セネト
セネト(ヒエログリフけ𓊃:𓈖-𓏏 - Sn.t、SenetまたはSenat[1])は、紀元前3500年ころの王朝誕生前のエジプトに存在した確認されている最古の古代エジプトのボードゲームである[2]。正式なエジプト名はsn.t n.t H'bで「通過ゲーム」の意。
歴史
編集これまで発掘されたあらゆる古代のボードゲームの中で、最も古い遺物がセネトであり、おそらく世界最古のボードゲームである。王朝誕生以前のエジプト(紀元前3500年頃)とエジプト第1王朝(紀元前3100年頃)の両方の墓で発見されている。また、Merknera(紀元前3300年 - 紀元前2700年)や、エジプト第3王朝のHesy-Ra(紀元前2686年頃 - 紀元前2613年)、Rashepes(紀元前2500年頃)の墓の絵の中にもセネトが描かれている。
エジプト新王国の時代(紀元前1567年 - 紀元前1085年)には、セネトは死者の旅のための護符になった。ゲームにおける運の要素と、エジプト人の決定論への信頼がその理由で、成功したプレイヤーは、国の神殿の偉大な神々、ラー、トート、しばしばオシリスらによって守られると信じられていた。そのため、来世までの危険な旅のために、セネトは大抵、墓の中で他の実用品と共に置かれ、ゲームは死者の書の第17章で言及された。ゲームはレバント、キプロス、クレタにも広がったが、宗教的な意味は弱まった。
遊び方
編集セネトのゲーム盤には、30個の四角のマス目があり、10行が3列ある。2揃いの駒(それぞれ、少なくとも5つの駒があり、それ以上のものもある)を使う。セネトは2人のプレイヤーによる、レースゲームである。駒の移動は投げ棒や、しばしば指関節の骨を放る事によって決定された。
実際のルールは、歴史学者による学識に基づく推定が行われたが、まだ議論の的になっている。ティモシー・ケンダルとR・C・ベルの2人のセネト歴史学者は、それぞれ異なるゲームのルールを提案した。これらのルールはセネトのゲームを販売する別々の会社に採用された。
注釈
編集- ^ A history of board games
- ^ In Search of the Meaning of Senet Archived 2008年9月18日, at the Wayback Machine. by Peter A. Piccione
関連項目
編集- メヘン - 古代エジプトのゲーム
- ウル王朝のゲーム - 紀元前2600年頃のウル第1王朝(古代シュメール)のゲーム。三個の三角錐型サイコロを使用した
- タブ - 同様のゲーム盤を使う中東のゲーム
- パチーシ - 十字形のゲーム盤を使うインドのゲーム
- パトリ (ゲーム) - 十字形のゲーム盤を使うメソアメリカのゲーム
- 蛇と梯子
- Tally stick
- Clay tokens - ゲームの駒の起源となったクレイ・トークンは、Denise Schmandt-Besseratの提唱するクレイ・トークン理論では、楔形文字の起源を説明している。