ダーウィン山脈
チリの山脈
ダーウィン山脈[1](英語: Cordillera Darwin)またはダルウィン山脈は、南アメリカ最南部のフエゴ島にある山脈。氷河に覆われている。
ダーウィン山脈 | |
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ダーウィン山脈にあるStoppani氷河 | |
所在地 | チリ・マガジャネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ州 |
位置 | 南緯54度38分33秒 西経69度36分32秒 / 南緯54.64250度 西経69.60889度 |
最高峰 | ダーウィン山(2,488 m) |
プロジェクト 山 |
地理
編集フエゴ島の南西部にあるダーウィン山脈は、全域がチリ領に位置し、南アメリカ大陸を縦断するアンデス山脈の南端部に当たる。ただしダーウィン山脈は東西に伸びており、その西端はMagdalena海峡付近、東端はYendegaia谷付近である。山々の標高は2,000 mを超え、最高峰はダーウィン山で、標高は2,488 m[注釈 1]。12月の終わりから3月にかけての夏季が登山に適している。
山岳氷河が発達しており、2,300 km2以上の範囲に広がっている。マリネリ氷河はこの山脈から流れているが、遅くとも1960年以降、氷河は後退を始めた[2]。山脈と氷河群はアルベルト・デ・アゴスティニ国立公園の主要部を構成する[3]。
探検史
編集イギリスの帆船ビーグル号は1831年から1836年にかけての世界一周航海の途中、1832年末にティエラ・デル・フエゴに到達した。その後1834年、艦長のロバート・フィッツロイは、この航海に同行していたチャールズ・ダーウィンの25歳の誕生日を祝い、山脈の最高峰をダーウィン山と名付けた[4]。余談であるが、この付近にはダーウィンの名にちなんだ地名として他にダーウィン湾も存在する。
1962年、エリック・シプトンは他3人の仲間と共にダーウィン山脈を縦走し、上述の標高2,580 mの頂上を含むダーウィン山の三つの頂上およびCerro Yagánに初登頂した。また2011年10月、フランス軍のGroupe Militaire de Haute Montagneというチームが29日間をかけて山脈を縦走した[5]。
主な山頂
編集- ダーウィン山 - 2,488 m または 2580 m
- Sarmiento山 - 2,246 m
- Italia山
- Bove山 - 2,300 m
- Roncagli山
- Luis de Saboya山
- Della Vedova山
- Buckland山 - 1,746 m
注釈
編集- ^ ダーウィン山の北西にそびえる標高2,580 mのシプトン山であるとする説もある。John Shipton (2004). “Monte Shipton or Monte Darwin?”. Alpine Journal (London: Alpine Club): 132-142 2012年3月28日閲覧。.も参照。また両方を含む三つの頂上を合わせてダーウィン山と呼ぶこともあり、その場合の最高峰はダーウィンI峰(2,580 m)である。いずれにしてもシプトン山の名は非公式である。
出典
編集- ^ 『世界大百科事典 世界地図』平凡社、1969年7月20日、100頁。
- ^ B.L. Boyda; J.B. Andersona; J.S. Wellnerb; R.A. Fernández (2008-12-05). “The sedimentary record of glacial retreat, Marinelli Fjord, Patagonia: Regional correlations and climate ties”. Marine Geology (255): 165-178. doi:10.1016/j.margeo.2008.09.001.
- ^ “Parque Nacional Alberto de Agostini”. conaf.cl. CONAF. 2019年7月4日閲覧。
- ^ P. Schell (2013). The Sociable Sciences: Darwin and His Contemporaries in Chile (電子書籍) (英語). Springer. ISBN 9781137286062。
- ^ Jill Neate (1994) (英語). Mountaineering in the Andes: A Sourcebook for Climbers. Expedition Advisory Centre, Royal Geographical Society. p. 248. ISBN 9780907649649