小野寺五典
小野寺 五典(おのでら いつのり、1960年〈昭和35年〉5月5日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(9期)、自由民主党政務調査会長(第63代)。旧姓は熊谷[2]。
小野寺 五典 おのでら いつのり | |
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防衛大臣就任時に公表された肖像 | |
生年月日 | 1960年5月5日(64歳) |
出生地 | 日本 宮城県気仙沼市 |
出身校 |
東京水産大学水産学部(現:東京海洋大学海洋生命科学部) 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了 |
前職 |
宮城県職員 東北福祉大学助教授 |
所属政党 | 自由民主党(岸田派→無派閥) |
称号 | 修士(法学) |
親族 | 義父・小野寺信雄(元気仙沼市長) |
サイン | |
公式サイト | 小野寺 五典 公式ホームページ |
第12・17-18代 防衛大臣 | |
内閣 |
第2次安倍内閣 第3次安倍第3次改造内閣 第4次安倍内閣 |
在任期間 |
2012年12月26日 - 2014年9月3日 2017年8月3日 - 2018年10月2日 |
選挙区 |
(宮城6区→) 宮城5区 |
当選回数 | 9回 |
在任期間 |
1997年12月 - 2000年1月20日[1] 2003年11月10日 - 現職 |
その他の職歴 | |
第63代 自由民主党政務調査会長 (総裁:石破茂) (2024年9月30日 - 現職) |
外務大臣政務官(第3次小泉内閣)、外務副大臣(第1次安倍改造内閣・福田康夫内閣)、防衛大臣(第12代・第17代・第18代)、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長、衆議院情報監視審査会長、衆議院予算委員長、自由民主党政務調査会長代理、自由民主党宮城県連会長等を歴任した。
来歴
編集宮城県気仙沼市で生まれ。宮城県気仙沼高等学校、東京水産大学水産学部海洋環境工学科卒業。1983年に宮城県庁へ入庁し水産資源の仕事に携わる。
1990年に宮城県庁を退職して松下政経塾に11期生として入塾する。1993年に東京大学大学院法学政治学研究科修士課程を修了。東北福祉大学専任講師を経て1996年に同大助教授に昇格。
1997年、衆議院宮城6区で補欠選挙が行われ、小野寺は自由民主党公認で立候補して初当選するが、選挙区内の有権者へ線香セットを配布した行為が公職選挙法で禁止される「寄付行為」に該当し、仙台地方検察庁に書類送検されて2000年に衆議院議員を辞職[3][4][5][6]し、略式命令による罰金40万円の有罪判決を受けて公民権が3年間停止された[3][4]。ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所客員研究員を経て、学校法人増子学園理事長と東北福祉大学特任教授を務めた。
2003年、第43回衆議院議員総選挙に自民党公認で宮城6区から再び立候補し、民主党前職の大石正光、社会民主党前職の菅野哲雄を破り、当選した。2005年の第44回衆議院議員総選挙では、社会民主党公認の菅野哲雄を宮城6区で破り、 3選(菅野も比例復活当選)。選挙後に発足した第3次小泉内閣で外務大臣政務官に任命された。2007年、第1次安倍改造内閣で外務副大臣に任命され、福田康夫内閣でも再任された。
2009年第45回衆議院議員総選挙で、宮城6区で社民党の菅野哲雄を比例復活させずに4回目の当選となる。この総選挙は自民党が大敗し、宮城県内の6選挙区で小野寺だけが議席を獲得し、選挙後に自由民主党宮城県連会長に選出された。同年の2009年自由民主党総裁選挙では一時立候補に向けた準備を行ったものの、中堅・若手の票の分裂を懸念し、最終的には立候補を断念した[7]。総裁選で自身が所属する宏池会の谷垣禎一ではなく、麻生派の河野太郎に投票した。翌年10月に設置された自由民主党シャドウ・キャビネットで「影の外務大臣」、及び党外交部会長に起用される。
2011年3月11日に発生した東日本大震災で、小野寺の選出選挙区である宮城6区も津波の被害を受け、小野寺の実家や自宅も全壊した[8]。
2012年、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員長に就任する。同年12月の第46回衆議院議員総選挙で、民主党元職の鎌田さゆりに7万票超の大差をつけて5回目の当選となる。外交関係のポストを多く務め、「外交族」として知られていたが、選挙後に発足した第2次安倍内閣で防衛大臣に任命されて初入閣した[9]。第2次安倍改造内閣の発足により退任して自由民主党政務調査会長代理に就任[10]する。2014年の第47回衆議院議員総選挙で、宮城6区で再び民主党の鎌田さゆりを破り、6回目の当選となる。
2017年8月3日、第3次安倍第3次改造内閣で再び防衛大臣に起用された[11]。防衛大臣は稲田朋美の辞任後に外務大臣の岸田文雄が兼務していたが、「日報隠蔽問題」などで揺れる防衛省を立て直すため防衛大臣経験者の起用が検討され[12]、小野寺が選ばれた[13]。同年の第48回衆議院議員総選挙で大勝して7回目の当選となる。2018年10月2日の第4次安倍改造内閣発足により大臣を退任、自民党の安全保障調査会長、及び防衛大綱を議論するワーキングチームの座長を務める[14]。こうして防衛関係のポストを多く歴任したことで、今日では防衛族(国防族)議員としても知られるようになっている[15]。
2021年10月31日の第49回衆議院議員総選挙においても大差で8選。
2023年10月20日、衆議院予算委員長に就任した[16]。
2024年9月12日、自民党総裁選挙が告示され、旧岸田派からは林芳正と上川陽子の2人が立候補した。投票日前日の9月26日22時半頃、産経新聞は、麻生太郎が1回目の投票から高市早苗を支援するよう自派閥の議員に指示を出したとスクープした[17]。9月27日朝、岸田文雄首相は高市が決選投票に残る可能性が高いと踏み、「決選は高市氏以外。党員票が多い方に投じてほしい」と旧岸田派のメンバーに一気に指示を下ろした[18]。高市は1回目の議員投票で、報道各社の事前調査での30~40票を大きく上回る72票を獲得した[19]。党員数と合わせた得票数は1位だったが、決選投票で石破茂に敗れた。小野寺は1回目の投票では林に投じ[20]、決選投票では石破に投じた[20]。
2024年10月27日の第50回衆議院議員総選挙においても大差で9選[22]。
ギャラリー
編集-
ヘーゲル国防長官と小野寺防衛大臣(2014年7月11日)
政策・主張
編集- 日本国憲法の改正、集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局の憲法解釈の見直しに賛成[23]。
- 女性宮家の創設に反対[23]。
- 日本の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に反対[23]。
- 日本の核武装について「将来にわたって検討すべきでない」としている[23]。
- 選択的夫婦別姓制度の導入について「どちらともいえない」としている[24]。
- 2010年に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件に際し、あたかも日中間に領土問題が存在するかのような、グーグルマップにおける尖閣諸島・魚釣島の中国側呼称(釣魚群島、釣魚島)の併記について、Googleの日本法人を訪れ、中国側表記の削除を要求した[25]。
- 2013年11月26日、特定秘密保護法案の採決で賛成票を投じた。
- 2022年1月16日、フンガ・トンガの噴火に伴う津波被害について気象庁が警報発令の対応を切り替えた件に対し、「場当たり的」「東日本大震災時にも同様で被害を大きくしました」等と述べて非難している[26]。
選挙歴
編集当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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当 | 第41回衆議院議員補欠選挙 | 1997年12月14日 | 37 | 宮城6区 | 自由民主党 | 7万3881票 | 49.42% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第43回衆議院議員総選挙 | 2003年11月 9日 | 43 | 宮城6区 | 自由民主党 | 8万2750票 | 50.71% | 1 | 1/4 | / |
当 | 第44回衆議院議員総選挙 | 2005年 9月11日 | 45 | 宮城6区 | 自由民主党 | 10万359票 | 63.53% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第45回衆議院議員総選挙 | 2009年 8月30日 | 49 | 宮城6区 | 自由民主党 | 10万832票 | 63.69% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第46回衆議院議員総選挙 | 2012年12月16日 | 52 | 宮城6区 | 自由民主党 | 9万7405票 | 78.10% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第47回衆議院議員総選挙 | 2014年12月14日 | 54 | 宮城6区 | 自由民主党 | 10万1223票 | 70.60% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第48回衆議院議員総選挙 | 2017年10月22日 | 57 | 宮城6区 | 自由民主党 | 12万3871票 | 85.72% | 1 | 1/2 | / |
当 | 第49回衆議院議員総選挙 | 2021年10月31日 | 61 | 宮城6区 | 自由民主党 | 11万9555票 | 83.24% | 1 | 1/2 | / |
当 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 64 | 宮城5区 | 自由民主党 | 13万2361票 | 74.66% | 1 | 1/3 | / |
所属団体・議員連盟
編集- 自民党・公明党 政府が年末に改定する防衛計画の大綱(防衛大綱)を議論するワーキングチーム(略称:WT、座長)[14]
- 自民党たばこ議員連盟[27]
- 神道政治連盟国会議員懇談会[28]
- みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[28]
- 創生「日本」[28]
- 日本会議国会議員懇談会
- 速やかな政策実現を求める有志議員の会
- 北京オリンピックを支援する議員の会
- 対北朝鮮外交カードを考える会
- 自民党動物愛護管理推進議員連盟
- TPP交渉における国益を守り抜く会
著書
編集- 「一票の値段-有権者の権利が危ない! 棄権しても政治のツケは払わされる-」三天書房、1996年2月、ISBN 4883460029
論文
編集出典
編集- ^ 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第1号
- ^ “熊谷安統氏死去/小野寺五典自民党衆院議員の実父”. 四国新聞. (2004年9月17日) 2017年8月4日閲覧。
- ^ a b 社民党オフィシャルページ
- ^ a b 週刊ポスト2013年3月8日号
- ^ 産経新聞 (2014年10月16日). “うちわ問題で松島法相、「雑音」発言撤回 野党一気「進退」迫る 政府・与党は火消し躍起(1/2ページ)”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年10月30日閲覧。
- ^ 希望幹部、茂木氏の議員辞職要求 有権者への線香配布巡り東京新聞2018.1.30
- ^ “自民総裁選、河野氏が正式表明へ 小野寺氏は出馬断念”. 共同通信. (2009年9月17日). オリジナルの2015年6月4日時点におけるアーカイブ。 2015年6月4日閲覧。
- ^ “第177回国会 予算委員会 第19号(平成23年4月26日(火曜日))”. www.shugiin.go.jp. 2024年10月30日閲覧。
- ^ “小野寺五典氏「ウクライナの惨状が専守防衛の姿」”. 東洋経済オンライン (2023年7月12日). 2023年9月24日閲覧。
- ^ “自民政調代理に小野寺、岩屋両氏”. 産経新聞. (2014年9月5日) 2015年6月4日閲覧。
- ^ “防衛相に小野寺五典氏”. 47NEWS(共同通信). (2017年8月4日) 2017年8月10日閲覧。
- ^ “稲田氏、防衛省で離任式 隊員に何語る?”. 日テレNEWS24. (2017年7月31日) 2017年8月10日閲覧。
- ^ “小野寺氏「職責重み痛感」=防衛省幹部、立て直し期待-内閣改造”. 時事ドットコム(時事通信). (2017年8月3日) 2017年8月10日閲覧。
- ^ a b “防衛大綱、見直しへ議論 サイバーなど 与党WT初会合”. 2018年11月19日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2018年11月8日). “岸田政調改革本格始動 国防族は世代交代?(1/2ページ)”. 産経ニュース. 2023年9月24日閲覧。
- ^ “衆議院 常任委員長・特別委員長など決まる”. NHK. (2023年10月20日) 2024年3月2日閲覧。
- ^ “<独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示 1回目から”. 産経新聞 (2024年9月26日). 2024年9月30日閲覧。
- ^ 『中日新聞』2024年9月28日付朝刊、11版、1面、「結局派閥 再生遠く 岸田首相が指示『決選は高市氏以外に』」。
- ^ 遠藤修平、園部仁史、高橋祐貴 (2024年9月27日). “麻生、安倍派は「消極的支持」で広がり欠く 決選投票で敗れた高市氏”. 毎日新聞. 2024年10月1日閲覧。
- ^ a b “<”投票一覧”あり>『自民党・総裁選』宮城県関係の議員は誰に1票を投じたか?”. 宮城テレビ放送 (2024年9月27日). 2024年10月1日閲覧。
- ^ “自民党、石破新執行部が発足 10月1日首相選出・組閣へ”. 日本経済新聞. (2024年9月30日) 2024年10月1日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “衆議院選挙 宮城5区 自民 小野寺五典氏が9回目の当選|NHK 宮城のニュース”. NHK NEWS WEB. 2024年10月30日閲覧。
- ^ a b c d “2012衆院選 宮城6区 小野寺五典”. 毎日jp (毎日新聞社) 2013年1月18日閲覧。
- ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ^ “尖閣の中国呼称の削除、グーグルに自民が申し入れ”. 日本経済新聞. (2010年10月13日) 2015年6月4日閲覧。
- ^ “2022年1月16日のツイート”. 2022年1月16日閲覧。
- ^ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
- ^ a b c 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- 小野寺五典 (@itsunori510) - X(旧Twitter)
公職 | ||
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先代 森本敏 岸田文雄 |
防衛大臣 第12代:2012年 - 2014年 第17・18代:2017年 - 2018年 |
次代 江渡聡徳 岩屋毅 |
先代 岩屋毅 浅野勝人 |
外務副大臣 木村仁と共同 2007年 - 2008年 |
次代 伊藤信太郎 山本一太 |
先代 松宮勲 荒井正吾 田中和徳 |
外務大臣政務官 福島啓史郎 河井克行と共同 2004年 - 2005年 |
次代 山中燁子 伊藤信太郎 遠山清彦 |
議会 | ||
先代 根本匠 |
衆議院予算委員長 2023年 - 2024年 |
次代 伊藤達也 |
先代 松野博一 |
衆議院情報監視審査会会長 2021年 - 2023年 |
次代 浜田靖一 |
党職 | ||
先代 渡海紀三朗 |
自由民主党政務調査会長 第63代:2024年 - |
次代 現職 |