マラッカマックス
マラッカ海峡の通航基準
概要
編集マラッカ海峡の航路上には、水深22.5mの浅瀬があり、これにより航行可能な船舶の最大サイズが決められている[1]。典型的なマラッカマックスのタンカーのサイズは、全長333m、幅60m、喫水20.5mとされる[2][3]。これは、VLCC(very large crude carrier)と呼ばれる超大型タンカー (最大30万トン) のサイズに相当する[4]。
これより大型のポストマラッカマックス(オーバーマラッカマックス)の船はマラッカ海峡より水深の深い、以下のような航路を採る必要がある[5]。
- ロンボク海峡 - マカッサル海峡 - シブツ海峡 - ミンドロ海峡
- オンバイ海峡 - バンダ海 - スラ諸島 (Sula Islands) とオビ諸島の間のリファマトラ海峡 (Lifamatola Strait) - モルッカ海
- オーストラリアを迂回する
あるいは人工的に新しい経路を開削する必要がある。例えば、
なお、スンダ海峡はマラッカ海峡より浅く20 mしかないので、満載時のマラッカマックスのタンカーは通過できない。
マラッカマックスの商船は主に鉱石運搬ばら積み貨物船や原油タンカーといった船種で建造されている。また建造されたことはないが計画されているマラッカマックスのコンテナ船は全長470 m、幅60 m、喫水20mで30万載貨重量トンで18,000 TEU (twenty-foot equivalent units) となる見込みである。港の拡張を必要とすることから、これらの船専用の新しいターミナルが開発される可能性がある[6]。
同じような言葉として、パナマ運河、スエズ運河、セントローレンス海路を通航可能な最大の船の大きさをそれぞれパナマックス、スエズマックス、シーウェイマックスという。アフラマックスは8万トンから12万トンまでの大きさのタンカーを指す。
脚注
編集- ^ 関根博 日本郵船 (2006年). “石油輸送の生命線 マラッカ海峡航行:現状と問題点”. 石油・天然ガスレビュー. 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構. 2017年6月29日閲覧。
- ^ “船を愛する男のVLCC開発物語 史上初の30万トンクラス・マラッカマックスVLCC”. IHI. 2017年6月26日閲覧。
- ^ TAKASHI FUKAI et.al (2010年9月). “Development of Malaccamax Very Large Crude-oil Carriers in Accordance with the Common Structural Rules”. Mitsubishi Heavy Industries Technical Review Vol. 47 No. 3. 三菱重工. 2017年6月26日閲覧。
- ^ "Malacca-max Oil Tanker Delivered" (Press release). JFEホールディングス. September 2002. 2005年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ The Zoology Department at The Field Museum
- ^ “Container Transhipment and Demand for Container Terminal Capacity in Scotland”. Scottish Executive (3 September 2004). 2009年5月25日閲覧。