬海流が流れて世界有数の漁場として知られる。
玄界灘 | |
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勝島と筑前大島 | |
玄界灘(およその位置) | |
座標 | 北緯34度0分 東経130度0分 / 北緯34.000度 東経130.000度座標: 北緯34度0分 東経130度0分 / 北緯34.000度 東経130.000度 |
上位水域 | 日本海 / 東シナ海 |
海洋 | 太平洋 |
国 | 日本 |
主な沿岸自治体 | 福岡、宗像、糸島、古賀、唐津など |
名称・表記
編集玄は暗い・黒いという意味である。玄界灘のことを略して「玄海(げんかい)」とも呼ぶ。これは「玄界灘」の省略記法でもあり、海を意味する漢字が複数使用される「玄海灘」は誤記であるとされている。古くは「玄界洋」とも書かれ[1]、これを略して「玄洋(げんよう)」という呼び方もあり、学校や団体の名称に使われる例がある[2]。
範囲
編集最も一般的な範囲として福岡県宗像市の鐘ノ岬から志賀島、糸島半島、唐津湾を経て佐賀県唐津市の東松浦半島までの九州の海岸から、沖合は大島、地島、沖ノ島、長崎県の壱岐、対馬までの海域を指すとされる。海上保安庁が発行する日本の水路図誌(海図)でも上記範囲で掲載されている[3]。東方は響灘に接し、西方は東シナ海(対馬海峡東水道・壱岐水道)、北方は日本海に連なる[注 1]。
一方で、東端を遠賀川河口まで、西端を平戸海峡(平戸瀬戸)までとすることもある[5][6][7]。
なお、山口県沖日本海の見島 - 沖ノ島 - 壱岐島北西端 - 五島列島沖の白瀬の間に基線が設定されており[8]、これより南東側は海洋法上日本の内水(内海)とみなされ、玄界灘のほとんどの範囲は日本の内海または領海となっている。
沿岸の市町村
編集主な島
編集主な港
編集地形・気候
編集南側は全て水深200m以上の大陸棚である。南西から北東に向かって対馬海流が流れている。新生代になってから日本列島の原型が形成された頃は日本海は巨大な湖で、その当時は朝鮮半島と陸続きであった。そして、第四紀の頃に玄界灘にあたる海域が形成されたとされる。この玄界灘には未知なる海底断層が存在しているとみられて福岡市の警固断層に関係する可能性が指摘されており、学術機関で研究や調査がなされている。
九州・山口沿岸部の気候は温暖であるが、冬は日本海側気候の特徴が現れる。北西の季節風と対馬海流の影響で雲が発生するため曇天の日が多く、沿岸部に雨・雪を降らせることもある。
漁業
編集対馬海流が流れ、世界有数の漁場として知られる。 鐘崎港、博多漁港、唐津港、呼子港などにおいては多くの魚介類が水揚げされる。
歴史
編集「げんかい(玄界・玄海)」の使用例
編集- 玄界島 (福岡市西区に属する島、大字地名)
- 福岡市立玄界小中学校 (福岡市西区玄界島の市立小学校・中学校)
- 福岡県立玄界高等学校 (福岡県古賀市にある県立高校)
- 玄海町 (佐賀県東松浦郡の地方自治体)
- 玄海町 (福岡県宗像郡にかつて存在した地方自治体)
- 玄海原子力発電所 (佐賀県東松浦郡玄海町にある九州電力の原子力発電所)
- 宗像市立玄海中学校
- 宗像市立玄海小学校
- 宗像市立玄海東小学校
- 玄海国定公園 (玄界灘に臨む福岡、佐賀、長崎3県北部海岸線を区域にした国定公園[9])
- 佐賀玄海漁業協同組合 (佐賀県唐津市の漁業協同組合)
- 玄海灘に立つ虹 (韓国KBSワールドラジオの人気番組)
- げんかい (海上自衛隊の多用途支援艦)
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 吉田東伍、『増補 大日本地名辞書 第4巻 西国』、冨山房、1901年(1979年増補)
- ^ 福岡県立玄洋高等学校、玄洋中学校、玄洋社など
- ^ 「海の相談室 FAQ 灘ってなに?」、海上保安庁 海洋情報部、2017年9月10日閲覧
- ^ 「「日本海の範囲」国際水路機関による定義」、海上保安庁 第九管区海上保安本部
- ^ 玄海町町誌編纂委員会編『玄海町誌』玄海町、1979年
- ^ 角川日本地名大辞典編纂委員会編 『角川日本地名大辞典 35 山口県』 角川書店、1988年、ISBN 4-04-001350-6
- ^ 渡辺光他編 『日本地名大事典 1 九州』 朝倉書店、1967年
- ^ 「管轄海域情報~日本の領海~ 直線基線 九区域 九州:都井岬~鳥屋鼻」、海上保安庁 海洋情報部、2017年9月10日閲覧
- ^ 日本の自然保護地域■玄海国定公園 (環境省)