アレクシス・コーナーAlexis Korner1928年4月19日 - 1984年1月1日)は、イギリスのミュージシャン。多くのブルース・ミュージシャンを育てた功績から、「ブリティッシュ・ブルースの父」と呼ばれる。

アレクシス・コーナー
Alexis Korner
アレクシス・コーナー(1972年)
基本情報
出生名 Alexis Andrew Nicholas Koerner
別名 "Father of British Blues"
生誕 (1928-04-19) 1928年4月19日
出身地 フランスの旗 フランス パリ
死没 (1984-01-01) 1984年1月1日(55歳没)
ジャンル ブルース
ブルースロック
職業 ミュージシャン、シンガーソングライター、歴史家、司会
担当楽器 ボーカル、ギター、ピアノ
活動期間 1945年 - 1984年
レーベル デッカ・レコード
ポリドール・レコード
Spot Records
CBSレコード
トランスアトランティック・レコード
フォンタナ・レコード
RAK Records
Tempo Records
ブレイン・レコード
リバティ・レコード
Atlantic/Metronome
77レコード
ワーナー・レコード
カリスマ・レコード
共同作業者 ブルース・イン・コーポレイテッド
フリー・アット・ラスト
CCS
スネイプ

経歴

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フランスパリで生まれ、様々な国に引っ越した後、1940年5月にロンドンに移る。

1940年代後半にギターピアノを始め、1950年代中期には本格的にブルースを演奏するようになる。ハーモニカ奏者のシリル・デイヴィスと共同で、ロンドンソーホーロンドン・ブルース・アンド・バレルハウス・クラブを開いた[1]。同クラブはイギリスで最初のブルース・クラブであり、ビッグ・ビル・ブルーンジーソニー・テリーブラウニー・マギーマディ・ウォーターズらがステージに立った。

1961年、デイヴィスとアレクシス・コーナーズ・ブルース・インコーポレイテッドブルース・インコーポレイテッド)を結成。1962年3月から毎週土曜日にウェスト・ロンドンイーリング・ジャズ・クラブに出演した。初期のメンバーは、コーナー(ギター)、デイヴィス(ハーモニカ)、アート・ウッド(ボーカル)、チャーリー・ワッツ(ドラムス)ほか。多くの若手ミュージシャンが入れ替わり参加し、その中にはロング・ジョン・バルドリー(ボーカル)、ディック・ヘクストール=スミス[注釈 1]サクソフォーン)、ジャック・ブルース[2]ダブル・ベース)、ジンジャー・ベイカー[注釈 2][3](ドラムス)、グレアム・ボンド[4][注釈 3](サクソフォーン)がいた。ブライアン・ジョーンズもコーナーのライブに参加したことがあり、その時にミック・ジャガーキース・リチャーズに見初められたことがローリング・ストーンズ結成のきっかけとなった[5]

1967年のアルバム『I Wonder Who』には、後にペンタングルリズム隊となるダニー・トンプソンテリー・コックスが参加。この頃、後に有名になるフリーの名付け親となりデビューの後押しをした[6]

1968年、レッド・ツェッペリン加入前のロバート・プラントと共演した時の音源は、1972年に発売された編集盤『ブートレグ・ヒム!』[7]に収録された。

1970年、ピーター・ソラップ(Peter Thorup、ギター)らとCCS(Collective Consciousness Society)を結成。レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」のカヴァー「Whole Lotta Love」[8]がヒットする。1971年6月、ハンブル・パイスティーヴ・マリオットグレッグ・リドリー、ジェリー・シャーリーと共にB.B.キングのアルバム『イン・ロンドン』収録曲「アレクシス・ブギー」のレコーディングに参加[9]

1972年、ソラップ、ボズ・バレル[注釈 4](ベース)、イアン・ウォーレス(ドラムス)、メル・コリンズ(フルート、サクソフォーン)[注釈 5]とスネイプ[10]を結成し、翌年、アルバム『アクシデンタリー・ボーン・イン・ニューオーリンズ』発表[11][12]

1978年、教え子的存在のチャーリー・ワッツジャック・ブルースイアン・スチュワートらとロケット88を結成して活動[13]

1984年1月1日、肺癌で他界。享年55歳。

ディスコグラフィ

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  • Blues from the Roundhouse 10" (1957年) ※Alexis Korner's Breakdown Group名義
  • 『R&B フロム・ザ・マーキー』 - R&B from the Marquee (1962年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • Alexis Korner and Friends (1963年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • 『アット・ザ・キャバーン』 - At the Cavern (1964年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • 『アレクシス・コーナー・オール・スターズ』 - Red Hot from Alex (1964年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • 『アレクシス・コーナーズ・ブルース・インコーポレイテッド 』 - Alexis Korner's Blues Incorporated (1965年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • 『スカイ・ハイ』 - Sky High (1966年) ※ブルース・インコーポレイテッド名義
  • I Wonder Who (1967年)
  • 『ア・ニュー・ジェネレーション・オブ・ブルース』 - A New Generation of Blues (1968年)
  • Both Sides (1970年) ※New Church名義
  • 『C.C.S. (集合意識協会)』 - CCS 1st (1970年) ※CCS名義
  • Alexis Korner (1971年)
  • 『ブートレグ・ヒム!』 - Bootleg Him! (1972年)
  • CCS 2nd (1972年) ※CCS名義
  • 『アクシデンタリー・ボーン・イン・ニューオーリンズ』 - Accidentally Borne in New Orleans[14] (1973年) ※with Peter Thorup、スネイプ
  • 『ライヴ・オン・ツアー・イン・ジャーマニー』 - Live on Tour in Germany (1973年) ※with Peter Thorup、スネイプ
  • The Best Band in the Land (1973年) ※CCS名義
  • Alexis Korner (1974年)
  • Get Off My Cloud (1975年)
  • The Lost Album (1977年)
  • Just Easy (1978年)
  • The Party Album (1979年) ※Alexis Korner and Friends名義
  • Me (1980年)
  • Rocket 88 (1981年) ※ロケット88名義
  • Juvenile Delinquent (1984年)
  • Testament (1985年) ※with Colin Hodgkinson
  • Live in Paris (1988年) ※with Colin Hodgkinson

脚注

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注釈

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  1. ^ グレアム・ボンド・オーガニゼーションジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズを経てコロシアムを結成した。
  2. ^ ワッツに席を譲られる形で加入した。
  3. ^ 1962年末に脱退したデイヴィスの後任として加入。1963年4月にブルースとベイカーを強引に道連れにして脱退して、ジョン・マクラフリン(ギター)と4人でグレアム・ボンド・カルテットを結成。同年9月にマクラフリンが脱退するとヘクストール=スミスを迎えてグレアム・ボンド・オーガニゼーションとして活動した。
  4. ^ 当時はボズ(Boz)。
  5. ^ バレルら3人は元キング・クリムゾンのメンバー。1972年初めにキング・クリムゾンの解散が決まった後、契約履行の為に行なわれたアメリカ・ツアーでコーナーと一緒になり、意気投合してツアー終了後に合流した。

出典

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  1. ^ Shapiro (2010), pp. 58–59.
  2. ^ Shapiro (2010), pp. 17, 58.
  3. ^ Baker, Ginger; Baker, Ginette (2010). Ginger Baker: Hellraiser. London: Bonnier Books. pp. 60-61. ISBN 978-1-84454-966-5 
  4. ^ Shapiro (2010), pp. 65–66.
  5. ^ Brian Jones : AllMusic - Biography by Richie Unterberger
  6. ^ Free : AllMusic - Biography by Jason Ankeny
  7. ^ Discogs”. 2024年7月28日閲覧。
  8. ^ Discogs”. 2024年7月28日閲覧。
  9. ^ B.B. King - In London (Vinyl, LP, Album) at Discogs
  10. ^ Discogs”. 2024年7月28日閲覧。
  11. ^ Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. pp. 369-370. ISBN 978-1916153004 
  12. ^ Discogs”. 2024年11月2日閲覧。
  13. ^ Shapiro (2010), p. 218.
  14. ^ "Accidentally Born in New Orleans" SNAPE”. Alexis-korner.net. 5 July 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。27 June 2014閲覧。

引用文献

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  • Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. ISBN 978-1-906002-26-8 

外部リンク

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