小川精機株式会社(おがわせいき)は日本の模型用エンジンのメーカー双葉電子工業の子会社[2]。 

小川精機株式会社
OS ENGINES MFG.CO.,LTD
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 OS、小川精機
本社所在地 日本の旗 日本
546-0003
大阪府大阪市東住吉区今川3-6-15
設立 1941年12月10日
(創業は1936年11月1日
業種 その他製品
法人番号 7120001009352 ウィキデータを編集
事業内容 模型用小型エンジンおよび模型蒸気機関車の製造・販売
代表者 代表取締役社長 荒田精一
資本金 90,000,000円
純利益 1億3,730万5,000円
(2024年3月期)[1]
総資産 20億5,569万円
(2024年3月期)[1]
従業員数 60名
決算期 3月31日
主要株主 双葉電子工業
外部リンク http://www.os-engines.co.jp/
特記事項:2016年現在
テンプレートを表示

概要

編集

模型用内燃機関グローエンジン)の製造で常に模型界をリードしてきた。作動原理は実物とほぼ同じ(点火方式が違う)である。

かつてはタミヤにも技術協力をしていた時期もあった

また、模型用パルスジェットの販売や模型用ロータリーエンジン[3]の世界初の量産や、4サイクルエンジンスーパーチャージャー、燃料噴射装置等、技術革新に積極的でOSエンジンは愛好家にとって欠かせない物となっている。模型飛行機による世界初の大西洋横断時にもOSエンジンが使用された。かつてはライブスチーム(模型蒸気機関車)の製造・販売も手がけていた[4]

沿革

編集
  • 1936年 - 創業者小川重夫が自宅の一部に6坪の工場をつくり模型用蒸気エンジンを製造したのがはじまり[5]
  • 1941年 - 株式会社として設立[2]
  • 1968年 - ロータリーエンジン発売、グラウプナ社にOEM供給
  • 1978年 - ライブスチームの販売開始[2]
  • 1983年 - 奈良工場建設[2]
  • 1986年 - 社史「我が模型人生」出版(非売品)
  • 1993年 - 双葉電子工業グループの一員となる[2]
  • 2020年5月20日 - 2021年3月末を以てライブスチームの販売を終了する旨を発表。また、6月以降は新規生産を停止し在庫販売のみとなる旨を同時に発表[6]

主な製品

編集
  • 模型用エンジン[7]
    • 飛行機用エンジン
      • 2ストローク
      • 4ストローク(多気筒)
      • 4ストローク(単気筒)
      • ロータリー
      • 2ストロークガソリン
      • 4ストロークガソリン
    • ヘリ用エンジン
    • カー用エンジン
    • マリーン用エンジン
  • モーター&ESCO
  • マルチコプター関連商品
  • パーツ&アクセサリー
  • O.S. GLOW PLUG(グロープラグ)
  • NITRO-X(グロー燃料)
  • ライブスチーム製品(模型蒸気機関車)

主なカー用エンジン

編集
カー&バギー用エンジン[8]
Code No. エンジン名 排気量 [cc] 最大出力 実用回転数 [rpm] 重量 [g] シリーズ 備考
1A100 R2102 3.49 2.8ps / 33,000rpm 4,000 ~ 45,000 340 O.S.SPEED ON-ROAD
1A400 T1201 2.10 1.75ps / 35,000rpm 5,000 ~ 45,000 223 O.S.SPEED ON-ROAD
1A200 B2101 3.46 2.65ps / 34,000rpm 4,000 ~ 42,000 352 O.S.SPEED OFF-ROAD
- 21XZ-B SpecII 3.49 2.65ps / 34,000rpm 4,000 ~ 42,000 355 O.S.SPEED OFF-ROAD
- MAX-21XZ-B ver.II 3.49 2.6ps / 34,000rpm 3,000 ~ 41,500 362 XZシリーズ
12200 MAX-21XR-B 3.49 2.45ps / 33,000rpm 4,000 ~ 40,000 370 XRシリーズ 1/8オフロードバギー用
13966 MAX-30VG(P)ES 5.0 3.0ps / 28,000rpm 4,000 ~ 36,000 436 VGシリーズ モンスタートラック用
13644 MAX-21VG-P 3.46 2.0ps / 30,000rpm 3,000 ~ 36,000 347 VGシリーズ 1/8クラス スケールカー・バギー用
1AK00 MAX-12TG Ver.III 2.1 0.9ps / 30,000rpm 5,000 ~ 32,000 216 TGシリーズ
11943 MAX-18TZ-TX 3.0 1.8ps / 29,000rpm 3,000 ~ 34,000 263.7 CV/TZシリーズ 1/10クラスツーリングカーオフロードバギー用
11940 MAX-18TZ(P)-T 3.0 1.8ps / 29,000rpm 3,000 ~ 34,000 225.8 CV/TZシリーズ 1/10クラスツーリングカーオフロードバギー用
11880 MAX-18CV-RX(ロータリーキャブ) 3.0 1.35ps / 28,000rpm 3,000 ~ 32,000 295.5 CV/TZシリーズ スタジアムトラック・オフロードビーグル用
11881 MAX-18CV-RX(スライドキャブレター) 3.0 1.35ps / 28,000rpm 3,000 ~ 32,000 295.5 CV/TZシリーズ スタジアムトラック・オフロードビーグル用
11510 MAX-15CV-X 2.49 0.68ps / 29,000rpm 3,000 ~ 30,000 266 CV/TZシリーズ 10クラス オフロードバギー・スケールカー用

※1PS=735.5W (馬力)

模型用ロータリー・エンジン

編集
模型用ロータリー・エンジン[9]
Code No. エンジン名 排気量 [cc] 最大出力 実用回転数 [rpm] 重量 [g] シリーズ 備考
31620 ROTARY ENGINE 49PI TYPEⅡ 4.97 1.1ps / 17,000rpm 2,500 ~ 18,000 421 WANKEL ROTARY ENGINE (生産終了)[10]
- ROTARY ENGINE I-49 4.97 - - - - 1970年発売[10](生産終了)

ライブスチーム製品の取り扱い上の注意

編集

長期間使用していないボイラーの安全弁は、水に含まれるミネラルにより固着して既定の圧力で作動しない可能性があり、使用前に分解して整備する必要がある。ボイラーに使用する水はなるべくミネラル成分を含まない精製水を使用する事が望ましい(水道水にはカルシウムナトリウム等のミネラル成分が含まれ、濃縮されることにより、スケールと呼ばれる付着物となる)。

小川精機の製品に限らないが、70年代から80年代にかけてのライブスチーム製品はボイラーやバーナー周辺にアスベストを使用しているものがあり、取扱いに注意を要する。ただし、同社の製品は、創業者の小川重夫が1979年のアメリカ視察旅行の際、販売代理店より米国ではアスベストを含んだ製品は規制により輸入できないとの説明を受け、帰国後の1980年以降の製品にはアスベストは使用されていない[11]

脚注

編集
  1. ^ a b 小川精機株式会社 第83期決算公告
  2. ^ a b c d e 会社概要”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  3. ^ 製品ラインナップ 2ストロークガソリンエンジン 1970”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  4. ^ ライブスチーム製品販売終了のお知らせ”. 2020年5月20日閲覧。
  5. ^ 「小川精機小川重夫氏を悼む」『とれいん (雑誌)』No.205
  6. ^ ライブスチーム製品販売終了のお知らせ”. 2020年5月20日閲覧。
  7. ^ 製品ラインナップ”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  8. ^ カー&バギーエンジン”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  9. ^ 製品ラインナップ WANKEL ROTARY ENGINE”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  10. ^ a b 製品ラインナップ 2ストロークガソリンエンジン 2006”. 小川精機株式会社. 2016年5月2日閲覧。
  11. ^ 小川重夫『我が模型人生』[要文献特定詳細情報]

関連項目

編集

外部リンク

編集