シベ族
シベ族(シベぞく[1]、シベ語:ᠰᡞᠪᡝ 転写:Sibe、中文表記: 锡伯族、拼音: 、英文表記: The Xibe,The Sibe)は、中華人民共和国に居住するツングース系の少数民族。
シベ族の軍人(1882年の絵画) | |
総人口 | |
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188824人(2010年)[1] | |
居住地域 | |
中国 (新疆ウイグル自治区 · 遼寧省 · 吉林省) | |
言語 | |
シベ語 | |
宗教 | |
仏教、多神教、シャーマニズム | |
関連する民族 | |
満洲民族、テュルク系民族、モンゴル系民族 |
ヌルハチがその支配する土地を満洲と名乗った当時の、女真族の一支族であるシベ(錫伯)部[2]を起源とする人々。シボ族(シボぞく[3][4][5])というカナ表記も広く用いられている。
概要
編集もともと内モンゴル自治区北部のフルンボイル市ハイラルにある室韋山を原住地とする女真族の一種である。近代では鮮卑の一支族という主張もあるが、根拠は全くない。
遼寧省の瀋陽、開原、義県、北鎮、新民、鳳城などの他、新疆ウイグル自治区の イリ・ハザク自治州チャプチャル・シベ自治県、及びイリ川流域の霍城県、トックズタラ県にも集中し、その他吉林省の扶余市、前ゴルロス・モンゴル族自治県、北京などにも散在する。
自治県
編集民族鎮
編集民族郷
編集- 扶余市
- 三駿満族モンゴル族シベ族郷
人口
編集2000年の人口調査ではシベ族人口は188,824人で、中華人民共和国政府が公認する56の民族の中では31番目に多い。
言語
編集満洲に住むシベ族は漢文とモンゴル文を使うが、新疆に住むシベ族はアルタイ語族の満洲語に属するシベ語を話し、満洲文字を改良したシベ文字を使用する。
歴史
編集シベ族は女真族の一種であり、満洲に住んでいた。1593年シベ族はヌルハチの満洲軍に征服され、モンゴル八旗や満洲八旗に編入された。 その後、清軍の中国人征服に従軍し、中国各地に駐屯するようになった。とくに1764年の乾隆帝の時代には1016人のシベ族兵士が新疆辺境守備を命じられ、満洲から移住しており、これに家族や親戚数千人も同行した[6]。これが新疆のシベ族の起源である。満洲民族が満洲語を喪失した現在、新疆のシベ族は満洲語を話し、満洲文字を読む数少ない民族となっている。
遺伝子
編集シベ族のY染色体ハプログループはC2が26.8%、O2が26.8%、Nが17.1%である[7]。
著名人
編集- エルグルン(Ergulun、額爾古倫) - 清の軍人。ジャハーンギール・ホージャの乱平定に活躍。
- トン・リーヤー(佟麗婭) - 女優。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 承志『ダイチン・グルンとその時代:帝国の形成と八旗社会』p.6(名古屋大学出版会,2009,2, ISBN 978-4-8158-0608-8)
- ^ 祁美琴 強光美(2015)『満州語『満洲実録』訳編(中国語、満州語)・巻一』
- ^ 「シボ族・西遷節」 サーチナニュース 2007年6月5日
- ^ シボ族 xibo zu Xibe ethnic minority group 中国网 JAPANESE.CHINA.ORG.CN
- ^ 石田耕一郎「消えゆく満州語」2・3,2013年12月10日・12月11日,『朝日新聞』(大阪本社夕刊)
- ^ 中国の歴史 12 清朝二百余年 p3-7 陳舜臣 平凡社 1982年12月刊
- ^ Yali Xue et al 2006, Male demography in East Asia: a north-south contrast in human population expansion times Archived September 6, 2008, at the Wayback Machine.