ギロチン・ドロップ
(レッグドロップから転送)
ギロチン・ドロップ(Guillotine Drop)は、プロレス技の一種である。レッグ・ドロップ(Leg Drop)とも呼ばれる。日本名は脚(足)落とし(あしおとし)。
概要
編集ジャンプして自身の片足を水平に突き出して尻餅をつくと同時に仰向けになった相手の喉に片足を叩きつける。
日本では1971年11月19日、日本プロレスの後楽園ホール大会メインイベントにおけるジャイアント馬場&大木金太郎&グレート小鹿対ブルーノ・サンマルチノ&ディック・マードック&リップ・タイラーの6人タッグマッチにおいて、タイラーが大木を相手に初公開した[1]。このときは「レッグ・ドロップ」と呼称されて、それが通り名となったが、この技を同じく得意とするギル・ヘイズが1975年に国際プロレスに来日してからは「ギロチン・ドロップ」の名称が日本では一般的となった[1]。
フィニッシュ・ホールドとしても、繋ぎ技としても、古くから多くのレスラーに使用されている。著名な使い手の1人がハルク・ホーガンであり、アメリカでは、この技をフィニッシュ・ムーブとしていた。日本人選手では馬場も使用しており、アントニオ猪木も1977年8月2日、新日本プロレスの日本武道館大会で行われたザ・モンスターマンとの異種格闘技戦において、この技で勝利を収めた。また、全日本プロレス時代の高山善廣も好んで用いていた。女子レスラーではブル中野が使い手として知られる。
主な使用者
編集派生技
編集- ランニング式
- 助走して仕掛けるギロチン・ドロップ。
- ダイビング式
- コーナー最上段もしくはセカンドロープからジャンプして放つギロチン・ドロップ。ボビー・イートン(「アラバマ・ジャム」の名称で使用[2])、ブラック・バート(「テキサス・トラッシュ・コンパクター」の名称で使用[3])、サブゥー、日本人選手では石川孝志、モハメド・ヨネ、TARU(「TARUギロチン」の名称で使用)、グンソが得意技としていて小橋建太も一時期、フィニッシュ・ホールドとして使用していた。小橋が三冠ヘビー級王座を初めて奪取したとき、この技が決め技となった。なお、サブゥーは相手をテーブルの上に寝かせて、そこに放つこともある。
- ブル中野は1990年11月14日、全日本女子プロレスの横浜文化体育館大会で行われたアジャ・コングとの金網デスマッチにおいて、金網の最上部から約4メートルの落差で、この技を仕掛けた。
- 断崖式
- ジ・アンダーテイカーは相手の頭を少しリング外に出してエプロンから見舞うものを使用。
- スタンディング式
- 小橋健太、ジョニー・エースは立った状態で前屈みとなった相手に対してジャンプしてギロチン・ドロップを決めた。
- 回転式
- ブル中野、スコーピオは前転してから放つギロチン・ドロップを使用。
- コーナー最上段から前方一回転して放つ場合もあり、ブッカー・Tは「ヒューストン・ハング・オーバー」または「ハーレム・ハング・オーバー」の名称で使用。ハーレム・ヒート時代は、スティービー・レイのサイドウォーク・スラムに続いてこの技を放つ合体攻撃を見せていた。
- スコーピオは、コーナー最上段から360度回転して放つギロチン・ドロップを「ドロップ・ザ・ボム」の名称で秘密兵器として使用。
- 雪崩式
- デビル雅美はコーナー最上段にいる相手に飛びつき、相手の首に脚を引っ掛けながら同体で落下した後に頭部をリングに叩きつけつつ脚でギロチン・ドロップのダメージを与える雪崩式を得意技としていた。その後、春山香代子が、この技を引き継いでいる。
- ホグロック
- ビッグ・ショーの得意技。ファイナル・カットの体勢で浴びせて倒す。
- ブーン・ドロップ
- コフィ・キングストンの得意技。「ブーン、ブーン」と見得を切ってから両脚を揃えてレッグ・ドロップを浴びせる。
脚注
編集- ^ a b 『日本プロレス事件史 vol.24 悪党の世紀』P54(2016年、ベースボール・マガジン社、ISBN 458362462X)
- ^ “Bobby Eaton”. Wrestlingdata.com. 2017年11月1日閲覧。
- ^ “Black Bart”. Wrestlingdata.com. 2017年11月1日閲覧。