ナブッコ・パイプライン
ナブッコ・パイプライン(英語: Nabucco pipeline、別名:トルコ・オーストリア・ガス・パイプライン)は、カスピ海地域の天然ガスをトルコを起点としてヨーロッパへ輸送するパイプライン計画。年間310億 m3の天然ガスを、トルコのエルズルムからオーストリアのバウムガルテン・アン・デア・マルヒ (Baumgarten an der March) までのルートで輸送する計画であり、ガスの供給元及びルートからもロシアが外されているが、これは欧州のエネルギー安全保障の観点からロシアのエネルギーへの過度の依存を避けるためであり、ロシアが主導する露ガスプロム社と伊Eni社のサウス・ストリームパイプライン計画のライバルプロジェクトと目されている。一方で、2010年時点で可能性のある供給元として、イラク、アゼルバイジャン、トルクメニスタンの他エジプトなどが候補に挙げられているものの十分な供給量をまかなえず、ガス供給源の確保が大きな課題になっている[1]。
ナブッコ・パイプライン | |
---|---|
ナブッコ・パイプラインの計画ルート | |
位置 | |
国 | トルコ、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア |
方向 | 東–西 |
起点 | トルコ、エルズルム |
終点 | オーストリア、バウムガルテン・アン・デア・マルヒ |
一般情報 | |
輸送 | 天然ガス |
出資者 |
オーストリア:OMV ハンガリー:MOLグループ ルーマニア:トランスガス ブルガリア:ブルガスガス トルコ:ボタッシュ ドイツ:RWE |
運営者 | ナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル GmbH(Nabucco Gas Pipeline International GmbH) |
完成予定 | 2017年 |
技術的情報 | |
全長 | 4,042 km (2,512 mi) |
最大流量 | 年間310億 m3 |
口径 | 56 in (1,422 mm) |
ナブッコ・パイプラインの建設計画は2002年に始まり、2009年7月13日には、トルコ、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、オーストリアの5カ国間で合意書に署名がなされた。この5カ国にドイツを加えた6カ国のコンソーシアム(共同事業体)である「ナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル GmbH」が開発事業者である。
2013年のパイプライン建設着工、2017年の完成が計画されているが、2011年9月にBPがルートが似通った「南東欧州パイプライン (South East Europe Pipeline) 」を提案するなど[2]、ナブッコ・パイプライン建設が予定通り実現するかは不透明な状況である[3][4]。
開発動機
編集ナブッコ・パイプラインは、欧州連合とアメリカ合衆国の主導で開発が進められてきた[5][6][7][8]。欧州横断エネルギーネットワーク構想(英語: Trans-European Networks - Energy, TEN - E)において、ナブッコ・パイプラインは重要戦略に位置づけられている[9][10][11]。プロジェクトの目的はカスピ海地域および中東地域の天然ガスをEU諸国に供給することである[12][13][14]。これは、エネルギーの供給元を多様化し、ヨーロッパへの天然ガスの最大の供給者であったロシアへの依存度を軽減させる意図によるものである[15][16]。2006年のロシア・ウクライナガス紛争はこうした供給元の多角化を目指す要因のひとつとなった[16][17]。また、欧州委員会の報告によると欧州におけるガス消費量は2005年の年間5020億立方メートルから2030年には年間8150億立方メートルへと増加することが予期されており、これは将来ロシア一国では欧州のガス需要を満たしきれない事を意味する[18]。
国際エネルギー機関事務局長(当時)の田中伸男は、ナブッコ・パイプライン計画はガスの供給元を増やすことになり、ヨーロッパのエネルギー安全保障の観点からはサウス・ストリームよりもより効果的であると述べている[19]。
沿革
編集2002年2月、オーストリアのOMV社とトルコ国営ガス会社ボタッシュ (BOTAŞ) との間で欧州-トルコ間を結ぶ天然ガスパイプライン建設について最初の話し合いがもたれた。2002年6月、オーストリアのOMV、ハンガリーのMOLグループ、ブルガリアのブルガルガス、ルーマニアのトランスガス、トルコのボタッシュの計5社が、ナブッコ・パイプライン建設意思確認書に署名し、2002年10月にはこの確認書をもとに各社間で契約書が交わされた。また、この5社会合後、関係者らがウィーン国立歌劇場でジュゼッペ・ヴェルディ作の著名なオペラ『ナブッコ』を鑑賞したことから、このパイプライン計画は「ナブッコ」と名付けられた[20]。なお「ナブッコ」とはバビロン捕囚などで知られる新バビロニアの王ネブカドネザル2世のイタリア語読み「ナブコドノゾール」(Nabucodonosor)に由来する[21]。
2003年12月、欧州委員会は市場調査、技術・経済効果・財務調査など、計画の実現可能性調査のための費用概算額のうち50%を出資することを決定した。 2005年6月28日、ナブッコ・パートナー企業の5社で合弁会社を設立することが合意され、2006年6月26日、ウィーンでナブッコパイプライン建設についての共同声明が発表された[22][23]。2007年9月12日、欧州委員会はヨジアス・ファン・アールツェン (Jozias van Aartsen) 元オランダ外務大臣をナブッコ・プロジェクトのコーディネーターに指名[24]。2008年2月にはドイツのRWEもナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル社の株主となった[25]。
2008年6月11日、アゼルバイジャンは、ナブッコ・パイプラインを通してブルガリアにガスを供給・販売することを取り決めた契約書に署名した[26]。アゼルバイジャン大統領イルハム・アリエフは、2009年1月29日にアゼルバイジャンがパイプラインへのガス供給のためガス生産を 5年の間、少なくとも倍増する計画であることを認めた[27]。2009年4月12日、トルコのエネルギー・天然資源相ヒルミ・ギュレル (Hilmi Guler) は、ナブッコを通過するガスのうち15%はトルコが利用できるとする契約書に署名する用意があることを正式に表明している[28]。
2009年1月27日、ブダペストでナブッコ・サミットが開催された[29]。2009年4月24日・25日には、ブルガリアのソフィアで開催されたエネルギーサミットで、ナブッコは他のエネルギー問題と共に議題にのぼり[30]、また2009年5月8日にはプラハでは南回廊ガス (Southern Gas Corridor) サミットでも議題に取り上げられた[31]。
2009年7月13日、トルコ・アンカラにトルコ、ルーマニア、ブルガリア、ハンガリー、オーストリアの5カ国の首脳が集まり、ナブッコ・パイプライン建設についての5カ国政府間合意書に署名がなされた[32]。この調印式にEUからはジョゼ・マヌエル・ドゥラン・バローゾ欧州委員会委員長とアンドリス・ピエバルグス (Andris Piebalgs) 欧州委員会エネルギー担当委員が、アメリカからは欧州エネルギー問題担当特使のリチャード・モーニングスターとアメリカ合衆国上院外交委員会ディック・ルーガー (Richard Lugar) 上院議員が出席した[33][34]。この政府間合意について、ハンガリーは2009年10月20日に批准し[35]、ブルガリアは2010年2月3日に[11][36]、ルーマニアは2010年2月16日にそれぞれ批准し[37]、最後はトルコが2010年3月4日に批准した[38][39]。
ルート
編集ナブッコパイプラインは、トルコの首都アンカラ南部のAhibozを起点とし、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリーを経由してオーストリア・ウィーン東部のバウムガルテン・アン・デア・マルヒまで、全長3,893kmにおよぶ長大なパイプラインである[40]。Ahibozでは、北方向にグルジアへと繋がる南コーカサス・パイプライン (South Caucasus Pipeline) 、および南西方向にイラクへと繋がるパイプライン(未完成)の二つのパイプライン支線へと連結される予定であり[41]、またイラン・トルコ間を結ぶタブリーズ・アンカラ・パイプラインからのガス供給も予定されている。
パイプライン全体の内、トルコ通過分は2730km、ブルガリアは412km、ルーマニアは469km、ハンガリー384km、オーストリアは47kmである[40]。 ブルガリア国内では、既存のパイプラインと76km並走した後、ヤンボル州のLozenets村にあるガス圧縮基地でブルガリア国営ガス網に接続される[42]。その後、パイプラインはバルカン山脈を横断して北西方面に116.3km 進み、国営ガス網環状ライン北部辺りで既存の東西パイプラインに並走して西に133km、そこから北西に86.5km のドナウ川右岸の都市オリャホヴォにまで至る。ナブッコ・パイプラインとブルガリア国内用パイプラインは、2か所のピグ送出・回収基地・圧縮基地で相互に接続される計画である[43]。
パイプラインはドナウ川の地下を通る形でルーマニア国内へと進み、同国内南西部から北西部へと国境沿いに敷設される予定である。南西部の出発点はドナウ川上流の河港ベケト港 (Port of Bechet) であり、ドルジュ県、メヘディンチ県、カラシュ=セヴェリン県、ティミシュ県、アラド県を通過した後、北西の終着点ナドラク (Nădlac) に至る。このとき計11の保護区域、2つ国立公園、3つ自然保護区、57の水路を通ることになる。ルーマニアでのパイプライン全長は469kmに及ぶ[40][44]。
ポーランドでは、同国の国営ガス会社 PGNiG社がナブッコ・パイプラインからポーランド国内向け支線建設の可能性について調査している[45]。
技術的特徴
編集パイプラインが完成してから数年の間のガス輸送量は、年間45億から130億m3を予定しており、2020年ごろには供給量が年間310億 m3に達する計画である。このうち160億 m3がオーストリア・バウムガルテンにまで輸送される。パイプラインの直径は1,400 mmになる[46]。
なおEU圏内においては、パイプラインに対して関税をはじめとする各種規制が稼働後25年間は適用されないことになっている[12][13][14]
建設
編集ナブッコ計画は欧州横断エネルギーネットワーク構想の一部であり、パイプライン建設の実現可能性調査にはEUから支援金が拠出されている。 パイプラインの基本設計業務(Front end engineering and design、FEED)のほか、パイプライン建設請負会社や地元の工事請負業者の監督、技術面での可能性調査、ルート確認作業、設計ベースでの各準備、水力学的調査、監視制御システム(SCADA)および通信システム全体の整備は、英Penspen社が行う[47]。
ナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル社の最高経営責任者、ラインハルト・ミチェク (Reinhard Mitschek) によると、パイプラインは2013年に着工、2017年までの操業開始を予定している[48][49]。
資金調達
編集パイプライン建設費用は当初70億ユーロと見積られていたが、2011年に総額120億から150億ユーロへと修正された。総工費のうちプロジェクトのパートナー企業が30%を負担するが、残り70%は出資者未定であり、プロジェクトは何らかの金融商品等によって資金を調達する必要がある。出資者は2012年までに決定されることになっている[50]。なお欧州委員会は建設可能性調査費用の50%を負担し[12][13][14]、欧州経済復興計画から20億ユーロを拠出することを決定している[51]。他者からの出資を受ける為には、この決断は2010年末までに下される必要があった[51]。
2009年1月27日にブダペストで開催されたナブッコ・サミットにおいて、欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)の両総裁は、ナブッコ・プロジェクトを支援する用意があると発言している[29]。2010年2月5日、欧州投資銀行副総裁のマティアス・コーラッツ=アーネン(Mathias Kollatz-Ahnen)は、ナブッコ・コンソーシアムは建設費の20-25%にあたる20億ユーロの借り入れを銀行側に求めており、欧州投資銀行は支援の用意はあるものの、当事国が自国のパイプライン通過を法的に認可していることが前提条件となると述べている[52]。
2010年9月、ナブッコ・コンソーシアムは、欧州投資銀行・欧州復興開発銀行・国際金融公社(IFC)との契約に署名した。この契約は、銀行側がデュー・デリジェンス( (due diligence) 、投資家が投資対象の適格性を把握するために行う調査活動)を行った上で総額40億ユーロを投資するものであり、40億の内訳は欧州投資銀行が20億ユーロ、欧州復興開発銀行が12億ユーロ、国際金融公社が8億ユーロとなっている[53]。
供給源
編集ナブッコ・パイプラインへのガス供給源としてはイラク、アゼルバイジャンなどが報じられているが、この他トルクメニスタンも供給元となる可能性がある。最初期段階ではイラクが100億 m3を供給する予定であり[54]、延長工事が予定されているアラブ・ガス・パイプライン (Arab Gas Pipeline) を使用してEkasガス田からガスが供給されることになっている[55]。ハンガリーのMOLは、イラクのクルディスタン地域にあるチャムチャマル (Chamchamal) ガス田およびKhor Morガス田に権益をもつPearl Petroleum社株式の10%を取得した[56]。イラク石油省次官アフメット・シャンマ (Ahmed al-Shamma) は、「イラクのガスは必ずしもナブッコに供給される必要はない。なぜなら、イラクのガスがトルコまで運ばれた後、輸送容量のある他のプロジェクトに回すこともできるからだ。欧州へのガス輸出は新たなガス田が発見してからで、現状では安定的なガス供給を確保するのに不十分である」と述べている[57]。
アゼルバイジャンでは、シャフ・デニズガス田 (Shah Deniz gas field) の第2ステージが2016年に操業開始の予定であり、更なる拡張によって同ガス田からナブッコに年間80億 m3のガスが供給される契約となっている[26][27][58]。トルクメニスタンは年間100億m3の供給が可能とされている[38][59][60][61]。ガスはイランを経由して、或いは建設計画中のカスピ海横断パイプラインによってカスピ海を経由して供給される可能性もある。これについてOMVと独RWEは合弁企業カスピアン・エナジー社(Caspian Energy Company)を設立し、カスピ海を横断するパイプライン建設のための調査を行っている[62]。建設計画中のカスピ海横断パイプラインを通してカスピ海北部地域のガスが供給可能となれば、長期的視野ではカザフスタンも供給源の候補となる[63]。
エジプトもアラブ・ガスパイプラインを利用して30から50億 m3のガスを供給することが可能であり[58]、トルコの首相レジェップ・タイイップ・エルドアンは、ナブッコパイプラインを使って欧州にガスを輸出するようエジプト側に要請した[64]。
イランはトルコを後ろ盾としてナブッコにガスを供給することを申し出たが、EUとアメリカが政治的な理由によりこれを拒否している[6][7][65][66][67]。ブルー・ストリーム (Blue Stream) パイプラインを通じてロシアの天然ガスをナブッコに供給する案もある[58][67]。
プロジェクト事業者
編集ナブッコ・パイプラインのプロジェクト事業者はナブッコ・ガス・パイプライン・インターナショナル社 (Nabucco Gas Pipeline International GmbH) であり、ラインハルト・ミチェク (Reinhard Mitschek) が最高経営責任者を務める[58]。以下の6社が各々16.67%の株式を保有する[68]。
この他、フランスのエンジーがプロジェクトへの参加を申請している[69]。これについて、ナブッコの株主でもあるドイツRWEは「フランスへのドアは開けたままだ」と歓迎する意向を示した[69][70]。またOMV社もエンジーを受け入れることに前向きである[71]。だが、エンジーは後にプロジェクトが「非常に複雑で、通過国が多い」ことで投資意欲が減衰しているとの報道もある[72]。
これとは別に、ポーランドのガス会社PGNiGとアゼルバイジャン国営石油会社(SOCAR)もプロジェクトへ参加への興味を示している[73][74][75]。また、カザフスタンもプロジェクトに参加する用意があることを表明した[76]。
代替プロジェクト
編集2006年、ロシア・ガスプロム社は、ナブッコ・パイプラインに対抗して、2005年に既に正式稼働しているブルー・ストリーム (Blue Stream) パイプライン(ロシア・黒海・トルコ間パイプライン)の追加工事として、トルコからブルガリアとセルビアを通過してハンガリーまでブルー・ストリームを延長する案を示した[77]。また、2007年にはブルガリア、セルビア、ハンガリー、スロヴェニアを経由してオーストリアとイタリアへと天然ガスを輸送するサウス・ストリーム計画が提案された。このサウス・ストリームは、ナブッコ・パイプラインのライバル・プロジェクトとみなされている[11][78][79][80]。2010年3月10日、サウス・ストリームのパートナーであるイタリア・Eni社のパオロ・スカローニCEOは、「投資額と運営コストを減らし、収入を増やすため」ナブッコとサウスストリームをナブッコとサウス・ストリームを統合する案を表明した[81][82]。だがロシアのセルゲイ・シマトコエネルギー相は「サウスストリームはナブッコより競争力がある」、「ナブッコとサウス・ストリームは競争関係になり得ない」として、スカローニの案を取り下げた[83]。またオーストリアのOMV社も、プロジェクトを統合について現在も継続している議論はないとしている[84]。
一方ウクライナは、グルジアとウクライナのガス網を接続させる「ホワイト・ストリーム (White Stream) 」計画を立ち上げた[85]。この他、アドリア海横断パイプライン (Trans Adriatic Pipeline) とギリシャ・イタリアパイプラインもナブッコの競合プロジェクトとみなされている[86]。欧州コーディネーターのヨジアス・ファン・アールツェンによると、これら5つのパイプラインは、アゼルバイジャンのシャフ・デニズガス田へのアクセスを巡って互いに競合関係にあるとし[9]、トルコ・エネルギー相タネル・ユルドゥズ (Taner Yıldız) は、トルコとしてはナブッコとトルコ・ギリシャ・イタリア(TGI)パイプラインを一体化する案を支持していると述べている[87]。
こうした各パイプライン計画とは別に、液化天然ガス(LNG)もナブッコ・パイプラインの(ナブッコのみならずパイプライン全体の)競合相手である。アゼルバイジャン、グルジア、ルーマニア、ハンガリーは2010年9月にAGRI (Azerbaijan–Georgia–Romania Interconnector) を設立した。これはアゼルバイジャンのガスをLNGの形で欧州向けに輸出するプロジェクトである[88]。中東やアフリカの天然ガス産出国からLNGを調達できるようになったことも、パイプラインの経済性が問われる要因のひとつとなっている[89]。
指摘されている問題点
編集政治的・経済的問題
編集ナブッコ・パイプラインのガス供給先は、欧州南東部・中央部の一部の国に限られており[18]、採算が取れるのに必要な量のガスが供給される見通しがないことから、非経済的なプロジェクトであると批判されている[16]。2010年1月現在、供給源に名乗りをあげているのはアゼルバイジャンだけであるが、カスピ海にある同国シャフ・デニズガス田 (Shah Deniz gas field) の生産量は年間80億m3に過ぎず、しかもロシアが既に70億m3分を購入済みである(ナブッコ計画のガス供給総量は310億m3)。こうした中、イランのマヌーチェフル・モッタキー外相は、「ナブッコ・パイプライン計画にイランが参加しないということは、要するにナブッコはガス無しのパイプラインになるということにほかならない。」と述べており、ロシアのプーチン首相も同様の発言をしている[90]。ロシア連邦議会国家院(下院)エネルギー委員会のイヴァン・グラチェフ副委員長は、ナブッコ・プロジェクトの実現性に疑問を投げかけ、同プロジェクトはロシアにプレッシャーをかけるのが目的のプロジェクトであるとの見解を示している[91]。こうした中、ロシアとアゼルバイジャン・トルクメニスタン両国は2010年以降のガス売買契約を結んでおり、これはロシアがナブッコに供給される可能性のあるガスを押さえるためとの見方もある[92][93]。なおアゼルバイジャン側は、ガスは商業的にもっとも魅力あるルートだけに供給されるとの考えを繰り返し表明している[86]。中央アジア・中国パイプライン (Central Asia – China gas pipeline) の開通およびサウス・ストリーム建設の合意が為されたときが、ナブッコ・プロジェクトの終焉を意味するとの見解もある [94]。
一方で、ドイツのRWE社は、ナブッコ・パイプラインはサウス・ストリームやその他のパイプラインと比較しても輸送料金が安価であると主張している。RWEの試算によると、シャフ・デニズガス田から欧州までの輸送料は、ナブッコで1立方メートル当たり77ユーロのところサウス・ストリーム106ユーロである[86]。(注:この試算はナブッコ・パイプラインの建設費用が、計画当初の80億ユーロから2011年に120億-150億ユーロに引き上げられる前のものである。)
トルクメニスタンの人権侵害問題
編集国際NGO「フリーダム・ハウス (Freedom House) 」は、トルクメニスタンを「世界で最も自由度の低い国」のひとつにランク付けしている[95]。ガス利益の透明性を確保する枠組みができておらず[96]、基本的人権や市民権の侵害が疑われる国が参加するパイプライン建設プロジェクトに、EUや他の国際的な金融機関が出資することを批判する国際的NGOもある[97][98][99]。
これらのNGOの主張するところでは、トルクメニスタンがプロジェクトに参加し欧州がトルクメニスタンからガスを購入するようになると、人権侵害の監視など同国政府に対する欧州側の圧力が弱まり、ガスの販売で財政も潤ってしまうことから、トルクメニスタンが世界で最も弾圧的な国であり続けることになってしまうことが危惧される[100][101]。
化石燃料問題
編集欧州投資銀行と欧州復興開発銀行が化石燃料開発プロジェクトへ投資することは、2007年に欧州議会で可決された「化石燃料プロジェクトに関する、輸出信用機関( (Export credit agency) 、ECA)および政策金融機関への公的支援中止」決議[102]に反するものであるとして、両行を批判するNGOもある[103]。
またこれら公的金融機関が、トルクメニスタンの人権・市民権侵害問題を軽く見るような判断を示したことに対して不満の声をあげるNGOもある[104]。
安全保障問題
編集ナブッコ・パイプラインはトルコ南東部を通過するが、同地域では近年、クルディスタン労働者党がBTCパイプラインおよびイラン・トルコパイプラインを爆破しなければならないと宣言しており、パイプラインの安全面を懸念する向きもある[105][106]。またアゼルバイジャンおよびトルクメニスタンからのガスパイプラインは南コーカサス地方を通過するがこの地域も政情が不安定である[107]。
脚注
編集- ^ “Nabucco venture sees Iraq as top supplier”. Hürriyet Daily News and Economic Review. (2010年9月30日) 2010年10月11日閲覧。
- ^ “BP、南東欧にガス管敷設へ:他の3プロジェクトと競争[資源]”. NNA.EU 2011年11月25日閲覧。
- ^ 廣瀬陽子 (2011年11月16日). “独露のノルド・ストリームの開通 ―― その背景と駆け引き”. SYNODOS JOURNAL . 2011年12月7日閲覧。
- ^ 廣瀬陽子 (2011年7月29日). “ロシア対日米 旧ソ連諸国での原発覇権争い 原発輸出をめぐる日露の緊張関係(後編)”. WEDGE Infinity. 2011年12月7日閲覧。
- ^ Taylor, Paul (2008年2月22日). “U.S. throws weight behind EU's Nabucco pipeline”. ロイター 2008年2月23日閲覧。
- ^ a b Nicola, Stefan (2008年2月5日). “Analysis: Europe's pipeline war”. UPI通信社. オリジナルの2008年2月9日時点におけるアーカイブ。 2008年2月24日閲覧。
- ^ a b Grove, Thomas; Coskun, Orhan (2009年7月13日). “Turkish PM says wants Nabucco to transport Iran gas”. ロイター 2009年7月13日閲覧。
- ^ Cendrowicz, Leo (2009年7月13日). “Europe Tries to Break Its Russian Gas Habit”. タイム誌 2009年7月13日閲覧。
- ^ a b van Aartsen, Jozias (2009-02-04) (PDF). Project of European Interest № NG3. Activity Report September 2007 - February 2009. 欧州委員会. オリジナルの2010年1月8日時点におけるアーカイブ。 2010年1月25日閲覧。.
- ^ (PDF) Decision No 1364/2006/EC of the European Parliament and of the Council of 6 September 2006 laying down guidelines for trans-European energy networks (TEN-E). 欧州委員会. (2006-09-22) 2010年1月25日閲覧。.
- ^ a b c “Bulgarian Parliament Ratifies Nabucco Gas Pipeline Project”. RTTNews. (2010年2月3日) 2010年1月8日閲覧。
- ^ a b c d (PDF) Exemption decision on the Romanian section of the Nabucco pipeline. 欧州委員会 2010年1月25日閲覧。.
- ^ a b c d (PDF) Exemption decision on the Hungarian section of the Nabucco pipeline. 欧州委員会 2010年1月25日閲覧。.
- ^ a b c d (PDF) Exemption decision on the Bulgarian section of the Nabucco pipeline. 欧州委員会 2010年1月25日閲覧。.
- ^ “Independence Day For European Gas”. デア・シュピーゲル. (2009年7月13日) 2010年1月17日閲覧。
- ^ a b c “EU backs Nabucco pipeline to get off Russian gas”. AFP (France 24). (2009年1月27日) 2010年1月17日閲覧。
- ^ Lobjakas, Ahto (2009年7月13日). “'Strategic' Nabucco Deal Inked To Help Curb Dependence On Russian Gas”. RFE/RL 2010年1月17日閲覧。
- ^ a b Dempsey, Judy (2009年12月22日). “Hoping for More Than Just Energy From a Pipeline”. ニューヨーク・タイムズ 2009年12月23日閲覧。
- ^ “Energy Supremo: Nabucco Pipeline Is Best European Solution”. Novinit. (2010年2月24日) 2010年3月5日閲覧。
- ^ “Frequently asked questions: Nabucco Gas Pipeline Project”. Nabucco Gas Pipeline International GmbH. 2009年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月8日閲覧。
- ^ 廣瀬 (2010), 「ナブッコ・パイプラインの流れ」
- ^ http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3411/200909_071t.pdf
- ^ Declaration of the Budapest Nabucco Summit. Budapest Nabucco Summit. 27 January 2009. 2009年1月31日閲覧。
- ^ “Hopes revived for stalled Nabucco pipeline”. EurActiv. (2007年9月18日) 2009年7月5日閲覧。
- ^ “RWE keen on Nabucco supplies”. Upstream Online (NHST Media Group). (2007年10月19日) 2007年11月10日閲覧。
- ^ a b Dempsey, Judy (2008年6月11日). “EU natural gas pipeline project gets first order”. ニューヨーク・タイムズ 2010年7月15日閲覧。
- ^ a b “DAVOS-Azeri chief urges political, financial will for Nabucco”. ロイター. (2009年1月29日) 2009年1月31日閲覧。
- ^ “Turkey Hopes to Sign Nabucco Deal by June”. Journal of Turkish Weekly. (2009年4月16日) 2009年4月16日閲覧。
- ^ a b “Proposed Nabucco Gas Pipeline Gets European Bank Backing”. ドイチェ・ヴェレ. (2009年1月27日) 2008年1月31日閲覧。
- ^ Kurt, Süleyman (2009年4月23日). “President Gül invited to Nabucco summit with EU leaders”. Today's Zaman: p. 4 2009年4月28日閲覧。
- ^ "The Declaration - Prague Summit, Southern Corridor" (Press release). Government of the Czech Republic. 9 May 2009. 2009年7月5日閲覧。
- ^ “Europe gas pipeline deal agreed”. BBCニュース. (2009年7月13日) 2009年7月13日閲覧。
- ^ “Nabucco Summits Begins”. Turkish Press. (2009年7月13日) 2009年7月13日閲覧。
- ^ Kelly, Ian (13 July 2009). "Signing Ceremony for the Intergovernmental Agreement on the Nabucco Pipeline" (Press release). アメリカ合衆国国務省. 2009年7月13日閲覧。
- ^ Koranyi, Balazs (2009年10月20日). “Hungary Parliament ratifies Nabucco pipeline deal”. ロイター 2010年1月8日閲覧。
- ^ Tsolova, Tsvetelia (2010年2月3日). “Bulgaria parliament ratifies Nabucco gas project”. ロイター 2010年7月15日閲覧。
- ^ “Romania Ratifies Nabucco Gas Pipeline Agreement”. SeeNews. (2010年2月16日) 2010年7月15日閲覧。
- ^ a b Senerdem, Melis (2010年3月5日). “Turkmen gas deal for Nabucco seen in months-RWE exec”. ロイター 2010年3月5日閲覧。
- ^ Badalova, A. (2010年3月5日). “RWE: Ratifying Nabucco agreement by Turkey gives Azerbaijan and Turkmenistan basis for conclusion of gas contracts”. Trend News Agency 2010年3月5日閲覧。
- ^ a b c “Route”. Nabucco Gas Pipeline International GmbH. 2010年7月15日閲覧。
- ^ "Nabucco: Modification of feeder line concept" (Press release). Nabucco Gas Pipeline International GmbH. 23 August 2010. 2010年10月28日閲覧。
- ^ Стайкова, Росица (2010年). “Газопровод "Набуко" получи обществената подкрепа на Върбица” (Bulgarian). Шуменска заря. 2011年1月18日閲覧。
- ^ “Design of Bulgarian Section of Nabucco Pipeline to Be Ready in Late 2011”. Bulgarian News Agency (Ukrinform). (2010年3月19日) 2010年3月20日閲覧。
- ^ “Environmental and Social Impact Assessment in Romania”. Nabucco Gas Pipeline International GmbH. 2010年7月15日閲覧。
- ^ “PGNiG Eyes Link To Nabucco”. AFX News Limited. Downstream Today. (2008年4月14日) 2008年4月19日閲覧。
- ^ “Nabucco gas pipeline project. Presentation” (PDF). Nabucco gas pipeline project company. (February 2007). オリジナルの2007年9月28日時点におけるアーカイブ。 2007年11月10日閲覧。
- ^ “Penspen takes on Nabucco role”. Upstream Online (NHST Media Group). (2008年1月7日) 2008年4月20日閲覧。
- ^ Harrison, Peter (2011年5月6日). “Nabucco sees commercial gas transport start in 2017”. ロイター 2011年5月6日閲覧。
- ^ “Nabucco Construction Start Delayed To 2013”. Mediafax. (2011年5月6日) 2011年5月6日閲覧。
- ^ Coskun, Orhan (2011年5月6日). “Nabucco investment seen at 12-15 bln euros-sources”. ロイター 2011年5月6日閲覧。
- ^ a b “EU throws €2.3bn at gas, power connections”. EurActiv. (2010年3月4日) 2010年3月5日閲覧。
- ^ Senerdem, Melis; Grove, Thomas (2010年2月5日). “Nabucco seen asking EIB for up to 2 bln euro–EIB”. ロイター 2010年2月8日閲覧。
- ^ “Finance giants run rule over Nabucco”. Upstream Online (NHST Media Group). (2010年9月6日) 2010年10月10日閲覧。
- ^ “Nabucco sets sights on Iraq”. Upstream Online (NHST Media Group). (2010年9月30日) 2010年10月10日閲覧。
- ^ “EU, Iraq Seek To Seal Nabucco Deal Within Weeks - Barroso”. Deutsche Presse-Agentur. Downstream Today. (2008年4月16日) 2008年4月19日閲覧。
- ^ "MOL expands its E&P portfolio by investment in the Kurdistan Region of Iraq" (Press release). MOL. 17 May 2009. 2009年5月17日閲覧。
- ^ “Iraq eyes EU gas exports through Turkey”. Petroleum Economist. (2011年9月8日) 2011年9月15日閲覧。
- ^ a b c d Barnett, Neil (2008年3月14日). “Interview with Nabucco Managing Director Reinhardt Mitschek”. Centre for European Policy Analysis. オリジナルの2011年7月25日時点におけるアーカイブ。 2008年4月20日閲覧。
- ^ “EU secures Turkmenistan gas deal”. BBCニュース. (2008年4月14日) 2008年4月19日閲覧。
- ^ “Ashgabat offers gas for Nabucco”. Upstream Online (NHST Media Group). (2009年7月10日) 2009年7月11日閲覧。
- ^ de Leon, Phillip H. (2009年11月18日). “The Great Geopolitical Battle Over Energy Transit Routes”. Finchannel.com 2009年11月23日閲覧。
- ^ “OMV, RWE Launch Caspian Pipeline JV”. Downstream Today. (2008年12月22日) 2008年12月25日閲覧。
- ^ Yenikeyeff, Shamil (November 2008) (PDF). Kazakhstan's Gas: Export Markets and Export Routes. Oxford Institute for Energy Studies 2011年11月17日閲覧。.
- ^ Barkat, Amiram (2011年9月15日). “Erdoğan urges Egypt to export gas to Europe via Turkey”. Globes 2011年9月15日閲覧。
- ^ “Iran seen as alternative to Turkmenistan in Nabucco gas project”. RIAノーボスチ. (2008年4月11日) 2008年4月19日閲覧。
- ^ Sweeney, Conor (2008年6月5日). “US still opposes Iran as Nabucco gas supplier”. ロイター 2008年6月13日閲覧。
- ^ a b Gokoluk, Selcuk (2009年7月11日). “Russia free to supply gas to Nabucco-U.S. envoy”. ロイター 2009年7月11日閲覧。
- ^ "RWE joins Nabucco consortium as sixth partner. Press release" (PDF) (Press release). Nabucco Gas Pipeline International GmbH. 6 February 2008. 2008年2月19日閲覧。
- ^ a b Ersoy, Ercan; Schneeweiss, Zoe (2010年2月25日). “Nabucco Pipeline to Consider GDF Suez Participation”. Bloomberg Businessweek. ブルームバーグ 2010年3月20日閲覧。
- ^ Badalova, A. (2010年3月2日). “Nabucco shareholders welcome possible participation of GDF Suez in project”. Trend News Agency 2010年3月5日閲覧。
- ^ Geropoulos, Kostis (2009年10月25日). “Gaz de France: Nabucco’s lucky number seven”. New Europe (The Media Company S.A.) 2010年3月20日閲覧。
- ^ Geropoulos, Kostis (2009年10月15日). “France GDF Suez May Consider Joining Nabucco Gas Pipeline”. Novinite 2010年3月20日閲覧。
- ^ “Polish PGNiG plans to join Nabucco -Hungary govt”. ロイター. (2009年1月27日) 2009年1月31日閲覧。
- ^ “OMV: Socar Could Be the Seventh Nabucco Partner”. Downstream Today. (2007年10月5日) 2007年10月13日閲覧。
- ^ “SOCAR not intending to be shareholder in Nabucco gas pipeline construction”. Today.Az. (2008年6月12日) 2008年6月13日閲覧。
- ^ “Kazakhstan to Join Nabucco Project”. Trend News Agency. (2007年10月22日) 2007年11月10日閲覧。
- ^ Dempsey, Judy (2006年7月13日). “Gazprom's grip on Western Europe tightens with pipelines to Hungary”. ニューヨーク・タイムズ 2007年11月10日閲覧。
- ^ MacDonald, Neil (2008年2月25日). “Balkan boost for Russian gas plan”. BBCニュース (BBC) 2008年2月26日閲覧。
- ^ Geropoulos, Kostis (2007年11月3日). “Russia prefers South Stream over Blue Stream II”. New Europe 2009年5月16日閲覧。
- ^ “Gazprom Agrees To Boost Pipeline Capacity”. Deutsche Presse-Agentur (Downstream Today). (2009年5月15日) 2009年5月16日閲覧。
- ^ “ENI calls for South Stream, Nabucco links”. United Press International. (2010年3月11日) 2010年3月20日閲覧。
- ^ Martinez, Andres R.; Resnick-Ault, Jessica (2010年3月10日). “Europe Needs to Push Gas Infrastructure Spending, Scaroni Says”. ブルームバーグ 2010年3月20日閲覧。
- ^ Shiryaevskaya, Anna (2010年3月15日). “Russia Rejects Eni Call to Merge Europe Gas Pipelines”. ブルームバーグ 2010年3月20日閲覧。
- ^ Grove, Thomas (2010年3月18日). “OMV says no ongoing talks to merge rival pipelines”. ロイター 2010年3月20日閲覧。
- ^ Geropoulos, Kostis (2008年2月5日). “Tymoshenko puts new White Stream pipeline on EU table”. New Europe 2008年6月1日閲覧。
- ^ a b c Aliyev, Seymur (2010年1月15日). “Gas exporters wait for efficient commercial offers: Trend Capital commentator”. Trend News Agency 2010年1月16日閲覧。
- ^ “Turkey backs pipeline merger”. Upstream Online (NHST Media Group). (2010年10月7日) 2010年10月10日閲覧。
- ^ “Four countries team up for 'LNG Nabucco'”. EurActiv. (2010年9月20日) 2011年9月15日閲覧。
- ^ Gismatullin, Eduard (2010年11月24日). “BP Says Increased LNG Supply Reduces Europe's Pipe Gas Imports”. ブルームバーグ 2011年9月15日閲覧。
- ^ Daly, John C.K. (2010年1月12日). “Can The $11.4bn Nabucco Pipeline Work Without Iran?”. Journal of Turkish Weekly (Global Research) 2010年3月5日閲覧。
- ^ “Russian MPs criticize Nabucco gas pipeline project”. Echo of Moscow (EU–Russia Centre). (2009年7月14日) 2010年1月16日閲覧。
- ^ Socor, Vladimir (2009年10月15日). “Azerbaijan-Russia Gas Agreement: Implications for Nabucco Project”. 6. Eurasia Daily Monitor 2009年11月23日閲覧。
- ^ Socor, Vladimir (2010年1月4日). “Russia Resuming Gas Imports From Turkmenistan on a Small Scale”. 7. Jamestown Foundation 2010年1月5日閲覧。
- ^ Ramsay, William C. (2009年12月). “Doubts about Nabucco Don't Originate in China - Look to Europe”. Institut français des relations internationales. 2010年1月25日閲覧。
- ^ “country Report”. Freedom House. (2010年) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “European Bank for Reconstruction and Development re-opens purse for Turkmenistan despite lack of evidence of reform”. Global Witness. (2010年4月1日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “European Bank for Reconstruction and Development re-opens purse for Turkmenistan despite lack of evidence of reform”. Global Witness. (2010年4月1日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “Four reasons to keep public money away from Nabucco”. CEE Bankwatch Network. (2009年12月14日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “Energy Security, Human Rights and Western Engagement with Turkmenistan”. Crude Accountability. 2010年7月22日閲覧。
- ^ “Nabucco and Turkmenistan - our energy security, Turkmen's misery”. CEE Bankwatch Network. (2010年) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “All that gas? : The EU and Turkmenistan”. Global Witness. (2009年11月16日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ European Parliament resolution of 29 November 2007 on trade and climate change (2007/2003(INI)). 欧州議会. (2009-11-29) 2010年7月23日閲覧。.
- ^ “Four reason to keep public money away from Nabucco”. CEE Bankwatch Network. (2009年12月4日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “Nabucco and Turkmenistan –our energy security, Turkmen’s misery”. CEE Bankwatch Network. (2010-June) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “PKK assumes responsibility for explosion of BTC”. APA. (2008年8月6日) 2010年7月23日閲覧。
- ^ “Kurdish rebel group claims responsibility for gas pipeline blast”. CNN. (2010年7月21日) 2010年7月22日閲覧。
- ^ “BP shuts in Georgia links”. Upstream Online (NHST Media Group). (2008年8月12日) 2010年7月23日閲覧。
参考文献
編集- 廣瀬陽子 (2010-09-25) (PDF), 東北学院大学 オープン・リサーチセンター 公開講演会 「コーカサスとヨーロッパ」『コーカサスをめぐるエネルギーポリティクス』 2011年11月24日閲覧。
- 古幡哲也 (2010-06-14) (PDF), ユーラシア:アゼルバイジャンとトルコがガス販売・通過の条件で基本合意/正念場を迎えるナブッコ・パイプライン計画, JOGMEC 2011年12月7日閲覧。
関連項目
編集- ロシア・ウクライナガス紛争
- ノルド・ストリーム
- サウス・ストリーム
- バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン(BTCパイプライン)