ポルトガル人(ポルトガルじん、: os portugueses)は、主にユーラシア大陸の西端、イベリア半島西部のポルトガルやその旧植民地に居住する民族。言語ポルトガル語を使用し、カトリック教徒が多い。

ポルトガルの旗 ポルトガル人
Portugueses
総人口
約312,000,000人[1]
居住地域
ポルトガルの旗 ポルトガル 11,000,000 (2011)[2]
ブラジルの旗 ブラジル±110,000,000(Portuguese ancestry) ±5,000,000 (eligible for Portuguese citizenship)
[3]
アメリカ合衆国の旗 アメリカ1,471,549 (Portuguese ancestry)
フランスの旗 フランス798,837
ベネズエラの旗 ベネズエラ550,000
イギリスの旗 イギリス500,000
カナダの旗 カナダ415,000
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ300,000
スイスの旗 スイス193,299[4][5]
ドイツの旗 ドイツ170,000
スペインの旗 スペイン126,651
オーストラリアの旗 オーストラリア56,000
ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク54,490
モザンビークの旗 モザンビーク54,355 (Portuguese ancestry)
ガイアナの旗 ガイアナ50,000 (Portuguese ancestry)
アルゼンチンの旗 アルゼンチン40,000
ベルギーの旗 ベルギー38,000
アンゴラの旗 アンゴラ30,000[6]
残りの全ヨーロッパ30,822
アジア30,000
残りの全アメリカ州24,776
残りの全アフリカ8,965
言語
ポルトガル語
宗教
ローマ・カトリック
関連する民族
ガリシア人スペイン人イタリア人フランス人

ポルトガル人の民族構成

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ポルトガル人は、ヨーロッパの南西に居住している。ポルトガルに居住する最も初期の現生人類は、4万年前から3万5000年前頃にイベリア半島に到達したとされる。Y染色体ミトコンドリアDNAの近年の研究によれば、現代ポルトガル人のルーツは約45,000年前の最後の氷期の終わり頃にヨーロッパ大陸に到達し始めた旧石器時代の民族まで辿ることができる。

 
ハプログループR1a(紫)R1b(赤)の分布

イベリア北部は旧石器時代の人類が氷期から逃れるための主要な避難所であったとされている。旧石器時代から中石器時代にかけて、西ヨーロッパ、特にイギリス諸島大西洋岸の人々が多く北イベリアへ移住し、現代のイベリアの住民とは大きな繋がりがある。最近の研究によると、多くの旧石器時代および中石器時代のイベリア人は現代のイギリス人遺伝子プールに影響を与えているという。実際、Y染色体ハプログループR1bイベリア半島と西ヨーロッパで最も一般的なハプログループである。ハプログループR1b (Y染色体)には最頻値のハプロタイプが存在する。最も特徴的なものの1つがAMHである。このハプロタイプは、イベリア半島およびイギリス諸島で最も多く見られる。ポルトガルを含むイベリア半島では33%に達する。

新石器時代、約1万年前に西アジア中東からの移住者は辺境のイベリア半島に達したが、その影響は東ヨーロッパに比べれば小さいものだった。紀元前1千年紀青銅器時代の間には、インド・ヨーロッパ語族の移動の波が初めてイベリアにも起こった。その後、紀元前7-5世紀頃には、ケルト人と特定される民族が続いた。南イベリアについにタルテッソスのような都市文化が発達したのは、フェニキア人ギリシア人地中海の植民競争が影響している。この経緯が、イベリア、そしてポルトガルの地中海的で、北ヨーロッパとは違った文化を決定づけたのである。

旧石器時代の祖先とその文化的発展、インド・ヨーロッパ語族の移住、これらのことから、ポルトガル人の人種的起源は、主に古代ローマ時代以前のケルト人イベリア人の混血であると考えられる。ローマ以前のイベリアの諸民族は、ルシタニアルシタニ人ガリシアガリシア人アレンテージョアルガルヴェのケルト人の一派などがいる。

ポルトガル語ラテン語に由来することから分かるように、ポルトガルの文化は古代ローマからかなりの影響を受けている。ギリシア人やフェニキア人(カルタゴ人)、ヴァンダル人サルマタイ人西ゴート族スエビ族などの影響も少なからず受けている。これらの文化はポルトガル社会、特に貴族社会に統合され、少数のアラブ人ベルベル人ユダヤ人もまたポルトガルに定住した。

多くのヨーロッパ諸国と同様、ポルトガルにも他のヨーロッパ人との混血が過去にも現在にも存在する。フランス人ドイツ人イギリス人スコットランド人アイルランド人オランダ人フラマン人イタリア人スペイン人などとの混血である。

一般的なポルトガル人は黒い髪と茶色の目と褐色になりやすい肌を持つが、白い肌に明るい髪と淡い目を持つ人もかなりの割合で存在する。

ポルトガル人や他の民族に関してはこの図を参照。

人口統計

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ポルトガルの少数言語

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話者全員がポルトガル語とのバイリンガルであるとしても、約1万5000人が、ミランダ・ド・ドウロヴィミオーゾモガドーロ等の地域でアストゥリアス語ミランダ語)を使用している。またスペインとの国境の街バランコスでは、2000人がスペインのエストレマドゥーラ語の影響を受けた方言バランコス語を話す。

ポルトガルの少数民族

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旧植民地(すなわちブラジルアフリカインド)から、この2、30年の間に多くの人々が移住してきている。最近ではスラヴ人(特にウクライナ人)が移住してくるようになり、ポルトガル最大の少数民族となっている。中国系移民も存在する。

また、小規模な少数民族としてはロマ約2万5000人がおり、さらに小規模なのはユダヤ人で、アシュケナジムセファルディム、合わて約5000人である。

ポルトガル人移民

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全世界で1億人以上の人々がポルトガル人を祖先に持つとされている。16世紀には植民地の拡大に伴い、インドアメリカ大陸マカオ東ティモールマレーシアインドネシアアフリカなど世界中へポルトガル人が入植した。

19世紀末から20世紀初期にかけてポルトガル人が大量にブラジルへ移民した。約3500万人のブラジル人は近い先祖がポルトガル人である。

かなりの数のポルトガル系移民がこれらの国に存在する。

ヨーロッパ アメリカ アフリカ アジアオセアニア

ポルトガルのセファルディム(の子孫)はイスラエルオランダアメリカ合衆国フランストルコなどにおいても重要な勢力である。

アメリカ合衆国では、ニュージャージー州ニューイングランドカリフォルニア州にポルトガル人コミュニティが存在するし、ハワイのポルトガル人コミュニティは150年の歴史を持つ。 カナダ、特にオンタリオ州ケベック州ブリティッシュコロンビア州では、1940年代以降ポルトガル人コミュニティが大きく発展している。アルゼンチンウルグアイには、20世紀初期からポルトガル人が移住。ポルトガル人コミュニティの強い影響があるカリブ海諸島、特にバミューダバルバドスでポルトガル人漁師が多く存在する。

20世紀初期に、ポルトガル政府はアンゴラモザンビークへの移住を奨励し、結果、1970年代までにアフリカに住むポルトガル人は約65万人にもなった。1975年にアフリカの植民地が次々と独立すると、多くのポルトガル人は本土へと帰国したが、そうでないものは南アフリカへ移住した。これは現在、アフリカ最大のポルトガル人勢力である。

異人種間結婚と文化的影響の結果、ポルトガル系の人々はポルトガル旧植民地よりも多く見られるようになった。特にマレーシアバルバドスアルーバキュラソー島ガイアナ赤道ギニアスリランカなどに多くポルトガル系が存在する。

脚注

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関連項目

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