告白 (ルソー)
『告白』(こくはく、仏: Les Confessions)は、1764年から1770年にかけて書かれ、1782年と1788年に死後出版された、フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーによる自伝。『告白録』(こくはくろく)、『懺悔録』(ざんげろく)とも[1]。『エミール』出版を契機として逃亡生活を余儀なくされたルソーが、当時のフランス社会に対して自身の弁明を行い誤解を解くこと、そして同時に将来の人間研究資料を提供する目的で書かれた[1]。
構成
編集第1部(6巻)と第2部(6巻)の全12巻で構成される。第1部は作家になる前の「幸福な前半生」時代を書いたもので、死後の1781年に出版、第2部は作家になった後の「不幸な後半生」時代を書いたもので、その7年後の1788年に出版された[1]。
第1部は少年・青年時代を率直かつ詳細にユーモア混じりに書いたもので、第2部は晩年の被害妄想の影響下に書かれた暗い内容となっている[1]。
近代日本への影響
編集ルソーは日本では、明治時代初期の自由民権運動の頃に、『社会契約論』が大きな影響力を持ったが、この『告白』は明治時代後期、森鷗外がドイツ語訳からの抄訳を1891年に初出版して以降、島崎藤村など、日本近代文学の成立に影響を与えた[1]。