十勝スピードウェイ

北海道河西郡更別村にあるサーキット

十勝スピードウェイTOKACHI SPEEDWAY)は、北海道河西郡更別村にあるサーキット。この項目では、太陽光発電所更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所についても記載している。

日本の旗 日本 十勝スピードウェイ
概要

地図
所在地 北海道河西郡更別村
座標 北緯42度37分48秒 東経143度17分30秒 / 北緯42.63000度 東経143.29167度 / 42.63000; 143.29167座標: 北緯42度37分48秒 東経143度17分30秒 / 北緯42.63000度 東経143.29167度 / 42.63000; 143.29167
運営会社 MSF株式会社[1]
営業期間 1993年 -
収容人数 約11,000人(メインスタンド・イーストスタンド・ウエストスタンド)[2]
約65,000人(オープンスタンド)[2]
コース設計者 桜井淑敏(監修)
グランプリコース
使用期間 1993年 -
コース長 5,091.45 m
コーナー数 16
ラップレコード 1分39秒625 (1996年
高木虎之介
PIAA NAKAJIMA RACINGJAF-F3000
クラブマンコース
コース長 3,405.87 m
コーナー数 10
ラップレコード 1分14秒136 (2004年
エリック・コマス
ハセミモータースポーツJAF-GT500
ジュニアコース
コース長 1,700 m
コーナー数 7
ラップレコード 44秒675 (2019年
クロカワ テツヒロ
カーショップドリームKJMボルテックス (チューニングカー(フュージャーA7))
テンプレートを表示

概要

編集

北海道内唯一となる国際自動車連盟(FIA)公認サーキットであり、5,100 mのグランプリコースを3,400 mのクラブマンコースと1,700 mのジュニアコースに2分割して使用する計3コースがあり、日本国内では例を見ないほぼフラットなコースレイアウトや1,010 mあるストレート(グランプリコース・クラブマンコース)が特徴になっている。メインスタンドからはコースの80 %を見渡すことができる。

これまでに『N1耐久』(現在のスーパー耐久)や『十勝24時間レース』、『全日本ツーリングカー選手権』(1993年は唯一となるグループA規定での開催)、『全日本F3000選手権』、『全日本GT選手権』などを開催してきた(なお、全日本GT選手権から『SUPER GT』と改称後は北海道内未開催)。現在では日本自動車連盟(JAF)公式戦となる『北海道クラブマンカップレース』や『北海道ジムカーナ選手権』、日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)承認の『十勝ロードレース選手権』などを開催しているほか、気軽に参加できるスプリント・レースや『十勝夏祭り&HKS HIPER Meeting』など各種イベントを開催している。中でも、日本国内の自転車耐久行事の先駆けである『全日本ママチャリ耐久レース』は名物イベントになっている[3][4]。冬季は『TOKACHIウインタートライアル』や『北海道ATVチャンピオンシップ』、冬コース走行会などを開催している。オープン当初からサーキットをPRするイメージガールを起用しており(当初は毎年3〜4名、後に2〜3名)、三苫千景(2005年のA-classメンバー)や森戸みほなどを輩出していたが、2010年(平成22年)からはイメージガールの起用を止めている[要出典]

遊休地を活用した太陽光発電所「更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所」を設置している[5]

沿革

編集

1989年平成元年)に帯広建設業協会会員が中心となって「十勝モーターパーク」を設立し[6][7]1993年(平成5年)5月5日に総工費約100億円をかけた北海道内初となる国際サーキット「十勝インターナショナルスピードウェイ」(TIS)がオープンした[7][8]。ところが、予想を超えた工費や会員権の販売不振によってオープン当初から経営が厳しく、1994年(平成6年)には運営をインターランドに移し、賃貸事業のみを行ってきた[7]。その後も慢性的な赤字続きで債務超過に陥っていたため、複数企業との売却交渉を進めていたがいずれも成立せず[9][10][11]、更別村への固定資産税滞納額も3億円を超えていた[7]2009年(平成21年)に水面下で行っていた所有権と事業譲渡の交渉が決裂したため、会社整理に向けた調査を始めて自己破産するに至った[12][13]。負債総額は100億円を超え、十勝管内の倒産としては過去最大規模になった[13]。会社整理に向けた調査開始以降はサーキット存続が不透明であったが[14][15]、MSFが施設を取得して運営することになり、営業継続が決まった[16]

年表

  • 1992年平成04年):プレオープン。
  • 1993年(平成05年):「十勝インターナショナルスピードウェイ」グランドオープン[17]
  • 1994年(平成06年):『十勝24時間レース』初開催(2008年まで)[17]
  • 1995年(平成07年):日産レーシングスクールin十勝開校(2003年に十勝レーシングスクールとして開校)[17]
  • 1999年(平成11年):『全日本ママチャリ耐久レース』初開催[18]
  • 2004年(平成16年):北海道内初となる『全日本GT選手権』開催[17]
  • 2009年(平成21年):十勝モーターパークが「自己破産」申請[13]。MSFが取得[16]
  • 2010年(平成22年):「十勝スピードウェイ」と改称。
  • 2015年(平成27年):ドリフトコース完成[19]。「更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所」竣工[5]

施設

編集
  • パドックビル
    • 1階:事務所
    • 2階:ブリーフィングルーム、ゲストルームA、B
    • 3階:計時室、ゲストルームD
    • 4階:管制室
  • ピットガレージ(36ピット)
  • サーキットテラス
    • 1階:売店、AVルーム、シャワールーム
    • 2階:レストラン
  • ガソリンスタンド

大会実績

編集

レース

編集

四輪車

二輪車

  • 十勝ロードレース選手権
  • 十勝ミニバイクレース
  • 全日本ママチャリ耐久レース(1999年 - )[20][21]

イベント

編集
  • WAKO'S cup
  • 十勝夏祭り&HKS HIPER Meeting(2005年 - )
  • 走ってみない会
  • 冬も走ってみない会
  • 十勝初雪エンデューロ(2001年 - 2012年)

レーシングスクール

編集
  • 十勝レーシングスクール
    • レーシングJOYクラス
    • スーパーJOYクラス
    • レースエントリークラス
    • F4プログラム
  • 十勝サーキット塾
  • ENEOSレーシングスクール

更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所

編集
更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所
  日本
所在地 北海道河西郡更別村
現況 運転中
着工 2013年[22]
運転開始 2015年[23]
建設費 67億円[24]
事業主体 オリックス・MSF
運営者 OR更別・十勝メガソーラースピードウェイ合同会社
建設者 大成建設[25]
太陽発電所
パネル数 87,868枚[25]
陸地面積 42.4ヘクタール[25]
発電量
最大出力 21.967メガワット(21,967キロワット)[25]
正味年間発電量 24,770メガワット時(24,770,000キロワット時[5]
テンプレートを表示

更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所は、北海道河西郡更別村の十勝スピードウェイにある太陽光発電所。十勝スピードウェイを運営するMSFが、遊休地を太陽光発電施設に活用する「十勝メガソーラースピードウェイ計画」を発表し[26]オリックスが遊休地を賃借して太陽光発電施設を建設した[22]。総出力は21.967 MW[25]、年間の総発電量は一般家庭6,880世帯分になる電力発電しており[5]北海道電力に売電している[5]

アクセス

編集

周辺には道の駅さらべつやさらべつカントリーパークがある。

脚注

編集
  1. ^ MSF株式会社”. 2017年8月22日閲覧。
  2. ^ a b 十勝インターナショナルスピードウェイ”. 日本自動車連盟(JAF). 2017年8月23日閲覧。
  3. ^ “「ママチャリ」は開催 会社整理決定のモーターパーク”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年5月5日). http://www.tokachi.co.jp/news/200905/20090505-0001391.php 2017年8月23日閲覧。 
  4. ^ “来年も会いたい「ママチャリ12時間」に全国4500人”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年8月2日). http://www.tokachi.co.jp/news/200908/20090802-0002255.php 2017年8月23日閲覧。 
  5. ^ a b c d e オリックス、北海道サーキット場に22MW太陽光発電所完成”. PVeyeWEB (2015年11月2日). 2017年8月22日閲覧。
  6. ^ 十勝モーターパーク(株)”. 東京商工リサーチ. 2017年8月22日閲覧。
  7. ^ a b c d “モーターパーク自己破産へ 負債100億円超 管内最大”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年3月10日). http://www.tokachi.co.jp/news/200903/20090310-0000849.php 2017年8月22日閲覧。 
  8. ^ 全容現すF1級サーキット*更別”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (1993年4月23日). 2017年8月23日閲覧。
  9. ^ 更別・十勝スピードウェイ*存続かけ売却交渉大詰め*イベント好調、でも累積赤字21億円*観光拠点 村も注視”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2001年6月26日). 2017年8月23日閲覧。
  10. ^ <あんぐる>十勝スピードウェイ*会社存続 来春にも判断*債務超過は18億円*売却交渉の行方に注目”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2002年7月16日). 2017年8月23日閲覧。
  11. ^ 十勝モーターパーク株主総会*インターナショナルスピードウェイ*年内の売却方針確認*道外の2社と交渉中”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2007年3月30日). 2017年8月23日閲覧。
  12. ^ “会社整理へ調査 モーターパーク 取締役会当面の事業未定”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年3月11日). http://www.tokachi.co.jp/news/200903/20090311-0000865.php 2017年8月22日閲覧。 
  13. ^ a b c “モーターパーク自己破産 更別”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年8月31日). http://www.tokachi.co.jp/news/200908/20090831-0002602.php 2017年8月22日閲覧。 
  14. ^ “「サーキット必要」観客熱望 道内最大モータースポーツ祭典”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年8月10日). http://www.tokachi.co.jp/news/200908/20090810-0002341.php 2017年8月22日閲覧。 
  15. ^ 十勝モーターパーク 自己破産申請*存続、再開は不透明*イベント中断は痛手*更別”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2009年9月1日). 2017年8月23日閲覧。
  16. ^ a b “TIS売却決定 東京のサイト運営会社に”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2009年10月21日). http://www.tokachi.co.jp/news/200910/20091021-0003084.php 2017年8月22日閲覧。 
  17. ^ a b c d 十勝スピードウェイの歴史”. 十勝スピードウェイ. 2017年8月22日閲覧。
  18. ^ 全日本ママチャリ12時間耐久レース”. 2017年8月22日閲覧。
  19. ^ “ファン待望 ドリフトコース完成 十勝スピードウェイ 更別”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2015年7月21日). http://www.tokachi.co.jp/news/201507/20150721-0021461.php 2017年8月22日閲覧。 
  20. ^ “1900人力走 ママチャリレース12時間耐久復活”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2014年7月26日). http://www.tokachi.co.jp/news/201407/20140726-0018902.php 2017年8月23日閲覧。 
  21. ^ “ママチャリ力強く 1200人7時間耐久に挑む 更別”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2016年7月24日). http://www.tokachi.co.jp/news/201607/20160724-0024309.php 2017年8月23日閲覧。 
  22. ^ a b 「十勝スピードウェイ」でメガソーラーの建設に着手 〜北海道河西郡更別村に最大出力21.0メガワット〜』(PDF)(プレスリリース)オリックス、2013年7月5日http://www.orix.co.jp/grp/pdf/news/130705_ORIXJ.pdf2017年8月22日閲覧 
  23. ^ パネル8万8000枚 メガソーラー完成*オリックスが更別のサーキット場で竣工式”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2015年11月5日). 2017年8月22日閲覧。
  24. ^ “十勝スピードウェイ太陽光発電 オリックスと建設”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2013年6月21日). http://www.tokachi.co.jp/news/201306/20130621-0015938.php 2017年8月22日閲覧。 
  25. ^ a b c d e オリックス更別・十勝メガソーラースピードウェイ発電所” (PDF). 大成建設. 2017年8月22日閲覧。
  26. ^ “TISで国内最大規模の太陽光発電構想”. 十勝毎日新聞 (十勝毎日新聞社). (2010年9月30日). http://www.tokachi.co.jp/news/201009/20100930-0006766.php 2017年8月22日閲覧。 

関連項目

編集

外部リンク

編集