スタノゾロール (Stanozolol) は、ジヒドロテストステロン由来のアナボリックステロイドである。ウィンストロール(経口)やウィンストロール・デポ(筋肉)の名称で商業的に販売されている。1962年にアメリカ食品医薬品局(FDA)に認可された。

スタノゾロール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com Multum Consumer Information
胎児危険度分類
  • X
法的規制
薬物動態データ
生物学的利用能?
代謝肝臓
半減期1日
排泄尿: 84%
データベースID
CAS番号
10418-03-8 ×
ATCコード A14AA02 (WHO)
PubChem CID: 25249
DrugBank DB06718 チェック
ChemSpider 23582 チェック
UNII 4R1VB9P8V3 チェック
KEGG D00444  チェック
ChEMBL CHEMBL1200324 ×
化学的データ
化学式C21H32N2O
分子量328.49
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概要

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アナボリックステロイドの中では比較的副作用が少ないために、ボディビルダーやスポーツ選手に一般的に使用されている。体重を維持しながら脂肪を取り除く事が可能である。

50mg/mLの注射または5mgの錠剤が一般的であった。しかし、最近では100mg/mLのバージョンが利用出来るようになった。5~10mgの経口投与してから10日以内で尿中に排出する事が可能である。

1988年のソウルオリンピックの男子100m決勝で当時の世界新記録を樹立して優勝したベン・ジョンソンが、それまで検出が困難とされていたスタノゾロールに陽性反応を示し、金メダルを剥奪された[1]

21世紀に入り、MLBラファエル・パルメイロバリー・ボンズロジャー・クレメンスなどの大物選手の使用疑惑が次々と浮上した。

2019年、当時オリックス・バファローズに在籍していたジョーイ・メネセスが2019年4月に受けた日本野球機構(NPB)ドーピング検査で、NPBが筋肉増強作用があるとして禁止薬物に指定しているスタノゾロールに陽性反応を示したことが6月27日に判明、同日から2020年6月26日まで1年間の公式戦出場停止処分が出されたため、同日付でオリックス球団との契約を解除されるとともに、NPBから自由契約選手として公示された。

出典

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  1. ^ ドーピングの歴史”. 日本オリンピック委員会公式. 2013年11月22日閲覧。[リンク切れ]