シャトレーゼ
株式会社シャトレーゼは、山梨県甲府市に本社を置く食品メーカー。キャッチコピーは「自然のおいしさと。人の想うおいしさと。」。
本社工場 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒400-1508 山梨県甲府市下曽根町3440-1 (山梨県食品工業団地内) 北緯35度35分31.6秒 東経138度33分46.4秒 / 北緯35.592111度 東経138.562889度座標: 北緯35度35分31.6秒 東経138度33分46.4秒 / 北緯35.592111度 東経138.562889度 |
設立 | 2010年4月1日 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 4090001007288 |
事業内容 | 食品製造販売およびフランチャイズ店の全国展開 |
代表者 |
齊藤寛(代表取締役会長) 古屋勇治(代表取締役社長) |
資本金 | 5000万円 |
売上高 | 543億円(2019年3月期) |
従業員数 | 1,000名 |
主要株主 | シャトレーゼホールディングス 100% |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
解説
編集シャトレーゼ (Châteraisé) の社名は、フランス語で城を意味するシャトー (Château) と、ブドウを意味するレザン (Raisins) を合わせた造語で、「ぶどうの城」を意味する。現在の会社は2010年(平成22年)4月に(旧)シャトレーゼから食品事業を分社したものである。(旧)シャトレーゼは持株会社化し、シャトレーゼホールディングスとしてシャトレーゼの全株式を保有している。
旧シャトレーゼ時代の1980年代から、卸売を介さず各地の自社工場からフランチャイズ店舗へ配送している。山梨県内の工場から自社トラックで配送するが、北海道および九州地方などの遠隔地は、それぞれに工場を設置している。日本国外店舗は、製造拠点のある地域は店舗へ配送するが、製造拠点がない地域は日本の工場で製造した商品を冷凍して航空扱いで送っている。日本国内店舗は、自前のECサイトおよび直営店以外で販売しておらず、ショッピングセンターからの出店依頼も断っていた[1]。
現在は他社と協業し、セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンなどのコンビニエンスストア向けに自社商品を卸売りしたり、イトーヨーカドーやイオンモールなどのショッピングセンター内で出店したりしている。
沿革
編集分社前の沿革はシャトレーゼホールディングス#歴史を参照。
製品
編集主に以下の製品を製造・販売している。
洋菓子
編集など
和菓子
編集など
飲料
編集など
その他
編集原料に牛乳・鶏卵・小麦粉を使用していない食物アレルギー対応のケーキや、糖尿病などに対応するため糖質を低減したケーキやアイスクリームも開発・製造し販売している。
工場
編集2023年(令和5年)6月現在、下記の8工場が稼動している。
- 本社工場(山梨県甲府市)
- 白州工場(山梨県北杜市)
- 1994年(平成6年)稼動開始。かつては一般の見学を受け入れていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年から休止となり、再開しないまま2022年に終了[4]。
- 豊富工場(山梨県中央市)
- 1997年(平成9年)稼動開始。
- 2002年(平成14年)稼動開始。
- 2009年(平成21年)稼動開始。
- 2020年(令和2年)稼働開始。
店舗
編集店舗デザインは、初代は青色と黄色を基調に「シャトレーゼ」表記と3人の子供をあしらったデザイン、2代目は「Châteraisé」表記となりショートケーキ風の白色とピンク色を基調としたもの、現在使用されている3代目は表記はそのままにチョコレート色となっている。店舗の造りも2代目まではオープン的な造りであったが、現在は一般的なクローズ形態の店舗となっている。旧形態の店舗も順次改装を行い、新しいタイプのデザインに置き換わっている。
2022年8月現在、日本国内では沖縄県のみ店舗がなく[7]、過去に出店した実績もない。
日本
編集現行店舗については、シャトレーゼ公式サイト「店舗案内」を参照。
YATSUDOKI
編集2019年9月より開始した都心型の新業態である。店名は「おやつ時」と、八ヶ岳や末広がりを意味する「八」を掛け合わせた[8]。9月14日に東京都中央区銀座に1号店「YATSUDOKI銀座七丁目」を開店[8]。2020年4月24日に都外初の「YATSUDOKI甲府駅北口」を山梨県甲府市に開店した[9]。
2024年8月時点で東京都と山梨県以外に宮城県、埼玉県、神奈川県、長野県、京都府、兵庫県にYATSUDOKIの店舗がある。
日本国外
編集シャトレーゼ直営
編集2023年3月時点では以下の通り。
国・地域名 | 進出年月日 | 1号店 | 店舗のある都市 | 進出していた都市 |
---|---|---|---|---|
シンガポール | 2015年4月1日 | 伊勢丹ジュロンイースト店内 | シンガポール | |
台湾 | 2015年11月1日 | 台北市台北駅付近の北平西路 | 台北市 | 新北市、台中市 |
中国 | 2015年12月1日 | 上海市黄浦区 | 深圳市、広州市 | 上海市、成都市 |
マレーシア | 2016年3月26日 | 複合商業施設「スリア KLCC」 | クアラルンプール、プタリン・ジャヤ | |
UAE | 2016年11月20日 | ドバイ「Mirdif 35」 | ドバイ | |
香港 | 2017年1月13日 | アピタの関連店舗 | 香港 | |
タイ | 2017年7月14日[10] | 伊勢丹バンコク店 | バンコク | |
インドネシア | 2017年11月24日 | ショッピングモール「スナヤンシティ」 | ジャカルタ | |
ベトナム | 2019年1月1日 | ハノイ市ロンビエン区のイオンモール | ホーチミン市 | ハノイ市 |
かつては以下の国・地域に出店を行っていた。
国・地域名 | 進出年月日 | 1号店 | 進出都市 | 備考 |
---|---|---|---|---|
韓国 | 2016年9月14日 | ソウル市江南区三成洞 | ソウル市、城南市、高陽市 |
メートル・ポール運営
編集オランダにある完全子会社のメートル・ポールが製造および運営する。北ブラバント州ティルブルフに1号店を開業し[11]、かつては同州アイントホーフェンにも出店していた。シャトレーゼ直営ではないことから、シャトレーゼの公式サイトには記載されていない。
主な出来事
編集ここでは分社化前の(旧)シャトレーゼ(現・シャトレーゼホールディングス)の食品事業についても記述する。
金属片混入
編集2004年4月7日によつ葉乳業がドイツ・ノルドミルヒ社から輸入した無塩バター[12]から金属片が発見された。シャトレーゼも当該品を使用[13]しており、レーズンサンドを食した1人が口を切る怪我をしたことから20品目約84万個を回収した[13]。対象製品は25品目190万個まで拡大して2億円の回収費用を費やし、売り上げも一時低迷した[14]。シャトレーゼはよつ葉乳業に6億円の損害を求めて東京地方裁判所へ提訴したが、2008年9月24日に和解が成立し、よつ葉乳業はシャトレーゼに対して億単位の賠償金を支払った[14]。
水道水白濁
編集2007年2月12日から2月13日にかけて、豊富工場で洗浄用水道水の白濁が発見された。シャトレーゼは該当日に製造された28商品11万5千個をすべて破棄するとともに、3月28日に水道の管理者である中央市に損害賠償を要求する文書を提出した[15]。中央市は「白濁を予見するのは不可能」として損害賠償の支払いを拒否した。シャトレーゼは水道水の使用を断念して豊富工場・本社工場に貯水槽を設置し、白州工場から地下水をくみ上げタンクローリーで両工場へ運搬した[16]。
不正アクセス
編集2015年7月27日にシャトレーゼのインターネットサーバ内にあるSQLインジェクションを攻撃する不正アクセスが発生した。28日にその痕跡を発見し調査を開始。28日夜より公式サイトを情報流出によるお詫びに置き換え、通信販売の受付を一時停止した[17]。30日、不正アクセスにより約21万人分の会員情報が流出した可能性があることを発表した[18]。直営店の営業およびサーバーが独立しているシャトレーゼベルフォーレワイナリーの通信販売は通常通り行われていた。10月13日からオンラインショップを再開して全面復旧した。
無償提供
編集2021年1月に発生した令和3年豪雪のため福井県内の北陸自動車道上でシャトレーゼの配送トラックが立ち往生した際、積載していた菓子類を社長の指示で周囲の車両にいる人々へ無償提供した。山梨県が孤立した2014年の平成26年豪雪の際も大月市内の中央自動車道上で同様の対応をしていた[19]。
賞味期限改ざん
編集2023年、店舗で冷凍販売しているスイーツ「濃厚ショコラテリーヌ」の一部において、同製品を製造する子会社が賞味期限の書き換えを行なっていたことが発覚し、9月7日に公式サイト上で謝罪した[20]。
昆虫混入
編集2024年、購入した菓子の袋にカメムシが混入していたとして、購買者がシャトレーゼのお客様相談室に電話で連絡、シャトレーゼから期限を設けて報告する旨回答があったが、期限を過ぎても連絡がなく、再度問い合わせし責任者との話し合いを求めたが拒絶されたた[21]。シャトレーゼは、2週間かけ製造ラインを止め、原因究明にあたったこと、調理の工程でなく包装工程での混入と推測されることから、製造ライン全体で防虫対策を徹底し、洗浄、殺菌や全点検を行ったこと、過去2年間にさかのぼってもカメムシ混入の事実はなく今回は偶発的なものと判断したことを発表するとともに、客への対応において報告の大幅な遅れや不十分なコミュニケーションがあったこと、信頼回復に向け誠意ある対応をとる所存であることを報告した[22]。また、カメムシの混入をホームページで公表し、「みなさまに多大なるご心配をおかけした。改めておわびする」と謝罪した[23]。
テレビ番組
編集書籍
編集- 宝島社(編)『おいしい! シャトレーゼBOOK』宝島社 TJMOOK、2021年1月18日、ISBN 9784299012180
- 齊藤寛『シャトレーゼは、なぜ「おいしくて安い」のか』CCCメディアハウス、2021年9月21日、ISBN 9784484212289
関連項目
編集- さかえ屋 - 福岡県に本社を置く菓子製造販売会社。九州進出時に競合していたが、2015年にシャトレーゼホールディングス傘下入りし関連会社となっている。
- 亀屋万年堂 - 東京都に本社を置く菓子製造販売会社。2021年にシャトレーゼホールディングスが全株式を取得し、子会社化した[26]。
- フジドリームエアラインズ - 1号機のスポンサーを務めるほか、機内食として茶菓を提供している。
- サンパーク - シャトレーゼのフランチャイジー。海外展開に積極的でシンガポールに9店舗(2024年9月現在)出店などの実績。
- ヤマダデンキ - シャトレーゼとフランチャイズ契約を結び、一部のヤマダデンキの店舗でシャトレーゼの店舗を運営している。
脚注
編集- ^ 『日経スペシャル カンブリア宮殿』2014年11月6日放送
- ^ シャトレーゼ オランダに海外第一号店 3年後、売上100億円目標(2012年10月5日、産経新聞関西版)
- ^ 「シャトレーゼ、西部のシンガポール伊勢丹に出店-アジア1号店」(2015年4月、シンガポール経済新聞)
- ^ 『「白州工場見学」の中止と新企画の開始についてのお知らせ』(pdf)(プレスリリース)株式会社シャトレーゼ、2022年4月12日 。2023年12月17日閲覧。
- ^ 株式会社菜花堂の株式取得に関するお知らせ 2022年1月18日
- ^ シャトレーゼ、茨城や鹿児島に新工場 生産拠点網を拡充日本経済新聞 2022年12月22日
- ^ 店舗案内 シャトレーゼ
- ^ a b “【ファン歓喜】シャトレーゼが銀座に進出! 新ブランドのスイーツ、めちゃウマだった。”. 東京バーゲンマニア (株式会社ジェイ・キャスト). (2019年9月5日) 2020年1月7日閲覧。
- ^ 『「YATSUDOKI 甲府駅北口」4 月 24 日(金)にグランドオープン』(PDF)(プレスリリース)株式会社シャトレーゼ、2019年12月11日。オリジナルの2021年10月6日時点におけるアーカイブ 。2020年4月16日閲覧。
- ^ シャトレーゼ、タイ1号店「Chateraise ISETAN BANGKOK店」をオープン 日本経済新聞 プレスリリース速報、2017年7月14日
- ^ 〜日本のスイーツを本場・欧州へ〜 シャトレーゼ 海外第一号店 10/5オープンします! |株式会社シャトレーゼのプレスリリース
- ^ 当時の名称。動物由来の塩分が含まれることから、正規表示要求により現在は「食塩不使用バター」と表記。
- ^ a b 「原料のドイツ製バターに金属片 焼き菓子、缶詰など自主回収」(2004年4月8日、産経新聞)
- ^ a b 「金属片混入バター訴訟 シャトレーゼ よつ葉と和解 東京地裁で」(北海道新聞、2008年10月2日)
- ^ 「中央市、賠償請求応じず 水道水白濁問題 「予見は不可能」 シャトレーゼに伝える」(2007年5月9日、山梨日日新聞)
- ^ 「菓子製造のシャトレーゼ、主力2工場の生産に使う水を天然水に全面切り替え」(日本経済新聞、2007年5月17日)
- ^ 「シャトレーゼにSQLインジェクション攻撃、情報流出の疑い」(2015年7月30日、ITmedia)
- ^ 「シャトレーゼ:会員情報流出か…最大20万人以上」(2015年7月30日、毎日新聞)
- ^ “立ち往生の北陸道で積み荷のお菓子配る 菓子製造販売シャトレーゼのトラック”. 産経新聞(産経ニュース). (2021年1月13日). オリジナルの2021年2月3日時点におけるアーカイブ。 2021年1月13日閲覧。
- ^ シャトレーゼのチョコ菓子、約4千個の賞味期限を書き換え 自主回収 朝日新聞、2023年9月8日
- ^ “【独自】カメムシ“丸々1匹”がお菓子に混入 口に入れて“異物感”に気づく…メーカー「2週間以内に原因報告」とするも連絡無く|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2024年11月7日). 2024年11月7日閲覧。
- ^ “【お詫びとご報告】異物(カメムシ)混入関連報道について”. シャトレーゼ. 2024年11月8日閲覧。
- ^ 産経新聞 (2024年11月7日). “シャトレーゼの菓子にカメムシ混入 包装段階での「偶発的事故」会社が謝罪”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年11月7日閲覧。
- ^ 大手に出来ないことをやれ!格安スイーツで年商500億円!反骨のシャトレーゼ80歳の執念 - テレビ東京 2014年11月6日
- ^ コロナでも快進撃!スイーツのシャトレーゼの独自戦略 - テレビ東京 2020年10月15日
- ^ “シャトレーゼ会長「和菓子店を全国に」 亀屋万年堂買収”. 日本経済新聞. (2021年1月25日) 2021年1月25日閲覧。