氷食尖峰
概要
山頂部が鋭く尖ったピラミッド型の岩峰を指し、高山で見られる。氷河により谷が削られてできた圏谷が、複数方向から山を削ってできる。米国の地理学者であるウィリアム・モーリス・ディヴィスの地形の侵食輪廻では、壮年期に分類される山地で見られる。
遠方からでも判別できる地形であるため、登山者にとっては良い目印となるが、登頂する場合の難易度は高い。
形成
山体に近接する氷河は、椀の底のような形状のカールを形成する。氷河が流下し回転しながら、中央から末端では融解凍結により底部を削り、側壁付近では下降する動きによって引き離され(岩盤に達するほどの深いクレバスを生じ)底部の岩盤の剥ぎ取りや破砕作用が働き、半球状のカールが作られる。カールの成長すると挟まれた側壁や稜線が鋭く切り立つようになる。 3つ以上のカールが取り囲むと氷食尖峰(ホーン)となり、氷河地域ではよく見られる形状である。複数面で囲まれた頂部は、面に対応するカールがあったことを示すもので、3−4のカールによるホーンが多い。 [1]
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氷河とカールの形成
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上から見たカールの成長
C: カール、A: 急峻な稜線、H: ホーン、M: 残部、灰色: 氷食されていない
代表例
脚注
関連項目
外部リンク
- 日本の典型地形 氷食尖峰 - 国土地理院