分点

天球上で天の赤道と黄道とが交わる点、および、太陽がこの点を通過する瞬間

分点(ぶんてん、英語: equinox)とは、天球上で天の赤道黄道とが交わる点、および、太陽がこの点を通過する瞬間のことである。分点は2つあり、にそれぞれ通過する。

地球から見た天球上の太陽の動き
分点の日は、昼と夜の長さが等しくなる。
赤道上にあるキツァトの日時計英語版(エクアドル)、分点通過時刻である2011年9月23日7:21の撮影。太陽はほぼ真東から昇って天頂を通る。日時計が作る影は赤道を示す線と重なる。

春のものを春分点 (vernal equinox) といい、これは太陽が南から北へ通過する(昇交点)。太陽が春分点を通る瞬間を春分、春分を含む日を春分日という。

秋のものを秋分点 (autumnal equinox) といい、これは太陽が北から南へ通過する(降交点)。太陽が秋分点を通る瞬間を秋分、秋分を含む日を秋分日という。

春分日・秋分日には、太陽はほぼ真東から昇りほぼ真西に沈む。また、昼(日の出から日没まで)と夜の長さがほぼ同じになる。これを昼夜平分時(ちゅうやへいぶんじ)という。

日本では、春分日・秋分日は国民の祝日春分の日秋分の日)となる

ただし、上で「ほぼ」と書いたとおり、厳密には真東・真西・昼夜平分ではない。このずれの大きさは緯度によるが、北緯35°では、昼の時間は大気差により5.8分長く、太陽の視直径により2.6分長く、分点時刻が一般には正午からずれているせいで最大1.1分長くもしくは短くなるため、12時間より平均8.4分(7.3分 - 9.5分)長い。同様に、夜は短く、日の出・日の入りの方角はわずかに南寄りになる。また、均時差により、昼の長さが12時間8分だからといって5時56分に日が昇り18時4分に日が沈むわけではない。

地球の歳差により、天球上における分点の位置は移動する。それに伴い赤経赤緯は年々変化するので、赤経・赤緯によって天体の位置を表す際には、それが何年の分点による赤経・赤緯であるかを示す必要がある。星図などでよく使われるのは1950年のものと2000年のもので、それぞれ1950.0分点、2000.0分点と表現する。

関連項目

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