羽沢横浜国大駅
羽沢横浜国大駅(はざわよこはまこくだいえき)は、神奈川県横浜市神奈川区羽沢南二丁目にある、相模鉄道(相鉄)[1]・東日本旅客鉄道(JR東日本)[2]の駅である[3][4]。相鉄側の駅番号はSO51が付与される[5]。JR東日本側では駅番号を設定していない。2022年度下期に、当駅から新横浜駅(仮称)まで相鉄新横浜線が延伸する予定である[6]。
羽沢横浜国大駅 | |
---|---|
開業日の羽沢横浜国大駅(2019年11月30日) | |
はざわ よこはまこくだい Hazawa yokohama-kokudai | |
所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区羽沢南二丁目471 |
駅番号 | SO51 |
所属事業者 |
相模鉄道 東日本旅客鉄道(JR東日本) |
電報略号 | ハワ |
駅構造 | 地下駅 |
ホーム | 2面2線 |
開業年月日 | 2019年(令和元年)11月30日[7][6] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 |
相鉄新横浜線 (JR直通線)[* 1] |
キロ程 | 2.1[* 2] km(西谷起点) |
所属路線 | 相鉄線直通[* 1] |
キロ程 |
約0.6km(既設線・連絡線結節点起点)[* 2] 鶴見から8.8km 新宿から品川・品鶴線経由で37.2 km |
備考 |
共同使用駅(相模鉄道の管轄駅[9]) JR東日本: 横浜市内駅 |
概要
相鉄・JR直通線の運行に伴い2019年(令和元年)11月30日に開業した駅[7][10]である。相鉄が管理するJR東日本との共同使用駅であり、相鉄とJR東日本の運賃計算上の境界となる[11]。
鉄道不便地域だった羽沢地域の利便性向上が期待されている。特に近隣住民や横浜国立大学の関係者などが当駅を利用すると見込んで、相鉄・JR直通線の開業時点での乗降客数を1日約1万人、相鉄・東急直通線の開業後には約1.6万人になると予測している[12]。
JR東日本においては特定都区市内の「横浜市内」の駅となるほか、大都市近郊区間(東京近郊区間)・電車特定区間内の駅と指定されている[2][注 1]。
歴史
相鉄本線西谷駅から当駅までの地下連絡線を建設し、JRと相鉄との相互乗り入れを行う事業計画(相鉄・JR直通線)は2015年(平成27年)の開業を目標に建設が進められていた[13]。しかし、貨物線との接続に時間がかかることが判明し、開業は2018年度内にずれ込む見通しとなった[14]。さらに、2016年(平成28年)8月になって、開業は2019年度下期となることが発表された[6]。
また、当駅から東急電鉄(東急)東横線・目黒線日吉駅へ通じる連絡線も整備され、東急およびその先の東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線との相互乗り入れを行う事業(相鉄・東急直通線)が計画されている[15]。こちらも当初予定の2019年度から2022年度下期に開業が延期されている[6]。
年表
-
建設中の様子(2018年4月15日)
-
開業直前の様子(2019年11月2日)
駅構造
地上階に改札口1カ所、地下1階に相対式2面2線のホームがある[23]。ホームの東側(東京方向)でJR直通線と東急直通線が分岐し、JR直通線はその先で東海道貨物線に合流する構造とされている[4]。両ホームとも当初よりホームドアが設置される[24]。
開業時点で駅構内に売店は設置されていないが[17]、ホームにベンチや自動販売機などが備えられている[25]。エレベーター2基、エスカレーター4基を備えている[16]。
また、当駅にて相鉄の乗務員と交代を行うJR東日本新宿運輸区の乗務員専用の休憩・宿泊スペースが用意されている。
相鉄線の管轄駅でみどりの窓口や指定席券売機がないため、当駅にてJRの長距離きっぷは購入できない(福岡市交通局が管轄する姪浜駅とほぼ同じ)。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 相鉄新横浜線 | 下り[26] | 大和・海老名・湘南台(二俣川のりかえ)・横浜(西谷のりかえ)方面[24] | 早朝時間帯における当駅始発の列車は2番線から発車 |
2 | 相鉄線直通 | 上り[26] | 新宿方面 |
(出典:JR東日本:駅構内図)
- ホームには色灯式信号機が計6か所配置されており、なんらかのアクシデントが発生したときに備え、折り返し運転ができる構造になっている。1番線からJR線方面、2番線から西谷方面の列車を発車させることができる[27]。ダイヤ改正以降は、早朝に当駅始発の西谷行きが3本、海老名行きが1本設定され、いずれも2番線からの発車となる。異常時の直通運転中止時には、相鉄は当駅 - 西谷間の折り返し便を基本的には運行させ、JRも場合によるが当駅折り返しの列車を設定することを想定しているという[28]。
- JR線直通列車の発車時用に、JR東日本仕様の発車メロディが両番線ともに導入されている[注 2]。曲はスイッチ制作の「キッズステーション」である。
駅デザイン
駅舎のデザインはデザインブランドアッププロジェクトに基づき、ダークグレーを基調として、鉄・レンガ・ガラスを用いたものになっている[3]。
-
改札口(2019年12月21日)
-
コンコースを改札外より撮影
(2020年2月7日) -
コンコースを改札内より撮影
(2020年2月7日) -
ホーム(2020年2月7日)
-
ホーム(2020年2月7日)
-
ホームより改札階へのエスカレーターを撮影(2020年2月7日)
運賃計算の特例(JR)
運賃計算上の隣の駅が(当駅発着の全列車が通過する)鶴見駅となっていることから、後述する運賃計算の特例が新たに設定された。この結果、列車運転上の隣駅である武蔵小杉駅までの運賃(310円[注 3])よりも、直通線のルートから外れている鶴見駅や国道駅までの運賃(170円[注 3])の方が安いという捻れが発生している[29]。
- 当駅と横浜駅以遠(保土ケ谷駅または桜木町駅方面)の各駅相互間を乗車する場合は、鶴見駅 - 武蔵小杉駅間を折り返して乗車することができる[30]。
- 当駅と鶴見駅・新子安駅・東神奈川駅または川崎駅以遠(蒲田駅または尻手駅方面)、国道駅以遠(鶴見小野駅方面)もしくは大口駅以遠(菊名駅方面)の各駅との相互間を乗車する場合は、鶴見駅・新子安駅・東神奈川駅 - 横浜駅間と鶴見駅 - 武蔵小杉駅間を折り返して乗車することができる[注 4][30]。
- 当駅 - 新川崎駅相互間を乗車する場合、武蔵小杉駅 - 新川崎駅間を折り返して乗車することができる[30]。
- 横浜市内発着の乗車券で当駅から(または当駅まで)乗車する場合、途中下車をしなければ鶴見駅 - 武蔵小杉駅間を乗車できる[31]。
特記事項
- 当駅 - 鶴見駅間の駅間キロ程は8.8 kmで、これは首都圏のJR電車特定区間内では最長の駅間距離である[注 5]。
- 横浜市と鶴見区が本路線の整備に呼応して、鶴見駅における中距離列車のプラットホーム新設をJR側に働き掛けている(鶴見駅中距離電車停車等推進期成会)。
- 相鉄とJR東日本の乗務員交代は本駅で行われている[32]。
- いずみ野線の延伸による新駅の開業を想定し、40番台の数字をスキップして、当駅を50番台の駅番号とした経緯がある[5]。
- TASC(定位置停止装置)を開業時から供用している。
- タモリ倶楽部の番組内の企画の一つである『タモリ電車クラブ』で開業前の当駅を訪問し、タモリら出演者が直筆で2番線の柱用駅名標の1つにサインをした。
- 東海道貨物線の横浜羽沢駅に隣接するが、営業上は別駅の扱いとなり、事実上東海道本線支線の終着駅の一つとなっている。同駅および戸塚駅方面へは鶴見駅・新子安駅経由で計算されることになる。
- 当駅は相鉄新横浜線[注 6]ならびにJR東海道本線に所属するが、当駅を含む西谷駅 − 武蔵小杉駅間において「新横浜線」「東海道線」の呼称は用いられていない。
再開発
(相鉄・東急直通線の開業年度となる)2023年度中での完成を目指して駅前の再開発工事が進められている。2019年11月30日に開催された開業イベント「ハザコクフェスタ」で、その概要が明らかとなった[19]。以前にも都市計画に関する情報が断片的に展開されていたが[33]、より詳細な内容がイベントで語られた。
駅周辺
バス路線
停留所名は「羽沢横浜国大駅前」で、当駅の開業に伴い「羽沢貨物駅」から改称された[36]。神奈川中央交通が運行する下記の路線が乗り入れる。
隣の駅
建設中の路線
- 相模鉄道
- 相鉄新横浜線
- 新横浜駅(仮称) - 羽沢横浜国大駅 (SO51)
脚注
記事本文
注釈
- ^ JR以外の鉄道事業者が管轄する特定都区市内の駅は常磐緩行線綾瀬駅(東京メトロが管轄)、南武線八丁畷駅(京急が管轄)に次いで3例目となる。
- ^ 1番線はアクシデントによる臨時始発時のみ扱われる。
- ^ a b 大人かつ紙のきっぷで購入した場合。
- ^ 湘南新宿ライン高崎線 - 東海道線系統の特例と同一内容
- ^ 鶴見駅は営業上(運賃計算上)の「隣の駅」であり、列車運転上は全ての列車が16.6km先の武蔵小杉駅まで停車しない。
- ^ ただし2019年12月現在、この路線名はJR東日本ホームページにおける駅情報などでのみ用いられており、駅管理を行う相鉄側は旅客案内上「相鉄・JR直通線」または「JR直通線」の名称を用いている。
出典
- ^ a b “神奈川東部方面線の路線名称を「相鉄新横浜線」「東急新横浜線」に決定<相模鉄道(株)・東京急行電鉄(株)>” (PDF). 相模鉄道 / 東急電鉄 (2018年12月13日). 2018年12月13日閲覧。
- ^ a b c d “相鉄・JR直通線に関わるJR線区間の運賃等について”. 東日本旅客鉄道 (2019年2月26日). 2019年2月26日閲覧。
- ^ a b c d “相鉄・JR直通線 新駅名称を「羽沢横浜国大駅」に” (PDF). 相模鉄道株式会社 (2017年12月11日). 2017年12月11日閲覧。
- ^ a b 都市鉄道利便増進事業 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線|羽沢駅工事 - 鉄道・運輸機構、相模鉄道、東京急行電鉄。2013年4月14日閲覧
- ^ a b “相鉄の都心直通で誕生した羽沢横浜国大駅、駅番号「SO51」のなぜ”. 日経ビジネス. 2019年12月12日閲覧。
- ^ a b c d e “相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線ともに開業延期 - 建設費4,000億円以上に”. マイナビニュース. (2016年8月26日) 2016年8月26日閲覧。
- ^ a b c "相鉄・JR直通線の開業日決定" (PDF) (Press release). 相模鉄道株式会社・東日本旅客鉄道株式会社. 28 March 2019. 2019年3月30日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2019年11月25日閲覧。
- ^ “相鉄・JR直通線の運行計画の概要について”. 相模鉄道・東日本旅客鉄道 (2019年7月16日). 2019年7月16日閲覧。
- ^ “よくあるご質問 11.30ダイヤ改正”. 相模鉄道. 2019年11月5日閲覧。
- ^ a b c "直通運転開始により都心へのアクセスが向上 二俣川〜新宿最速44分 11月30日(土)相鉄線のダイヤ改正を実施 平日朝のラッシュ時間帯に通勤特急・通勤急行を導入" (PDF) (Press release). 相模鉄道. 5 November 2019. 2019年11月19日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2019年11月25日閲覧。
- ^ よくある質問(FAQ)/ お問い合わせ - 相模鉄道。2017年12月12日閲覧
- ^ “開業目前、「相鉄・JR直通」ダイヤ作成の舞台裏 | 通勤電車”. 東洋経済オンライン (2019年10月24日). 2020年2月9日閲覧。
- ^ 都市鉄道利便増進事業 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線|相鉄・JR直通線 - 鉄道・運輸機構、相模鉄道、東京急行電鉄(現・東急電鉄)。2013年4月14日閲覧
- ^ 相鉄・JR直通線事業に関するお知らせ - 鉄道・運輸機構。2013年4月23日閲覧
- ^ 都市鉄道利便増進事業 相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線|相鉄・東急直通線 - 鉄道・運輸機構、相模鉄道、東京急行電鉄(現・東急電鉄)。2013年4月14日閲覧
- ^ a b “相鉄・JR直通線、新駅名は「羽沢横浜国大」 2019年度開業”. resemom. 2019年11月29日閲覧。
- ^ a b “相鉄・東急直通線は「着実に進展」、羽沢横浜国大駅の記念式典で国交大臣”. 横浜日吉新聞. 2019年11月29日閲覧。
- ^ “相鉄・JR直通線の開業日に相鉄全駅入場券…羽沢横浜国大駅開業を記念して発売 11月30日から”. response.jp. 2019年11月29日閲覧。
- ^ a b c “羽沢横浜国大で対談イベント、駅前再開発の完成は「東急直通」開業後に”. 新横浜新聞(しんよこ新聞) (2019年12月1日). 2019年12月2日閲覧。
- ^ “羽沢横浜国大新駅開業記念イベント30日「ハザコクフェスタ」”. タウンニュース. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “羽沢横浜国大駅、ついに開業記念券に長蛇の列”. タウンニュース. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “相鉄線 都心に直通運転開始 新駅は混雑 長蛇の列も”. FNS. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “相鉄線20年ぶりの新駅「羽沢横浜国大駅」開業向けて発車式”. 港北経済新聞. 2019年11月29日閲覧。
- ^ “相鉄・JR直通線いよいよ開業へ、羽沢横浜国大駅で発車式が行われる”. マイナビニュース. 2019年11月29日閲覧。
- ^ a b “時刻表”. 羽沢横浜国大駅. 東日本旅客鉄道. 2019年11月25日閲覧。
- ^ “相模鉄道「都心直通」で誕生、20年ぶりの新駅は何がスゴいのか?”. ニコニコニュース (ニコニコニュース). (2019年4月24日)
- ^ “相鉄・JR直通で誕生する「羽沢横浜国大駅」の利便性が恐ろしく悪いワケ”. ダイアモンド. 2019年12月12日閲覧。
- ^ “「遠い駅」の方が安い? 相鉄・JR直通線の運賃のナゾ”. 鉄道コム・朝日インタラクティブ(2019年11月30日作成). 2019年11月30日閲覧。
- ^ a b c “特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例│きっぷのルール:JRおでかけネット”. www.jr-odekake.net. 2019年11月26日閲覧。
- ^ “「横浜市内」発着となる乗車券による市外乗車の特例│きっぷのルール:JRおでかけネット”. www.jr-odekake.net. 2019年11月26日閲覧。
- ^ “相鉄の都心直通で誕生した羽沢横浜国大駅、駅番号「SO51」のなぜ”. 日経ビジネス. 2019年12月12日閲覧。
- ^ ““新横浜都心部”エリアの「羽沢」、相鉄直通線で新たな拠点駅と街が生まれる”. 新横浜新聞(しんよこ新聞) (2017年7月28日). 2019年12月2日閲覧。
- ^ “<レポート>早ければ1年後に開業の「羽沢横浜国大駅」、再開発は“東急直通”時に照準”. 新横浜新聞(しんよこ新聞) (2018年9月30日). 2019年12月10日閲覧。
- ^ “横浜国立大学アクセス案内”. 横浜国立大学 (2019年10月31日). 2019年10月31日閲覧。
- ^ “「羽沢横浜国大駅」開業に伴う運行時刻及び停留所名称の変更について(11/30実施)”. 神奈川中央交通 (2019年11月21日). 2020年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月22日閲覧。
- ^ 新駅開業・相互直通運転開始記念イベント「ハザコクフェスタ」を開催 (PDF) - 相模鉄道、2019年11月15日
- ^ 駅の情報(羽沢横浜国大駅) - JR東日本
- ^ 相鉄・JR直通線の運行計画の概要について (PDF) - 相模鉄道、2019年7月16日、同日閲覧
関連項目
外部リンク
- 相模鉄道 羽沢横浜国大駅
- 駅の情報(羽沢横浜国大駅):JR東日本
このテンプレートはノート:神奈川東部方面線での議論を受けて廃止されました。 代わりに{{東急新横浜線}}、{{相鉄新横浜線}}のいずれかを使用してください。 |