マリネリス峡谷
火星にある峡谷
マリネリス峡谷(ラテン語: Valles Marineris ヴァリス・マリネリス[1])とは、火星の赤道に沿って伸びる巨大な峡谷。マリナー峡谷(英: Mariner Valleys)とも呼ばれる。1971年に火星探査機マリナー9号により発見されたため、この名が付けられた[2]。なお、峡谷ではなく渓谷と呼ばれる場合もある。
火星の表面を横切るマリネリス峡谷 | |
種類 | 峡谷 |
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天体 | 火星 |
場所 | 赤道付近 |
座標 | 南緯13度54分 西経59度12分 / 南緯13.9度 西経59.2度座標: 南緯13度54分 西経59度12分 / 南緯13.9度 西経59.2度 |
全長 | 約 4,000 km |
幅 | 約 200 km(最大) |
深度 | 約 7 km |
名の由来 | マリナー9号 |
地形
編集長さは4000km、深さは7kmに達し、幅は最大200kmであり[3][4]、太陽系でも最大規模の峡谷である。地球上の代表的な峡谷の一つであるグランド・キャニオンが長さ446km、平均深度およそ1200m、幅6km - 29kmであるのと比べると、遥かに大規模である。マリネリス峡谷はタルシス地域の東側にあり、火星の赤道に沿って東西に伸び、その距離は惑星の表面の4分の1近くに達する。
マリネリス峡谷は西側のノクティス迷路と呼ばれる入り組んだ地形に端を発する。峡谷内の領域にはそれぞれ名前が付けられており、西から東に向けてイウス谷、メラス谷、コプラテス谷、エオス谷といった領域が存在している。東側は最終的にカオス地形を含む大洪水地形の地域へと消えており、それらは最終的にクリュセ平原へと続いている。
マリネリス峡谷は火星表面に出来た大きな地殻変動(テクトニクス)により形成された割れ目だと推定されている[5][6]。峡谷の形成は西側のタルシス地域で主に発生し、その後の広範囲な侵食で地形が広がったとされる[要出典]。しかしながら、東側の縁では水または二酸化炭素によるとみられる流路の形跡が確認されている。
峡谷内の領域
編集マリネリス峡谷は以下のような複数の領域から構成される。西側から東側にかけて記す。
火星地図
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画像
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立体的に見たマリネリス峡谷
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マリネリス峡谷の標高図
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メラス谷の立体モデル
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峡谷内のクレーターで見つかった塩水の流れた跡と言われる斜面
脚注
編集- ^ 後藤和久, 小松吾郎『Google Earthで行く火星旅行』岩波書店、2012年、68頁。ISBN 978-4-00-029596-3。
- ^ “Valles Marineris”. Gazetteer of Planetary Nomenclature. USGS Astrogeology Science Center. 2015年2月28日閲覧。
- ^ Vallis.Marineris
- ^ WTP: Mars: Valles Marineris
- ^ Wolpert, Stuart (2012年8月9日). “UCLA scientist discovers plate tectonics on Mars”. UCLA. 2012年8月13日閲覧。
- ^ Lin, An (2012-06-04). “Structural analysis of the Valles Marineris fault zone: Possible evidence for large-scale strike-slip faulting on Mars”. Lithosphere 4 (4): 286–330. doi:10.1130/L192.1 2012年10月2日閲覧。.