動物看護師とは、獣医師の診療の補助を業とする者をいう。その地位や補助の範囲は、国等によって異なる。

英国

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認定獣医療看護師(: Qualified Veterinary Nurse)と呼ばれる国家職業資格で、11年間の初等・中等教育修了後、王立獣医師協会(英: Royal College of Veterinary Surgeons)が認定した教育機関と提携する臨床訓練施設で2年間の実地研修を受けて資格を取得する方法、もしくは王立獣医師協会が認定した大学の3か年か4か年の課程を修了し、学位取得と同時に資格を取得する方法がある[1][2][3]。補助の範囲は広く、内科処置に加え、体腔内に及ばない外科処置などもできる[3]

スイス

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動物臨床アシスタント(: Tiermedizinischen Praxisassistentin)と呼ばれる連邦資格で、9年間前後の初等・中等教育を受けた後、動物診療施設で勤務しながら職業学校に通学し、3年間の教育を受けた後、資格を得る[4][5]。補助の範囲は広く、抜歯、皮膚縫合、X線撮影などもできる[5]

米国

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名称は州によって異なるが、登録獣医療技術師(: Registered Veterinary Technician)もしくは認定獣医療技術師(: Licensed Veterinary Technician)などと概ね獣医療技術師(: Veterinary Technician)の語が用いられる[2][6][7][8]。補助の範囲は広く、抜歯、皮膚縫合、X線撮影、麻酔などもできる[5]各州の法令に基づき各州の獣医事委員会(: Veterinary State Board)が主体となって資格認定を実施する[2][6][7]。12年間の初等・中等教育修了後、専門学校、大学などで全米獣医師会(英: American Veterinary Medical Association)の認定プログラムを修了し、全米州獣医事委員会協会(: American Association of Veterinary State Board)が実施する国家試験(: Veterinary Technician National Examination)及び各州が実施する認定試験に合格することで資格を取得する方法が一般的である[6][7]

豪州

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獣医療看護師(: Veterinary Nurse)と呼ばれる州政府認定の資格で、10年間の初等・中等教育修了後、国が認定する機関が策定したカリキュラムを行う養成機関を州政府が認定し、職業訓練することによって資格を取得できる[5]。補助の範囲は広く、抜歯、皮膚縫合、X線撮影などもできる[5]

日本

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愛玩動物看護師(: Veterinary Nurses for Companion Animals)と呼ばれる国家資格で、12年間の初等・中等教育修了後、主務国務大臣の確認を受けた大学又は地方庁知事指定の養成所において必要な教育課程を終え、国家試験に合格することでることによって資格を取得する方法が一般的である[9][10]。愛玩動物しか扱えず、補助の範囲も投薬、採血、採尿などしかできず狭い[10]

韓国

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動物保健士(: 동물보건사)と呼ばれる国家資格だが、診療の補助の範囲は狭く、投薬、注射、採血もできない[11][12]。国の評価認証を受けた専門大学などを卒業し、資格試験に合格すれば資格が付与される[13]

脚註

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出典

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  1. ^ (英語) Veterinary Nurse Registration Rules 2017. Royal College of Veterinary Surgeons 
  2. ^ a b c 山下眞理子「動物看護師養成の世界的動向と日本の実情」『日本獣医史学雑誌』第49号、日本獣医史学会、東京、2012年2月、29-35頁、ISSN 0385-5813全国書誌番号:000299902023年7月27日閲覧 
  3. ^ a b 柳澤綾,加隈良枝,小野寺温,土井暢子「英国における動物看護師養成教育と動物福祉関連領域に関する視察の報告」『帝京科学大学紀要』第10号、帝京科学大学、東京、2014年3月31日、243-250頁、doi:10.18881/00000128ISSN 1880-0580全国書誌番号:01009072 
  4. ^ Tiermedizinische/r Praxisassistent/in BBT” (ドイツ語). Berufsbildung. Vereinigung der schweizerischen tiermedizinischen Praxisassistentinnen. 2023年7月27日閲覧。
  5. ^ a b c d e 細井戸大成,古賀俊伸「欧米における動物看護職制度」『日本獣医師会雑誌』第63巻第4号、社団法人日本獣医師会、東京、2010年4月20日、242-250頁、ISSN 0446-6454全国書誌番号:000186572023年7月27日閲覧 
  6. ^ a b c 細井戸大成,古賀俊伸「米国における動物看護職制度」『日本獣医師会雑誌』第61巻第12号、社団法人日本獣医師会、東京、2008年12月20日、900-906頁、doi:10.12935/jvma1951.61.900ISSN 0446-6454全国書誌番号:00018657 
  7. ^ a b c 小田民美「米国における動物看護学教育」『Veterinary Nursing』第24巻第2号、一般社団法人日本動物看護学会、東京、2019年、37-46頁、doi:10.34452/veterinarynursing.24.2_37ISSN 2188-8108全国書誌番号:01039812 
  8. ^ 加藤元「VT(Veterinary Technicians)獣医技術師(日本では動物看護職と呼ばれている)米国と日本のVTの過去・現在・将来」『日本獣医史学会研究発表会要旨集』第77号、日本獣医史学会、東京、2014年、19-23頁。 
  9. ^ 野村環,大倉尚子「愛玩動物看護師の誕生に向けて」『日本獣医師会雑誌』第75巻第10号、公益社団法人日本獣医師会、東京、2022年10月20日、462-465頁、ISSN 0446-6454全国書誌番号:000186572023年7月27日閲覧 
  10. ^ a b 藤本理恵「獣医療の向上を目指した愛玩動物看護師の国家資格化」『立法と調査』第419号、参議院事務局、東京、2019年12月、43-54頁、ISSN 0915-1338全国書誌番号:000242222023年7月27日閲覧 
  11. ^ 권용수,김잔디 (2021-08-31). “동물보건사의 업무 범위에 관한 고찰” (朝鮮語). 입법과 정책 (서울: 국회입법조사처) 13 (2): 241-262. doi:10.22809/nars.2021.13.2.009. ISSN 2093-0321. 
  12. ^ 윤성철 (2021年9月11日). “동물보건사... 주사도 못 놓는, 반쪽짜리 국가자격증?” (朝鮮語). 헬스뉴스. 코코타임즈. 2023年7月27日閲覧。
  13. ^ 수의사 진료 보조 ‘동물보건사’ 자격시험 내년 2월 첫 시행” (朝鮮語). 정책뉴스. 대한민국 정책브리핑. 문화체육관광부 (2021年11月26日). 2023年7月27日閲覧。